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タイトル:609studio No.373◆現代時評:「海賊相手の戦争」  2009/02/03


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/2/3  No.373
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
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            休刊のお知らせ

 都合により、次週2月10日号、17日号及び24日号は休刊させて
 いただきます。この間のセコリョ新聞日本語版は後日まとめてお届け
 いたします。
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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:「海賊相手の戦争」   Ken

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆コラム・EYE「アナログ放送中止の怪」:片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:2009年1月30日号

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から
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          小説「ムンバイに消ゆ」

  この小説は初めてインドへ行った時に受けた強烈な印象をそのまま
  書いたものです。お読みいただき、皆様の感想をお寄せください。

     小説「ムンバイに消ゆ」は以下に掲載してあります。

  http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

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◆現代時評:「海賊相手の戦争」   Ken
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◆◆   アサヒコム 2009.2.01  ソマリア暫定政府の国会は
31日、イスラム穏健派のシェイク・シャリフ・アフメド氏(44)を
新大統領に選出した。ユスフ前大統領は、政権混乱の責任をとって08
年12月に辞任していた。 1月下旬、ソマリア駐留エチオピア軍が完
全に撤退し、治安面に不安があるため、選出は隣国ジブチで実施した。
  アフメド氏は06年に約半年 間、首都モガディシオを支配したイス
ラム法廷連合の指導者。

◆◆ 毎日JP 2009.1.28 海自が日本関連の商船を護衛す
れば、海賊に対する抑止効果となることは間違いない。しかし、そのこ
とと海警行動が妥当かどうかは別問題だ。海賊対策で自衛隊を海外派遣
するなら、やはり国会審議を経た新法制定が筋である。(中略)  海警行
動による派遣に関する政府・与党内の議論で最大のテーマは武器使用基
準だった。海警行動では警察官職務執行法を準用するため、武器使用は
正当防衛・緊急避難に限られ、犯罪者の逃亡を防ぐための船体射撃は日
本の領海に限られる。議論では、内閣官房が警告・威嚇射撃だけでなく
船体射撃もできるケースもあると主張し、防衛省が難色を示す場面もあ
った。結局、具体的な基準は、防衛省などが非公開の部隊行動基準(R
OE)で定めることになった。

■■ 海賊が居て、わが商船やタンカーを襲うのなら、その海賊を征伐
すればいい。 桃太郎の鬼が島退治か、大江山の金太郎みたいなもので
ある。 とボク等は常識的に考え、それをなぜ四の五の理屈をつけて自
衛隊の派遣を躊躇うのか。 だから、わが政府は優柔不断で役に立たな
い。
■■ とまあこのように考え、頼りない政府の悪口に終始していたのが
、庶民の昨日までの姿であった。 それが派兵決定の最終段階になり、
そうもいかぬ理由がようやくはっきりしてきた。 要するに、相手が敵
国であればこれは戦争だから、自衛であろうとナンであろうとすぐにで
も派兵できる。 だがソマリア沿海の無法者たちは敵国でなく、「海賊
」という名の特定の不逞集団だから、いわば海のギャングで、それを排
除するのに軍隊を出動させるわけにはいかない。警察(海上保安庁)の
担当範囲なのだ、というのがわが政府の理屈らしい。 ところがそのギ
ャングの装備や規律がなまじの四流国家の軍隊以上であり、物々しい軍
隊同様の陣立てをして完全装備で行かなければ危険であるのだそうであ
る。
■■ 警察行為ではピストルをぶっ放してもいいが、わが自衛隊という
軍隊ならば「戦争放棄の憲法」の手前、そうはいかぬ。 どうしても新
立法が必要であり、それが早い間に合わぬとなればやむを得ぬ、「警察
官職務執行法」を準用しよう、というのがおおぜいの政治家や官僚が知
恵を絞った結果なのだ。 しからば軍隊と警察はどこが違うか。 ボク
はそう難しく考える必要は無いと思う。 何度も引き合いに出すが、例
えばフィリッピンという国を考えればいい。 彼らは陸軍、海軍、空軍
に警察軍を併せて四軍と称し、警察も軍隊の内に包含していてなんら問
題はない。 それを四角四面に考え、どうでもいい理屈を捏ね回す知っ
たかぶりの学者が日本には多過ぎる。 「船頭多くして船やまに登る」
の諺を地で行くきらいがあるようにボクなどは思う。 ギャングは退治
さえすればそれでいい。 中国流に言えばねずみさえ捕れれば、白猫で
あろうと黒猫であろうと構わない。 白猫にしようか、それとも黒ねこ
にしようかと、荏然小田原評定を重ねる政府役人を見ていると、親方日
の丸の馬鹿さ加減に腹が立つのはボクのみでなかろう。

■■ それよりも今回の場合、敵が「海賊」という特殊集団であるだけ
に、将来厄介極まる相手になるのではないかという予感がする。 それ
を考えて見たい。

■■ 先ずソマリアという国。 第2次大戦まではイタリアの属領にな
っていたようだが、現在のところそこを統治する政府は無いも同様で、
わが国などはソマリア暫定政権というもの自体を認めていない。つまり
完全に国が滅んだ後の、21世紀地球上で珍しい空白地帯、というのが実
際の姿である。
 ならば、どこか領土野心に富んだ国が押しかけて行き、自領にすれば
いいようなものだが、いまのところそこまで積極的な国が現れていない
。その間隙を縫い、だいぶ賢い現地人たちと、それに出資している連中
が組んで「海賊」集団を組織し、航行する船舶を捕まえ、身代金稼ぎ商
売で大儲けしているのは明らかであるという。 ソマリア沖の「海賊」
たちは、武器装備は優秀、なまじの4流国軍隊以上の規律もあるようだ
。拿捕した船体積荷や乗組員たちに取りあえずの危害を加えることはな
く、ただ身代金が欲しいだけであるらしい。 

■■ 第2次大戦直後のこと、ある旧南京政府の亡命高級官僚が、こん
な身の上話をボクにしたことがある。 「私は東大を卒業し、泰西の学
問を身につけ故郷中国へ帰り、先ず<緑林・白浪の群れ>に身を投じよ
うとした。 由来、中国では、出世するには先ず緑林・白浪から出発す
るのが通例であった。緑林とは山賊、白浪とは海賊の美称である。 馬
占山や張作霖は東北の緑林から身をおこした。 明の遺臣鄭成功は白浪
の出身で台湾の王になり、王直は和寇の首領として徽王を僭称した」  
「しからば緑林と白浪とではどちらが得か。 もちろん白浪の方がスマ
ートかつロマンティックで、世間受けがよく、人民がついてくる。が、
元手に巨額の建艦費が要るのが難点である。 しかしひとたび装備のい
い艦隊を造り終えれば、あとはわり合い簡単で、犯す相手は海上の商船
や自分たちに関係が薄い異国ばかりで、自分たちの港の住民たちには分
捕ってきた財宝を分け与えさえすれば、庶民憧憬の的になる。 それに
比べると緑林(山賊)は近辺の金満家や農村を襲うことが多く、いきお
い庶民怨嗟の的になりかねない。 だからつねに山賊には無法者、海賊
には義賊の尊称が与えられる。 義賊には大衆の味方がつき、無法者は
なんどき陥れられるか分からない」

■■ それかあらぬか、我々の稗史(はいし)を辿れば「海賊」には、
つねに山賊に無いいくらかの賛美が伴う。 芝居に出てくる「白波五人
男」がその適例であり、瀬戸の海賊河野水軍や、熊野海賊の九鬼、ある
いは堅田の湖賊のごとく、「海賊」という言葉そのものに憧れの意味さ
え篭められている。 明治以後にも、なぜか陸軍より海軍の方がスマー
トに見えたのも、こうした「海賊」以来の庶民の美しき者賛美の先入観
によるものであろう。 聖将東郷平八郎という尊称もあるが、聖将大山
巖という言葉は聞かない。

■■ このたびのソマリア沿岸の海賊たちについても、近辺住民たちに
よる海上ギャングへの怨嗟の声は皆無のようである。 なるほど、航行
する船舶が捕らえられ、身代金を寄越せというニュースは報じられてい
るが、付近住民の関係者からは「海賊を退治してくれ」の言葉は伝わっ
て来ない。 

■■ どうもおかしいと思っていると、最近、ソマリアを担当する駒野
エチオピア大使の言葉が新聞に出ていた。「海賊が若者たちのあこがれ
の職業になっている。 海賊の多くは沿岸を拠点とする元漁民で、無政
府状態になった91年以降、当初は漁場を荒らす外国の漁船を追い払う
目的で武装。その後、私兵集団と結びついて人質の身代金狙いの海賊行
為に手を染めるようになった。 海賊のリーダーは現地では「最も女性
にもてる存在」である。荒稼ぎした金で海岸の一等地に豪邸を建て、豪
華な結婚式を挙げる様子がアフリカの新聞や雑誌で取りあげられ、豊か
な生活の「象徴」にもなっている」。 「海賊は自動小銃やロケット砲
で武装し、複数の高速艇で襲いかかるのが手口。しかし、護衛艦が守っ
ている船隊に近づくことはない。 商船やタンカーを分捕っても、仲介
専業者をして「身代金」を支払うまで留め置くだけで、その乗組員たち
に危害を加えることはなく、規律は想像以上に守られている」。
 
■■ 思うに、おそらくその昔の琵琶湖堅田の湖賊か、伊予水軍の如き
状態なのであろう。 彼らにしてみれば、資本主義の権化である商船や
タンカーに航行上の自由を与えてやっているのだから、少々のみかじめ
料くらいは寄越せという、「理屈」程度はあるかも。

■■ こうした海賊たちから船舶を守るために軍艦を派遣するというの
は、どうやらこちら側の、いわば資本主義の覇者たちの勝手な理屈だけ
かも知れない。 ソマリア近辺の人々としては、たかが第1次大戦前後
という近代に、戦勝国側が勝手に決めた先取得権を基とする石油利権、
航行権、領土権、商権をたてにとり、他人の鼻先の海上をわが物顔に航
行する連中からは通行料をせしめるのはとうぜんのこと、と思っている
のかもしれない。 

■■ 堅田の湖賊や瀬戸内の海賊と共に、歴史上同じく堂々としていた
のはカリブ海の海賊フランシス・ドレークであった。 若くしてカリブ
私掠船の提督として名を馳せたドレークは、英女王公認の海賊としてス
ペインの船舶を襲い、英女王にナイト爵に叙せられたのが1580年で
あった。 その名を慕った後継者たちはキャベンディシュ、ダンビア、
ロジャースと続き、最後のアンソンが英国公認の海賊を廃業したのはよ
うやく1774年、つまり今から200年前のことであった。 ドレー
ク中将の栄光の余波はいまなおシカゴ、トロント、サンフランシスコの
ホテルにその名を残している。 つまり、「海賊」と「名誉ある提督」
とは西洋史上つい最近まで同じものであったのだ。 それを、いまごろ
急にソマリアの海賊がさも怪しからぬ悪行を働いているかに言っても、
先進諸国の間では兎も角、アフリカにあってまだ陽の目をみないソマリ
ア辺りの住民たちにとっては理解し難い話ではないだろうか。彼らが、
目先、身代金を分け与えてくれる海賊の方に肩入れしたくなる気持も分
かってやるべきだ。

■■ もし地球全体の将来を考えるのなら、先ず、ソマリアという、か
っては一つの国であった亡国の地に、安定した、住民全体への福祉が充
実した安全国家を、先進国側が作り上げてやることの方を優先すべきで
はなかろうか。 単に軍艦を派遣し、自国商船の通行を守ろうとする行
為だけでは当座の弥縫策に過ぎない。 ひとたび憧れの海賊たちから分
け前を貰うという美酒に酔ったことのあるソマリア近海の住民たちに、
一方的な資本主義社会のルールを説いて聞かせても、そう簡単に納得す
るかどうか、たぶんに疑問の存するところである。 彼らにとっては、
海賊は義民であり、憧れの的であるという事実を認識し、それを出発点
としてソマリア海賊への解決策を考えない限り、問題は永遠に片付かな
い。
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◆本澤二郎の「日本の風景」
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<ダボス会議>

 少しでも国民の評価を高めようと躍起の日本国の総理大臣は、大好き
な政府専用機を飛ばしてスイスのダボスに出かけた。「得意の英語」を
ひけらかせる格好の場所であったのだが、彼の口からは永田町で聞こえ
る日本語の演説だった。

 麻生周辺からは「英語が得意」と聞かされていたが、どうやら彼の英
語は国際舞台では通用しない日常会話レベルであることを暴露してしま
った。真紀子の英語レベルにも達していなかった。
 政治や経済など複雑な英語を掌に理解、話せるのは、やはり宮澤喜一
である。彼をしのぐ英語使いはまだ、この日本の政界にはいない。留学
経験のある小泉や安倍らも問題外だ。

<失墜した経済界>

 このダボス会議の主役は、かねてから世界経済を主導する経済人だっ
た。それが、今回は姿を消した。彼らは、世界経済を破綻させたA級戦
犯であった。経営者として人類に不幸をもたらしている面々である。胸
を張れるはずもない。
 主役交代である。日ごろ「自由な経済活動」を主張して、政治の介入
を極度に嫌ってきた市場万能主義の資本家が、今回は一転して政治家に
両手を合わせて助けを求めているではないか。それが今回のダボス会議
の特徴なのである。
 その政治は、血税を倒産銀行に注入するだけである。景気刺激のため
と称して血税を、あるいは莫大な借金をして、予算を編成するだけの無
能政治家ばかりである。倒産銀行の手先のような政治家ではないのか。
 金融危機の根源を暴き、二度と繰り返させないためのルールを確立す
るような指導者はいない。ダボスにそんな人物は現れなかった。時間の
浪費といわれるような会議に、世界の指導層は大金を使って自己・自国
の宣伝に汗をかいた。ただ、それだけのことである。税金の無駄遣いだ
ろう。

全文>>
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51377496.html
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◆コラム・EYE「アナログ放送中止の怪」:片山通夫
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 総務省のHPにはテレビ放送をデジタル化することにより「こんな良
いことが!」とバラ色の世界が描かれている。しかし一方で、現在、想
像を絶する不況だそうな。 

  だから新聞やテレビの広告収入も激減している。週刊東洋経済1月3
1日号の表紙には、「テレビ・新聞陥落」の文字が躍る。そのテレビが
2011年7月からアナログ放送を中止して、デジタル放送に完全移行
する。この措置によって放送局は(特に地方の)破滅に向かいそうだ。
莫大な設備資金(一説では投資総額1兆440億円)が必要だという。
不況の折、頼みのスポンサーが見つからずに右往左往している姿が目に
浮かぶようである。

 このデジタルへの移行だが、筆者は光ファイバー通信の利用をなぜし
なかったのか不思議に思う。たとえばNTTのHPを見ると光通信網(
光ファイバー)利用で、テレビも見ることができるとある。
 つまり、ハイビジョン放送も楽しめるというわけだ。それなら莫大な
費用をかけてデジタル放送に移行せずとも、光ファイバーを全国に張り
巡らして、インターネットやIP電話はもとより、テレビ放送も全国規
模で展開すれば良いのにと思うのは筆者だけなのか?いずれにしてもお
そらく過疎対策も含めて光ファイバー網は全国に展開されることと思う
。そのインフラを利用してデジタル放送を送出するという案はそんなに
奇抜なものではない。現在すでにかなりの数の放送やDVDのレンタル
に代わるサービスが行われている。

 ただそうなると「キー局」とその他の「地方局」との差がなくなる。
地方にいて全国のテレビ放送を見ることができる理屈だ。アメリカの新
聞が日本で読むことができるように。つまりテレビの世界での「中央集
権」は完全に消滅する可能性(危険性?)がある。また、総務省が「放
送局を限りある資源である電波を利用するという意味で現状の免許制で
縛る」ということもできなくなる。

 このような事態になると、「困る輩」が居そうだ。

 まさか、その「困る輩」のためだけに、1兆440億円かけてデジタ
ル化するというのではあるまいと思いたいが・・・。

余談だが、新聞は夕刊をなくすべきだ。ニュースは今や、携帯電話も含
めて様々な媒体で知ることができる。それに以前から夕刊のない地域も
あり、また夕刊を廃止した全国紙の地域もあり、最近も沖縄の琉球新報
や沖縄タイムスも夕刊を廃止するという。テレビも新聞も過去の栄光に
安穏としていられる時代ではない。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2009年1月30日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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中小企業支援

 さる26日、地方指導者らを招集した州政府拡大会議で「2009〜
2011年間のサハリン州における中小企業発展のための特別プログラ
ム」の審議が行われた。現在、サハリン州に登録されている中小企業数
は2万4千、彼らの納税額は年間40億ルーブルで州保健予算の半分を
占める金額である。また、サハリン州全体勤労者の3分の1に当る約1
0万人が中小企業で働いている。1年半前に制定された連邦政府の中小
企業支援法に基づき、昨年10月にはサハリン州政府も中小企業発展プ
ログラムを建てた。それにより中小企業の専門家教育への支援をはじめ
多様な支援策が講じられる。州政府は2011年末まで中小企業数を3
万まで増やし、16万人を雇用できるようにする他、中小企業による税
収を60億ルーブルまで上げる方針だ。現在、地方レベルで中小企業支
援策を講じているのは19の区域のうち5つのみ。州知事は同拡大会で
地方レベルで一層中小企業発展に力を入れるように訴えた。

経済危機克服策

 さる27日に開かれたサハリン州自治体連合会議で州政府は各自治体
に今日の経済危機を乗り越えるために積極的な対策を講じるように訴え
た。物価の値上を抑え、失業者らの就業を斡旋するなど地域の労働市場
と物価安定に万全を尽くすように指示すると共にこれらと関連した対策
への支援をも約束した。

2009年1・4分期最低生活費

 先日、サハリン州政府は今年1・4分期の最低生活費を発表した。そ
れによると、住民一人当たりの最低生活費は7、531ルーブル。具体
的には動労能力のある住民は7、972ルーブル、年金生活者6、11
7ルーブル、子供7,100ルーブルである。

国際書道展示会開催

 2月5日、サハリン州立美術館で「筆の芸術」というテーマで国際書
道展示会が開かれる。中国、日本、韓国の書道家らの作品80点余りが
展示される予定。又、期間中に韓国と日本の書道家による書道指導プロ
グラムもあるとのこと。

犯罪数減少

 先週の月曜日に行われたサハリン州検事局会議での報告によると、昨
年サハリン州内の犯罪件数は9%が減少。特に未成年者の犯罪が大幅に
減少したことがわかった(−18.3%)。

百万長者数増加

 サハリン州税務局によると、昨年数百万ルーブルを稼いだ百万長者が
、2007年度の748人から2900人へと増えたことがわかった。
個人事業家中約23人は5億ルーブル程の所得を得たと申告し、それ以
上を稼いだ人も一人。

クリルに燃料供給関連施設建設

 「2007〜2015年間のクリル発展プログラム」のために連邦政
府は180億ルーブルの予算を算定しており、今年は燃料供給関連施設
の建設などに24.3億ルーブルを割当てるとプログラム担当責任者ワ
レリ・ゴルノノフさんが伝えた。同プログラムは2段階に分けられて推
進される。第1段階の2010年までは運輸、動力及び社会インフラ構
築に注力、第2段階では水産業、観光業、鉱業の発展に力を入れる予定。

サハリン州の特権者は何人?

 サハリン州住民社会保護管理局は21日の記者会見で、サハリン住民
8万人が特権を持っており、彼らには電気や住宅管理費など公共料金の
一部を連邦や州政府が払っていることがわかった。連邦政府から特権を
認められた人も3.1万人。州全体の人口が50万、その中の8万人が
特別保護や支援を受けている。少なくない人数だ。

不動産価格10%低下

 イタルタス通信によると、22日ロシア国会で地域省長官ヴェ・バサ
ルギン氏が今後ロシアの不動産価格が10%程低下すると言及した。原
因は建材価格の低下によるものとこと。

旧正月を祝う

 24日、ユジノサハリンスク市韓人会は韓人文化センターへ60歳以
上の同胞を招待し、共に旧正月を祝った。伝統衣装を着た若い学生たち
が入り口で新年の挨拶をしながら年寄りを向かえる他、簡単なコンサー
トとゲームも用意されており、一緒に歌い、踊る楽しくお正月を迎えた
。又、韓人会の会員さんらの韓国式手作り料理も楽しみの一つだった。
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◆コーヒーブレイクから         
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*小説「ムンバイに消ゆ」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html

コーヒーブレイクへ
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 都合により、次週2月10日号、17日号及び24日号は休刊させて
 いただきます。ご了承ください。

◆山形県知事選で自民党が敗れたのに続いて、麻生首相の出身地に近い
北九州市の市議選でも自民党は公認候補3人が落選し、首相の、そして
自民党の不人気ぶりが鮮明になった。
 解散しなくても、否応なく衆議院選は今年秋にはやってくる。それま
でに、現在の支持率を上げることができるか微妙になってきた。自民党
の国会議員は浮足立っているという噂もちらほら聞こえだした。たいて
いの場合、首相との2ショットの写真をポスターに使っているのだが、
今回は「敬遠したい」という意向のようだ。
 自身の党からも見放された麻生首相、とても潔く解散とは行くまい。

◆潔くと言えば、昨年秋にノーベル賞を受賞した益川敏英・京都産業大
教授が発言をしている。「憲法九条を守ろう」と。そのために学者を辞
してもとも。
 自らの戦争体験を行動に移そうとする氏を応援したい。
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発行     2009年2月3日   No.373
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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