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タイトル:609studio No.372◆本澤二郎の「日本の風景」  2009/01/27


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/1/27  No.372
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
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事など話題満載! 
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◆現代時評:休載です。

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆コラムEYE「小浜とオバマ」:片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から
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          小説「ムンバイに消ゆ」

  この小説は初めてインドへ行った時に受けた強烈な印象をそのまま
  書いたものです。お読みいただき、皆様の感想をお寄せください。

     小説「ムンバイに消ゆ」は以下に掲載してあります。

  http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆本澤二郎の「日本の風景」
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<麻生太郎は総理失格>

 森の傀儡政権のような太郎内閣が、戦後最大の危機にある日本丸船長
の舵取りなどは土台、無理であろう。史上最低の森内閣の後継者なのだ
から、期待するほうがおかしい。

こうした選択しか出来ない自民党に、そもそも政権党の資格がないので
ある。
 彼はこの非常時を悪用して、財務官僚悲願の消費税を値上げしようと
いうのだから、頭が狂っているとしかいいようがない。資本家出身には
、大衆の怒りが国会議員を含む公務員退治だということを、まるでわか
っていない。
 特権化している公務員の人件費を下げる、人員を大幅に削減すること
で、ふくらみ続ける財政を抑えるしか、今の日本に打つ手はないではな
いか。歳出削減である。役人を減らせば、莫大な無駄が省けるのである
。もともと役人は国民のことなど眼中にない。縄張り・権益を拡大し、
出世することしか関心のない特異な人種ではないか。
 小学生でもわかる理屈だ。どこの政府も、税収が減少すれば公務員コ
スト削減を当たり前のようにしている。失業者・若者の怒りの捌け口が
、公務員に向けられるのを今後も放置しようというのか。特権化してい
る役人保護の法制度を改めればいい。これが改革の第一歩である。これ
に手をつけないで大衆大増税に突き進む太郎内閣は、官僚にそっくり操
られているという決定的な証拠であろう。

<消費増税にこだわる理由>

 なにゆえ、富者に配慮ばかりして大衆いじめである消費税の増税にこ
だわるのか。孫にまで借金を作ってしまった官僚たちが、それでもまだ
血税でもって甘い汁を吸おうというのであろう。増税による景気後退、
市民生活の劣化などおかまいなしなのか。あるいは増税することで、失
政責任を覆い隠せるとでも思い込んでいるのか。
 輸出産業のトヨタまで失墜した日本丸の先行きを心配して、庶民から
金を吸い上げる消費増税を打ち出の小槌にしようというのであろうが、
そんな政府を国民が許すはずもない。それが苦労知らずの坊ちゃん総理
にはわからないらしい。
 その前に医療・宗教・教育といった優遇税制、高額所得者への優遇税
制を改めることが先決ではないか。そして何よりも血税をたっぷり懐に
いれている役人にメスを入れなければなるまい。順序がさかさまである。
 太郎も森同様に大した人物でないと心底信じている狐のような官僚た
ちが、無能な官邸の主にゴマをするサマを国民は想像してしまう。「消
費増税でしか財政は再建できない」と耳打ちし、小さな脳みそを洗脳し
てしまったのであろう。そうすることで、小さな政府へと引きずり込も
うとする世論を封じ込めようというのか。

 官僚に操られた典型的な太郎内閣だ。

<行革に無関心>

 官僚に手玉に取られた内閣は、行革に不熱心である。鈴木内閣が誕生
したさい、行政管理庁長官に中曽根康弘が就任するのだが、当初、彼は
このポストに不満だった。「役人を敵に回すと天下は取れない」と考え
ていたからである。就任の直前に中曽根は、多摩地区の日の出山荘に派
閥担当の記者団を招いた。ここは彼が総理としてレーガン大統領を接待
した場所としても知られている。
 農家を改装した山荘には囲炉裏があった。ふっくらとした座布団がい
くつも重ねてあった。それを中曽根は「池田大作さんからいただいたも
のだよ」と記者連に紹介した。組織人間が生きていくにはあちらこちら
に配慮しなければならないものか、と少しく驚いた記憶がある。
 飲んで食べて騒いだあと庭の縁台で、煌々と照る月を見ながら派閥の
大将に訓示したものである。当時の筆者は、彼の正体を正確に掴んでい
なかったことから、彼に悪い印象を持っていなかった。改憲論を振り回
すそぶりを見せていなかった。そのせいで精一杯の進言をしたものだ。
「あなたの弱点は財界が支持していないことだ。その財界は、いま政府
に行革を求めている。民間の苦労を役人も、と考えているからだ。行政
管理庁長官に就くことが財界との結びつきを強めることになる。就任す
べきだ」と彼の背中を押してやった。素直に聞いていたのを覚えている。
 結果は、土光という財界の大物を抱きこむことが出来た。それなりの
成果を収めて、見事鈴木内閣の後継者になることが出来た。いえること
は、中曽根でもひるんだ行政改革だから、太郎が逃げる気持ちもわかる
。しかし、1000兆円を超える借金大国である。やらざるを得ないの
だ。「増税の前になすべきことをやれ」が天の声なのである。

<オバマを見習え>
 20日(アメリカ東部時間)に大統領に就任したオバマは翌日、上級
職員を前にして「経済危機の中で国民はベルトをきつく締めている。ワ
シントンもそうあるべきだ」と訓示した。太郎内閣にはこうしたセンス
が全くない。側近がいないせいだろう。
 池田勇人内閣が誕生すると、大平正芳官房長官は「総理、今日からゴ
ルフと料亭宴会はご法度ですよ」と釘を刺した。
 苦労人のオバマには不要らしい。本人自ら、ロビイストからの金品受
け取りを禁じた。過去2年以内にロビー活動に従事した人物を、同一分
野の政府部門からの任用を排除した。また、10万ドル(900万円)
以上の年収のある高官の昇給を凍結した。あざやかである。
 贅沢三昧の総理大臣には、役人を統制することなど出来ないのだろう
。たぶん、役人に規制を加えると反対にやりこめられると心配なのだろ
う。大衆の思いを理解できない金持ちや世襲を総理大臣にしてはいけな
いという見本のようである。政治無関心層でもこれはわかるだろう。
 太郎の母方の祖父・吉田茂は「日本は戦争に負けたのだ。負けた以上
、負けっぷりをよく見せなくてはならない」といってGHQに臨んだも
のだが、孫は政権延命装置にのみ関心を示している。小物なのだ。吉田
が好きだった呑舟の魚ではない。
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◆コラムEYE「小浜とオバマ」:片山通夫
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  米大統領の就任式を控えて、首都ワシントンはヒートアップしてい
るようだ。人口60万人ほどのワシントンD.Cに300万人もの人々
が詰めかけるというニュースも流れていた。一方、(勝手に?)オバマ
候補(当時)を応援していた福井県小浜市には困惑が広がっているとい
う。 
 当初、今日20日の大統領就任式に出席したいとしていた小浜市だが
、チケットの入手が不可能になった。しかし、オバマ(次期)大統領に
届けてというプレゼントや祝い品が続々と集まっている。選挙戦であれ
ほどの応援した市民の行為だとこれら60点を超える贈り物ならまだ理
解できる。しかし、他府県の市民からも小浜市に届くのだというのであ
る。この行動は何を意味するのだろうか。

 「日米の関係をより深めたい」という市民の熱意なのか。それとも「
平和と自由と平等」を説くオバマ氏に対する共感なのか。選挙で勝利し
たのちに麻生首相との電話会談で「小浜市のことをよく知っている」と
述べたからなのか。とうとう小浜市は「名誉市民になってもらいたい」
と意思表示をしたとか。

 この興奮・行動が何を意味するのか筆者にはまだ理解できないでいる
。「焼鯖とちりとてちん(NHKの朝ドラ)」以外に何もない(失礼!
)小浜市だったが、たまたま米・民主党の候補者が同名だったというだ
けのノリならば、それはそれで微笑ましい町おこしだ。筆者は考えた。
この興奮がいつまでも続き、若狭湾に面した小さな町の「名物」になれ
ばいいと。

 そのオバマ氏は今日第44代大統領に就任する。その就任演説が気に
なる。
*このコラムは1月20日掲載したものです。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2009年1月日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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 2009年1月23日号

州知事の今年初の記者会見

 さる16日、ア・ホロシャヴィンサハリン州知事が今年に入って初の
記者会見を開き、昨年の事業報告と新年度の事業計画について伝えた。
知事によると、昨年は州政府予算収入が前年度比300億ルーブルも増
加した510億ルーブルに達しており、その中の180億ルーブルは連
邦中央政府から割当てられた予算だった。昨年、予算収入が増加したの
は石油価格の高騰のため。従って、今年は石油価格の低下で当初算定し
ていた予算収入を遥かに下回ると予測される。州政府は金融危機による
低所得層の被害を少なくするために50億ルーブル相当の支援資金を用
意しているが、最近の動きからこの資金も不足する可能性があるとのこ
とで増額を検討中である。また、予定通り公務員の給料を上げると共に
、住民のための住宅建設にも5億ルーブルを割当てる方針。しかし、食
品価格の10〜15%の値上げは避けられないのであり、主食のパンの
値上だけは避けられるように最善を尽すと方針であり、又、失業者は徐
々に増えつつあるが、まだ7千の空席があり、この中の3千は外国の高
級人材で埋められるとのこと。

ロシア国民の40%が生活水準下落

 データによると、最近の金融危機の影響を最も受けると予測されるの
は家族一人当たりの月収入が2万ルーブル前後の中間層。3万ルーブル
以上は金融危機とは無関係で平常の暮らしが維持でき、又、1万ルーブ
ル以下の低所得住民は国家の救済策により最悪の状態には陥らないと予
測される。しかし、中間層の40%は住宅や車などの購入のために融資
を受けており、解雇の対象であり、ボーナスなども無くなる立場にある
。中間層は今後生き残るために消費を減らし節約しなければいけない。
旅行社によると予約客が徐々に減りつつある。

貧富の差23.6倍

 サハリン州統計局によると、昨年サハリン州住民一人当たり平均所得
額は2万3千ルーブル。前年度比20%も増加した。しかし、貧富の差
は23.6倍へと拡大された。参考に一人当たり平均最低生活費は7千
140ルーブル。

対外貿易額増加

 サハリン州税関によると、昨年サハリン州の海外貿易額は97億万米
ドルで前年度比68%も増加した。輸出入別にみると、輸入10.6%
、輸出89.4%。貿易相手国は87カ国。貿易1位は韓国で流通額4
7億1600万ドル、2位日本(39億)、3位米国(3億)、そして
、中国(2億)、英国(1.6億)が続く。サハリン州の商品輸出量は
1200万7千トンの88億米ドルで主な輸出品は原油で96%を占め
、海産物0.95%、石炭0.7%。反面、35万トンの14億ドルを
輸入しており、主な輸入品は自動車、設備、運輸手段、肥料、化学品な
ど。

明太漁監視

 サハリン州は今月15日〜4月中旬まで国境警備員が明太漁船の監視
を強化する。目的は密輸出の根絶。昨年の場合、不法で輸出しようとし
た明太16万トンとガニも82トンを押収した。

通学用バス23台発注

 サハリン州政府は特別教育政策事業の一環として23台の通学用バス
を購入することにした。その予算額は1200万ルーブルで、この他に
も学校に新しい家具を、又は食堂の修理などにも予算を支援する。

韓国ロータリークラブ代表來島

 16〜19日間、韓国江原道地域ロータリークラブの代表5人がサハ
リンを訪ね、ユジノサハリンスク市第9東洋語文学校にパソコン3台を
プレゼントする他、低所得層家庭に7千ドル分の米の支援、コルサコフ
ロータリークラブとは共同で1万6千ドルの基金を作るなど多様な支援
活動を行った。姉妹関係にあるサハリンロータリークラブの会員たちを
来年春韓国へ招待した。

サハリン文化センターのニュース

 サハリン韓人文化センターの館長が変わる。開館以後館長を務めてき
た李・スンウクさんがモスクワへ移住するようになり、サハリン芸術団
長ユ・トンシクさんが新館長に選ばれた。さる16日、センターで李館
長の送別会が開かれた。

2009年度永住帰国日程−8〜12月に実施

 19日、サハリン韓人文化センターで韓国赤十字社職員から今年永住
帰国事業内容説明会があった。2007年度から再会された特別追加永
住帰国事業は3年目の2009年今年で完了する。永住帰国対象者資格
や申請方法、帰国日程などについての説明と確認を行う他、残留韓人ら
の声をも聞くために訪問した本社の金・サンユ課長と慶南支社の金・フ
ァンソク代理は永住帰国希望者は一人残らず申し込んでほしいとのこと
と、社会団体間の協力関係構築を強く訴えた。
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◆コーヒーブレイクから         
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*「酒と女と写真機と」#31:片山通夫
【辿り着いたらミノックス】 ―イヤー。ついに!!!
 ミノックスの現像をやってしまった。写真は神戸の震災時のメリケン
波止場。もちろん保存されているものだ。
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-300.html

*小説「ムンバイに消ゆ」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html

コーヒーブレイクへ
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 旧正月である。この旧正月と言う言葉は日本だけのものだとか。旧正
月は中国・台湾・韓国・ベトナム・モンゴルなどで盛大に祝われる。
 ところが、日本でも沖縄・糸満でも、旧正月を祝うようだ。いわゆる
正月と二度お祝いがあるのは楽しい。
 25日、この日は日曜日と「大晦日」が重なって、神戸の南京町(中
華街)もにぎわった。改めて年の初めを祝うともうすぐ節分そして立春
と暦はめまぐるしく移る。
 
 自戒して、徒に日を月を、いや年を重ねないようにしなくては・・・。

 「酒と女と写真機と」は勝手ながら当分の間、休載させていただきま
す。
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発行     2009年1月27日   No.372
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
              MailuX配信システム        ID:MM3E1B97842E020
e-mail        office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿      http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
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