メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.370◆本澤二郎の「日本の風景」(11)  2009/01/13


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/1/13  No.370
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
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◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の「日本の風景」(11)

◆コラムEYE「取材ノート」:片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:
2009年1月2日号はサハリンから届いておりません。

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から
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          小説「ムンバイに消ゆ」

  この小説は初めてインドへ行った時に受けた強烈な印象をそのまま
  書いたものです。お読みいただき、皆様の感想をお寄せください。

     小説「ムンバイに消ゆ」は以下に掲載してあります。

  http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。 
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◆本澤二郎の「日本の風景」(11)
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 <無責任政治の極致>
 1000兆円借金を、現在働いている世代は逆立ちしても返せない金
額である。個人なら借金したくても借りられない金である。その前に自
殺に追いやられるだろう。次の世代が哀れでならない。いや、その次の
世代も、である。国家破綻して全てをチャラにすることも?となると、
円の価値はゼロだ。お年寄りの全てが姥捨て山に捨てられてしまいかね
ない。考えると空恐ろしい。

 借金の割合は45年の敗戦時並みなのだから、日本政治の無責任さは極
致という表現を使いたくなる。70年代から日本政治を見聞してきたが、
昔の政治家は借金財政にものすごく神経質だった。即座に無駄を無くす
ための行革論が飛び出したものだ。
 いまの惨状は中曽根バブル経済政策に元凶がある。そしてバブル崩壊
後の処理の失政が輪をかけた。中曽根以降の経済失政のつけが1000
兆円借金なのだ。その中曽根老人が、いまもナベツネとつるんで9条改
憲・戦争ができる日本に改造しようとしている。セガレを麻生内閣の外
交責任者に押し付けている。これはまともな国ではありえない。お笑い
の世界であろう。
 これでもまだ自民党を支援する輩がいる。化け物・魔物ではないだろ
うか。はたまた無知の極致ゆえだろう。巨額借金財政下に100年に一
度の金融危機が、この日本列島にも襲い掛かってきている。打つ手なし
、ということが理解できるだろう。政府要人やいかさまエコノミストの
言動が鵜呑みにできない理由も。

<給付金のお粗末>
 公明党のお粗末政治には辟易するばかりだが、国民一人当たり1万2
000円を配るという定額給付金もその一つである。2兆円だ。選挙向
けの買収資金ではないか。これには村上も衝撃を受けている。
 「2兆円を使うというのであれば、次の世代のためのインフラや研究
費に。食料確保のための農業再生にも。あるいは社会福祉や耐震構造に
回す。低炭素社会にするための太陽光発電・風力発電などあらゆる代替
エネルギー開発に使う。やることがいっぱいある。鳩山や中川は何もわ
かっていない。安倍や麻生も気骨がない。先見性もない。隠れ借金を含
めれば1000兆円を借金している日本ではないか。これを誰もわから
ないのだから。この2兆円にしても中川や小池は埋蔵金といっているが
、とんでもない間違いだ。雨水が漏れた時の準備金ではないか。漏れた
時、どうするつもりなのか。彼らは特別会計の意味さえわかっていない
。1ドル99円ではじいた金額だから、11円も為替が安くなると10
兆円も赤字になるが、こんなことさえ国会議員のほとんどが知らない」
 村上の怒りが筆者にも伝わってくる。2兆円ばら撒きで選挙を勝ち抜
こうという天下の愚策には、文句さえいいたくなくなるではないか。

<赤字垂れ流しと財政破綻>
 相次ぐ補正と過去最大の90兆予算で景気を回復させるという麻生内閣
の意気込みは、ハッタリでしかないが、それでも虚報を流してまでも有
権者の心をつなぎとめようとする自公政権の国会での汗かきは、立場を
代えればいじらしくも痛々しい。
 さっさと政権を投げ出したほうが、どんなにか楽であろうに。だから
といって政権が交代しても、事態が改善するとも思えない。自公政権の
腐敗の膿をいくつも見つけられようが、混乱と混迷の政治経済社会が列
島を今後とも押し包んでいくのであろうことに変わりない。そんな中で
平和・軍縮勢力が第3極を結集して主導権をにぎれば、自主・自立の永
世中立国を実現させることもできる。危機をチャンスにする。知恵であ
る。「死の商人」との競争になる。筆者の希望・期待である。平和国民
の悲願でもある。むろん、日本の再生、明るい未来も開けてこよう。海
外から信頼と尊敬を手にすることもできる。

 だが、現状は厳しい。赤字垂れ流しの官僚主導の自公政権は、現在も
突進している。
 筆者も多くの国民も国の借金は毎年30兆円程度と認識させられてき
た。小泉内閣の大嘘による。同内閣は歳出を抑制して借金を30兆円に
抑えるという公約をぶち上げ、国民はこの数字を信じてきた。愚かな国
民と愚かなマスコミの偉大な成果である。
 どっこい、借金はもっと多かった。財政通の村上からすると、30兆
円という金額もお笑いのレベルなのだ。筆者は近著「派閥の終焉と日本
の針路」の取材で、小泉内閣の国債発行額は30兆円に5年を掛けて1
50兆円程度と思い込んでいたのだが、実際は300兆円だった。これ
を村上にぶつけると「そうだろう」と相槌を打った。
 彼は「日本の国と地方の財政は、年間140兆円を必要としている。
したがって毎年60から70兆円が不足している。2009年度予算で
は70兆円が不足することになる。国が40兆円、地方が30兆円だ」
と指摘した。
 お先真っ暗な日本であることが、これでも明らかだ。1000兆円借
金大国は、今後とも借金していくことになる。そのことについての議論
が国会でなされていない。マスコミも報道していない。
 「公共事業費を3%削りましょう」という小泉財政にしても、これが
スズメの涙でしかないことがわかろう。本来であれば、大掛かりな行政
改革論が浮上して当然であろう。公務員の大幅削減と賃金の大幅引き下
げはいうに及ばず、宗教・医療・教育の優遇税制の廃止に手をつけざる
を得ない理由である。防衛予算の大幅削減も、むろんのことである。
 国家破綻か、それとも借金を返済する行革なのか。血の出るような改
革でしか日本は再生できないのである。
 増税はまず富裕層からである。竹中などは「法人税を安く」と今もわ
めいていると言う。節税目的でアメリカに住所を移したというこすから
い人物というから、さもありなんと納得できるが、大衆増税は大改革の
後の話でなければ、この国にも暴動が起きかねない。
 それにしても、自公政権は孫たちにどんな面を下げて謝罪するつもり
であろうか。

バックナンバーは「ジャーナリスト同盟」通信にあります。
http://blog.livedoor.jp/jlj001/
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◆コラムEYE「取材ノート」:片山通夫
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 記者なら必ず持って歩いている取材ノート。それぞれの人の個性が出
ていて興味深い。いわゆる大学ノートを広げて左のページと右のページ
に別々のことを書く人もいれば、上下に分けて、上段に質問や疑問、も
しくは図面や地図などを書き、下段に取材した内容を書き留めるという
人もいる。 
 筆者の知り合いの記者は、はがき程度のサイズの小さいノートを、い
わゆる百円均一の店で大量に購入し、そのノートに「書きなぐる」よう
に書く人もいる。この人の取材ノートは他人が見ても何が書いてあるの
かさっぱりわからない。一度、一緒に取材して面食らったことがある。
読めないのだ。そのくせちゃんと後で記事にしているから恐れ入る。こ
の人は「ひとつの取材に一冊」のノートを使うという。何冊かを100
円で買うのも道理である。

 さて他人のことはともかく、自分の取材ノートだが、写真を主に撮る
都合上、筆者はメモ帳を使う。メモ帳にどこでいつ何を撮影したのか、
その時々の内容や、インタビューしたときの内容を書き留める。そして
そのメモをもとに時間がある時に取材ノートに書き写し、また印象など
を書くというスタイルである。だから時々思い違いがあったりして、電
話で聞きなおすという羽目にも落ちる。また、酔っ払った後にホテルで
書くという苦行にも。

 最近では、いわゆるICレコーダーという便利なものが出来たので、
これを買おうかと思ったことがある。たいていの記者はこれを使ってい
るようだ。調べてみると最近のデジタルカメラにその機能の付いている
モノがあって、たまたま筆者が持っている小型のカメラにもその機能が
あった。それで使ってみたが、結局「安全のための録音」にすぎない事
に気が付いた。いちいち再生して聞くというのは「テープ起こし」じゃ
あるまいし時間がかかって仕方がない。

 ともあれ取材ノートは記者にとっては重要なツールである。間違いを
犯す危険からも逃げられる。人間の記憶なんて全く当てにできないのだ
から。取材ノートにきまった形はない。ただ自分にわかりやすいノート
がいい。それに筆者はしていないが、後で合冊しておくと紛失しなくて
いいのではないかとも思う。後で調べる時にも便利だ。

 ぜひお勧めしたいことがある。ほとんどのビジネスマンなどに見られ
るように、予定を手帳に書き留めるだけでなく、少し大きめのノートを
使って、受けた印象や、季節のイメージなどを書き留める習慣をつける
だけで、立派な記録が出来るのではないだろうか。それが何年にも渡っ
て何冊も残っているということは、もう立派な歴史である。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2009年1月2日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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 サハリンから届いておりません。届き次第、お届けいたします。
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◆コーヒーブレイクから         
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*小説「ムンバイに消ゆ」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html

コーヒーブレイクへ
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/
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◆[編集長から]              片山通夫
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  麻生内閣の支持率が共同通信の世論調査で20%を切った。
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009011101000206.html
新聞各社の調査でも同じような結果だった。

 危険水域だ。同調査によると、不支持率は前回から8・9ポイント増
の70・2%。2兆円の定額給付金については「評価しない」が70・
5%となっていると言う。

 麻生首相の言動のブレが支持率低下の原因として大きいのではないか
。考えてみれば、当然のことかもしれない。100年に一度と言われて
いる経済危機に対して、小泉改革の総括がなされていない。筆者が最近
よく訪れる、いわゆる過疎地域だが、【平成の大合併】が原因できめ細
かな行政のサービスが低下しているのを見ても良くわかる。

 郵政民営化がそれに拍車をかけている。
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発行     2009年1月13日   No.370
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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