メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.369◆現代時評:新年とは、元旦とは  2009/01/06


─────────────────────────────────
【609 Studio 】メール・マガジン 2009/1/6  No.369
─────────────────────────────────
「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
─────────────────────────────────
               新年おめでとうございます。
      昨年中のご愛読、ありがとうございました。
       本年もよろしくお願い申し上げます。
   http://www.609studio.com/web/images/09new.jpg
─────────────────────────────────
          609studio ウェブサイト   
         http://www.609studio.com/

       ジャーナリスト・ネット ウェブサイト
        http://www.journalist-net.com/

       サハリン・韓国語ラジオ放送と新聞 
      http://www.609studio.com/sakhalinmedia.html

      ブログ コーヒーブレイク(ほぼ毎日更新)
           http://609studio.sblo.jp/

       DVD アリランの流れる島 詳細 
     http://www.609studio.com/html/news-3.html 

         ユジノサハリンスク ライブカメラ
       http://www.snc.ru/rus/camera_w.htm

───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:新年とは、元旦とは         ken

◆本澤二郎の「日本の風景」1−5

◆コラムEYE「夢の話」:片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:2009年1月2日号はサハリ
ンから届いておりません。

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から
─────────────────────────────────
          小説「ムンバイに消ゆ」

     小説「ムンバイに消ゆ」は年内は12月31日まで
     掲載いたします。新年は10日からの掲載になります。 
       ────────────────────   
  この小説は初めてインドへ行った時に受けた強烈な印象をそのまま
  書いたものです。お読みいただき、皆様の感想をお寄せください。

     小説「ムンバイに消ゆ」は以下に掲載してあります。

  http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

─────────────────────────────────
◆現代時評:新年とは、元旦とは   ken
─────────────────────────────────
■■ 1年365日連続のうち、ある普通の1日を特に決めて新年元
日とする習慣、それはいったいいつ頃出来たのであろうか。 考えて
みると不思議な習慣である。 他国はいざ知らず、わが国では、神武
天皇即位の日、つまり書紀に言う「辛酉の年、春正月朔」を以て皇紀
元旦と定めたことになっている。 が、これなど西暦からいえば66
0年まえ、しかもそれは旧暦のことだから、いまの新暦に直すと2月
11日に相当するという。 しかも明治新政府がそれまで慣行の旧暦
(天保暦)を明治5年(1872年)12月2日で終わりにし、その
翌日を明治6年1月1日と定めた。 つまり、1872年は12月が
2日だけで終り、翌73年の正月まで日が跳んでいるという不自然な
元旦の日であった。 それでも元旦と決めたら元旦だから、不都合は
無かった。

■■ ボクらの子供のころ、年賀状には1月元旦と書いた。 ところ
が学校の先生が「元旦は1月だけで、1月元旦では重複語になる。た
だ元旦と書くだけでいい」とおっしゃった。 しかしものには口調が
ある。 単に元旦だけでは物足りない、どうしても1月元旦と言いた
くなる気分は今日に続いている。 こうした口調こそ、詩や美しい文
章作りの基本になるのだから、どうせ必ずというほど論理的根拠もな
い正月という日のこと、1月元旦と呼ぼうと単に元旦と呼称しようと
いいではないか、とボクなどは思う。 現に、今朝配達された年賀状
を眺めると、平成21年元旦と、単に2009年とだけ印刷されたの
が半々くらいだった。 そこまで時代は洋風化し、街の年の暮れ売出
しはクリスマス・セールと勢いを競っている。

■■ さてそこでだ。 どうせいつの日に決めてもいい一日であるに
も拘らず、わざわざ正月と決め、それを特別の日にするのか。 それ
はおそらく、人間がある特定の日を期して、その日を以て振り出しに
戻る、つまり初心に返りたいからではなかろうか。 換言すれば、日
々がただ普通に連続するだけでは、人間の営為にけじめがつかなくな
るのを潜在的に懼れたからであろう。 古い話だが、さるユダヤ系の
友人が、夏の暑い盛りに、「Happy New Year!」と電話してきたこと
があるから、世界には夏に正月を決めている人たちいるのだろう。

■■ 「正月からこころを新たにし・・」、あるいは「新年から方針
を変更して・・」などと、ある特定の日を心に決め、その日から「酒
をやめて」、「メタボの食事を改めて」とか、「心気一転して社会の
ため、家族のため、この日から・・」などと、殊勝に発意するのが人
間の進歩にとって必要だったのではなかったろうか、とボクなどは思
う。 反対に「どうせ正月といっても変わり栄えがしないし、今まで
のままでいくか・・」と思うようでは、人間としてあまりにもつまら
ぬ話であると、多くの人々は考えるのではないか。 そういった良い
方へ向かうきっかけのために正月というバーチャルな日が必要である
と思いつき、そのため太古から無意識に「正月」というシステムを生
活の中に取り入れてきたのであると、ボクは思っている。 「正月か
ら心を入れ替えてxxに励もう」といった殊勝な決意のためにこそ正
月という特定日が必要だったのであり、「元旦から嘘つきになろう」
とか、「新年から泥棒に励もう」と言った、それと反対の悪い決意の
ために正月というシステムが生まれることは先ず無かった、と考えて
いいだろう。

■■ そして、そうしたよい方向への決意のためには、先ず身を清め
神仏などにお参りし、清浄な心身になるための伝統的行事から始めよ
うというのが、われわれ日本人の一般的な習慣であった。 簡単に言
えばそれは良き行為や幸せへの自分の心身のウオーミングアップであ
る。 ボクは長年、正月にあちこち海外に居た経験があるが、こうし
た「正月に際してあらためてわが姿勢を正す」といった無意識の精神
習慣のようなものは、日本以外のどこの国にも無かったような気がし
、これこそ日本人が世界に誇るべき良き習慣ではないかと思うのであ
る。

■■ ということでボクはこの正月にも、先ず身を正し「新年からい
いことがありますよう、世界が平和になりますように」と、本気で願
った。 こんな気持になるのは、1億日本人がほぼ皆同じ年頭に当た
っての心境であろう。 いくらマスコミが「苦難の新年」を煽り立て
ようと、われわれの内心では「どうぞ、そんなに不幸なことばかり起
こらず、幸せな世界が訪れますよう」と願うのが、正月にあたっての
、普通の日本人の新年の心である。 そしてそのための神社参りであ
り、屠蘇雑煮の朝食であり、新年の晴れ着であり、おめでとうござい
ますの挨拶である。 こうした日本固有の古きよき習慣は、なるだけ
残しておきたいものである。

■■ 正月は、世間を騒がせる喧騒からのひと時のしじまでもある。
 つい年末までは、選挙もま近いこととて、各政党の宣伝カーが街中
を俄鳴り立てていた。 政党の宣伝かーとはいうものの、じっさいは
各立候補者たちの、いわゆる政治生命を賭けた修羅場の絶叫、または
うめき声である。いまの政治家というのは、この国を如何によくして
いこうかなどという高邁な理想を持った儒教的政治家からは程遠く、
職業的政治屋とよぶ以外の何ものでもない。 換言すれば彼らは政治
家と称する商人でありサラリーマンに過ぎない。猿は樹から落ちても
サルだが、議員は落選すれば解雇された請負労働者である。 だから
、おそらく彼ら政治家たちは、この新年に当たり、先ず自分の当選を
神仏に願いはしても、国家や国民がこの経済的難局をうまく切り抜け
られますようになどと願ってはいないだろう。 国家国民の幸せより
も、先ずは自分が選挙に当選し、自分の議会に於けるクビが繋がりま
すようにと、正月にあたって神仏にお願いしただろう。 それはしが
ない政治屋の業であり、それを誰も咎めるわけにはいかない。 

■■ むしろわれわれ国民は、そうした利己的な政治屋にわれわれの
将来を託するよりも、我々自身が共に助け合い、名目は地方自治でも
ナンでもいいから、自分たちに都合のいい社会体制になるよう、新年
にあたって神仏にお願いしようではないか。 
─────────────────────────────────
     ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中!!◎

 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店
        もしくは609studioでお求めください。
 
          四六判160頁 1,600円(税別)
           ISBN4-89642-138-8 C0072

    未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html
    または    office@609studio.com
─────────────────────────────────  
◆本澤二郎の「日本の風景」
───────────────────────────────── 
  思いつくままにペンというよりも、ゆっくりとだが打てるように
なったノートパソコンを使って日本の政治・経済・社会などあらゆる
分野に対して、そして日本から見た世界を、引き続き記録・評論をし
ていきたい。

筆者が捉えた現代史である。題して「本澤二郎の日本の風景2009
」。筆者の足場は、ご存知のように平和・非暴力・民衆(人民)であ
って、断じて権力・為政者の側に立つものではない。これはジャーナ
リスト・言論人の義務・使命であり、それ以外の何ものでもない。多
くのマスコミ人がこれに徹していれば、存外、この国は危機を乗り越
えて明るくなるものである。

<2009年手帖>
 今日、12月30日から2009年の手帖を使い始めた。これは友
人の参院議員が「参議院手帖」をくれたのだ。そのさい、彼は「議員
用のカバーは皮で出来ている」と付け加えた。皮カバーなのかどうか
判定できないのが残念だが、秘書などは皮ではなくて化学製品のカバ
ーらしい。手帖まで格差を持ち込んでいる権力中枢の対応に正直、驚
いた。政治家を手玉にとっている事務方・官僚の、悲しくも愚かな知
恵の一つなのであろう。これは笑えない日本社会を見事にえぐってい
る。いや日本だけではない。「格差」を最近になって理解するように
なった筆者だが、それもこれも小泉―竹中ラインによる完璧ともいえ
る市場主義の成果でもあろう。

続き>>
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51356568.html

「日本の風景」(2) 
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51357011.html

「日本の風景」(3) 
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51358361.html

「日本の風景」(4)
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51358625.html

「日本の風景」(5)
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51359099.html
─────────────────────────────────
◆コラムEYE「夢の話」:片山通夫
─────────────────────────────────
▲アイヌ民族に関する文献を読んでいたら次のような意味の記述があ
った。「北海道はアイヌの土地だなんて信じられない。だって、地名
は漢字で書かれているじゃないですか。それにアイヌは文字を持って
いなかったのでしょう?」
 あるアイヌ人の講演を聞いた高校生の質問だという。

▲この高校生は「漢字は中国から伝わったことも知らなかった」よう
でもある。確かにアイヌ民族は文字を持たない。文字を持たなかった
代わりに、伝承されてきたすばらしい詩や歌そして物語を持っている
。また東北から北海道にかけての地名にはアイヌ人がつけたと思われ
る地名があらゆるところに残されている。

▲アイヌ民族は古来樺太(現サハリン)、千島そして北海道や東北の
一部に住んでいた、いわゆる先住民だったことは明白である。その先
住民であるアイヌ民族の歴史や成り立ちを全く知らない人々が我が国
に住んでいる。それゆえか時折政治家などからも「日本人単一民族説
」が出てくる。

▲筆者などはこのような「単一民族でありたい」とする考え方が理解
できない。現在わが国にはアイヌ民族のほか定住者として韓国・朝鮮
民族も多く住んでいる。無論、他の民族も含んで、日本という国を構
成しているという現実がある。そして多民族が共生しながら、それぞ
れの立場や文化を理解し、歴史を学ぶという形態は、単一民族でなか
った方が、はるかに奥も深く範囲も広く経験できるというものだ。

▲最後に夢の話だが、筆者はこんな夢を見たことがある。わが国のパ
スポート(旅券)に「民族」を記載する項目があり、その欄にはそれ
ぞれの民族名が書かれているという夢だ。それには「民族差別が全く
なくなった日本」という国が存在するというのが大前提である。さす
れば馬鹿な政治家が「単一民族」なんてことを言わずに、学校でも多
民族国家である日本の歴史や文化を学ぶということも起こるのではな
いか。いずれにしても、冒頭に述べたように「知らないで恥をかく」
ことはなくなる。この高校生は満場の講演会場で恥をかかずにすんだ
はずである。
─────────────────────────────────
◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2009年1月2日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
─────────────────────────────────
 2009年1月2日号はサハリンから届いておりません。
 届き次第、お届けいたします。
─────────────────────────────────
◆コーヒーブレイクから         
─────────────────────────────────
*酒と女と写真機と」#29:片山通夫
【辿り着いたらミノックス】 ―まだ現像はできない…!
気長にお待ちください。ミノックスの現像の結果は…。
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-278.html

*小説「ムンバイに消ゆ」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html

コーヒーブレイクへ
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/
─────────────────────────────────
◆[編集長から]              片山通夫
─────────────────────────────────
 不況の波が押し寄せてきている。日比谷公園のテント村。
世界に目を向ければ、イスラエルがガザへの報復攻撃で400人を超
える死者、ロシアがウクライナへのガス供給停止、ニューギニアでマ
グニチュード7.6の地震・・・と良いニュースはなさそう。

 唯一の朗報は「石油価格の低下」か?原油価格も1バーレル(15
4リッター)が40ドル台半ばで移行している。しかしガソリンスタ
ンド業界は過当競争なのか、不況の波がここにも押し寄せている。
・・・ってことは、あまり朗報でもないか。

 「誰か良いニュースを運んできてー!」って叫びたい。 
─────────────────────────────────
発行     2009年1月6日   No.369
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
              MailuX配信システム        ID:MM3E1B97842E020
e-mail        office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿      http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
購読 購読解除は websiteへ

           ◇禁・無断転載◇
─────────────────────────────────

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。