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タイトル:609studio No.364◆本澤二郎の政治雑感「金丸側近の意外な小沢一郎評」  2008/12/02


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/12/2  No.364
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
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           小説「ムンバイに消ゆ」

      小説「ムンバイに消ゆ」を毎日掲載しています。
    
  この小説は初めてインドへ行った時に受けた強烈な印象をそのまま
  書いたものです。お読みいただき、皆様の感想をお寄せください。

     小説「ムンバイに消ゆ」は以下に掲載してあります。

  http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

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◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の政治雑感「金丸側近の意外な小沢一郎評」 

◆コラムEYE:「アイヌの道」片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:2008年11月28日号

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から

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◆現代時評:休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆本澤二郎の政治雑感「金丸側近の意外な小沢一郎評」 
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<清水さんは農学部>
 神楽坂の紹興酒のお陰で、前田さんから楽しい、為になる話を聞いた
のだが、実はその直前に清水達雄事務所にも寄った。同事務所は、主が
参院議員を辞めたあとしばらく永田町の狭い部屋に陣取っていた。何し
ろ痩せても枯れても、当人は建設官僚で参院議員経験者だ。官僚として
は国土庁事務次官だから、まず餓死することはない。
 彼の人のよさは、官僚らしくないところにある。そのはずで東大でも
法学部ではなくて、農学部であるからだろう。技術上がりが、清水達雄
さんの人気の秘訣といっていい。筆者との不思議な縁は前田事務所にあ
った。

 塩路さんという快活な女性秘書が縁結びの立役者である。一度だけ二
人でビールを飲んだことがあるが、とても太刀打ちできなかった。前田
さんが政界を引退すると、清水事務所の柳井秘書が彼女を引き取った。
それというのも彼女は重い病気に悩まされていた。普通の仕事は無理で
ある。それを承知して預かった。こんな美談は、生き馬の目を抜く永田
町にはない。
 因果応報というものだろう。彼は脳梗塞で1年半も意識不明の状態に
陥りながらも、見事に生還してほぼ日常の生活を取り戻した。腕のいい
医師に出会えたからである。車いすの夫人の面倒さえ看ていて頭が下が
る。清水事務所のF秘書もやさしい女性で、時々柳井さんを激励してく
れているようだ。彼女も病に倒れたことがあるという。同病相哀れむ、
である。筆者は、正文の介護のためのマンションを柳井さんの世話で見
つけてもらった。人間はいいことをすると、必ずいいことがある、とい
う約束事は信じたいものである。現に柳井さんがその見本を示してくれ
た。いい医師の治療を受け、毎日リハビリで頑張っている。前田さんと
同じだ。

 「東大病院には行かない」といったことのある清水さんにして、そう
である。議員を辞めて体調がよくなっている。毎日、事務所に姿を見せ
ているという。少し痩せていい体形をしている。無理して選挙に挑戦し
ていたら、今頃病に臥していたろう。彼も、筆者を同じように診断して
くれた。もう少し痩せればいいのかな、が正直なところだが。

<小沢変身?>
 中曽根内閣のころから自民党を牛耳っていた実力者というと、山梨出
身で東京農大柔道部卒の金丸信である。田中派を分捕って竹下内閣を誕
生させた御仁だ。暴力団出身代議士を番犬に使って、知性不足を逆手に
用いてそれこそやりたい放題だった。晩年には逮捕されるが、持病のせ
いで料亭の座布団に座れなかったほどである。
 金丸は建設族のドンでもあった。角栄利権をそっくり手に入れた。同
じ地元出身の建設官僚の清水さんも政界入りした。金丸側近として竹下
派・経世会派閥の裏表を見聞してきた。
 「野中さんが派閥の総会で何度も金丸事件にからめて小沢さんを批判
していた。野中さんこそ小沢の天敵だった。小沢さんはじっと聞いてい
た。彼には子分がいなかった」

 金丸逮捕も元凶は小沢というのが、野中説であるが、筆者はそのころ
アメリカを旅していて、それをつまびらかには出来ない。いえることは
、小沢は金丸の庇護を受けて幹事長という政権党の大黒柱になることが
出来た。政治家の運命は、本人の能力と関係なく人脈によって決まる。
 小沢の豪腕は、金丸あってのことであったのだが、清水さんによると
「小沢さんは、金丸さんの命令には絶対的に従った。金丸指示を貫徹し
た。そこに豪腕という評価がついた。同時に、こんな自民党でいいのか
、という疑問が生じた。自民党を飛び出した理由だと思う。だから、昔
と今の小沢さんは違う。変わっている」というのである。

 小沢を知る関係者は、麻生から小沢になっても同じではないか、と突
き放している。筆者もやや同じかもしれないが、野党暮らしで変身して
いるとの期待も、少しは持っている。「本人は相当疲れている」とも指
摘する。仮に政権を担当しても、長く政権を維持する考えはないのでは
ないか、とも推測する清水さんだ。

 小沢が改憲軍拡派から変身すればまともだが、それは無理な相談なの
か。清水論が正しいのであれば、おっつけ訪れるかもしれない小沢天下
は、自公政権よりも少しはましかもしれない。
 ただし、日本の現状はオバマのアメリカよりもはるかに厳しい財政事
情にある。政治も行政も根底から刷新しないと、この国は間違いなく沈
没してしまうのだから。

<官僚の世界>
 「日本の官僚は優秀」という言葉を、かつての自民党実力者から聞い
て、ずっとそれを信じさせられてきた新聞記者だった。経済成長がその
説を裏付けてきたのだが、少しばかり理屈がわかるようになると、そう
ではなくて朝鮮戦争とベトナム戦争がそれを可能にさせたものだと理解
できる。東西対立も日本経済に貢献した。それだけのことである。官僚
の優秀さに根源を求めるのは無理があろう。

 とりわけ中曽根バブル以降の日本を精査すると、政界も官界・財界も
文句なしに愚かものであることが小学生でもわかる。中曽根を頂点とす
る政治指導層の経済音痴は度し難いものがある。その後のバブル崩壊後
の体たらくも同じである。

 とどのつまり、国民の負担によって財閥を救済している。これほどの
失政は戦前の軍国主義にも相当しようか。敗戦時の借金比率と同じレベ
ルの日本である。円が紙切れになった場面に相当する。莫大な借金によ
って、次の世代はおろか、そのあとの世代も身動きが取れない有様であ
る。しかも一人として責任をとっていない。

 年金・健保など命の源泉が破壊されているというのに、である。政府
も議会も真正面から議論しない。口を開けば「消費税を上げよう」とい
う議論に収斂させている。本末が転倒している。
 その責任者らはどんどん亡くなっている。
 現在を官僚たちは、どう見ているのか。官僚情報がたくさん飛び込ん
でくる清水さんだが、彼の知り合いは「いま官僚は何もしていない」と
断定した。「何かやろうとすれば批判されるだけだ、と思い込んでいる
」というのである。

 情けないのだが、これは視点を変えると、本当の行政改革推進の絶好
機ではないだろうか。孫から借金して生きる日本財政である。身を削る
しか方法はない。責任ある官僚たちなら率先すべきだろう。

 公務員賃金と人員を半減するのである。借金をこれ以上増やさないた
めの、当たり前の施策である。クリントン政権は双子の赤字解消に軍事
費と公務員の人件費に大鉈を振るったことは、よく知られている。そし
て見事に再生を果たした。バブル崩壊後の日本では、まだ何もしていな
い。不思議な国・日本である。小泉内閣が公共事業を少しばかり削減し
ただけである。
 いまの人権費を半減して公務員を倍増させて福祉・医療関係に回すの
もいいだろう。そうすると、失業者はいなくなる。防衛費を半減するの
もいいだろう。医療費の人件費も安くなる。全体が身の丈の生活をする
しか、この国は生きられないのだから。
 そんな国にした政府と自民党の罪はいかにも重い。

 昨日、冷たい雨の中を傘もささないで路上をあてもなく歩いていたホ
ームレスを目にして心が痛んだ。直後に新橋駅から京浜東北線に乗ると
、異様な臭いが車内を覆っていた。あたりの座席が空いていて乗客が近
づかない。車両の端に老人が寝込んでいた。異臭はそこからだった。草
履に素足だ。何年も風呂に入っていないらしく、どす黒くくすんでいた
。目をそらしてしまった。

 胸が詰まりそうになった。手を差し伸べられない自分が情けない。今
どうしているだろうか。社会全体で救済するしかないではないか。これ
が今の日本なのか。政治家や官僚の知らない世界だろう。日本こそ変革
が求められているのである。小沢がオバマになれるものか。
2008年11月28日記
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◆コラムEYE:「アイヌの道」片山通夫
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  考えることがあって、秋の一日、国立民族学博物館(大阪・吹田)
に、アイヌ民族に関した展示を見に行きいたく感動した。北海道がまだ
「蝦夷地」と呼ばれていた頃、アイヌ民族は、北海道のみならず、樺太
(サハリン)、千島にも住みその行動半径はとてつもなく広いことを知
った。決して熊や鮭を獲るだけの生活ではなかったのだ。
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http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-191.html
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年11月28日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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自治体首長らを召集

 25日、ア・ホロシャヴィンサハリン州知事は自治体首長たちを召集
して大統領教書を通じて発表された課題を州レベルで如何に実行してい
くかについての方針を明らかにした。州知事によると、サハリン州はロ
シアの最も発展する地域の一つであり、「サハリン−1」の開発費用は
既に回収でき、来年からは「サハリン−2」の原油採取が始まり、そう
すると州の年間原油採集量は1500〜1700万トンに上る。又、来
年2月から液化ガス工場が稼動を始める。その開場式に大統領が出席す
るかも知れない。「サハリン−3」事業も本格化しており、今の課題の
一つは採取から加工への転換であり、そのための環境作りが何より大事
である。州知事は、又、サハリン州のガス化を進めており、優先的にユ
ジノサハリンスク第1発電所を2015年までガス化する方針だと述べ
た。その外、炭鉱業への技術投資を通じて年間採集量を400〜500
万トンまで上げると共にクリル島に地熱発電所を建て、2011年まで
老化した電気網の取替え、地方発電所の再建設、東部鉄道線敷設、港再
建計画などについて述べた。最後に最近の金融危機への対策として予備
金50億ルーブルを策定しており、各地方でも対策を講じるように伝え
ると共に小企業に特別な関心を払うよう指示した。最後に、州知事はサ
ハリン州の平均年金がはじめて最低生計費を上回ったと伝えながら、今
後も年金引上のために努力を続けるべきと強調した。

経済危機対策班組織

 25日、州経済委員会は現在の金融危機の対処するための危機対策班
を組織したと発表した。対策班の主要任務はグロバル金融危機が地域経
済に及ぼす影響を分析し、州の経済的安定を保てる方案を立てること。
年末対策案は既にできているとのこと。

国際水産博覧会に参加

 25―27日間モスクワで開かれた国際水産博覧会にサハリン代表団
が参加、昆布サラダ、貝類、イカ、マス・鮭料理などを紹介するなどサ
ハリン水産業環境についての広報活動を積極的に行ったことがわかった
。同博覧会には12カ国から150社余りが参加した。

12月1日まで市内を飾ろう!

 先日、ユジノサハリンスク市政府は市内企業や建物主に、12月1日
まで各自の建物に新年を祝う飾りを義務づける指示を出した。指示によ
ると、市内のすべての企業や機関が新年を祝う飾りをしなければいけな
い。又、商店の販売人は新年を祝う特別な服装でサービスを、カフェと
食堂ではクリスマス特別メニューを用意しなければいけない。この指示
に従わないと罰金を払うことになる。

カソン地区へ103人永住帰国

 11月26―28日間、ハバロフスク、モスクワ、ウラジオストク、
カザフスタン、サハリンなどから103人が韓国カソン地区へ永住帰国
する。

インフレ率12%

 ロシア統計局によると、今年に入ってからの国内インフレ率は12%
。この数字は年末まで11.8%との昨年の予測を既に破っており、政
府は14%未満に止めようとしているとのこと。

列車料金45%引上

 ロシア鉄道局は12月29―30日の列車料金を45%引上げ、翌年
1月1日には55%引下げると共に、来年1月1日から年平均13%引
上げ、連休には15―20%引上げると発表した。

中国産お菓子販売禁止

 以前、ロシア連邦政府は中国産お菓子とジュース類に有毒物質が入っ
ているとのことで市場での販売を禁止すると発表した。しかし、今も市
場では販売されていることが分かり、当局は消費者に注意を払うように
訴えている。

展示会−故マントカワ氏の美術展

 25日、ユジノサハリンスク市内の「スペラ・ビジネスセンター」で
サハリンを体表する画家故ギヴィ・マントカワ氏(1930―2003
)の作品展が開かれた。47年間サハリンに住みながらサハリンの風景
や生活を好んで描いた画家の作品から秋をテーマにした作品31点が紹
介された。開場に集まった同僚やファンたちは画家を偲ぶ詩の朗読や思
い出を語り合うなどで展示会を一層意味深いものにした。

エストラダ・オーケストラ創立5周年記念コンサート

 24日、ユジノサハリンスク市チェーホフセンターで白・スギョンさ
んが創立して運営しているオーケストラ「エストラダ」の創立5周年記
念コンサートがあった。州と市政府の文化芸術担当職員や韓国領事、韓
人社会団体代表など多くの人事が来場して祝辞を述べ、感謝状を贈った
。創立以来100回以上のコンサートを開き、韓人社会への貢献も大き
い。当日は韓国の有名なテーナ歌手李・ヨンソンさんを特別招待、共演
するなどで観客の反応は一層熱かった。
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◆コーヒーブレイクから         
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*「酒と女と写真機と」#23:片山通夫
【辿り着いたらミノックス】 
―困ったことが・・・。 
 困ったことが起こった。いや別に大したことではないのだが、やはり
困ったことだ。 
いよいよ撮影の段階に入った。ここまではいいのだが・・・。
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-195.html

*小説「ムンバイに消ゆ」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html

コーヒーブレイクへ
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 もう12月に入りました。忙しい思いで一年を過ごしてきたように感
じます。読者の皆さまはどのような一年をお過ごしになりましたか?大
きな事故や事件がこれ以上起こってもらいたくない思いです。

さて・・・。
 封印された麻生軽率発言での対小沢氏との党首会談。ホッと胸をなで
おろしたであろう政府与党の面々。

 「運が良ければ、当たらないですよ」とは裁判員に選ばれた横浜市の
フリーターの男性。あなたは裁判員ですか?

 インド同時テロ 死者200人に迫る・・。民主主義とテロはそぐわ
ない、当たり前のことだが・・。しかし少数者の意見も取り入れる余裕
も欲しい。何でも多数決ではおさまらない時代なのだ。
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発行     2008年12月2日   No.364
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
              MailuX配信システム        ID:MM3E1B97842E020
e-mail        office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿      http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
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