メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.360◆現代時評:ニューディール時代の再来  2008/10/28


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/10/28  No.360
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:ニューディール時代の再来  ken

◆本澤二郎の政治評論 「大連立の黒幕」

◆コラムEYE:コラム「魔女の一撃」:片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:2008年10月24日号

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から

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◆現代時評:ニューディール時代の再来  ken
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◆◆ 毎日新聞2008年10月22日 米国人にはおなじみの成り
行きだが、今また金融危機のさなかに迎えている大統領選挙最終盤で
ある。ふと頭をよぎるのはフーバー大統領の運命と、次の選挙で彼を
破りニューディール政策に踏み切ったルーズベルト大統領の歴史の記
憶だ。(中略)  では「チェンジ」を掲げて政権に手が届くところま
できたオバマ候補に、ニューディール政策に見合うような新時代の経
済再生と社会統合のビジョンはあるのか。 米有権者の判断に注目だ。

■■ 世間はニューディール時代の再来、とかまびすしい。 ボクの
世代では、子供のころ学校で習ったニューディールという言葉にいく
らかのノスタルジーがある。 その言葉が再び現れたのは第二次大戦
直後、つまり昭和20年代前半で、そのときはTVA(テネシー渓谷
開発)という言葉と対になっていた。

■■ いまあらためて、ニューディールを手元のアメリカーナ大百科
事典で調べなおしてみた。 ときは1928年から30年代に掛けて
のことである。 第一次大戦が終わり、その間漁夫の利をしめて繁栄
してきた米国も急激に押し寄せたデフレ不況に喘いでいた。

■■ 先ず、ニューヨーク株式取引所の株価総額が、1929年の8
70億ドルから1930年には550億ドル、そして1932年には
156億ドルにまで暴落した。 庶民の金欠で購買力を無くした物資
は倉庫に溢れ、とくに余剰農産物は置く場所がなく野積みで腐るに任
せた。 もちろん失業者は巷に溢れ、失業率はいっとき25%に達し
た。 とうぜん、貧富の差が極端に激しくなり、乞食をする者と、株
式の乱高下による俄か成金との格差で暴動の気配すらあった。

■■ 前任者フーバー氏失敗の後を受けたフランクリン・ルーズベル
ト大統領は、矢継ぎ早に新政策を実行した。 これがいわゆるニュー
ディール(The New Deal Program )で、産業再生プロジェクトとで
も訳そうか。 ルーズベルトは1933年3月に大統領に就任するや
いなや、議会に働きかけて矢継ぎ早に景気回復や雇用確保の新政策を
審議させ、最初の100日間でおよそ次のプロジェクトを実行に移した。
 1.HOLC/FHA緊急産業融資および小額預金保護法  
 2.TVA(テネシー渓谷開発公社)などの新公共事業。 
 3.CCC(民間大規模雇用)。 
 4.NIRA(全国産業復興法)による労働時間の短縮や労働者賃
金の保障。
 4.AAA(農業調整法)による農業生産の調整。

■■ また、AAA(農業調整法)に続く政府農産物臨時買上手段と
してのもう一つのCCC, つまりCommodity Credit Corporation
(商品金融公社)を創り、野積になっていた余剰農産物を買い上げた。
 第2次大戦後の日本に送られてきた米国からの小麦、玉蜀黍、綿花
などは、みなこの法律の余慶であった。 (委託加工名目でわが国に
輸入された米綿のことを我々はCCC綿と称した。)

■■ 特筆すべきはTVA(Tennessee Valley Authority)である。
テネシー渓谷開発公社(TVAと略称)は、失業対策事業兼公共計画
事業として、東テネシー川流域9200平方哩を開発し、洪水防止と
水力発電用のダムを何カ所かに建設した。 未曾有の大土木工事は雇
用の増大を生み、流域4州にまたがる安価で充分な電力を提供し、窒
素肥料など新産業の発展を大規模に進め、国民の企業マインドを大き
く刺激した。 それはまさにアメリカン・ドリームそのもの、不況ム
ードを覆す夢の大事業であり、それによりルーズベルト大統領への民
衆の信頼と人気を、いやが上にも増幅させた。

■■ これらのニューディール政策は、それまで米国の国是としてき
たレセフェル、つまり経済不干渉主義を覆した国家による産業経済へ
の大幅な梃(てこ)入れであり、資本主義一点張りの米国に共産主義
を取り込んだケインズ経済学の試金石として大いに期待された。
 が、かたわら共和党からは大きな不満が寄せられ、議会は政策の承
認に躊躇と逡巡を重ねて、ルーズベルトを悩ませた。 このニューデ
ィールが、はたして成功であったかどうかは今日なお意見の別れると
ころである。 なぜなら成果が確認されるより早く、米国はすでに第
2次大戦の経済好況に突入し、あれほどの大不況もいつの間にか収束
、そして軍需景気に湧いてしまっていたのである。

■■ たしかにいま、2008年後半はそのニューディールの時代に
似ている。 銀行の倒産、株価の値下がり、失業率の増大、そして貧
富格差の顕著化等々。 加えるに住宅と称する動産の過剰生産在庫な
どもある。 

■■ 前回ニューディール時代の財政資金投入の遅れに懲りた米財政
当局は、この度ばかりは財政出動に敏速だった。 仮令それが共産主
義的であろうとケインジアン的であろうと、拙速は遅疑逡巡にまさる
。 とにかくドル札を輪転機で刷ってでも、金融業者たちにドルを補
給しなければ既存の金融システムが崩壊する。 そして先日、総額7
000億ドルの金融安定化法案は米議会を通過した。 今年中に全米
の金融業者たちに配分するつもりらしい。 そのカネを米政府が何処
から捻出するかは未定である。 

■■ わが三菱UFJはそうした米国に、先ず9000億円を送金し
たという。 危殆に瀕しているモルガン・スタンレーの優先株取得だ
そうだ。 おそらく日本財務省による米国援助への代行だろうが、次
ぎ続けて何処の国が米国に出資するか、まことに疑わしい。 日本は
この期に及んでも対米協力に律儀である。
 
■■ ブッシュ氏は大統領選が終わればG8蔵相会議をすぐワシント
ンで開催し、今後の世界金融の足並みを揃えるつもりらしい。 その
とき彼はなおプレトンウッズ体制(世界通貨としてのドル本位制)を
継続しようと言うのだろうか。 しかしそれは少々考えが甘すぎない
か。 誰の目で見てもドルの国際機軸通貨はいま危殆に瀕している。
 1971年、ニクソンは金兌換制を停止し、ついで73年には変動
相場制に移行したが、それでも基準通貨としての米ドルは揺らがなか
った。 強い米国が存在したからである。 しかるにいまは四面楚歌
の米国、権威喪失は極限に達しているし、ドル価値の下落は日々著し
い。 ならばなおのこと、早急に世界中のカネを米国にかき集める必
要がある、遅れるとまずい。 先ず、傷が浅くて金持ちの日本からの
カネを急ぐ必要がある。
 
■■ ボクの住む、たかが人口9万の住宅都市にも新しいシティ銀行
支店がオープンした。 おそらくかき集められるだけ精一杯の円を集
め、そのまま米国へ持ち帰るつもりだろう。 都合のいいことに日本
の庶民はお人よしだ。 風前の灯のシティバンクでも、高金利さえち
らつかせば円預金が集まるらしい。 高金利といっても、日本国内の
預金金利はゼロに近いから、ものの2%ほどの預金利息をちらつかせ
ばいい。 日本は、いまの米国にとって涎(よだれ)の出るほどいい
資金源である。

■■ 輪転機でドル札を刷るなり、世界中からカネをかき集めるなり
して、それをバクチで失敗した米金融業界へカンフル注入するのも時
節柄やむを得ない。 1933年ニューディールのときのルーズベル
トも同じことをやって金融界へ大資金を投入し、それはほぼ成功した
。 しかしそのときは国民に将来の夢を持たせるTVAという大産業
プロジェクトと抱き合わせであった。 ところがいま、7000億ド
ルを金融再生に投入するに際して、かってのTVAにも似た産業再活
性化へのプロジェクトが見えてこない。 どうするつもりか。 産業
再生の夢とメドが無いところに、ただ金融業にのみ資金投入したので
は、いっときの金融システム再生に効果を挙げたとしても、あとに続
くデフレからの脱却が覚束ない。 それを察知したウオール街の株価
やドル交換レートは沈んだままである。
 
■■ 考えると、この20年ほどの間に、米国では軍需産業以外には
生産業がほとんど無くなってしまっていた。 その軍需産業も、アフ
ガンで負けイラクで負け、あとは台湾か日本向けの武器輸出しか顧客
先として考えられない。 それとも恥を忍んで中国かロシアを武器の
新顧客にするかだ。 唯一残っている自動車産業も、いまや風前の灯
に近い。 産業の再生もしくは創造こそ、いまの米国社会が立ち直る
重要なキーポイントであるのに・・。
 
■■ さきのニューディールのときのルーズベルトはよくやった。 
それをいまネオ・ニューディールに際して真似るべきである。 金融
業という私企業たちへの公的資金補給は致し方ないにしても、それを
より効果あらしめるためには、TVAに似た何らかの新産業振興プロ
ジェクトへのダイナミックな資金注入を併せ実行し、米国社会をして
未来を薔薇色に潤色する必要がある。

■■ たしかにいまの米国には生産業がほとんど無くなっている。
 しかしそれに代わりうる産業が皆無というわけではない。 たとえ
ば医療産業がある。 周知の通り、米国の先端医療技術は世界でダン
トツだ。 だが医療産業システムが遅れていて、米国の医療保険制度
などは全世界の嘲笑(わらい)ものになっている。
 
■■ いま、世界の医療システムでは、長年アメリカに虐げられてき
た小国キューバがずば抜けて優秀である。 キューバは、南米とアフ
リカ大陸の医療をほぼ独り占めのような状態でサービスしている。
 キューバで明らかに供給過剰になっている医者などは、南米・アフ
リカだけでなく、最近はパキスタン・中東辺りまで出向いて僻地医療
に貢献しているし、海外貧乏国からの医学生はキューバで教育訓練を
受けていて、その数は毎年数千人を下らぬという。
 
■■ 米国は、いたずらにキューバを敵視せず、キューバの医療シス
テム産業を率直に学び、そして米国の誇る最新医療技術と兼ね合わせ
、内需のみならず世界を顧客とした医療産業国になればいいのだ。
 しかし、医療というのは先端医療技術だけではどうにもならない。
 適正かつmoderateなコストで大衆化された医療サービス業の振興、
それが米国再生の新産業の一つになる可能性はじゅうぶんある。

■■ 金融というのは、所詮一握りの高給エリート族の産業であるに
過ぎず、それだけで国家経営は成り立たない。 だが、医療サービス
業は医者のみならず、周辺に働く多くの一般労働者たちにより成り立
つ内外需向け事業で、国家の中核としての産業たるにじゅうぶんであ
る。 米国も、上澄みを掬うのみの金融事業に固執せず、こうした医
療サービス業を新事業として大規模に開発したらどうか。

■■ ところで米国の悪口ばかり言っていても、累卵の日本が良くな
るわけではない。日本を取りあえずどうすべきか、それには先ず次の
ような措置が早急に必要であろう。
1、 緊急避難処置として、企業会計の「時価評価制」を中断する。
2、 内需創造のため、医療・介護施設の大拡充とシステム産業化
   へ総力を結集する。
3、 社会民主政治に代わるものとして、ケインズ派エコノミストの
      政治的任用を推進する。
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◆本澤二郎の政治評論「大連立の黒幕」
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  <自民党元三木派幹部との対話>
 善良な政治家を見つけ出すのは、この日本ではなかなか容易ではな
い。そんな数少ない元三木派幹部とおしゃべりしていたら、自民党と
民主党の大連立論がまたぞろ話題になった。仕掛け人・黒幕は、いわ
ずとしれた保守傍流の中曽根と左翼から右翼に転じたナベツネである
。二人が森喜朗経由で麻生を押さえ込む。小沢はナベツネの力で、と
いうのである。後者は読売の元政治記者、改憲言論を武器にして暗躍
する人物として定評がある。

 前回の福田―小沢会談での大連立は、当時の民主党内がまともで小
沢に強く反発したため、黒幕の野心を叩き潰して事なきを得た。むろ
ん黒幕は中曽根とナベツネだった。森も手足になった。二人の極秘工
作に福田と小沢が屈したのだ。戦後右翼による平和憲法解体に向けた
執念であろう。両人とも岸信介の後継を任じているのかもしれない。
岸も亡くなるまで改憲に突進した。平和を愛する日本人・アジア諸国
民に対する挑戦状といっていい。ここに開かれた民主政治の原則はな
い。談合政治も極まっていよう。これへの認識が、不思議と内外の専
門家にもない。中曽根―ナベツネ人脈に絡め取られた中国人学者も存
在するくらい、右翼の活動は広範囲に拡大している。重大事である

 次の総選挙結果いかんでは、これが「再浮上する」と元は三木派幹
部は指摘するのだが、筆者も同じ認識である。麻生が金融・経済危機
を口実に解散時期を遅らせている理由も、大連立と無関係ではないだ
ろう。民主党圧勝になれば大連立は吹き飛んでしまうが、そうならな
いよう自民優位の環境を作ろうとして解散を遅らせている。油断大敵
とはこのことなのだ。

 現に民主党は、憲法違反のアフガン戦争への自衛艦給油作戦を延長
する法案を、自公が強行することに手助けしているありさまである。
ふがいない小沢について、彼は「小沢選挙は徹底した土建選挙。いま
や通用しない」と断じたものだ。そういえば、最近の民主党機関紙に
同党候補者の写真と経歴が載っているが、問題視されてきた小泉チル
ドレンと大同小異だ。たとえバッジをつけても使い物にならないので
はないか。不安を覚えてしまう。

<児玉誉士夫の略奪資金>
 自民党の根源的ガンは、戦後右翼の親玉であった児玉誉士夫の存在
である。かのロッキード事件で中曽根と共にあぶりだされるまで、自
民党右派の黒幕として暗躍してきた。笹川良一は福田派に喰らいつい
ていた。どうして児玉は、そんな大それたことが出来たのか。
 筆者に、理由を明確に教えてくれた人物は、岸や福田赳夫ら右派事
情に詳しかった松野頼三である。小泉内閣のご意見番で知られた。
 戦争中の児玉は、日本海軍の手先として児玉機関を名乗り、上海を
中心に軍事物資を略奪して回っていたことは、その筋で有名だ。金銀
プラチナの類である。そのために偽造紙幣や麻薬資金を使ったとの指
摘もある。真実に違いあるまい。ともあれ敗戦直前に略奪物資を軍用
機で日本に持ち帰った。この高価な略奪物資の半分(残り半分はGH
Q没収)が戦後に誕生した鳩山一郎・自由党に持ち込まれた。同党が
戦後初の総選挙で第一党になることが出来た政治資金・原動力だ。同
党こそ自民党の源流である。侵略戦争の恩恵を受けての政権担当だっ
たのである。
 日本政治の最大の恥部だ。逆に、このことが児玉の、確固たる自民
党内での黒幕を約束させたのである。この史実を松野証言で知ったの
は、かれこれ10数年前であろうか。ここにこそ戦争のできない日本
を、戦争のできる日本への改憲論の原点が存在していたのである。

<象徴否定の絶対天皇制>
 知られざる児玉資金を探り当てた主役は、自由党を立ち上げた鳩山
の側近・河野一郎である。彼が戦前の政友会の黒幕・辻嘉六に資金調
達を懇願した。すると辻が、闇に秘匿した児玉資金の存在を察知した
。辻の説得が功を奏して見事自由党の設立・選挙資金に化けた。これ
ほどのおぞましい政治的事例は、戦前戦後を通じてない。
 もしも、自民党が民主主義政党を名乗るというのであれば、自らこ
れを総括・反省・謝罪が求められようか。国民と中国政府・人民に対
して。永遠に蓋をすることなど出来ない相談であろう。このままでは
対等・健全な中国・アジア外交など望むべくもない。
 児玉がこの略奪物資を鳩山に手渡す様子を、松野の実父・鶴平は目
撃していた。息子の頼三が知悉していた理由である。彼は晩年になっ
て、この秘話を筆者に明かしたのだが、恐らくは自民党の将来を慮っ
てのことだろう。真相を闇に葬ることにためらいがあったのだ。彼も
また、善良な政治家であったのだと信じたい。
 児玉自身、この辺の様子を彼なりに自己弁護しながら証言している
。文句なしに真実なのだ。そして鳩山に財宝を手渡した時の条件が「
絶対天皇制」というものであった。戦前回帰だ。現行憲法の象徴天皇
制ではダメだ、というのである。さればこそ鳩山内閣が改憲を公約に
掲げた真相が判明しよう。闇資金提供者の右翼・児玉の厳命であった
からである。

<岸内閣の黒幕>
 鳩山内閣を誕生させた児玉は、続いて岸内閣発足の黒幕ともなった
。このころから岸と共に日米軍事利権と賠償利権にも首を突っ込んで
いく。関東軍参謀の瀬島龍三らも。
 いわゆる60年の安保騒動で、日本国内に反対運動が、それこそ燎
原の火のように広がっていった史実は誰しもが承知している。A級戦
犯内閣による日米軍事同盟強化政策に、全国の学生・労働者・市民が
国会と首相官邸を包囲した。戦後日本の民主化が高揚した一大局面で
ある。東大生の樺美智子が犠牲になった。彼女の友人が後の防衛庁長
官になった池田行彦だ。彼の証言である。自民党幹事長をした加藤紘
一も国会デモの常連だった。二人とも右翼を排したリベラル。岸や中
曽根を嫌った。リベラル派の宏池会に所属したのも、それなりの理由
があったのだ。
 この重大局面で岸は右翼・暴力団を動員して市民・学生を弾圧した
。岸が盟友の右翼のドン・児玉に要請したからである。二人はA級戦
犯容疑者として巣鴨刑務所につながれた仲間である。岸は赤城防衛庁
長官に対しては「自衛隊を出動せよ」と迫った。しかし、赤城は「国
民に銃口を向けることは出来ない」といって抵抗した。赤城の判断は
まともだった。彼は晩年、平和派の三木派に所属した。
もっと読む>>
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51311509.html
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◆コラムEYE:コラム「魔女の一撃」:片山通夫
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 「魔女の一撃」に見舞われた。この月曜日の朝のことである。
その瞬間、身動きが取れなくなった。「ウソ?」、これが筆者の最初
の反応だった。 
 月曜日と火曜日は何とかごまかしながら、動くことが出来た。
 それでもとても我慢が出来なくて火曜日には、写真の撮影に使う一
脚(三脚でなく)をとりだして、ステッキ代わりに町を歩いた。どう
しても済ませなければならない用事があって・・・。

 水曜日はとても我慢が出来なくなりついに立ち上がるのはトイレに
行くときだけと言う「寝たきり」の生活。しかし木曜日にはどうして
も行かなければならない所用があるので、鍼治療に向かった。鍼は初
めての経験。「そんなものが効くのか」と言う疑問があったので今ま
で見向きもしなかったが、ついに自説を曲げることに・・・。

 「明日どうしてもはずせない所用があって動けるようにしてくださ
い」と泣きつく。鍼そのものは30分もかからないで終った。

 結果は最悪・・。木曜日と金曜日はまったくの寝たきり。
そして今日、ようやくこの原稿を書くことが出来るまでに回復した。
木曜日の所用は平身低頭断ることになった。
ベッドで寝ながら「平身低頭」はないとはおもうが。
 「魔女の一撃」。的確な表現だ。ぎっくり腰の一週間。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年10月24日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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サハリン州知事、ロシア経済発展省会議に出席

 先日のロシア経済発展省の「極東及びバイカル経済発展プログラム
会議」にア・ホロシャヴィンサハリン州知事も出席した。デ・メドヴ
ェゼフ大統領は極東地域を視察した後、同地域を住みやすい地域にす
るための明確な方案を立てるように政府に命じた。会議では同地域の
発展戦略の樹立と共にこれを全担する組織を設けることを決めた。今
後の課題として挙げられたことは、新しい戦略が2020年までのロ
シア国家発展戦略と矛盾しないのか、そして新しい組織の適切性につ
いての検討であった。サハリン州知事は、中央政府の構想が原料生産
から原料加工へ方向転換を図ろうとしているサハリン発展戦略と相反
する点があると異議を提起する他、サハリンと大陸との運輸問題が解
決できないとロシアの僻地に住んでいるとの意識、それによるサハリ
ン離れの現象は改善できないと主張した。州知事によると、最近サハ
リン人口は20万人、全極東地域では200万人が減少した。政府会
議は極東地域に特別な関心を払うべきだと結論付けた。

日本外務省代表サハリン訪問―サハリン韓人問題把握のため

 日本外務省アジア大洋州局北東アジア課職員2人がサハリン韓人問
題把握のためにサハリンを訪れた。16日、ユジノサハリンスク駐在
日本総領事と一緒に二人は、サハリン韓人センターを訪ね、見学の後
、韓人会代表らと会議を開いた。韓人会によると、会議の際、韓人会
側は二重国籍、残留1世への生活支援とサハリンに韓人高齢者のため
のアパート建設、韓人フォンド組織、文化センター運営費支援などを
提案し、そして、二重徴用被害者遺族会の要求書も伝達した。日本側
は韓人文化センター建設後の補修を約束したことを認める他、センタ
ー運営支援については考慮すると答えた。

高橋北海道知事サハリン訪問

 サハリンと北海道間友好及び経済協力条約締結10周年を向かえた
今年、高橋北海道知事はその更新のためにさる21−24日間の日程
でサハリンを訪問した。滞在中、経済協力関連施設の視察と原油会社
指導部との会談を行う他、サハリン国立大学の日本語コンテスト授賞
式に出席するなど教育、文化関連機関をも視察した。

4・4分期最低生活費

 サハリン州最低生活費関連法によりサハリン州政府が決めた4・4
分期住民一人当たりの最低生活費は次のようである(単位ルーブル)
。平均最低生活費7373、労働能力のある者7800、年金者60
11、子供6946。

伝染皮膚炎流行

 16日、ユジノサハリンスク市政府が、最近流行っている皮膚炎の
件で緊急会議を招集した。近頃、一般学校(初・中・高校)学生らに
間で皮膚炎が流行っており、幼稚園や児童病院患者にまで拡大しつつ
ある。伝染の原因がはっきりされていないため、当局は学校など関係
者に注意を呼びかけながらプールや共同浴場など伝染の元と思われる
施設を点検することにした。

今年40頭の熊射殺

 11日、ウゴレゴルスクのシャフチョルスクのダーチャ(別荘)に
熊が現れ、犬2匹を殺す事件があった。極東では「2008年は熊が
狂った年」と言われるほど熊による被害が通年より多かった。春が早
く訪れたために早く冬眠から目覚めた熊が餌がなくて山を降りてきて
民家を襲ったのである。サハリンとクリルには3−4000頭の熊が
住んでいると推測されている。サハリン熊の特徴は多産で2−4頭を
出産する。今年、サハリンで熊を見つけたとの通報は200件ほど、
そして40頭が射殺された。専門家たちは熊に出会ったとき、如何す
れば良いのかについて住民らは全く知識がないと指摘している。

モネロン島、総合開発

 さる20日、カ・ストロガノフ州知事代行が「モネロン島総合開発
のための実務会議」を開いた。会議ではこの数年間行われたモネロン
島総合開発事業についての報告がなされたが、発表によると、島では
住宅などの建築事業が進んでおり、今年は337人の観光客を受け入
れた。会議では今後1カ月の間に、モネロン島開発3カ年計画案を完
成することを決めた。

サハリン韓人展示コーナ−韓人文化センター

 17日、サハリン韓人文化センター内に「サハリン韓人の過去と現
在」と名づけた展示コーナができた。オープニングの日、ユジノサハ
リンスク駐在韓国領事とサハリン州政府文化局長など関係人事が出席
。李・スンウクセンター長は展示品をどう集めたのかについて説明し
た後、若い世代の教育に重要な役割を果たすであろうと期待を述べた
。韓人文化センター2階の一角に設けられた同コーナには韓人らの日
常生活道具や民族衣装と楽器の他、成功したサハリン韓人同胞のコー
ナー(写真と説明)、母国語教育関連の写真や資料などを見ることが
出来る。
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◆コーヒーブレイクから         
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*「酒と女と写真機と」#19:片山通夫
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-116.html

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html

コーヒーブレイクへ
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 麻生首相が解散に慎重な姿勢を見せ出した。与党内でも賛否両論。
やはり勝てる喧嘩しかできない?
 景気対策か、民意か?正論なら民意だろう。なにしろ二代続けて、
一年で総理の座を投げ出した人を送り込んだ政権与党なのだから。

 ところで「魔女の一撃」という言葉をご存じか?
詳しくは 
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-117.html

というわけで、今週はここまでで失礼したい。
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発行     2008年10月28日   No.360
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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