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タイトル:609studio No.359◆本澤二郎の政治評論「オバマ・ワシントンと日本・世界」  2008/10/21


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/10/21  No.359
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
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◆現代時評:休載です。

◆本澤二郎の政治評論「オバマ・ワシントンと日本・世界」 

◆コラムEYE「現代語感」:片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:2008年10月10日号

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに!
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◆本澤二郎の政治評論「オバマ・ワシントンと日本・世界」 
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<偏狭な日米軍事同盟論と日本衰退>
 ブッシュが自滅し、代わってオバマがワシントンの新しい主人公にな
る。クリントンがブッシュの父親から政権を担当したときも莫大な借金
で四苦八苦させられたが、オバマも同様というよりもその額たるや空前
のものだから、その苦労はクリントンの比ではない。足腰が立てないほ
ど傷口は大きい。

 ブッシュと手を握った英国のブレアは、とっくの昔に政権から追い出
されてしまった。戦争犯罪人という悪名をつけられて。小泉は83人の
チルドレンを見殺しにして引退してしまう。敵前逃亡である。平沼赳夫
は「戦国時代なら火あぶりの刑だ」と息巻く。

 思えば、偏狭ともいえる日米軍事同盟強化論者によって日本は予想外
の損害を被ってきた。岸−中曽根―小泉がその代表である。岸は日本を
反共の防波堤にしてアジアとの関係をおかしくさせた。中曽根はとどの
つまりバブル経済によって経済大国の地位を喪失させ、とどのつまりは
日米経済戦争において敗北させられた。日本もまた足腰が立たない財政
赤字に泣かせられている。小泉はブッシュ戦争に加担しただけではなく
、公正な安定社会の日本を弱肉強食・格差の社会に変質させて人々を不
安に陥れてしまった。岸もそうだが、小泉もまた戦争犯罪人のレッテル
を貼られようか。
 3者に共通する点は平和憲法を踏みにじったことでもある。

<産軍複合体と市場原理主義>
 ブッシュ自滅の原因の一つは、1%富豪の代理人でもある産軍体制の
意のまま戦争を引き起こし、莫大な財政赤字を作ってしまったことだろ
う。その影で無数の無辜の民が殺されている。因果応報という。彼の将
来が気になるところである。
 その一方で世界をグローバリズム経済に叩き込み、背後で1%富豪ら
の証券化商品という化け物・モンスターを生み出して、それを世界の金
融機関にばら撒いて破綻させてしまった。穴埋めを庶民・大衆の血税で
救済させているが、むろん不足している。

 これほどの悪役大統領も珍しい。そんなブッシュと歩調を合わせてき
た小泉―竹中―宮内コンビの動向は、今後とも注視する必要があろう。
 産軍複合体と市場原理主義が1%富豪の支援者なのである。世界を混
乱に陥れる元凶なのである。ここを分析しない政治学は価値などない。
それは天皇制を知らずして日本を論じるのに等しい。

<中国中心の多極化時代>
 かくして覇権国・アメリカの失墜で世界は、文字通り「無極化の時代
」に突入してしまった。米帝国は消滅してしまった。中期的にみると、
条件付だが中国を中心とする多極化の時代に移行しよう。中国の台頭を
否定するものは多くないはずだ。中国を中心にロシア、EU、米国によ
る多極化の時代が訪れよう。歴史的に見て中国は国土が広く、中国人に
とって海外侵略野心はないか薄い。その分、世の中は安定志向であろう。
 東アジア共同体が実現可能である。日本にリベラルな政権が誕生すれ
ば、これの実現はより早まるとみていい。確率は高くなってきている。
環境技術で日中韓ロが協調するようになれば、理想的なアジアが誕生し
ようか。

<対話と協調の時代>
 問題はオバマのアメリカであるが、外交面では対話と協調路線が強ま
ると見ていい。イランなど各国の指導者が自重した行動をとれば、質素
な世界での安定といった予想外の成果をうむかもしれない。楽観的過ぎ
ようか。
 人々を安心の社会に送り込む方策は、莫大な金を必要とするが、それ
は平和・軍縮路線を採用しない限り不可能である。年金・医療の完備の
ために各国指導者は、徹底した軍縮政策を断行するしかないだろう。他
に方法はない。日本こそ率先実行しなければ、病んだ社会の再生はあり
えないだろう。永世中立国・日本こそが目標となろう。これしかないの
だから。
 殺し合いが少なくなるという政治的効用は、計り知れないものがあろ
う。

<ケネディにならないオバマ>
 「オバマ暗殺」を決め付ける米国通は少なくない。ケネディの二の舞
になる、という推測である。確かに米国大統領の最大かつ永遠の課題は
、実権を握る産軍複合体との距離の持ち方だ。嫌いすぎたケネディは彼
らの餌食になってしまった。ただし現在の「死の商人」は、相次ぐブッ
シュ戦争のお陰で、お腹は相当膨らんでいる。メタボリック症候群のよ
うである。したがって、ケネディ暗殺のような可能性はゼロと決め付け
られないが低い。大軍縮はむしろ彼らに健康体を取り戻す好機になるか
もしれない。
 オバマは、弱者・少数派に対して寛容な政策をとるだろう。これの効
果は小さくない。各国とも弱者の反乱に対して、武力でなしに対話路線
をとるからである。比例して地域の内紛はしぼんでいく。たとえ発生し
ても押さえ込むことができる。対話と協調路線が鍵を握る。この点をス
ペイン、ロシア、中国の指導者は見習うだろう。

<大軍縮で年金確保>
 とはいえオバマのアメリカ再生は厳しい。クリントンは大軍縮を断行
した。国内の基地をたくさん閉鎖した。その英断はその後の経済再生を
可能にした。公務員を大量に辞めさせた。これもすごい。
 日本では、アメリカに比べて財政は文句なしに悪い。世界で最悪だ。
年金・医療の破綻原因は、ここに根源があるからである。最近の日本人
ノーベル賞の乱発は、精神的に落ち込んでいる日本へ活を入れようと
したものである、と筆者は理解している。
 オバマはクリントンが実践した変革を断行するだろう。しかし、それ
でも十分ではない。金融機関の暴走はアメリカを何回も破綻させている
ほどの被害を与えているのだから。マケインではなく、オバマを選択し
たのはよいにしても、これからの歩みは途方もなくきついものとなろう。
 孫の生き血を吸う日本もまた、より厳しい道が待ち構えている。自民
党官僚政治のツケは巨大すぎるのである。 2008年10月19日記
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◆コラムEYE:「現代語感」:片山通夫
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  富山治夫という写真家がいる。73才でなお健在だ。朝日ジャーナ
ルという週刊誌やカメラ毎日などに連載されていた「現代語感」は筆者
にとって素晴らしい写真の数々だった。
 続きを読む↓↓↓
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-114.html
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年10月17日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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州議員、韓人から二人当選か

 10月12日に行われたサハリン州議員選挙予備結果によると、投票
率30.6%。得票率はイエジナ・ロシア党55.2%、ロシア共産党
23、1%、ロシア自由民主党10%でイエジナ・ロシア党の圧勝。最
終結果は2週間後に出るため、確定ではないが、予備結果によると韓人
候補2人が当選。イエジナ・ロシア党所属の鄭・ヴァレリと共産党の呉
・チンハさんだ。

預金保険金引上

 10月13日、ロシア連邦議会は金融市場の安定のために、個人貯金
保護に関する現在のロシア連邦銀行法を修正し、営業許可を取り消され
た銀行の貯金者らの預金保険金を70万ルーブルまで引上げるとした新
規定を承認した。

新教育プロジェクト紹介

 さる14日、ユジノサハリンスク市内の会場で州政府の新教育プロジ
ェクトの紹介式があった。それによると、州政府は現労働市場環境に適
したサハリン大学教育のために、職業訓練センターと愛国教育センター
を設立し、技術教育、環境教育、広報教育などを教育事業に力を入れる
とのこと。

医療展示会

 10月14〜16日間、ユジノサハリンスク市内のドム・オピチェル
フ(将校会館)で第4回医療展示会が開催された。新しい医療機器の紹
介の他、専門家の研修とセミナーもあった。

サハリン国立総合大学総長選挙

 14日、初めてのサハリン国立総合大学総長の選挙があった。3人の
候補者の内、現総長のボリス・ラマザノビツ・ミシコフさんが再選。ミ
シコフ総長は1998年から総長を勤めてきた。

勝利の広場再建

 14日、州政府はユジノサハリンスクの勝利の広場再建問題で会議を
招集。設計案によると、当広場にはミニサッカーやレスリング、トレー
ニング室、児童バスケット学校などが増設される。2009年完成を目
標に今年の末まで具体的な設計案を立てる方針。

サハリン出身画家らの展示会

 今月9日、サハリン国立美術館開館26周年をひかえ、開館以来最も
大規模の展示会がオープンした。「画家37人のサハリン」というテー
マで美術館が所蔵しているサハリン出身画家の作品中1940年代から
現在までの作品を選別して展示する。

日本語スピーチコンテスト開催

 9日、サハリン国立総合大学でロシア極東及び東部シベリア大学生ら
の日本語スピーチコンテストが開催された。ハバロフスク、ウラジオス
トク、マガダン、チタ、カムチャッカ、イルクツク、ヤクチヤなどから
大学代表13人が参加した。最優秀賞はハバロフスク極東国立人文科学
大学のア・ニコラエワさん。

津波予報訓練

 今月28〜30日間、津波予報国際訓練が行われる。サハリン津波セ
ンターのテ・イヴェスカヤ館長によると、62カ国で22万6千人の死
亡者を出した2004年のインドネシアの津波のような悲劇を予防する
ため、太平洋岸諸国が共同で行うのが同訓練。クリルとカムチャッカで
大規模の津波が発生しオホーツク海とサハリンにその影響が出たとの想
定で訓練が行われる。ロシアで最も大規模の津波は1952年サハリン
州で起きた。20m高さの津波で北クリルスク市が全滅、2千人の市民
が死亡した。

交通事故で北朝鮮国民死亡

 9日の夜、24歳の若い女性の飲酒運転で北朝鮮国籍の人(1960
年生)が車に轢かれて死亡、刑事事件として提訴。

父の跡を追う

 サハリン韓人二重徴用被害者遺族会の会員4人が在日朝鮮人運動史研
究会の支援で日本茨城県の山一、関本炭鉱と常盤炭鉱などを訪ね、現地
で犠牲になった朝鮮人労働者犠牲碑に参拝した。

サハリン展示コーナー開設

 来る17日、サハリン韓人文化センターが韓人歴史展示コーナーを開
設する。「サハリン韓人の過去と未来」と名づけられた同コーナーには
社会の各分野で成功した同胞の紹介コーナを含め、韓人の日常生活を伝
える多様なものが展示される。

ハングルの日記念

 10月9日は韓国のハングル(韓国語の文字)の日。サハリン国立大
学韓国語科学生たちはこの日を記念して翌日の10日、韓国語で歌や劇
、クイズなどを楽しむ記念行事を行った。
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◆コーヒーブレイクから         
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*「酒と女と写真機と」#18:片山通夫
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*備忘録
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*セコリョ新聞日本語版
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コーヒーブレイクへ
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◆[編集長から]              片山通夫
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 いささか旧聞だが、自民党が霞が関の官僚に「事前検閲」もどきの
要請をしていた。しかしねじれ国会の功で、年金記録漏れや居酒屋タ
クシーなどの不祥事が発覚したのは、野党議員の資料要求が大きな役
割を果たしたことは事実である。
 
 考えるに「政官癒着」が今まで居酒屋タクシーを放任していたとい
うことになる。年金問題もしかりだ。

 総選挙が近いという。この「癒着」を争点にする必要が我々はある
のではないか。国会議員は我々国民の代表である。彼らに十分な働き
をしてもらうための方策を考えなければならないし、その部分で大い
に働く意思のある人物を見極めて議員として送り出す必要がある。

 世襲で議員になるなんて愚の骨頂。その選挙区では他に人物はいな
いのか?
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発行     2008年10月21日   No.359
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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