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タイトル:609studio No.355◆本澤二郎の政治評論「麻生太郎で決まりか」  2008/09/23


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/9/23  No.355
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
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◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の政治評論「麻生太郎で決まりか」
  
◆EYE:コラム「」:片山通夫

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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◆本澤二郎の政治評論「麻生太郎で決まりか」 
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 自民党総裁選挙は麻生太郎で決まりであろう。人材枯渇を印象付けて
いる。資産家の坊ちゃんの天下というのも、自民党らしいかもしれない。
 昔の政治家の人物評は面白い。保利茂は中曽根内閣で派手に立ち回っ
た金丸信を「鉋屑(かんなくず)だ。マッチ1本で燃え尽きる」と評し
た。松野頼三は中曽根を「富士山だよ。遠くで見ていると美しい。そば
に寄ると汚い」と決め付けた。いい得て妙だ。

 松野は人物評によく魚など動物にたとえた。松野流だと失礼ながら「
肉食魚のピラニアだけではサマになるまい。金魚を一匹放そう。いや待
てよ。トノサマガエルもいいかも知れんな。爬虫類も一匹ぐらいいいか
な。メダカも悪くない」といったところか。

 どうやら雑魚のたぐいになってしまいそうだ。自民党末期を象徴して
いる。鯉は一匹もいない。寂しい限りだ。秦野章ではないが「総裁選は
田舎の猿芝居」のようでもある。こう酷評するには理由がある。

 70年代に永田町を歩いていると、まだ吉田茂の色紙が飾ってあった
。麻生の祖父である。文句は「呑舟之魚不泳枝流」である。原書が誰の
ものか知る由もないが、吉田は好んでこれを書いた。保守本流の意味で
ある。舟を呑み込むような巨大な魚が、今の自民党にいない。

 バブル経済という途方もない失政をして、戦後の経済大国を沈没させ
た中曽根が、まだ君臨する自民党である。風見鶏ゆえに生き延びている
のであろうが、それゆえにバブル経済の総括さえもしていない自民党政
府とそれを支える官僚たちである。役人天国の日本であるが、対抗する
民主党もまた、ことの本質を理解しているようには見受けられない。政
権が交代しても、日本沈没は避けられまい。

 さて、麻生だが過去に一度だけゴルフをしたことがある。射撃の腕前
はいいらしい。庶民離れしている。スポーツマンだ。太らない方法を教
えてくれた。「腕立てを毎日していれば腹は出てこない」と言った。少
しばかり今も見習っている。

 彼は吉田学校の優等生である池田勇人が立ち上げた宏池会に所属した
。当人は、岸信介の孫の安倍と仲がいい。ことほど右翼思想の持ち主で
ある。外務大臣として価値観外交を推進した。秘書に「爺さんを見習え
」と何度もいったことがあるが、聞く耳を持たなかった。麻生派の事務
局長の森英介にも苦言を呈したこともある。

 だいたい宏池会には右翼はいなかった。リベラルが基調である。70
年代以降、例外は軍恩連の板垣正(実父・征四郎は関東軍参謀)だけだ
った。むろん、派閥で彼は浮いていた。麻生夫人は、社会党にも所属し
たことのある鈴木善幸の娘である。派閥が分裂したとき、リベラルの河
野洋平に従った。

 それでも、彼の右翼思想に変化はなかった。その理由がわからない。
台湾関係か。リベラルの洋服を着ることで、うまい具合、本性を隠して
きたものか。河野も手を焼いたのだ。

 彼は経済人として景気対策、といっても持てる側の景気に配慮するだ
ろう。ばら撒き補正予算を成立させてからの解散に執念をたぎらせるだ
ろう。補正後の年内解散か、それとも2009年度予算を編成、もしく
は成立させての解散を考えているものか。

 臨時国会冒頭解散は想定しにくい。1ヶ月天下に満足しない麻生なの
だから。公明党との蜜月はよく知らなかったが、今の自民党は公明・学
会の支援なくして選挙を戦うことは出来ないほど落ちぶれている。悪政
の数々を大衆が察知してしまったからである。内政に縛られる政権でし
かないだろう。

 庶民の怨嗟の声は、特権層・役人天国に向けられている。軍事利権だ
けではない。これらに斬り込める政党が出てくるのかどうか。自民党の
残されたわずかなチャンスでもある。

 米大統領選挙での民主党候補は金持ちから税金を取ると公約している
。日本はその逆である。どうかしている。雑魚のような小党が分立して
いるのも、この国の将来を暗くさせている。大局論のわからない日本政
局ではある。
2008年9月7日記
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◆EYE:編集局からの手紙「2代続いて敵前逃亡」:片山通夫
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 自民党総裁選が昨日終った。なんとも虚しい思いを残した総裁選だっ
た。5人もの候補者が出たのは良い。しかし、結果は大方の国民には読
めていた。民主党の小沢代表無投票再選に負けず劣らず「出来レース」
である。原因は何か考えてみた。

 昨年、安倍前首相が突然辞任した。続いて一年足らずで福田首相も辞
任。安倍前首相の辞任の弁は民主党の小沢代表に「党首会談を断られた
」と。福田首相も「ねじれ国会で民主党が重要法案の審議に応じない」
と泣き言を言ってのけた。

 いずれの首相も愚痴で辞任したわけである。昨年の参議院選で大敗し
た自民党のときの総裁が「党首会談に応じてくれない」とやめる。ねじ
れ国会で野党が審議引き延ばしするから辞任というのはいかにも「二世
議員のひ弱な体質」だといえる。このような首相を頂く国民こそいい迷
惑である。

 安倍前首相は「選挙の顔」にちょうど良い、福田さんは実直である。
世の移ろいに応じて顔を付け替えるにはいかがなものか。
 あるコメンテーターが福田辞任のニュースの後テレビで、次のように
コメントしていた。「国際社会はこの二年続きの首相辞任に衝撃を受け
ている」というものだった。冗談も休み休みに言ってもらいたい。当時
の外電などをチェックしてみても、ニュースとしては取り上げられてい
たが決して「衝撃を受けて見られている」というものではなかった。

 思うに日本の政治は「どうしようもないほど混乱もしくは停滞」して
いて、いまさら反応しようがないという見方が大勢ではないだろうか。
だから「福田辞任のニュース」は、そんな従来からの日本の政治に対し
ての見方を追認しただけだったのではと考えるわけである。原因は戦後
以降、自民党が、一時期を除いて政権をとり続けていたという異常なわ
が国の政治体制にこそあるのではないか。 

 尋常でない政治体制だから「官僚が幅を利かせ」、政権政党は「政権
を維持すること」にだけ汲々とする。だから「野党が相手をしてくれな
い」と泣き言を言って「敵前逃亡を平気でやってのける首相」を二人も
出すことになる。 

このような自民党はもはや政権担当能力を失った政党である。潔く野に
下るのが正道だ。国民生活を覆う政治不信、官僚不振はもはや限界を超
えている。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年9月19日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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州知事の記者会見

  17日、ア・ホロシャヴィンサハリン州知事と州内言論機関指導者
との3回目の懇談会が開かれた。州知事はまず、南オセチア問題につい
て「ロシアと長期間友好関係を保ってきたグルジアとの関係が悪化した
現在、ロシアは独立連合国家との友好関係を一層強化する必要性を認識
しており、アブハジアと南オセチアへの経済的支援はロシア経済に何ら
かの影響があると見ているが、サハリンの場合、サハリンプロジェクト
−1からの収入は増加し、サハリンプロジェクト−2からも少なくない
収入が得られると予測されれいるため心配はない」と述べた。又、倒産
の噂のあったサハリンベスト銀行の件を触れながら州政府は如何なる銀
行にも株を持っていないと言明し、連邦政府に地方銀行の監視により力
を入れるように要請したことと、日本の北海道銀行がサハリン進出を図
っており、来る10月の北海道知事のサハリン訪問の際、同件について
話し合う予定であると伝えた。他にネベリスク市の復帰作業が順調に進
んでいると報告した。

ユジノサハリンスク市へバス20台贈呈

 17日、サハリン州知事がユジノサハリンスク市長にバス20台の鍵
を渡した。州予算で購入した同バスはロシアカマズ社製ニェパズ型の1
00人乗りのもの。バス会社が1年間技術サービスを行う。しかし新し
いバスの運転技師を探すのに苦労しているとのこと。

木造住宅建設進める

 16日、サハリン州政府は木造住宅発展問題で会議を開いた。会議で
は、サハリン州内にはコンクリート住宅に適していない地域、特にアレ
クサンドロフスクーサハリンスク、トイモブスコエ、ノグリキ、スミル
ヌイフ、トマリ、ウゴレゴルスクなどは木材も豊富であるため、木造住
宅を建設した方がより有利であり、そのためには住宅用木材加工工場の
建設が優先されるべきであるとの指摘があった。州政府は既に2015
年まで木材加工企業支援策を進めている。

選挙運動用ヘリのチャーター費300万ルーブル

 10日、モスクワで開かれたロシア中央選挙委員会主催の会議に参加
したサハリン州代表の発表によると、10月12日の第5期州議員選挙
運動のために借りているヘリのチャーター費用が300万ルーブルに達
している。59の島からなるサハリン州は交通の不便な地域が多い他、
海で漁業中の住民をまで訪ね選挙活動を行うにはヘリを利用する他方法
がないとのこと。

サハリン教育発展戦略必要

 10日、学校問題で行われた州政府会議によると、教師と幼稚園不足
問題は今も深刻。安月給や勤務環境が好ましくないため若者は教師の職
業を避けているため、本来なら定年退職して年金生活を送るはずの高齢
者がそれを埋めている状態がつついており、8千人の児童は空きがない
ため幼稚園に通えない状態。州知事によると今年の年末まで州予算で1
5カ所の幼稚園(定員240人)が建設されるとのこと。

オーストラリア産優良種乳牛サハリンへ

 オーストラリア産優良種乳牛1200頭がサハリン州を始めアムル州
、ハバロフスク、沿海州、ユダヤ人自治区に輸入された。サハリンには
500頭が入ったは2006年実験用に入れた乳牛が寒い現地気候にう
まく適応し高い生産性をみせているのが追加輸入の背景にある。

日本製爆弾発見

 先月、イリインスキ部落(トマリ区域)から12キロ離れた処で市民
が爆弾を発見。専門家の調べによると第2世界大戦時代の日本製爆弾で
あることが確認され、発見現場で爆発させた事件があった。

車6千台輸入

 サハリン州税関によると、過去8カ月間サハリン税関への貨物税関申
告件数は1万6500件。そのうち、船舶貨物2270件、航空貨物1
332件。そして、6千台の外車が輸入された。

朝鮮人虐殺事件を描いた小説出版

 12日、サハリン韓人文化センターで、現在サハリン州保安管理局副
局長を務めているウラジミル・グリンさんが出版した本を紹介する集い
があった。「今も治っていない傷跡」というタイトルの本は1945年
8月カミシスカ(現ポロナイスク区域レオニドヴォ部落)であった何の
罪もない18人の朝鮮人が殺された虐殺事件を小説化したもの。この事
件については1990年代初、セコリョ新聞にも掲載されたことがあっ
た。韓国語の訳文も一緒に載っている。翻訳はセコリョ新聞のベ・ヨン
スク記者が担当。「最初はロシア語だけにしようと思ったがサハリン韓
人1世らにも読んでもらいたかったので友人のベ記者に翻訳を頼んだ」
と著者は説明した。エン・グリシェンコさんの書いた挿入画も好評。

サハリン韓人二重徴用被害者遺族会の動向について

 今年8月、悲運のサハリン韓人二重連行から64年目。登録されてい
る被害者は288人。しかし、被徴用者は現在一人も生存していない。
2001年7月会を発足して以来日本政府に真相調査を依頼する他国際
社会にも訴えるなどの活動を続けてきた。又、被害者のために慰霊碑を
立てる他3冊の資料集をも発行した。また、日本人の協力で九州と茨城
などの現場を訪ねたこともあった。今年10月初旬、4人の遺族が茨城
県を訪ねることになった。引率者のイム・テファンさんの他、二人の女
性が父親の跡を追う。又、シャッチョルスクに住んでいる李・ヨンレさ
んは64年ぶりに兄に会いに行く。ヨンレさんの兄李・ヨンシクさんは
1944年父親と一緒に徴用で茨城県の炭鉱に連行されたが、戦後サハ
リンに戻れず日本に残った。その後消息不明だった。しかし、2005
年行った「日帝強占下強制動員真相究明調査委員会」にヨンシクが被害
者登録をしたことで消息がわかった。ヨンシクさんは安山に永住帰国し
た長兄とは既に再会した。ヨンレさんの兄との再会は遺族会の徐・チョ
ンギル会長の支援で実現できたもの。ニ重徴用関係の資料は2005,
6年真相究明委員会が調査結果を纏めた2冊も含め、サハリン文化セン
ターと遺族会が置いてある。被害者名簿などはここで調べることができ
る。
             二重徴用被害者遺族会顧問 鄭・テシク

朝鮮の手芸作品展

 9月6日―30日までサハリン国立美術館で、開館25周年記念特別
展として北朝鮮ナホトカ総領事館が主催する朝鮮の手芸作品の展示・直
販会が開かれる。第1回サハリンの花草フェスティバルの一つとして開
かれることもあって展示作品は朝鮮の花をテーマにしたものが中心。展
示作品数は125点。美術館によると既に展示作品の半分が売れた。
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◆コーヒーブレイクから         Michio Katayama
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*特別展「在日100年の歴史を後世へ」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-56.html

*備忘録#109「汚染米か?事故米か?」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-55.html

*酒と女と写真機と」#14
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-52.html
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 汚染米の「被害」が広がっている。風評被害もあるようだ。農水省の
トップ二人が辞任した。当然のことだと思うが、問題に対処している役
人は大変だろうと同情もする。「おかしい」といえない役人が多いので
はないか。いや、言える環境ではないから問題が起こる。

 過去、失言で辞めた大臣は数多い。今度ある選挙では彼らを当選させ
てはならない。
 なぜなら「辞任しなければならなかった人」だからである。
まさか大臣には不適格だが、国会議員だったら・・なんてことはないは
ずだ。そうでないとわが国の政治はますます低迷し、政治家を信じられ
なくなる。
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発行     2008年9月23日   No.355
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
              MailuX配信システム        ID:MM3E1B97842E020
e-mail        office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿      http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
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