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タイトル:609studio No.352◆現代時評:「政局政党と福田首相」  2008/09/02


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/9/2  No.352
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:「政局政党と福田首相」       ken

◆本澤二郎の政治評論「福田康夫首相電撃辞任会見」 本澤二郎

◆EYE:「逝く夏」

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年8月22日号

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年8月29日号

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から

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◆現代時評:「政局政党と福田首相」 ken
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◆◆ あらたにす 新聞案内人−読売島脩氏 2008.8.29 北京五輪
の総括で、日本の新聞各紙は、中国政府の人権抑圧、報道規制など政
治権力の不当介入を厳しく批判し、改善を促した。半面、世界経済が
後退局面に向かう中、成長持続のカギを握る中国の経済運営について
は、注文と同時に期待感をにじませた。 

◆◆ 福田内閣メールマガジン 2008.8.28 「龍には数十万枚もの
うろこがある。しかし、その中にたった一枚でもヘビのうろこがあれ
ば、それは本物の龍ではなく、ヘビが龍に化けたニセの龍である。」
  つまり、いくら立派にみえる政策でも、そこにひとつの嘘があれ
ば、国民の目をごまかすことはできない、ということです。  政治
家は、常に、この鋭い国民目線を意識し、さらには、恐れるべきだと
思っています。 


■■ 福田首相はさらに続けて言う、「国民の皆さんは、政治に安全
が確認できなければ安心できません。安全と安心が実感できれば、次
には必ず政治を信頼してくれると思います。来月には、いよいよ国会
が始まります。消費者庁をつくるための法案や、物価高などに直面す
る国民生活の安心を実現するための経済対策など、安全・安心を守る
ための政策や国際協力のあり方についてしっかりと議論し、すみやか
に実施に移します」と。 

■■ ボクは福田首相をひじょうに買っている。 「平和で上品な国
日本」の首相として、近来まれにみる立派な人だ。 その典型が彼の
上記のメールマガジンの文章になっている。 彼の「安全・安心内閣
」というスローガンはまことに時宜を得たものと解する。 政治に大
向こうをうならせる大言壮語も要らなおし、小泉氏のような劇場型ス
リルもサスペンスも要らない。 一国の内閣はささやかで、国民に安
全と安心を与えてくれればそれで取りあえず充分とすべきだ。

■■ ところが政府・首相というのは、ややもすれば自らの政治生命
をより長からしめんため、あるいは自分の名を挙げんために要らざる
スタンドプレーをし、国民のヒロイズムを鼓舞し、「世界の一流国日
本」への道を歩ませようとする。 少し低次元の批評をすれば、とき
の内閣・首相は自らの利益・名誉のために政敵を造り、好んで政争を
惹起し、部下官僚の悪巧みや失敗を防ぐのには疎かである。

■■ そういったことが政治に常態化し、国民もそれに慣れきって、
「世界の一流国日本」とか、「国際貢献の日本」とかに望みを賭け、
もし首相がそれを志向しなければ凡庸、暗愚の指導者としての烙印を
押したがる。 さらには政治家社会の政争をとうぜんのこととし、庶
民もその尻馬に乗りたがる。 これは用心しなければならない。

■■ それともう一つ、国民の声という造られた与論は、往々にして
英雄的首相を求め、首相に常人を越す能力、つまり事に当たっての快
刀乱麻の手腕を期待しすぎる。 そしてその期待が裏切られたなら、
首相を非難する。

■■ ボク思うのに、世界の大国アメリカや中国の首領は別として、
日本の首相程度であれば、そのような超能力的に立派な人物は要らな
い。 普通の人が普通の人なりに日本という普通の国を常識的に卒な
く倫理的に運営してくれればそれでいいのである。 政治家の倫理を
説く古代中国の孔子も、儒教でそれを教えた。 決して超能力者とし
ての政治家を孔子は求めなかった。 修身、斉家、治国、平天下の順
序を守るのが政治家の要諦であった。 国民に安全・安心の心を得さ
せるのが先ず順序で、それ以外のことは安心安全が確保できた後の課
題なのだ。

■■ 冒頭に引用した福田首相による今週の「安全安心内閣」を読ん
だある評論家が、「あの首相のメールマガジンを見て、たいへん腹が
立つ。 よくもあんなことを言えたものだ」と、血相変えて怒ってい
る。 首相の名文のどこがいけないのかと、更にその人の言を紙面で
追ってみると、「遣い込んだ年金を返せ、悪事を働いた官僚どもを罰
せよ」の連続である。 それについては今、首相以下の閣僚が少なく
とも表面上は一所懸命になって探し出し、事後処置を講じている最中
であり、それが首相の目標たる「安全安心内閣」へのスローガンを非
難する理由にはならない。 それを混同して「首相は怪しからぬ」と
血相を変えても、首相たるもの一時に二兎を追うことは難しいのだ。 

■■こうした次元を越す二つの事柄を一度に求めるのは、いわゆる評
論家たちの、無責任な言いたい放題の弱点と言うべきであろう。 

■■ そのいい例が、今回終了した北京オリンピックへのわが国評論
家たちの批判である。 かたや中国のオリンピックは成功した、との
好意的批評と共に、かたや報道陣への秘匿的態度は怪しからぬとか、
チベットへの弾圧は非人道的であるとかの非難を姦しくする。 あの
13億人国家に自由勝手な報道を許し、そしていささか前時代がかっ
た旧チベット指導者たちによる信教の自由に名を借りた無知蒙昧さを
野放しにしていて、あの北京オリンピックの成功は得られなかったで
あろうことは明白である。 今回の中国政府の採った態度は、時宜に
即した折衷行政措置としてむしろ褒められるべきではないか。

■■ それについてはちょうどきょうIT画面上に出た「あらたにす
」の新聞案内人−元読売の島脩氏がうまく言っている、「日本の新聞
各紙は、中国政府の人権抑圧、報道規制など政治権力の不当介入を厳
しく批判し、改善を促した。半面、世界経済が後退局面に向かう中、
成長持続のカギを握る中国の経済運営については、注文と同時に期待
感をにじませた」と。 たしかにものごとには「注文と同時に期待感
」が必要なのは、あえて中国政府に対するものだけではない。

■■ わが福田首相に「優柔不断でなにも出来ない」とこき下ろすの
もあるいは必要かも知れない。 が、同時にいまどき珍しい派閥政争
に巻き込まれるのを拒否しようとする首相の、「いくら立派にみえる
政策でも、そこにひとつの嘘があれば、国民の目をごまかすことはで
きない・・、安全と安心が実感できれば、(国民は)次には必ず政治
を信頼してくれると思います・・、安全・安心を守るための政策や国
際協力のあり方についてしっかりと議論し、すみやかに実施に移しま
す」という言を立派であるとし、取り敢えずは信頼して日本の近未来
を彼に預けようではないか。 

■■ いたずらに権謀術数を弄び、政争ばかりをこととする政治家社
会にあって、彼、福田首相は近来希に見る清潔、そして上品な実務政
治家であるとボクは思う。翻って、いまの政局をみる限り、政局とは
つまり政争の一つの節目(ふしめ)であり、自己の利得と政治生命を
維持しようとする職業政治家たちの悪あがきでしかなく、そこには上
品で穏やかな国日本へのビジョンなどかけらも感じられない。 よく
もまあこれだけ政治家という争い好きの特別集団が日本に蔓延したも
のよと慨嘆する。 そのなかにあって福田氏は、政争に無関心なピカ
イチ的政治家ではなかろうか。

■■ もっともその福田内閣にしても、いま臨時国会を召集して、例
の「補給支援特措法」をそのまま延長する改正案を提示するつもりら
しい。 同盟国(?)米国に対する約束であると同時に、日本の国際
貢献でもあるという。これなど、もし法案が通ればそれでよく、仮に
議会を通過しない場合は、「国民の理解が得られなかったから」とし
て、インド洋へ給油に行かなくてもいいのではないか。 

■■ 先ず国民の安全・安心を優先するという福田首相にとって、イ
ンド洋での国際貢献などは、彼の内心ではどちらでもいいものと、ボ
クは忖度している。 なにせ、国際テロ防止のための給油などは、都
合によっては国際テロをより増幅しかねない行為かも知れないのだ。
 そしてその程度のことは福田首相も内心で理解しているものとボク
などは解釈している。少なくとも、特措法の延長などは、国民の安心
・安全とは、一義的にいえば無関係のはずなのだ。 ときの無責任な
世論とやらに操られて平常心を欠き、本末を誤ってはならない。

■■ その福田首相が昨夜とつぜん辞任を表明した。 退所としてま
ことにいざぎよい。 が、政権争いとか、選挙対策のための辞任は国
家・国民にとって不本意きわまる。 是非とも慰留すべきである。
 ましていまの自民党にとって、福田氏に代わるほどの立派な首相候
補はいない。 もし仮に、麻生氏が次期首相になったとしても、少数
派閥出身では党内の軋轢がより嵩じるだけで、国家的に見て一利もな
い。
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◆本澤二郎の政治評論「福田康夫首相電撃辞任会見」 本澤二郎
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1年も待たずに安倍に次いで福田内閣も退陣に追い込まれた。安倍内閣
の陣容をそっくり引きずっての政権運営に見るべきものはなく、そこで
乾坤一擲・福田人事を断行した。小泉内閣の政策を全面否定して見せた
のだが、足元からの反発ばかりで国民はそれを理解できなかった。

 かくして低迷支持率にさしたる変化を見出すことにはならなかった。
「貧乏くじを引くかもしれない」という自身の予想は的中してしまった
。冷静さで政局を分析できる福田でも、こんなに早い速度での展開を予
測することは出来なかったのだ。
 ことほど事態はきびしい。それはたとえ麻生に代わっても同じである。

 マスコミの貢献によって国民は、日本の現状について正確な認識をも
っていない。いわんや外国の研究者も、である。クリントンが米国の政
権を担当した時の内情は、恐ろしく深刻なものだった。だが、いまの日
本はそれよりも数十、数百倍も厳しいのである。
 孫や子供に莫大なツケを払うことで、かろうじて呼吸している現在の
日本なのだ。人は「孫や子から血を吸い取っている吸血鬼・ドラキュラ
の日本」と呼んでいる。1000兆円、1200兆円もの借金など子供
や孫の世代になっても返せない。わかりきっている。それを隠して借金
に次ぐ借金でやりくりしてきている日本である。

 景気対策といっても金はない。ゼロ金利の国に金利政策などないので
ある。日本の国債を購入してくれるお人よしの国などない。文句なしに
沈没している日本なのである。
 原因は中曽根内閣のバブル経済政策に起因する。90年に崩壊しても
、ずっと蓋をかけて借金の山を築いてきた。誇れる年金・健保も破綻し
てしまった。混迷する不安の日本である。小泉が靖国や郵政で、安倍が
教育・改憲に突っ走る中で、国民はようやく深刻さの一部(年金問題)
を理解して参院選で自民党を放棄した。

 自公政権は直ちに総選挙をしなければならなかった。しかし、時間を
遅らせて安倍から福田に代えてみたものの、国民の支持は集まらなかっ
た。何もかもがぼろぼろに壊れてしまった日本を、福田が解決できるわ
けもない。巨大な格差が生まれてしまった。

 むろん、政権交代してもこの難局は乗り切れない。ことほど日本丸は
船底に大きな穴がいくつも開いて浸水しているのだから。福田の功績は
中国との信頼関係を構築したことであるが、次の政権は文句なしの選挙
管理内閣である。

 与党は吸血鬼よろしく予算のバラマキで敗北選挙を乗り切ろうとする
だろうが、常識的に見て勝てまい。福田の心境を忖度すると「ならば麻
生さん、選挙を勝てるかね」ということかも。

 とはいえ、福田は敗北必死の選挙から逃げた。敵前逃亡であろう。自
民党政権を失墜させた政府との汚名は回避した。自己保身である。まず
、なすべきは国会議員を含めた公務員の人員・報酬をそれぞれ半減する
ことでしか、この国の再生はないのである。クリントンに学べ、といい
たい。小沢にも無理かな。   2008年9月1日記
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◆EYE:「逝く夏」            片山通夫
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 今年7月に北海道で開催されたサミットでも「地球温暖化」の問題が
取り上げられたせいでもあるまいが、今年の夏はことのほか暑かった。
盆が過ぎて朝夕の暑さがいささか和らいだ頃、筆者は北海道で秋を堪能
していた。いや「逝く夏」を眺めていたと言った方が・・・。 
 写真は車で空知のあたりを走っていて見つけた。日差しはまだ鋭かっ
たが、車の窓を開いて走っていると心地よい風が腕を撫でてゆく。
「もう秋の空だ」
おあつらえ向きに「北海道らしい」風景が目の前に広がった。
写真を生業にしているモノとしては、ありきたりの北海道敵風景でもや
はり撮らなけりゃ。
こうしてできた今週の一枚である。
【写真を見る↓】
http://blog-imgs-26.fc2.com/c/o/f/coffeebraek/080831mk.jpg
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年8月22日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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州議員選挙候補登録終了

 15日、第5期サハリン州議員選挙(10月2日)候補登録が終わり
、7つの政党が候補を出したことがわかった。ところが、1席の連邦議
員地域議員候補登録は今も受け付けている。15日現在、党員、無所属
を合わせ18人が候補登録した。

故パルフトジノフ前サハリン州知事

 15日、サハリン州立図書館でイゴリ・パルフトジノフ前州知事の死
亡5周期を迎えて、彼を偲ぶ展示会が開かれた。開幕式に参加したア・
ブルイキン現サハリン州副知事は「パルフトジノフ前州知事の死は全サ
ハリンの歴史的損失である。今日の成果は彼がその基礎を作ったものと
言える。今後、2020年までの州発展戦略を成功させ、彼の遺志を貫
こう」と挨拶した。展示会には故人の写真、関連新聞記事、本、遺品な
どが展示された。20日には一緒に被害にあった20人の共同追悼際が
ユジノサハリンスク市内で行われた。

国旗の日

 サハリン州文化管理局はロシア連邦の国旗の日を記念して、州立郷土
博物館では「ロシアのシンボル」というテーマの講演を、州立図書館で
は展示会を開いた。

ソウルで韓・露国際学術大会

 22日、ソウルで韓・露の国際動力学術大会が開かれる。「韓国とロ
シア間の動力及び貿易」というテーマの同大会には両国から10人の研
究者や活動家が参加する。ロシア側はユジノサハリンスク経済法律情報
大學のカン・ヨンポク学長、朴・ヘギョン韓人会長の他、ハバロフスク
とモスクワの研究者が参加する。

ロシア連邦社会院会議開催

 25日から両日間、ユジノサハリンスク市でロシア連邦社会院教育科
学委員会の会議が開かれる。「ロシア極東地域における住民定着とアジ
ア太平洋地域の前進基地強化における教育と科学、文化の役割」という
テーマの同大会には学者、企業家、社会団体関係者、地方政府関係者な
ど100人が参加する予定。このような会議はサハリンでは初めて。

光復63周年、建国60周年を記念する多様な行事−サハリン韓人、苦
難の歴史を乗り越え堂々に

 今年は韓国が光復63周年、大韓民国建国60周年を迎えた年。サハ
リンでも多様な祝賀行事があった。15日はサハリン韓国教育院が主催
する韓国伝統文化体験、16日には韓人会主催でユジノサハリンスク市
内の公園でコンサートと運動会が開かれた。韓人会主催の記念行事は通
年通り、午前10時半、サハリン韓人社会団体関係者、一般市民、韓国
代表らの戦争英雄たちへの献花から始まり、11時からガガーリン公園
内のコスモス競技場で本行事が行われた。開幕式の挨拶後、一部は韓国
からの祝賀公演チームのコンサートがあった。伝統音楽の演奏、サムル
ノリ、大衆歌手の歌などに熱熱な拍手を送った観衆たち。今後は大人と
子供たちが一緒になっての楽しい運動会、相撲大会、喉自慢大会など多
様なプログラムがあった。雨のため、参加者数が例年より少なかったが
、里帰りした永住帰国者らなど1世たちは歌手の歌に合わせ踊るなど雨
に濡れながらも最後まで席を離れなかった。

アジアナ航空サハリン就航10周年記念コンサート

 今年7月1日でサハリン就航10周年を迎えたアジアナ航空社が17
日の午後7時、サハリン韓人文化センターで韓国伝統文化コンサートを
開いた。韓国文化芸術委員会が派遣した演奏家や韓国芸術学校卒業生か
らなるアンサンブルの他、サハリンから伝統音楽を学ぶために留学中の
サハリン韓人若者などが出演し、素晴らしい時間をプレゼントした。

広告

 南オセチヤの被害者らを援助したい住民はサハリン州社会保護管理局
又はイエジナヤ・ロシア党社会担当室へ電話してください。より詳しい
情報を提供します。                −サハリン州政府情報管理局
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年8月29日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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アブハジヤ・南オセチア独立承認

 25日、ロシア連邦国会はアブハジヤと南オセチヤの独立に賛成、そ
の旨を大統領に書面で提出することにした。独立に対する表決の前に両
共和国大統領の発言が行われたが、そこでセルゲイ・バガプスイ大統領
は独立承認が地域の安静に役立つと強く主張した反面、エドアルド・コ
コイトイ大統領はロシア大統領の判断を待つと述べた。
翌日、ロシア大統領はマスコミを通じて両共和国の独立を承認すると発
表した。

9月3日−終戦の日

 9月3日は南サハリンとクリル列島が軍国主義日本から解放され、第
2世界大戦が終了した日。この日の昼12時半にはユジノサハリンスク
市内のスラヴァ広場で献花と群衆集会が、夕方7時には花火打ち上げら
れる。この他にも展示会など多様な記念行事が開催される予定。

サハリン・北海道間新協力協定締結

 先日、北海道を訪問したア・ホロシャヴィンサハリン州知事によると
、今年の10月、北海道知事がサハリンを訪ね両者間新協力協定に署名
をするとのこと。両者は過去10年間の事業を総括検討した上、より改
善された協力関係を築いていくことに同意した。新しい事業案としては
北海道−サハリン−大陸間橋梁とガス科学総合体建設などが提案されて
いる。サハリン州知事は他にも建築、林業、運輸、中小企業分野への日
本人の参入を進めている。

マス・鮭漁獲量53%達成

 25日現在、サハリンとクリル列島でのマス・鮭漁獲量は6万440
0トン、今年の目標の53%に当る。現在、クリルスク沿岸では一日平
均1400トンが釣れており、東南沿岸では今後も2回マス・鮭が上が
ってくる見込み。

サハリン州教育現況

 25日、ユジノサハリンスク市内のホテルで開催されたロシア連邦社
会院の教育科学委員会会議で発表を行ったサハリン州教育管理局イエ・
サポノフ局長によると、現在、サハリン州教育機関は幼稚園141、小
中高校185、課外教育機関38、中等職業技術学校18、大学10。
2006年から2年間196の学校にインタネットが設置され、教師の
給料が50%引上げられた。又、連邦と州の予算で20台の通学バスが
提供された。局長は今後は英才教育により力を入れると述べた。

北方少数民族大学生支援

 20日、サハリン州政府はサハリン北方少数民族人材養成問題で会議
を開き、今年大学に受験した少数民族出身若者15人に授業料と寮費を
支援することを決めた。又、若者たちの就職にも協力することにした。

学校警備強化

 先日、カ・ストロガノフサハリン州副知事はサハリン州保安局と反テ
ロ委員会の共同会議を招集し、学校警備問題について検討した。現在、
市内一部の学校に警報器が設置される他100人の警察が派遣されてい
る。だが、教育管理局のア・イワノフ副局長はすべての学校に警察の派
遣と警報機設置を訴えている。警察が派遣されている学校に犯罪が減っ
ているとのことからこのような提案がなされた。

皆が参加できる卓球試合

 23日、ユジノサハリンスク市内の体育館でサハリン州卓球連盟とア
プル社が共同主催した市民卓球試合が開かれた。コルサコフ、ホルムス
ク、ネベリスクなど近隣地方から58人の子供と大人が参加し、午前1
1時から夕方7時まで熱戦を戦わせた。試合中は無料でアイスクリーム
が提供され、試合後参加者皆を晩餐会に招待するなど後援の多かった。
何より嬉しいことは韓人同胞らの参加者が多かったこと。
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◆コーヒーブレイクから         Michio Katayama
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*備忘録#102「馬鹿じゃないのか?」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-31.html

*コラム「風」サイバー攻撃
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-28.html

*上海協力機構も不支持
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-32.html

コーヒーブレイクは
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 1日、福田首相が突然辞任を発表した。
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-37.html

 グルジアがロシアと外交関係の解消を発表した。旧ソ連圏の国では
初めてのことである。この事態をCIS加盟諸国はロシアを除いてど
のような反応をするのか興味深い。そういえば先日開催された上海協
力機構でも参加国は冷淡な反応を見せていたようだ。

 米ライス国務長官がいみじくも話していたことを思い出す。
「チェコに侵入した頃とは時代が違う」
まさにそうだが、それでは純粋にアメリカは「独立国への暴挙」だけ
を責めているのか怪しい。
 
 利権、エネルギーなど複雑な思惑があってのことだろう。大国の威
信も世界の警察官も、ロシアというエネルギー大国に対して何ができ
るのか疑問であり愚問だ。
 泣きを見るのはいつも弱者であり、弱小国。
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発行     2008年9月2日   No.352
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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