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タイトル:609studio No.348◆現代時評:「源氏物語千年紀の日本」  2008/07/29


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/7/29  No.348
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
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◆現代時評:「源氏物語千年紀の日本」    ken

◆本澤二郎の政治評論「国家主義の残滓」:本澤二郎 

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :

◆先週の備忘録:7月20日―26日

◆編集長から

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◆現代時評:「源氏物語千年紀の日本」    ken
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◆◆ 日経新聞 2008.7,23 国文学研究資料館(東京都立川
市)の伊井春樹館長は大阪府立大学で講演し、源氏物語の研究にとって画
期的な「幻の大沢家本源氏物語」54帖(じょう)がほぼ100年ぶりに
見つかったと発表した。
 紫式部が書いた源氏物語の原典はいま存在しない。鎌倉以降の写本群が
残り(1)青表紙本(藤原定家が書写した系統、大島本)(2)河内本(
河内守源光行・親行親子の校訂)(3)別本(雑多なもの)ーーの3系統
がある。うち学界では大島本が底本となってきた。

■■ ことしは源氏物語が記録の上で確認されたときから1000年にな
るらしい。早とちりして紫式部生誕1000年かと思ったがそうではなく、
源氏物語千年紀とは、彼女が源氏物語という小説を執筆した寛弘五年から
計算して、今年でちょうど1000年経つ。この小説が世に出たころ、は
たして「源氏物語」という題名であったかは疑問らしいし、まだ印刷機械
の無い頃だから、もっぱら人海戦術で書写したと思える。 その書写風景
が美しい文章で残されている、「御前には、御冊子つくり営ませ給うとて
・・・色々の紙選り整えて、物語の本ども添えつつ、所々にふみ書き配る。
かつは綴じ集め認たむるを役にて明かし暮らす。「何の心地か、つめたき
にかかる業、はせさせ給う」と聞こえたまふものから、よき薄様ども筆墨
など持ってまいり給いつつ、御硯をさへ持ってまいり給へれば、とらせ給
へるを,惜しみ罵りて、「もののくまにて向かい候ひて、かかる業しいる
」と、さいなむれど墨筆など給せたり・・・」(書き写しをして頂こうと
して、いろいろな紙を用意し、原本を添え、あちこちに手紙で依頼する。
と共に、書き写されてきたのを綴じ集め整理する役をして日々を過ごす・
・・)といった情緒豊かな描写だ。

■■ 子供のころ、国文の先生から名作と教えられ、ボクは数回ほど読み
直してみたが、いくら読んでも、金襴に織られた丸帯の柄(がら)が長く
続いているようにとりとめもなく、どうしても名作とは感じられなかった
。それが近年になり国語学者の大野先生が、「春が来て夏が来て、さらに
秋がやって来てまた冬が来て、そして恋をして、それでお終い」というの
が源氏物語で、小説としての内容はなにもないとのことであった。なるほ
ど、源氏物語とはそういうものかと知り、妙に納得したものである。

■■ じゃ、なぜその単調な源氏物語が「名作」であるかといえば、それ
は日本における最初の小説だからで、いわば特許の先願権みたいなもので
ある。同じような立場の小説が英国にもある。名作「嵐が丘」がそれで、
ヱメリー・ブロンテ女史が書いた英国最初の小説である。ただしその「小
説・嵐が丘」については、本国イングランドより日本女性の間でより有名
らしく、ゆかりの英国湖水地方へ行けば、立派な日本語の立看板まで立っ
ている。

■■ もっともこの「嵐が丘」こと、「ウエザリング・ハイツ」を読んで
みると、これはまたどうしたことかと思えるくらい殺伐な風景描写と、出
てくる人物たちの情緒の無さに驚かされる。先ず、「嵐が丘」と訳された
その元の英語が「Wuthering heights」だから、文字通り「雨風に曝され
続ける丘」といった、荒れるにまかせて殺風景な北イングランドの風景が
出てくるのはやむを得ない。そうした土地柄で育ったせいか、それとも主
人公のDNAがそうさせたのかもしれないが、とりあえず社会性が無く一
風変わった人物ばかりが登場し、遺伝と不順な気候に災いされて性質も孤
独になり、ついにはみんなが死に絶えるといったのが小説のあらすじであ
る。つまり雅びで華やかな源氏物語の貴族社会とは打って変わった場所お
よび登場人物ばかりが英国最初の小説の舞台となるのである。だから、原
文にしろ翻訳文にしろ、もしブロンテ女史の「嵐が丘」を読んだ人がいれ
ば、それに登場する人物が変人ばかりで、美しさも詩情も無く、どう考え
ても最後まで読む気になれぬラディカルな小説であることが明白である。
まさに不幸を絵にしたような小説なのだ。

■■ その「嵐が丘」に比べるとわが「源氏物語」には、まとまったスト
ーリー性やスリルや、そしてサスペンスが無いかわりに、日本独特の雅(
みやび)の心と美しさだけはこれでもかこれでもかとばかり全五十四帖す
べてに出てき、しかもそれがみな臈たけた貴族社会の出来事になっている
。 そこで解るのは、小説には必ずしも「前号までのあらすじ」といった
ストーリー性など無くても、ただ読んで美しいと感じるだけで存在の必然
性があるということだ。 芸術とは美しさであり、論理は要らない。われ
われは、わが国における最初の小説が、生産性とか争いに関係なく、ただ
すべてが嫋々として優雅な「源氏物語」であったことを誇りにしてもいい
だろう。

■■ それはたぶんに頽廃の文学かも知れぬが、そこには平和と美しさを
誇る日本という美意識の国の社会風景が凝縮されている。 不衛生と
人間の業(ごう)ともいうべき悲惨なDNAのもと、登場人物のすべてが
絶えてしまうという英国最初の小説「嵐が丘」と比べてなんとえらい違い
であることか。わが「源氏物語」にはつねに雅びという美意識が低奏通音
として上流社会に漂い、反対に英国の「嵐が丘」には美の片鱗も無く病気
か何かで消えてしまう不健康な社会が描写されている。彼我の、小説とし
ての美しさの認識の差に驚くと同時に、われわれは日本人の美意識につい
てじゅうぶんな誇りを持っていい。

■■ じつはこの間、閑な家人から、同じ夫人連中のグループで「源氏物
語ミュージアム」へ行ってきたとの報告をうけた。宇治市役所が建てたと
いうそのミュージアムには見るべきほどの遺品、美術品は無く、新しく作
られた御所車の模型や、華麗な当時の風俗衣装・人形などのコピーのたぐ
いが並べてあっただけだそうである。それでいてものすごく華麗で、そし
て今にも消えてしまいそうな王朝風俗の雅びで美しい風景を再現していて
楽しかったという。
 加えて、僻地の観光だからとうぜん昼の食事が要る。そのためミュージ
アムの近所にお誂え向きの黄檗山の普茶料理屋があり、腹に入ったかどう
か判らぬほどのボリュームの、やや高価な精進料理が供されたという。も
っともな話で、禅宗の普茶料理にエネルギーたっぷりの食事など
出るはずもないが、それはそれで嫋々として雅びな源氏物語見学のあとだ
から、ちょうどムードがマッチしていて、楽しい食事であったという。

■■ そのときもらってきた宇治市発行のPR誌「宇治十帖」に印刷され
た文面を見ると、「・・・川霧にけむる宇治川は、人の世の移ろいと儚さ
を包みこみ、岸辺にたたずむ人にやさしく語りかけてくる。源氏物語終章
の舞台となった宇治は、虚構と現実、過去と現在がない混ぜになって、訪
れる人を悠久の世界へと誘う」、とある。 まさに「なるほど」と納得さ
せてくれる説明文である。

■■ こうした中世優美の世界は、世界でも珍しい日本の得意とする精神
分野でもあり、それあってこそ日本が、いかに芸術的で、いかに平和的で
あるかが、いまやようやく全世界に認識されはじめたようだ。もしこれが
「斬った張った」とか「勝った負けた」だけの無骨な日本であれば、世界
じゅう誰も尊敬してくれないだろう。われわれ国民の努力の賜物か、はた
またぐうぜんの結果であったかどうかは別として、もし日本が経済戦争で
一人勝ちし、最近の論調のように生産科学において世界随一と評されるよ
うになってきても、それだけで日本が世界から尊敬を得るのは難しい。
 やはり日本には、「源氏物語」が象徴する雅びで穏やかな国民性があり
、それがあればこそ、はじめて世界の尊敬が得られのである。 

■■ 武器を手にして世界を睥睨した米国や、いっとき強圧権力で恐れら
れたソ連はいまや崩壊、もしくは崩壊しつつある。さらに最近の中国や韓
国の、力ずくめの無理押し外交で行き悩んでいるのを見るにつけ、わが日
本の、いわば弱腰外交なるものが、見る視点を変えれば優雅な源氏物語ふ
うの外交として、それなりに意外な効用があることをわれわれは知るべき
ではないか。もしこの国に源氏物語が無く、西部劇のハードボイルドだけ
が固有の文学として存在するなら、全世界からの日本に対する尊敬もそれ
までと考えられる。ただ闇雲に、トヨタの自動車生産が世界一になったと
か、日本の外貨保有が世界に突出しとかを誇るだけでは、いまの米国と同
じで、誰からも尊敬を受けることが無い不幸な先進国の一つとしていつか
は没落する運命にある。

■■ 換言すれば古いことわざの「負けるが勝ち」で、少々理不尽であろ
うが相手に勝ちを譲るという奥ゆかしさや、たとい過去の利権といえども
いま取りあえず絶対に必要で無い領土や資源などは総て欲しがる相手国に
譲ってやる謙虚な心を持つことこそ、長い将来から考えてほんとうに勝つ
ことになるのではなかろうか。そのかわり、安部前総理の言うように「美
しい国日本」を前に出して世界に穏やかな国日本をアピールするのが、よ
り得策である。経済大国とか、世界一の日本とかはもう願い下げにしたい
。いま仮に何かの分野で日本が世界一になったとしよう。 世界一になっ
た国は、それなりのその分野における世界の未来像や将来に対する哲学的
思考が必要なことはいうまでも無い。しかし、残念ながら我々には、そう
した高邁な将来の理想についての見識が皆無と言わぬまでも、ひじょうに
薄いことは事実であり、本質的な弱みでもある。いまフランスなどは、経
済、産業、軍備を後回しにしながら、文化芸術を武器にしてなお世界の一
流国を誇っている。わが国もこの辺りで「源氏物語」などで表象する、日
本の得意とする「雅び」つまり「平和の芸術性」といった部門で、世界の
一流国家になれば幸せではなかろうか。
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◆ 本澤二郎の政治評論「国家主義の残滓」:本澤二郎 
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 中国との関係改善などアジア重視を打ち出した福田内閣に、多少とも
期待を抱いた国民は少なくなかったはずである。しかし、ここにきて文
科省が中学校社会科の新学習指導要領の解説書に竹島(韓国名・独島)
は日本の領土と明記したことで、今度は韓国との関係を悪化させている。

 原因はなんなのか。これについてのまともな論評を知らない。筆者は
自民党内に巣食う国家主義の残滓に、あえて根源を求めたい。根っこは
深く、まるでガン細胞のように政権党の心臓部分にこびりついている。
昨今、こうした事情にうとい専門家ばかりなので、あえて指摘しようと
思う。

 筆者が再三言及していることは、戦前の政治制度である国家主義が自
民党にもぐりこんでいる事実である。むろん、日本国憲法が否定してい
る立場である。9条解体論は、そこからのものなのだ。危うい日本政治
の元凶といえる。55年体制の誕生で、この戦前の思想が自民党の半分
を制した事実を忘却してはならない。

 実名を挙げると、東条英機内閣の商工大臣を歴任した長州・山口県出
身の岸信介がその代表である。彼は亡くなるまで平和憲法を目の仇にし
た。

 その後裔が福田赳夫内閣を経て、森・小泉・安倍・福田康夫と最近4
代続けて自民党総裁・総理大臣になった。こんなことは、自民党史上あ
りえなかったことである。

 自民党最右翼政権の継続に、さまざまな問題を抱えている日本なので
ある。福田のあとを「上げ潮」派の中川秀直が狙っている。背後に小泉
が控えているらしい。5代目を相続しようと目下、世論をたぶらかそう
としている。小泉チルドレンの中には中川に与する者がいる。

 「日本は天皇中心の神の国」と本心をさらけ出したのは、森である。
小泉は刀剣を祀る靖国参拝でアジアと対立した。安倍は教育基本法を改
悪し、改憲のための国民投票法を強行した。時代錯誤の国家主義路線で
ある。この反アジア政策を修正させようとして、自民党内のリベラル派
・アジア重視派が福田を擁立、中国との関係を改善した、ここまではよ
かった。

 しかしながら、これまで棚上げしてきた竹島問題を政治的に浮上させ
、韓国との対立をあおっているのだが、元凶の一人は、福田後見人の森
であろう。安倍も、である。森は文教族の第一人者として知られる。福
田も折れざるを得なかったのだろう。

 福田内閣は森・小泉・安倍による人事を踏襲したもので、そこに福田
カラーは一つもない。右翼政権そのものだから、拉致問題も前進しない
。福田が改造に意欲を見せる理由であるが、小姑・大姑ばかりに囲い込
まれている低支持率の福田に、どれほどの改造が出来るのか。女性やら
学者などを起用、選挙向けの奇をてらうものだと、たちまちのうちに化
けの皮がはがれよう。

<平和・軍縮の波起こせ>

 7月25日にNHK衛星テレビが放送した世界のテレビニュースでは
、ドイツ・ベルリンにおける米民主党大統領候補のオバマに、実に20
万人の市民が集まったことを米ABC,英BBCがトップで伝えていた
。ブッシュ政治の過ちを認め、あらゆる差別を取り除こうと叫んだオバ
マ理想にEUは大歓迎である。「互いの声に耳を傾けよう」とも。福田
も参考にすべきではなかったか。日本の国家主義にアジアも欧米もNO
である。

 フランスのテレビは、カルロス・ゴーンのルノー5000人のリスト
ラを発表する場面を紹介する一方で、国内の軍事基地の大掛かりな閉鎖
を伝えていた。93年に訪米取材したクリントンによる軍事基地閉鎖を
連想させた。

 平和・軍縮でしか貧困や紛争を解決することは出来ない。中東アルジ
ャジーラは、日本のメタボリック症候群を伝えながら「日本の食事を飢
えている人々に支援してはどうか」とやんわり忠告していた。

 もう戦後大分経つ。国家主義を卒業して隣国の信頼を勝ち取る政権の
誕生が望まれよう。2008年7月25日記
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年7月25日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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記者会見−上半期商業分野総括

 21日、州商工委員会テ・コンチェワ委員長が今年上半期商業分野を
総括する記者会見を開いた。委員長によると、現在サハリン州の商品販
売企業は4千、サービス業所は約700。州予算収入の3%を商業分野
の税金が占めている。今年半年間の売り上げ総額は310億ルーブル、
これの46.3%が食品、53.7%が非食品。非食品としては建築機
材、化粧品、家電製品、自動車の売り上げが最も多い。今年商品分野へ
の個人新投資額は2億ルーブル。年間商品流通額は約600ルーブル。
サハリンとクリルで販売されている商品の70%は大陸と海外からの輸
入品。サハリン産はパンと野菜、そして肉類15%のみ。過去6カ月間
、プリモリエの肉類通過が禁止されハバロフスク経由になったり、一時
期税関が閉鎖されるなどで難航した故、肉類輸入許可期間も長すぎるな
どの理由もあってサハリン州の畜産分野の活性化が必要とされる。

国際学術探検隊クリル列島へ

先週、ロシア、日本、米国の生態学、地質学、考古学、火山学、地震学
研究者42人からなる学術探検隊がコルサコフ港からクリルに向かって
出航。探検隊は40日間、クリルの島々を回りながら研究活動を続ける
。同探検隊は2006年に発足され今年まで研究活動を行う予定だった
が、中央と北部クリルの研究が十分ではないため来年も活動を続けるか
も知れないとのこと。研究結果は2年間の整理期間を終え、発表される。

バス代引上

 8月1日からサハリン州全域でバス料金が値上げする。市内バス料金
は10ルーブルから14ルーブルに、又、遠距離バスの場合は市内を出
る地点から1kmことに2ルーブルから3ルーブルに計算される。値上
の原因は燃料と部品の値上。

韓国産大型バス6台

 ユジノサハリンスク市政府の今年大型バス購入予算は1500万ルー
ブル。8月には韓国の現代自動車のバス6台(90人乗り)が輸入され
る。2008年型の同バスはディーゼル車で環境に優しいエンジンなど
でロシア製のバスより品質がよいとのこと。

墓掃除

 20日、カレイスキ・クラブの指導の下で16人の若者がポジャルス
コエ村の27韓人被殺者追悼碑付近の掃除を行った。1999年から同
碑の世話を続けてきた同クラブは最近団体活動を中止しているが、追悼
碑の掃除だけは毎年欠かさずおこなっている。

九尾で韓国語研修

 韓国九尾市の東北亜青少年協議会の招待でサハリン州の中学生30人
が6月30日〜7月14日まで母国で韓国語研修を受けた。同団体は1
1年前からロシアと中国の同胞3.4世の青少年を対象に母国訪問及び
研修を続けてきた。研修団は母国語の授業の他、歴史遺跡訪問や産業施
設見学などをも行った。

大学生らの社会奉仕活動

 韓国の慶北大学海外奉仕団が7月15日から2週間、サハリンのトマ
リ市とユジノサハリンスク市で、校舎の改修の他、地元の学生らに韓国
語や文化を教えるなどの文化活動を行っている。サハリンでの奉仕活動
は去年に続いて2回目。5年前はプリモリエ地域を訪ね、奉仕活動を行
った。

出張報告−2008年永住帰国対象者選定委員会会議

 18日、韓国で開かれた2008年サハリン永住帰国者対象者選定委
員会会議に出席して帰国した朴・ヘリョン韓人会長によると、今年の永
住帰国予定者数は773人。今年永住帰国事業のために韓国政府63億
ウォン(賃貸アパート敷金、生計費の支援など)、日本政府14億ウォ
ン(渡航費用、生活道具購入支援)を拠出。移住地は金浦(ソウル)、
アサン(忠清南道)、釜山。10月から翌年2月まで11回に分けて永
住帰国。今回、外国人配偶者同伴の永住帰国が許された8世帯が含まれ
ているのが特徴。65歳未満の永住帰国者の場合、政府の生計支援を受
けられる65歳になるまで規定生計費の50%(200ドル)しか受け
取ることが出来ない。より詳しいことや争点などは8月2日、サハリン
で行われる永住帰国説明会で韓国代表らに聞くことができる。
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◆先週の備忘録               Michio Katayama
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*備忘録#71「土用丑の日のつぶやき」
http://609studio.sblo.jp/article/17187116.html

*備忘録#72「大暑」
http://609studio.sblo.jp/article/17225206.html

*備忘録#73「竹島問題で交流中止多数」
http://609studio.sblo.jp/article/17249416.html

*備忘録#74「もう緊急事態なのだ!」
http://609studio.sblo.jp/article/17250498.html

*備忘録#75「教員辞職」
http://609studio.sblo.jp/article/17269050.html

*備忘録#79「北京五輪」
http://609studio.sblo.jp/article/17323480.html

*備忘録#82「都民の思い、原発銀座の・・」
http://609studio.sblo.jp/article/17343222.html
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 暑い日が続いています。地震に台風、温暖化に猛暑日と、自然が猛威
をふるう地球人は自然の前になすすべもないというところです。
 いや、無駄をなくして自然回帰に勤める生き方が必要なのではと思い
ます。しかしそれにしても暑い!です。熱中症に気をつけてこの夏を乗
り切りたいものです。
 くれぐれも、御身大切に・・・・。

 ところで、先日、京都・北山にある京北町へ取材に出かけました。あ
の近くには美山町という町があって、茅葺の集落が多く残されていると
ころです。あまり知られていませんが、あのあたりには、戦前から30
0とも言われるマンガン鉱山があったのです。

 一人の在日朝鮮人が20年も前に私財をなげうって「丹波マンガン記
念館」を設立したこともほとんど知られていません。その記念館が、後
一年ほどで閉館になります。理由は財政難。公的な支援は皆無で見学用
の坑道の安全を確保しながら維持するには、お金がかかりすぎるという
わけです。

 日本の負の遺産でもある丹波マンガン記念館が消えてゆくのは悲しい
限りです。公的資金を投入することが最善だと思うのですが、地方財政
もひっ迫する中でそんなことは夢のまた夢・・。

 閉館までにぜひ見学されることをお勧めします。

丹波マンガン記念館HP
http://www6.ocn.ne.jp/~tanbamn/
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発行     2008年7月29日   No.348
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
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