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タイトル:609studio No.345◆本澤二郎の政治評論「中川秀直会見」  2008/07/08


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/7/8  No.345
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
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◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の政治評論「中川秀直会見」:本澤二郎 

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年6月27日号

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年7月4日号

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆本澤二郎の政治評論「中川秀直会見」:本澤二郎
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  岸−福田派を源流とする森−町村派が完全制覇した自民党の総裁レ
ースに、事実上王手をかけた中川秀直が、日本記者クラブの昼食会(
2008年6月30日)に招かれて記者会見を行った。河野洋平に見
切りをつけて安倍晋太郎―森喜朗の懐にもぐりこんだ中川である。い
まや不人気官房長官の町村信孝を飛び越す勢いと見られている。どん
な発言をするのか、昼食後を見届けて記者席にすわり、発言を聞くこ
とが出来た。

 彼は冒頭、何度も「日本のため、国民のため」「国家・国民・同志
のため」と口走った。「国民」を前に出して言えない。国家主義から
離脱できない自民党内の右より政治家であることを、改めて強く印象
付けた。

  最近まで気付かなかったのだが、彼は口八丁でもある。北京に出向
いて「戦後60年の日本は平和国家を貫いてきた」という予想外の日
本認識を認めさせ、それを先の日中共同声明文にも挿入させている。
見事、胡錦濤政権を手玉にとったのだ。周恩来外交の消滅した中国外
交部に内心大満足のようだ。

 誰のアドバイスなのか。この日の彼は「日本人の価値観に変化が起
きている」という最新の社会科学論を披瀝した。「たとえば後期高齢
者医療制度への怒りは、金というよりも自尊心を傷つけられたことへ
のもの。官僚国家のやり方に反発をしている」「派遣労働者にも自尊
心がある。名前を呼ばない会社もあるが、これなども労働者の自尊心
を傷つけている。派遣社員と正規社員に労働条件に格差があるのも問
題であろう。自尊心を大事にした雇用関係を考える必要がある」とし
て、物事の基本に自尊心なる価値観を置くべきであると主張した。

 うなずけるのだが、規制緩和の小泉内閣のもとで、こうした事態が
表面化したものだ。しかし、それでいて彼は小泉内閣の構造改革は今
後とも推進していくべきだとも主張する。平然と矛盾する発言である。
また、ある学者の引用だろうが「市場、政府のほかに、第三の市民の
台頭も注目される現象で、それは他人のために役立つことに喜びを感
じる人たちだ。ここに日本の潜在能力があり、その人たちの能力を発
揮できる社会にする必要がある」「ブルーカラー、ホワイトカラーの
ほかにノーカラーが存在する社会になっている。ノーカラーはクリエ
イトカラーで、経済発展させる力がある。また、従来のピラミッドー
型人材はえばる人の会社で伸びない。これからはネットワーク型人材
の会社でないと成長しない。さらに主役から、裏方が大事になる社会
だ。要するに、多くの人の自尊心を傷つけない社会が上げ潮の哲学で
ある」と勉強の成果をぶった。

 もっとも「衆議院は解散しないで4年間、みっちり政権を担当させ
るべきだ」といいながら、参院が否決、自民党内から反対の多かった
郵政民営化法案を口実にして解散を強行した小泉選挙を否定するどこ
ろか弁護した。

 こんな発言もした。「夢も希望も語れなくなった日本の現状は官僚
の劣化である」と断じる一方、「欧米の常識を日本でもやれば上げ潮
の日本経済になる」「日本の官僚は目先のことしか考えない。20年
、50年先を考えない。大戦略を立てる能力はない。官僚に専門家は
いない。耐震偽装でも官はチェックできなかったではないか。東大法
学部ではダメ。中国は清華大学ではないか。今の官僚中心の日本では
国際競争には勝てない」

 彼の意見に全く同感できたことは「戦後の日本経済の成長は官僚の
手柄では断じてない」という発言であった。それを知らないで、官僚
やそのOBたちを招いて喜んでいる隣国やその地方都市がある。行く
ほうに責任があろう。恥ずべきである。中国の環境破壊は多分に日本
官僚にも責任がある、とあえていいたい気分である。

 露骨な官僚批判が自民党有力者から飛び出すというところに、日本
の厳しい前途を暗示していることが理解できるだろう。筆者は90年
以降、明るい希望ある話を政財官界のリーダーたちから聞いたことが
ない。中川発言を90年ごろに聞くことができる日本であれば、日は
また昇る日本になれたかもしれないのだが。
2008年6月30日記
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年6月27日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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2020年までの州発展戦略学術会議

 23−25日、ユジノサハリンスク市内のサヒンセンターでサハリン
州発展戦略とその具代的政策案についての学術会議が開かれた。参加者
はモスクワ、サンクトペチェルブルグの学者ら、連邦及び地方行政官、
社会団体、サハリン大企業代表など。開会式でカ・ストロガノフ州知事
代理は「2020年までのサハリン州社会経済発展戦略案が完成しつつ
ある時期、このような学術会議が開かれるのは大変意義あるものである
」と期待を示しながら、6月30日の州政府幹部会議で島の発展政策を
最終審議すると伝えた。会議の初日はサハリン州政府関係者によるサハ
リン及びクリル列島の発展戦略と大陸との橋梁建設プロジェクトについ
ての説明と、ロシア技術開発研究所長ユ・グロムイコさんの「人材が技
術革新の根幹」という発表があった。翌日からは主に州の人口動向、住
民の脱サハリン防止策、若い世代に対する政策などについての議論の後
、5つのチームに分かれてテーマ別に討論を行った。

北方領土問題に対するロシアの考え―日本のG8を控えて

 日露関係における大きな政治問題の一つが北方領土問題。最近、この
問題に対するモスクワ中央政府の明確な姿勢が日本の戦略戦術の変化を
齎している。モスクワ中央政府は国際法に基づいてのみ同問題を議論す
る方針だ。国際法に従う場合、如何なる日本の要求も受け入れられる可
能性はない。モスクワは特に1945年2月11日のヤルタ条約、国連
43、103、106、107条項、1946年1月29日ジマカルト
ル連合軍総司令官覚書677号、そいて1951年のサンフランシスコ
条約を正確に解釈することを日本人に勧める。日本人らはこのように分
析している。即ち、日本が領土問題を解決してほしいとサハリン州政府
に過度な圧力をかけたためにサハリン州議会と社会の根拠ある反証と愛
国主義を刺激、また、サハリン住民から広く支持を受けた州議会がサハ
リン州の要求と観点をモスクワに伝え、今日の中央連邦政府の姿勢を生
んだと。そのため、日本政府は両国間の経済協力をより重んじ、領土問
題を契約や条約の締結の先決条件とすると公には言わない。反面、日本
最高指導部の政策に失望した復讐主義者らはロシア連邦と大型プロジェ
クトを進める際、島の返還問題を結びつけるべきであると主張し続けて
いる。しかし、このような日本の外面的積極性は虚勢的で、国内で必要
だからである。一部日本政治家はこのような主張は政治的イメージと隣
国政策の維持のために必要とされているという。ロシアは主な電力供給
国であるため、日本企業や政府はエネルギー分野における協力を一層強
化しなければいけない立場、そのため、南クリル(註:北方領土を含む
)問題を優先することはできない。又、日本の領土問題はロシアのみな
らず中国、韓国との間にも存在する。北方領土に対する主張を維持しな
がらアジア太平洋隣国に対しても自分らの主張を貫こうとするのが日本
の考えだ。最近、日本は<G−8>主催国側として復讐主義者らの作戦
―会談取材記者らのための展示会、講演会、見学などーを大規模に進め
ようと計画している。作戦の一つとして、日本は国内外からの支持を理
由に中国と韓国との領土問題を議題に挙げようとしている。中国と韓国
には不利な状況になるかもしれない。しかし、両国は<G−8>に特別
に招待された。中国や韓国政府は感情的論証ではなく国際法に基づく証
拠資料を根拠に自国の主張を世界に訴えるべきであろう。
(ルシ地理学会サハリン支部地定学分科責任者ユ・ア・ネドレズ)

無料薬品供給

 18日、サハリン州保健管理局によると、サハリン州に糖尿病患者が
1万1千人。その1割は障害者。障害者の糖尿病患者には連邦予算、一
般糖尿病患者には州政府の予算で無料で薬品を供給することになった。

低所得者減少

 18日の政府会議報告によると、今年4月1日現在、サハリン州の低
所得者数は5万5441人。その中の1万7千人が年金生活者。昨年同
時期に比べ28.7%減少した。その理由は今年2月からの年金引上、
そして給料が高くなったためと分析している。

新しい洗車場建設

 ユジノサハリンスク市政府は環境のために都市の南北西側に3カ所の
市営洗車場を設けて市内に入る前に洗車を義務つけることにしたが、先
日2カ所の建設敷地が決まり、建設会社の入札を準備している。汚い車
のまま市内に入ると罰金を支払われる。

心臓病専門センター建設

 サハリン住民らの主な死因の一つは心臓病。そのため、州政府はホル
ムスク、オハ、ユジノサハリンスク市立病院とサハリン州立病院に年内
に心臓尿専門治療センターを設けることにした。既に連邦から2億4千
万ルーブルの予算が割当てられた。

熊に注意

 9日のアニワでも一人の韓人女性が熊に襲われ死亡したが、21日は
ソコル部落で19歳の大学生が又、熊に襲われ死亡する悲劇が起こった
。熊が人を襲う理由はいろいろ考えられるが、餌を求めて人間の部落に
現れるのと、ガスパイプ建設により元の棲息地を離れざるを得ないのも
理由の一つ。最近、部落で熊を見つけたとの通報が相次ぐ。襲撃に十分
注意するように当局が呼びかけている。

アシアナ航空(韓国)サハリン進出10周年

 7月1日、サハリン進出10周年を迎えてアシアナ航空サハリン支店
はミニサッカー大会を開く。優勝チームにはアシアナ全路線無料搭乗券
1枚が与えられる。

ハワイでもセコリョ新聞を読む

 23日、ウラジオストク大学に短期ロシア語研修に来ているハワイ大
学図書館コリアン専門家ダニエル・ケンさんがセコリョ新聞社を訪ねた
。インターネットセコリョ新聞購読者。ハワイ大学図書館のセコリョ新
聞定期購読問題を相談するために新聞社を訪ねた。近々ハワイでもセコ
リョ新聞が読まれるかも・・・。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年7月4日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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ロシア連邦極東地域大統領代表傘下評議会議−クリルの発展は道路から

 先月27日、ユジノサハリンスク市でロシア連邦極東地域大統領代表
傘下評議会議が行われた。主な議題は「極東国境安全保障と国境地帯発
展展望」。会議には極東地域執行機関指導者らが参加した。オ・サポノ
フ極東地域大統領代表は沿海州、カムチャッカ、サハリン州には難問題
が多いと指摘しながら、現在住宅問題解決策を講じていると伝えた。代
表は又、大統領が指示した課業即ち、運輸料金引下げと中小企業発展を
再び強調した後、中小企業に対する過度な統制を無くす具体的方案作成
を指示した。その上、中小企業活動は地域社会経済発展に大事であるた
め、極東地域大統領代表傘下に中小企業発展協力評議会を設けると明ら
かにした。この他、6月27−29日までのクリル島の視察報告を行っ
た後、クリルの発展は道路から始めるべきと強調しながら「私がこの職
位にいる間、ロシア投資者を動員させる」と約束した。

 2009年度州予算

 先月26日、来年度サハリン州予算案が決まった。収入約407億5
千万ルーブル(前年度比4倍増加)、支出430億ルーブル。審議過程
である議員は住民らの物的福祉のみならず住民全体の福祉に繋がるイン
フラ構築にもより積極的に取り組むべきと指摘したとのこと。

新しい児童歯科病院オープン

 1日、州立児童歯科病院がユジノサハリンスク市でオープンした。1
990年始まった建設工事が資金不足で6年後中断されて以来やっと完
成。総1億6千万ルーブルの建設資金の内、半分はサハリンエネルギー
社が支援した。最先端設備を備えた病院には250人の患者を収容でき
る。

サハリンプロジェクト5に韓国企業関心

 3日、ハバロフスク市で開かれる予定の韓国大企業らと会談に参加す
るためにサハリン州政府国際対外経済連絡委員会代表5人が島を出た。
会談の内容はアレクサンドロフスク・サハリンスク地域のムガチ石炭埋
蔵地発展、ユジノサハリンスク市発電所のガス化、ガス化学品生産、大
陸とサハリン間の鉄道建設、ユジノサハリンスク空港改築など。会談は
州政府と韓国ウラジオストク総領事館が共同組織したもの。韓国はこの
ような会談をイルクーツクでも行う計画だ。

新任日本総領事到着

 6月28日、渡辺秀介新任ユジノサハリンスク駐在日本総領事が夫人
と一緒にユジノサハリンスクへ到着。日本外務省で日露交流部を指導し
た経歴の渡辺新総領事は7月1日、サハリン州国際対外経済連絡委員会
のヴェ・ロコトフ委員長と挨拶を交わした。

鮭マス漁業スタート

 2日、サハリン州漁業調整委員会会議で参加者らは漁獲量の増加要請
書をロシア水産業担当機関に送ることを決めた。会議参加者らによると
今年は予測以上に魚が多いとのこと。既に84トンのマスを釣っており
、チェルペニヤ湾、イトロプ沿岸にマス・鮭が上がってきているとのこ
と。

交通事故の15%は道路面の悪化のため

 2008年1月1日現在、サハリン州全体の自動車道は2674.6
km。一般道路が車道の90.6%を占める。ところが交通事故の原因
の15%が道路状態が悪いためであることがわかった。事項多発の最も
危険な道路は交通量の最も多い連邦道路。

公務員らの給料引上

 ア・ホロシャヴィンサハリン州知事は公務員の給料を今年12月に3
0%、来年1月、9月の2回に渡って20%を再び引上げると発表した。


州議会原油価引上の停止を要求

 サハリン州議会は原油価引上を止めてほしいとの要請書を大統領宛に
送ることにした。原油価の増加に伴うインフレと悪い燃料による大気汚
染と国民の健康への悪影響 などを問題の深刻性をサハリン住民らが州
議会に提起、それを受け入れて措置を取ったもの。

熊の襲撃また続く

 6月25日、トマリとウゴレゴルスク間の森で熊に襲われて死亡して
いる死体発見。この6月中3人が被害を受けている。

夏季講習会の終了式

 サハリン韓国教育院が小中高生を対象に行った夏季伝統芸術講習会(
6月2−27日まで)の終了式兼発表会が27日、講習会場のサハリン
韓人文化センターであった。36人の学生が毎日、午後1−5時まで伝
統楽器や舞踊、言葉を習った。

昔の写真でみるサハリン韓人歴史

 サハリン州ドリンスク市韓人同胞らは旧ソ連時代にも光復節(解放記
日)を記念していたことがわかった。女性たちが公園に集まって民族の
歌と踊りを楽しんだとウ・ヨンザさんは言う。
         (83歳、現在ユジノサハリンスク市郊外に居住)

光復節記念行事8月16日

 毎年、8月15日光復節記念行事を主催しているユジノサハリンスク
市韓人会は25日の運営委員会議で、今年は8月16日、ガガーリン公
園のコスモス競技場で行事を行うと決定、その組織委員会を発足させた。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 G8が洞爺湖で始まった。メインのテーマは地球温暖化だそうな。洞爺
湖と言えば北海道だ。世界から先住民の代表を招待して世界の指導者を辞
任する政治家たちは先住民たちに「温暖化対策」を聞けば良かった。

 経済、それも効率ばかりを追う経済、生活、それも快適を求めて石油を
湯水のごとくに使う生活、いや、湯水も危ない地球。そんな地球規模の危
機を脱するには先住民たちの知恵を借りるのが一番だ。

 まさか、例えば中世の時代の生活を始めよとは彼らも言うまい。しかし
アメリカの「軍産複合体」は解消しろと言うかも・・・・。
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発行     2008年7月8日   No.345
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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