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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2008/4/29 No.335 ───────────────────────────────── 時代を切るメールマガジン、サハリンの情報を伝えるメールマガジン。 609studio が発行するメールマガジンとWebサイトをお楽しみに! ───────────────────────────────── サハリンの韓国語メディアはここ!! ラジオ放送とセコリョ新聞 http://www.609studio.com/sakhalinmedia.html ───────────◆◆◆INDEX◆◆◆─────────── ◆現代時評:今週は休載言いたします。 ◆本澤二郎の政治評論「中国国家元首の日本訪問」:本澤二郎 ◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2008年4月25日号 ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評: 今週は休載言いたします。 ───────────────────────────────── 現代時評は隔週掲載といたします。ご了承ください。 ───────────────────────────────── ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中!!◎ 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店 もしくは609studioでお求めください。 四六判160頁 1,600円(税別) ISBN4-89642-138-8 C0072 未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html または office@609studio.com ───────────────────────────────── ◆本澤二郎の政治評論「中国国家元首の日本訪問」:本澤二郎 ───────────────────────────────── [東京=「ジャーナリスト同盟通信」提供] 中国の胡錦濤主席の来日を心から歓迎したい。日中両国代表の相互 訪問・交流は、友好の象徴であり、まことに喜ばしく好ましいことで ある。たとえ問題があろうがなかろうが、指導者の相互訪問での率直 な対話は、国家という壁や国民の垣根を低くする政治的効果がある。 経済・文化の交流にはずみをつけてくれる。 不幸にして、近年は日本の指導者の過去を正当化するだけではなく、 憲法に違反する行為によって中国人民の感情を逆なでした。福田内閣 はその反省に立ってまず自ら中国を訪問し、今回中国の元首を迎える 機会を手にした政治的意味は小さくない。 日本政府は、国民の総意の下で万全の接待でもって応じるはずであ る。両指導者とも国内に深刻な課題を抱えている。裃(かみしも)を 脱いで、お互い胸の内を明かして信頼と友好の実を上げてもらいたい 。アジア人民への義務でもあろう。ここが根幹である。 <本音交流> 既に何度か日本を訪問している胡主席である。日本事情に明るい。 かつて拙著「中国の大警告」(データハウス)の中国版(社会科学出 版社)を読破、総理大臣になる前の小渕恵三氏らに紹介してくれてい るほどである。 過去のつながりで台湾との関係が深かった福田首相の現在は、大局 を見据えた歴史観の持ち主である。権威・権力政治に拘泥するような 政治家でもないと信じたい。本音を語れる数少ない自民党の指導者で ある。 官僚が用意した枠を飛び越えて、できるだけ率直に開けっぴろげに 、夜を徹してでも意見を交換すべきだろう。日本国内にはごく少数の 右翼だけではなく、昨今の餃子事件やチベット問題で疑心暗鬼の雰囲 気がないわけではない。なおのこと裏表なく、お互い胸のうちを遠慮 することなくぶち開けたらいい。そうあるべきだ。礼節の民である代 表との立場を承知しているが、地球レベルの難問山積の指導者には、 形式的な対話を許されない21世紀であると理解すべきだろう。 中国人のみならずアジアの人たちが、現在も過去の歴史認識にこだ わりを見せている当然の認識について、多くの日本人は大雑把な理解 をしていると信じたい。福田氏もその一人であろう。しかし、それで もなおかつ遠慮せずに、たっぷりと時間をかけて中国人の思いを吐き 出してもらいたい。それもアジアの指導者としての責任である。 <歴史教育と核> 日本の課題は、近現代史を教えない学校教育にある。民族的欠陥で はない。日本人の平和主義は、宇都宮徳馬氏が言っていたように真っ 当である。日本国憲法9条は右翼の攻撃にさらされても、現在も健在 である。現にイラク派兵に名古屋高裁は憲法に違反するという判決を 下している。ともあれ、教育に問題があり、ここがドイツとの決定的 な落差である。アジアの代表として、これを率直に訴えることに躊躇 は不要である。「未来志向」と吹聴することで、過去に蓋をすること のほうが将来に重大な禍根を残すことになろう。 私事に渡るが、筆者は大学で法学部を専攻し、そこで日本国憲法第 九条に初めて出会うことができた幸運な日本人である。義務教育では 教師によってほとんど無視されてきた。この憲法を保持し、近現代史 教育を徹底する日本であれば、二度と侵略をするという愚かな道を選 択することは永久にない。そんな政治家が現れても主権者である国民 が許さない。そうした観点もあって、中国の軍事費の増加に懸念を抱 く国民が増えてきているのも事実である。透明性の確保もまた、中国 政府に課せられていると理解すべきだろう。むろんのこと日本のMD も重大な問題である。ミサイル・核の問題についてアメリカ・ロシア を巻き込んで解決に向けた努力が日中双方に期待され、それに決着を つけなければならないという大事な課題を21世紀指導者は負っている のである。 <環境と東アジア共同体> 指導者間の信頼が確率すれば、72年の共同声明に、ついで平和友好 条約の原点に立脚することができるだろう。信頼と友好関係のもとで は、ガス田の共同開発は決して大きな問題ではない。餃子事件も両国 の科学的捜査で犯人を特定、再発を防止して中国からの食料輸入を元 に戻すことができるであろう。 チベット問題にしても、大半の日本人は真実を知らない。西側のマス コミ報道に影響を受けている。実際、チベットに足を踏み入れた人間 として、現実よりも曲解されていることがわかる。要するに、友好と 信頼が確率すれば、一連の課題・疑問は些事でしかないのである。 それよりも地球的規模で襲い掛かってきている環境問題と、関連し て食料問題への真摯な取り組みである。このことについて両国挙げて の知恵と協力が強く求められている。当面、東アジア全体で取り組ま ねばならないのだが、そのためにまず日中両国が強固なスクラムを組 んで体当たりしていかねばならない。油断すると、この地域の人々の 生存権が奪われかねないからだ。 こうした相互支援の拡大は必然的に、悲願の東アジア共同体を実現 することにもなるのである。これこそがアジアの世紀を約束すること になろう。覇権を求めない、寛容な社会は平和と安定を確保するアジ アである。地球に優しいアジアである。人類の理想が目の前に現出す るアジアである。和諧のアジアである。 誰しもが挑戦したくなる希望のアジアである。存外、こんな発言が 両雄から飛び出すかもしれない。中国との友好はたちどころに日朝正 常化を実現するだろう。拉致のないアジアの誕生であること請け合い である。2008年4月24日記 ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年4月25日号 発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang ◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com ───────────────────────────────── サハリン州知事、デ・メドヴェゼフ次期大統領と会談 先週末モスクワで開かれた国家評議会会議に出席したア・ホロシャ ヴィンサハリン州知事が出張中にデ・メドヴェゼフ次期大統領と会っ て、サハリン経済、地震復帰事業などについて話し合ったことが分か った。州知事の報告によると、ネベリスク地震被害者らへの支援金2 億ルーブルを中央政政府から受けとり、その内97%は既に支給され た。また、来年春には天然液化ガス工場が稼動をはじめ、日本や韓国 、米国に輸出を始める。デ・メドヴェゼフ次期大統領は報告を聞いた 後、漁業や林業などの発展にも力を入れるべきであると言ったと伝え られている。 パン価格又値上げ さる21日、サハリンのパン価格が再び3〜4ルーブル値上りした 。パン工場によると、頻繁な電気料金、燃料、運送費の値上りが小麦 粉価格の高騰に繋がり、アルタイ州産小麦粉の卸価格がこの1年間、 1トン当り5800ルーブルから12500ルーブルまで値上りし、 全ロシアの小麦粉価格も40%値上りしたが、サハリンではその間パ ンの価格を22%に抑えていたため、パン工場は損害を続けたきたと のこと。パン工場は2012年までの発展計画案を完成し、そのゆえ 新しい技術や設備の導入のための資金が必要だから値上は避けられな いと説明している。今、サハリン州政府は食品生産及び加工関連企業 所に多様な特権を与えるための法的措置を取っているとのこと。 カムチャッカで水産会議 24日から両日間、ペトロパブロフスク・カムッチャトスキで極東 水産評議会が開かれた。会議では昨年の太平洋におけるマス・鮭漁成 果と今年の漁業クォター問題が議題に上がった。クォター問題におい ては極東地域に厳しい条件が多いため、緊張が続いた。サハリン州は 中央水産評議会に今年のマス鮭漁業クォター14万4千トンを申し込 んでいるところ。次回の極東水産会議はサハリンで行われる。 公務員らの研修 サハリン州住民社会保護管理局が初の職員研修会を開いた。当管理 局職員らは21−26日まで「行政の在り方と国家管理と奉仕」とい うテーマで講義を受ける。講師はハバロフスク・行政アカデミー教授 ら、法学、教育学、経済学専門家たち。 故パルフトジノフ元知事の遺品伝達 故パルフトジノフサハリン元知事の時代、彼の書記官を勤めていた ア・フルイキンさん、顧問のエン・ヴィコブスキさんの二人は先週、 長期間大事に保管したきた元知事の遺品を州歴史文書保管局に渡した 。遺品は仕事場にあったもので、公式文書の他、サハリン国立大学経 済学科教授時代の講義ノートもあるとのこと。 今年、火災で25人死亡 さる15日のサハリン州火災監視局の記者会見によると、今年に入 ってサハリン州では325件の火災が発生(前年度比6件減少)、2 5人が死亡し、火災による損害額は約740万ルーブルに達すること がわかった。又、州中央都市周辺の山と野原での火災も20件。サハ リン州消防隊は新技術と装備の導入を図っているとのこと。 初の韓国伝統衣装展示会とファッション・ショー 先週、サハリン州でははじめて、韓国の民族衣装を紹介する催しが あった。16日はユジノサハリンスクのオクチャブリ・映画館で、韓 国民族衣装―ハンボクを紹介するファッション・ショーが、続いて1 8日にはサハリン州立美術館でハンボク展示会も開かれた。同催しは 韓国釜山を中心に活動している民族衣装デザイナーからなる(社)釜 山ハンボク協会と州立美術館、韓人協議会などが企画したもの。ファ ッション・ショーでは朝鮮時代の宮廷服や婚礼服の他、時代の流れに 合わせた新型民族衣装などが紹介された。地元の人たちをモデルにし た多様な場面で着ていた民族衣装の紹介。参加者も観客もハンボクの 美しさに惚れ、改めてその価値を知ったとのこと。州立美術館ではフ ァッション・ショーでも紹介された朝鮮時代の王と王妃や宮女らの衣 装、鬘、アクセサリなどの伝統的ハンボクと現代的ハンボクなど作品 70点が展示された。展示会は6月1日まで。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から] Michio Katayama ───────────────────────────────── 与野党が総力戦で戦った衆院山口2区補選が終わった。福田内閣初 めての国政選挙でもあり、国民の眼をくぎ付けにした。 結果は民主党公認の平岡秀夫氏(54)(社民推薦)が当選した。 ロシアから帰ってきた福田首相を迎えたのは敗北。25%の支持率と 敗北をモノともしないで「ガソリン税の暫定税率復活」につき進む? 「聖火を守るためには仕方ない。日本の人が見られなかったとしたら 申し訳ない日中友好の気持ちは伝わったと思う」 と中国人留学生。 「違う国にいるみたい。聖火だけでこんなに熱くなっていると、ち ょっと引いちゃう」と 走者の友人を応援に来た地元の短大生(19) 聖火狂想曲はソウルからピョンヤンへ。 珍しく石原慎太郎都知事の意見に頷いた。 「なんか、こっけいな話だよね。何のためにやるんだ。ただの形式 なんじゃないですか。こういったものは本当は和気あいあいやるべき ものがだね、ガードされてだね、市民も立ち会えずにだね、なんか遠 くで火が走っているのを見たってなんの感興もわかないでしょう」 (都庁HPより) ───────────────────────────────── 発行 2008年4月29日 No.335 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail office@609studio.com website http://www.609studio.com 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 購読解除は websiteへ ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |