メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.325◆本澤二郎の政治評論「北京の福田観」:  2008/01/29


─────────────────────────────────
【609 Studio 】メール・マガジン 2008/1/29  No.325
─────────────────────────────────
 時代を切るメールマガジン、サハリンの情報を伝えるメールマガジン。
 609studio が発行するメールマガジンとWebサイトをお楽しみに!         
─────────────────────────────────          
         サハリンの韓国語メディアはここ!!

           ラジオ放送とセコリョ新聞 

      http://www.609studio.com/sakhalinmedia.html

───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆右往左往:「世論闘争」:MK

◆本澤二郎の政治評論「北京の福田観」:本澤二郎

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2008年1月25日号

◆編集長から

─────────────────────────────────
◆右往左往「世論闘争」:MK
─────────────────────────────────
 世論闘争の様相を帯びてきた。いわゆるガソリン国会の行方である。
連日、テレビをにぎわしているのは、ガソリン税の暫定税率の延長か
それとも廃止かの問題。

 与野党ともに世論を味方につけるための方策に腐心しているようだ。
特に野党民主党は「揮発油(ガソリン)税の暫定税率廃止を含む道路
特定財源の一般財源化」に向けてヒートアップ。

 一方の与党は「地球温暖化の危機が迫る中、ガソリンの値下げは時
代錯誤」と攻撃。

 はたしていずれの論が是か、国民にとって悩ましい問題だ。

 地球温暖化は困る。けど安いガソリンも魅力。国会道路族と国交省
の役人の自由に道路を造り続けるのも問題だ。まして、地方公共団体
の税収が減るのも・・・。

 1円でも安いガソリンを求めて右往左往する庶民。結局、国民に吹
く風はつむじ風になりかねない。

 小さい政府、小さい国そして福祉と環境にやさしい政治を求めるに
は国民はある程度我慢を強いられる。

 ・・・となると、一般財源化がまず必要ではないか。その上で国民
の代表たる国会で予算を配分し・・・。
 夢にならないためにも、今国会の行方をじっかり見守る必要がある。
─────────────────────────────────
◆本澤二郎の政治評論「北京の福田観」:本澤二郎
─────────────────────────────────
 珍しく「中国経済」新聞編集長が「中国政府は福田長期政権を期待
しているのか」という課題を突きつけてきた。いわずもがなのテーマ
であるが、せっかくの要望なので筆者の認識を披瀝することにする。

 以前「台湾ロビー」(データハウス)という本を書いたのだが、中
国の日本研究者が大変興味をもってくれたらしく、上海澤文出版社が
翻訳本を出した。訳者は呉寄南。中国研究者なら皆知っている知日派
である。

 最近の様子を知ろうとして「台湾ロビー」の本陣である日華議員懇
談会の名簿を取り寄せてみた。昨年までのものだが、なんと福田康夫
は幹事の一人であることに仰天してしまった。事務局に問い合わせる
と「現在は顧問になっている」というので、またまた驚いてしまった。

 ただし、関係者は「以前はとても熱心だった。ところが外務省のチ
ャイナスクールに懐柔されて、今は親中派だ」といってぼやいた。福
田変心は小泉内閣の官房長官のときだった、と理解している。どうい
うことかというと、彼は外交を知らない。そこでかねてから心酔して
いた宮澤喜一の門をたたいた。宮澤こそ戦後の日本外交の第一人者・
立役者である。福田の実父・赳夫も大蔵省後輩の宮澤を高く評価して
いた。福田父子とも信頼を寄せていたのである。

 米国の内情を深く知る宮澤は、それゆえにアジア、とりわけ中国を
重視する価値観を有する真っ当な政治家であった。保守本流思想でも
ある。かくして靖国参拝を強行する小泉や背後の安倍に、福田は反発
するようになった。そんな福田を宮澤後継者の加藤紘一は知り、だか
らこそ安倍沈没後に福田をかついだのだ。

 推測だが、福田のことは加藤ら中国派を通じて北京に伝わっている
はずである。逆に従来、福田に近い右翼ジャーナリズムが福田外交に
批判的だ。言及するまでもなく、福田赳夫は全方位外交を貫いた。小
泉や安倍のようにブッシュ一辺倒ではない。均衡を外交の重心に据え
ている。台湾にのめりこむ森喜朗や安倍、反中の小泉ではアジアの平
和と安定を損なうからだ。台湾の内実を知る福田ゆえに、北京を重視
するようになった福田と理解すべきだろう。北京が、福田の暮れの訪
問に破格の待遇をしたことは、こうした背景を踏まえたものであると
理解したらいい。悲しいことに、アフガン戦争向けの給油法、ついで
1リットル25円も安くできるガソリン税を延長しようとして、官僚
と道路族の尻馬に乗って庶民に敵対しているのが解せない。3月末に
どうなるのか。

 しかし、アジア・中国から見た福田内閣は久しぶりいい政権だから
、なんとか長期政権であって欲しい、との思いを膚で感じる。そのは
ずで中国の経済成長は、環境を台無しにし、物価を押し上げている。
人民の不満は強まるだけである。日本の戦後をそっくりと、そしてそ
の10倍の規模で襲っている。

 どうするのか。日本だって環境は問題だらけだが、それでも中国の
環境技術を越えている。日本の環境技術支援を13億の人民は待ち望
んでいる。それへの期待が福田の双肩に重くのしかかっているのであ
る。 
─────────────────────────────────
      ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中!!◎

   写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店
   もしくは609studioでお求めください。
 
          四六判160頁 1,600円(税別)
           ISBN4-89642-138-8 C0072

    未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html
    または    office@609studio.com
─────────────────────────────────   
◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年1月25日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
───────────────────────────────── 
今年の漁獲量14万トン予測

 先週行われた州政府主催の水産関係者会議で、サハリン漁業・海洋
学科学研究所は今年予測されるマスと鮭の漁獲量を14万トン以上(
マス12万4千トン、鮭2万4千トン)と発表し、地球温暖化の影響
によりマス・鮭が徐々に北上していると指摘した。同研究所の予測に
基づいて地域別クォター調整が行われたが、今年はエトロフで最も多
い4万トン程が獲れると予測されていることからクナシリのクォター
を上向調整すべきだと意見が出された。サハリン州における地域別漁
獲クォターは以下のように決まった。

西南地域:マス498トン、鮭4364トン、西部地域:マス695
トン、鮭801トン、東部地域:マス8万3千トン、鮭6千851ト
ン、その外120トン、東南地域:マス4万トン、鮭4千850トン
、その外8トン、東北地域:マス1千300トン、鮭500トン、そ
の外81トン。

 来月から年金引上

 ロシア連邦保健社会発展省によると、2月1日から年金生活者36
00万人が460ルーブル多く受け取り、北極或いは準北極地域居住
者の場合、460ルーブルに加えて328ルーブルが支払われる。他
に戦争老兵年金、障害者年金などあらゆる年金の額が上がる。

 エル・シュビナ議員高いポストに就く

 イエジナヤ・ロシア党サハリン支部代表のエル・シュビナ下院議員
が国会労働及び社会政治委員会の副委員長に選ばれたことがわかった
。初選の議員がこのようなポストに付くのは珍しいこと。

 チェーホフ生誕148周年

  今月29日、ユジノサハリンスク市にあるチェーホフ記念館でチェ
ーホフ生誕148周年を記念しての集いがある。「現代社会における
チェーホフ」というテーマで文学界、歴史研究家、大学生などが発表
を行う予定であり、優秀作には賞金が送られる。

 サハリン州百科事典発行

 先週末、サハリン州政府会議でサハリン州百科事典の発行が決まっ
た。学者や戦争老兵、労働英雄などサハリン州歴史や発展に寄与した
人々の協力を得て事典を綴る予定。編集委員会の組織や指導は州古文
書館のア・コスタノフ館長が担当することになった。

外国人3万8千人

 先週行われたサハリン州出入国管理局長の記者会見によると、昨年
サハリン州に長期滞在した外国人労働者数は3万8605人(フィリ
ピン4370人、トルコ3305人、北朝鮮2713人、中国193
0人、英国1567人、米国1019人、キルギズスタン4155人
、ウズベキスタン1673人、タジギスタン1227人など)で全体
の95%がロシア語やロシア文化を全く知らない肉体労働者。200
6年に比べ外国人労働者数は10倍増加した。彼らはサハリン州住民
らが嫌がる仕事に就くため現地人への悪影響はないと当局は考えてい
る。昨年、外国人登録センターが設けられ、外国人の出入国、居住登
録、滞在地域、職場など関連事項を一括管理するようになると共に、
出入国法が変わったため関係者らは勉強が必要。サハリン州の場合、
3万5千人ほどの専門家を必要とされるが外国人の殆どが単純肉体労
働者であることが悩みの一つ。 

2007年度サハリン州貿易額

 週税関資料によると、2007年度サハリン州の対外防衛機流通額
は米ドルで58億ドル、前年度に比べ57%増加。輸入32%、輸出
68%。相手国は一位韓国(28億)、二位日本(17.5億)、そ
の後米国(4.1億)、中国(2.7億)、英国(1.92億)が続
く。輸出品は原油が93%で殆どを占める他、海産物、木材、石炭と
古鉄など資源が大部分。サハリンへの輸入品は自動車、機械、設備、
鉄製品、化学工業品などである。

ホームレス向けの福祉施設利用者増加

 最近、ユジノサハリンスク市福祉館を利用するホームレスが増えて
いる。館長によると、35人受容可能の施設が行くところの無い人々
が風呂に入って食事をし、清潔な布団に入れ、又TVを見るなどできる
ため、冬は利用者が増えいつも満室。10日以上泊まれないのも問題。

ロシア歴史と共に100年

 今月18日、ユジノサハリンスク市立老人ホームで全・ミハイルさ
んの誕生日パーティがあった。今年で100歳を迎えた全さん。19
08年沿海州で生まれ、数々の勲章をもらった全さん。1947年中
央アジアからサハリンへ赴任して今日に至る。話し相手のいるところ
を求め3年前当施設に入居。今も健在の全さんの100歳の誕生日を
祝うために政府関係者やマスコミなど多くの人々が施設を訪ねた。
───────────────────────────────── 
◆[編集長から]              Michio Katayama
─────────────────────────────────
 寒い日本になってきた。気候のみならず経済も。札幌は雪まつりの
準備で大わらわの様子。
 
◆秋田の連続児童殺害事件で被告に死刑求刑。死刑は「お前殺したか
ら今度はお前を殺す」と国家権力が言っているように思えてならぬ。

◆一方、「沖縄ジュゴン訴訟」で、米サンフランシスコの連邦地方裁
判所は同省の米文化財保護法(NHPA)違反を認定する判決を下し
た。何となく、裁判を比べるわけでないが、ほっとする。

 これで基地移設問題のハードルが高くなった。捕鯨と同じように、
世界の環境団体が押しかける?迷惑するのは地元。
─────────────────────────────────
発行     2008年1月29日   No.325
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
              MailuX配信システム        ID:MM3E1B97842E020
e-mail        office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿      http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
購読 購読解除は websiteへ

           ◇禁・無断転載◇
─────────────────────────────────

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。