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タイトル:609studio No.324◆本澤二郎の政治評論「ブュッシュ植民地」  2008/01/22


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/1/22  No.324
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◆右往左往:「地方格差」:MK

◆本澤二郎の政治評論「ブュッシュ植民地」:本澤二郎

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2008年1月18日号

◆編集長から

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◆右往左往「地方格差」:MK
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 地方格差の問題が深刻だ。先日知り合いの記者がこんな話をした。
あの朝日新聞(大阪)が55歳の記者を2人採用したという。大阪
では定員割れの状況があり、島根県など地方の通信局での勤務に就
かせたとか。
 即戦力になる55歳の記者を採用したと言うのも頷けないことは
ない。しかしその赴任地が地方の通信局と言うのが頷けない。うが
った見方をすれば「田舎だから大した事件も起こらないだろう」程
度の認識と読める。また、一方では東京集中で大阪の記者も中央へ
流れている為大阪で記者が不足というわけだ。

 かなりおかしい論理である。55歳の記者を採用すること自体は
結構なことだと最初に述べておく。しかし、何か釈然としない。そ
の原因は筆者自身はっきりしない。そしてふと思いついたことがあ
る。55歳といえば当然妻子もいることだろう。そうすると単身赴
任という可能性も高い。地方がいけないと言うわけではない。それ
でもやはり相当なジレンマに陥っておられるのではないか。

 55歳といえば、もう定年後のことを考える年齢でもある。先に
述べたように55歳の記者の採用自体は結構なことだ。しかし彼を
大都会で仕事をさせるという選択技はなかったのか不思議である。

 無論採用の条件が「○○通信局勤務」だったのだろう。それに応
募した人がいてそうなったといえばそれまでである。

 あの朝日新聞は「地方重視」でベテランの記者を配したのかもし
れない。それなら結構なことだが・・・。

 この話を聞いてから筆者の心は「地方へ赴任する(老)記者」の
姿を想像して落ち着かない。

 こんなことを思う筆者こそが「地方格差」を心の中で実践してい
るのかと反省しきりなのだが・・・。
 それにしても地方格差は存在する。
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◆本澤二郎の政治評論「ブュッシュ植民地」:本澤二郎
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 日本が偽装された国・社会であることは、昨年発生したさまざまな
国や企業・個人の不正事案によって指摘されてきている。自立・自主
の国とはいえない。

 国民は敗戦後に独立し、ついで国連に加盟したことで一人前の国に
なったと思いこんでいるが、国家を運営する政治の世界はぜんぜんそ
うではない。会期末を迎えている臨時国会で、そのことが改めて露呈
した。こうした深刻な事態を、悲しいことに大半の日本人は無関心を
かこっている。議員を辞職して責任を取ろうとするものも、ひとりと
していない不思議な日本である。

 言及するまでもなく、日本は戦争に反対する国である。憲法の基本
原則である。いわんや戦争に加担することなどあってはならない。
 だが、アフガン戦争をブッシュが強行すると、小泉内閣は止めよう
とはせずに「支持」した。憲法9条を踏みにじってブッシュの命令に
従ったのである。イラク戦争に対しても、である。自衛艦艇を出動さ
せて給油活動を実施した。イラクには陸と空の自衛隊を派兵して、後
方支援活動、すなわち立派な軍事行動を行った。今も、である。

 武装集団を出動させるという、これほど戦争に加担した事例は過去
においてない。9条の前に時の政府は従ったからである。中曽根内閣
が掃海艇を出動させようとしたが、官房長官の後藤田正晴が止めてし
まった。後藤田の背後には田中派が控えていたし、宮澤派も許さなか
った。かつての自民党にもまともな政治集団が存在し、米国の圧力を
はねつけたのだ。

 戦後の経済復興時の吉田内閣は、再軍備を強要するワシントンに対
して、憲法を盾に使った。野党やマスコミの反発と近隣国の抵抗を利
用したのである。湾岸戦争のさいは、海部内閣だったが、135億ド
ルというお金で対応し、軍事力の提供を拒んだ。誉められたことでは
ないが、それ相応の智恵でワシントンの圧力を巧みに交わしてきた。

 こうした頭脳戦を小泉―安倍内閣は用いなかった。いかに愚かな宰
相であったことがわかろう。というよりも、米国の圧力を改憲と軍拡
に悪用したのだから、悪質きわまりない。靖国参拝による偏狭なナシ
ョナリズムの高揚も、これで狙いを十分理解できよう。
 昨年7月の参院選挙は、こうした改憲・軍拡の流れに国民は反対し
たのである。民主党は給油活動に反対し、安倍内閣は退陣した。福田
内閣はこれに断を下すべきだったが、そうはしなかった。小泉―安倍
ラインの遺言であったものの、本来であれば民意を重視する必要があ
ったのだから。
 しかし、ブッシュの厳命に応えるかのように福田自身、石油財閥の
支援を誰よりも受けていた。こうして政権を担当して以来、今日まで
福田もまた軍事的給油活動再開法案で四苦八苦して今日を迎えた。ブ
ッシュに服従する日本政府である。自立できない、自主外交無縁の日
本である。
 この戦争加担法案は、異常な原油高の中で参院で否決されたあと、
衆院の3分の2以上の再可決で成立することになるのだが、そのあと
参院で多数を占める野党は、首相不信任を意味する問責決議案を提出
する。これが憲政の常道なのだが、なんと民主党はしないのだ。小沢
は「この法案は憲法が許さない」と9日の党首討論で福田に迫ってい
たではないのか。正論である。憲法を踏みにじる暴挙なのだから、当
然問責決議案で内閣を不信任するのが筋なのだ。可決して衆院を解散
に追い込み、政治的に悪法を封じればいいのだが、小沢はそれが出来
ない。小沢もまたブッシュに屈してしまっているからなのである。小
沢もブッシュに首根っこを押さえられているのだろう。
 政権党の自民党、そして第二党の民主党も、そろってブッシュに抵
抗できない日本の政情を、これほど如実に示している例も珍しい。日
本の惨状そのものだが、戦後政治の劣化が小泉内閣以降、全く止まっ
ていない危うい日本なのである。米国の一つの州か植民地でしかない
、という解説もうなずけようか。   
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年1月18日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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サハリン代表銅メダル獲得

 今月1月9〜13日、ハバロフスク市で開催された極東地域卓球大
会でサハリン男性代表チームが銅メダルを獲得したことがわかった。
また、イワン・レオノフ選手は個人競技で金メダルを取るなどサハリ
ン選手らの実力を存分に発揮できた試合であった。

地震復帰作業順調に

 サハリン州政府によると、去年8月2日のネベリスク強震被害者ら
のための住宅新築事業が順調に進み、現在まで1515世帯が新築に
入居した他、今も一千人以上の専門家と建築労働者が住宅の建築に熱
心に取り組んでいる。

1月インフレ1.8%

 ロシア経済発展省によると、新年に入ってから既に1.8%のイン
フレがあった。去年に比べて0.1%増加した数字だが、政府の公式
発表によると、今年全国のインフレ率は7.5〜8.5%まで。昨年
の場合、予測率より4%も高い11.9%まで物価が上がった。昨年
の秋(10月24日)、食品価格の暴騰を防ぐために実施した制限策
が間もなく期限切れになり、2月には牛乳、パン、チーズなど食品価
格が再び上がると専門からは予測している。

イワン・クロパトコ号飛行機登場

 サハリン航空社はボーイング737型飛行機にイワン・クロパトコ
という名前をつけることにした。イワン・クロパトコさんは1985
年から約5年間、サハリン州執行委員会の委員長を務めながら、ユジ
ノサハリンスク空港の発展に大きく寄与した人物。彼の息子も飛行機
が好きで飛行士になり、今サハリン航空社飛行総責任者として勤務し
ている。イワン・クロパトコという名前の飛行機が今年から国内外を
飛ぶ。

元日に自殺を試みる

 ユジノサハリンスク市立病院によると、年末年始に負傷や銃傷など
で応急治療を受けた若者が例年より多かった。元日だけでも341件
の救急コールがあり、大晦日の夜、外を歩いて怪我や喧嘩などで負傷
或いは銃傷まで被った人が少なくなかった。特に、元日に自殺を試み
た若者も去年より増え、休日の終わった今は過食やアルコール中毒で
病院を訪れる人が多い。

冬の釣り

 先日、オハ地域のニェクラソブカ村で冬の釣りシーズンが始まった
。住民たちはナワガを竿で釣っているが、一部の住民は網で捕獲して
いることが分かった。網漁は禁止されているため、警察が取り締まり
に出て3人の男性を拘束した。彼らは130キログラムも不法に捕獲
した。

州議会長大統領から名誉勲章

 先日、サハリン州議会のヴェ・イエプレモフ議長が大統領から名誉
勲章を受けた。これは島の議会の歴史に残るべき出来事であり、最近
、同僚や知合いからの祝賀挨拶を受けるのに大忙しの様子。

本社 安・チュンデ記者チェーホフ記者賞受賞

 1月13日はロシア出版記念日。11日、ユジノサハリンスク市内
のレストランで出版記念日を祝う行事があったが、そこで毎年ロシア
記者同盟が開催しているチェーホフ記者コンクールの受賞者発表会を
も行われた。11人の言論人の審査を得て贈られる同賞に今年、セコ
リョ新聞の安・チェンデ記者の記事が受賞した。賞を得た記事は「父
親の念願を今でも叶ってあげるために」とであった。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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  寒の入り・・・いや大寒が過ぎた。寒いはずである。サハリンでは
連日氷点下12−5度。一念で最も寒いという時期を迎えている。

 ところが温暖化の影響でか、シベリアのヤクーツクというところで
はツンドラ(凍土)が融けてきているという報道があった。そういえ
ばサハリンでも「昔はもっと寒かった」という話をよく聞く。

 筆者などは「ソ連邦時代に品不足、人権弾圧などで心が寒かった」
などと思うのだが、そうでもないようだ。

 先日サハリンの知り合いからの便りで「ベランダに置いておいたキ
ムチが凍った」と書いてきた。ロシアのベランダは、しっかりと窓が
あって、日本のアパートのそれのように吹きっさらしではない。

 「あわてて冷蔵庫に入れて溶かした」とか・・・。

 これから節分までは寒い日が続くようだ。ご自愛のほどを。

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発行     2008年1月22日   No.324
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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