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タイトル:609studio No.322◆本澤二郎の政治評論「間違いだらけの日本の教育」  2008/01/08


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【609 Studio 】メール・マガジン 2008/1/8  No.322
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 あけましておめでとうございます。昨年はお世話になりました。
     本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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◆右往左往「雑煮考」:          MK

◆本澤二郎の政治評論「間違いだらけの日本の教育」:本澤二郎

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2008年1月4日号

◆編集長から

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◆右往左往「雑煮考」:MK
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 新しい年が明けた。「新しい年」は確実に来た。さてはて、だか
らどうなのだと開き直るのはもう「年のせい」なのかとも思う。

▲元旦には雑煮を祝うのが我国古来の風習だとか。この雑煮、地域
によって様々な形があるようだ。雑煮には餅が入る。入らなければ
単に汁である。この餅にも様々な形があるように聞いた。

▲まず、大きく分けて丸い餅と角餅がある。これは一般に知られて
いる。関東から東の地域では、切り餅を一度焼いてから、すまし汁
に入れて食するという。

▲関西以西では、丸餅を白味噌仕立ての汁に入れて食べるのが一般
的であろう。しかしこの大雑把な分け方では、その範疇に入らない
地域があるように聞いた。例えば、鳥取では(だけではなかろうが)
お汁粉が雑煮なのだという。

▲このお汁粉(のようなもの)が雑煮といえるのかは判断に迷うと
ころだ。実際食したことのない雑煮?なのだから、なんともいえな
いが、雑煮と書く以上、様々な野菜、鶏肉などをごった煮してその
中に餅を入れるから雑煮といえるのではないのかなどと筆者などは
開き直ってしまうわけである。

▲関西と関東の境にある三重県など、双方の地域の雑煮が県内で分
布しているのだとか。もっとも味噌は赤味噌という。
 まさかあの有名な「赤福」の赤・・・。そんなことないわな。

かなり屠蘇気分で「右往左往」しました。
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◆本澤二郎の政治評論「間違いだらけの日本の教育」:本澤二郎
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  正月にNHK衛星テレビで懐かしの映画「風とともに去りぬ」と
「サウンド・オブ・ミュージック」を観賞したあと、5日午前10
時からのNHKが取材した「フィンランドの教育」を見た。確か2
度目だが、それでも新鮮な感じを与えてくれた。文教関係者必見の
教育テレビである。一目して、日本の文科省教育が世界一の教育立
国が推進してきた流れに逆行していることがわかろう。


 筆者も新聞記者を卒業したあと6年間、大学の教壇に立った。お
よそ学生らしからぬ学生が少なからずいた。おしゃべりと居眠り組
である。「おしゃべり学生は教室からたたき出す」と高飛車に押さ
えつけて講義をしたこともしばしばだった。真面目な学生がかわい
そうだったからでもある。しかし、こうしたこともしない教師が大
半だった。大学は学問の府にあらず、の状況といっていい。

 筆者が中曽根・国家主義の危険性を指摘した本を出版すると、学
校で一番人気だった講座がなくなり、排除された。このとき初めて
日本に学問の自由が確立していないことを悟らされたものである。
出版社も倒産した。金融機関からの圧力とみられる。

 中学や高校生で卒業して手に職をつけるほうが、本人にとってど
んなにか好ましい人生が送れるであろう、そんな学生もいた。適格
のない学生と、あるいは不適格な教師でもって占拠されている大学
のようだった。そこへと家庭や国と自治体は大金を流し込んでいる。
最近の経験だが、介護福祉養成の専門学校で2回ほど人間科学論を
教えたのだが、20数人のクラスの中に一人か二人、問題学生が紛
れ込んでいる。明らかに道を誤まっているのだ。学校としては、別
の人生航路のあることを教え諭すべきだが、そうはしない。どんな
学生であろうと、学校にとって金のなる木だからである。人間性の
ないものが、命を預かる仕事につけば問題を起こしかねない。悲劇
は本人だけで済まなくなるからである。

 改めて、日本の教育制度は知識詰め込み万能の国家管理に特徴が
あることに気付かされる。これこそ排除しなければならない教育制
度であることが、フィンランドの実践を見聞すると、それが実に明
快なのだ。世界に誇れる教育基本法の、改正という名の改悪でいい
ものか。愛国心を強要することが国家主義に貢献するかもしれない
が、正しい改革では決してない。

 フィンランド教育は、先進国の子供たちを対象にした実験によっ
て毎年立証されている。NHKはそこへとカメラを向けて、改革の
主役となった当時29歳のヘイドネン教育大臣から、つぶさに中身
を聞き出したのだ。「教育は自由でなければならない。教育機会の
平等を制度的に保障することが根幹である」という元教育大臣の指
摘は、ごくありふれているようでいながら鋭く迫力をもって日本人
の胸を打つ。

 機会の平等は、全国どこでも平等の教育を受けることが出来る。
金持ちが優先する大学教育は、ここフィンランドでは無縁である。
義務教育の無料は承知しているが、ここは大学生まで無料なのだ。
能力・才能あるものが最高学府に進むことができる。貧富に格差が
ない。実力のある若者であれば、誰でも、どこにいても教育を受け
ることが出来る。

 そして、教育は知識詰め込みの日本とはまるっきり反対なのだ。
読み解く能力・読解力に絞る。思考人間を生み出す教育である。特
に情報を読み解く力でフィンランドの学生は、他を圧倒しているの
である。教育の国家管理は排除する。現場の自由裁量に全てをゆだ
ねている。ここがミソである。国家主義を教育の分野で徹底して否
定するのであるから、日本のような教科書検定などはない。あって
はならないのだ。ヘイドネンによると「現場すなわち教師と校長に
全て任せる。教師と生徒の意欲によって教育効果が現れる」のであ
る。したがって教師の質が重要になる。520万人のこの国の社会
的な地位に教師が並ぶ。教師養成大学の志願者の1割しか入学はで
きないという。5年間の大学生活の間に学生は50回以上の実習を
する。

 筆者も大学の教職課程をとったが、実に容易で実習は1週間程度
であった。取ろうと思えば誰でも取れた。「デモしか先生」の乱造
が背景に潜む日本の教師であるが、フィンランドなら皆失格だろう
。それでいて1年に1度研修を受けるのだ。

 図書館の充実と利用率の高さも日本を圧倒している。読書好きは
民族性とでもいえるらしい。しかも新聞の活用も、この国の特徴と
なっている。新聞も教育との連動を意識して編集している。日本と
は大違いなのだ。日本人はテレビを見るが、本を読まない。新聞を
読まない。21世紀においてこうだから、考えようによっては恐ろ
しい国である。大学生も新聞を読んでいない。世の中のことに無関
心だ。それでいて不安と不信は増大するという精神状況にある。

 あたかも「沈む太陽」そのものなのである。1000兆円の借金
を抱えていても平然として、それの解消に努めようとはしない。毎
年25兆円、30兆円の借金を積み重ねている。官僚も政治家もこ
の重大事を無視して、地獄への坂道に国民を引きずりこんでいる。
年金の行方に国民はただハラハラどきどきするばかりで、先を見通
すことが出来ないでいる。

 これに解決案を示せない野党が政権交代しようとしている。政権
交代でも、この深刻な事態は変わらないわけだから、人々は無気力
になるだけである。思考しない日本人の将来は明るくない。

 原点は教育である。思考する日本人だ。何をどうすべきか、を思
考する人間を誕生させるしかない。武器・弾薬に血税を回すことを
即座に止めれば、展望が開かれてくるだろう。情熱のない教師、適
格のない教師は別の航路を提供したらいい。公務員の半減・賃金の
半減も必要だろう。教員・公務員も自爆する前に自ら答案を出した
らいい。思考人間であれば、環境・地球温暖化の悲劇が、再び「昇
る太陽」の鍵を握っているであることも理解できるだろう。
                    2008年1月5日記
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2008年1月4日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
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 セコリョ新聞日本語翻訳が届いておりません。届き次第お届けい
たします。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 今年初めてのメールマガジンです。本年もよろしくお願いいたし
ます。

▲政界は正月どころではなさそうな。何しろテロ特措法の成立をか
けて与野党ともに緊迫・・・。と思いきや案外落ち着いているよう
に見える。もう成立のシナリオが読めて、なおかつ「解散」はない
という姿が見えてきたからか。

▲サミットが終わるまでは動けない、動かないという「不動の密約
」でがんじがらめ?

▲いずれにしても、今年は与野党ともにその真価が問われる時期が
来る。国民の眼をそらすような事態だけは避けてもらいたい。
 年金、防衛省問題など忘れないでもらいたいものだ。
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発行     2008年1月8日   No.322
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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