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タイトル:609studio No.321◆右往左往「師走のうた」  2007/12/25


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【609 Studio 】メール・マガジン 2007/12/25  No.321
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              クリスマス
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◆右往左往「師走のうた」:          MK

◆本澤二郎の政治評論「日本経済(日経)新聞」:本澤二郎

◆はちみつ色のニングル「ハニィ」の冒険日記      wabi

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2007年12月21日号

◆編集長から

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◆右往左往「師走のうた」:MK
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 かきねの かきねの 曲がり角
 たきびだ たきびだ おちばたき
 (巽聖歌作詞・渡辺茂作曲)
 「たきび」という歌である。筆者はなぜか師走というとこの歌が思
い出される。昨今は公害に認定?されて落ち葉焚きもままならないよ
うだ。

▲この歌になんとなく師走のあわただしさの中でほっとするひと時を
持つというゆとりを感じる。もちろん焚き火の中にはサツマイモがい
くつも入っている。焚き火が暖かいのかサツマイモの焼けるにおいが
たまらなく楽しみなのかいずれともいえない。

▲焼けるにおいといえば、石川啄木の短歌集「一握の砂」にこんなの
があった。

  しんとして幅広ひろき街の
  秋の夜の
  玉蜀黍の焼くるにほひよ

 この歌では「秋の夜」と歌われているが、筆者には、札幌の、今と
はまったく違う開拓時代の札幌の「しんとして幅ひろき街」はなぜか
師走の町を連想してしまう。きっと啄木は「秋の夜」とするほうが、
玉蜀黍の焼けるにおいがおいしく感じるとでも考えたのだろうと、勝
手に想像している。

▲師走といえば、クリスマスも思い出す。筆者はキリスト者でもなけ
れば、宗教に詳しいわけでもない。しかし、街中が「クリスマス」と
いう言葉、行事を受け入れているのに、筆者だけが知らぬ顔をするほ
ど厚顔でも意固地でもない。いうなれば「一神教」でない宗教を国民
の大半が受け入れているわが国の在りように「ほっとする」師走。

▲こうして新しい年を迎える準備をしてゆく師走・12月、子供の頃
が懐かしい。大人になると「待ち遠しい正月」なんて気分はなくなる
。特に「偽」を言う文字をもって表現される今年などは憤りを超えて
情けなくなる。
 大晦日には「歓喜の歌」を歌って一年を締めくくりたいものだ。

▲ところがここにきて、福田内閣の支持率が急落した。肝炎訴訟への
政治的救済失敗、それに補給支援特別措置法の衆院再議決問題が越年
国会をしてまでというかたくなな態度が支持を下げたという。また元
旦には年賀状の配達を控える民営化後初の大試練が民営化を推し進め
た自民党に待っている。「歓喜の歌」どころではなさそうである。

   「もういくつ寝るとお正月・・・」
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◆本澤二郎の政治評論「日本経済(日経)新聞」:本澤二郎
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 上海の虹橋空港から中国東方航空の羽田行きの便に乗ったときのこ
とである。臨席の日本人ビジネスマンが日経新聞を開いた。そのとき
、ふいに社説がちらり目に入った。意外な見出しが躍っているではな
いか。気になって、彼が見終わるのを待ち構えて、自ら手に取ってみ
た。2007年12月15日付朝刊だ。
「参院は速やかに給油新法への意思示せ」が気になった見出しである
。「急いで成立させてブッシュを安心させよ」の意味であろう。これ
では、まるで産経か読売そっくりではないか。「今頃気付いたのか」
としかられそうだが、筆者が現役のころの日経は政府広報紙ではなか
った。政治部記者もごく普通だった。バブル経済をあおった経済部記
者に問題記者がそろっていたとしても、筆者の知る日経政治部記者に
おかしなものはいなかったように思う。
むしろ、近年になって朝日新聞の右傾化のほうが気になっていた。友
人弁護士は毎日新聞に切り替えたし、元環境庁長官は朝日をやめて東
京新聞を読んでいる。筆者も3年前に朝日と縁を切った。変節した朝
日社説にいらついてしまい、精神衛生上よくないからである。第一、
今の朝日はCIAとつるんでいるような印象を与えている日米同盟論
者が社論責任者になっていると見られているくらいだから、右翼も標
的を失ってたじたじたなっているらしい。朝日攻撃に特徴を出してい
る週刊誌の「週刊新潮」も、このところネタ不足で弱っている、とい
う話を聞いた。
ところで、日経社説は「参院はいたずらに審議を引き延ばすのではな
く、速やかに新法案への意思を示す責任がある。参院第一党の民主党
には強く審議の促進を求めたい」「参院で否決された場合、与党は衆
院の3分の2以上の賛成で粛々と新法案を再議決すればいい。ためら
う必要はない」「インド洋での給油活動は、テロとの戦いで日本が貢
献できる貴重な分野である。早期に給油再開を」「与党が再議決する
と、野党側が参院に首相の問責決議案を提出する可能性が取りざたさ
れている。しかし、問責決議案に法的拘束力はない」などとまるで野
党に全て非があるといわぬばかりの論調である。
日経が改憲論を主張するようになったということは聞いていたが、そ
れにしてもこれほど露骨に政府のお先棒をかついでいるとは、この社
説を読むまで知らなかった。能天気と笑われそうだが、事実だから弁
解のしようがない。
血税を使用しての戦争への給油活動は、小沢一郎がいうように集団的
自衛権の行使に当たり憲法違反である。小泉・安倍内閣に次いで福田
内閣も憲法違反を強行している。それを日経は支援の論陣を堂々と張
っているのである。
民意は7月の参院選挙で示されている。野党に分がある。それを百も
承知で福田とブッシュの武力行使を正当化しているのだ。

 1、大連立を画策する論調を張っている読売は公器に値しないもの
だが、日経も同様である。これまで小泉・安倍新聞に徹していた院内
紙でも「石油無料ばら撒き作戦。高騰石油くれる間抜け海軍。1年く
らい休んで熟考したら」と酷評する見出しを掲げている。袖見出しは
「軍艦を偽装して石油をもらえ。バレたら偉い次官にもみ消してもら
え」である。海軍とは海上自衛隊、次官は逮捕されている守屋のこと
だろう。庶民の感情がにじみ出ていてわかりやすい主張である。国民
に奉仕し、権力に屈しないことがジャーナリズムであり、それを公器
と呼んでいる。
 2、日経は福田内閣とブッシュ政権に奉仕している。そして、もう
一枚皮を剥ぐと財界の代弁者である。より具体的にいうと、石油財閥
と人間を殺す兵器財閥ということになろう。したがって、これはもう
ジャーナリズムではない。国民のみならず人類にとって有害であろう
。そんな新聞ビジネスに貢献する編集者は、大金を手にしても心安ら
ぐことはないはずである。
 3、平和憲法に対する認識が完璧に欠落している新聞は、もはや日
本の新聞ではない。右翼の立場に立脚しているのである。恐らく歴史
認識もあいまいだろう。アジアに立脚できない新聞だとすると、財界
の首を絞めることにならないのか。門外漢ながら心配してしまう。
 4、目を覚ませ、といいたい。戦後の財界人は、戦争体験もあった
のだが、右翼は少なかった。リベラルな平和主義者が多数派であった
。それゆえに中国との国交も回復できた。田中―大平連合の平和外交
を支えていたのは財界であった。武器・弾薬財閥が正面に立つことは
なかった。当時の日経もまともだった。
この機会に猛省を促したい。ジャーナリズムに戻れと。
(2007年12月19日記)
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◆はちみつ色のニングル「ハニィ」の冒険日記      wabi
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2007年12月21日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
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外交通商部とサハリン韓人代表らとの懇談会

 さる14日、韓国外交通商部職員と国会外交通商委員会職員ら3人
とサハリン韓人団体ら代表らがサハリン韓人文化センターで「サハリ
ン同胞支援特別法案」について話し合った。サハリン韓人界は子供同
伴の永住帰国を主な骨子とする同法案の早期国会通過を要請しながら
、残留希望者らに対する配慮が殆ど無いことに不満を示した。朴・ヘ
リョン韓人会長は「ロシア国籍の残留者への支援は韓国法律上難しい
のなら、我々に二重国籍を認めろ」と訴えた。韓国側は現在、国会開
会中の法案審議に現地の声を参考にすると言いながら法案を巡っての
話を締めくくった後、首都圏ではなく地方のアパートに永住帰国する
問題に対する現地の意見を聞いた。韓人会は韓国政府の決定に従うと
答えた。最後に韓人会など一部の団体が纏めた要望書が韓国側に渡さ
れた。

韓人会運営委員会―残留者への支援問題を優先に

 さる15日、韓人文化センターで開かれたサハリン州韓人会運営委
員会が今後、サハリンに残留を希望する人々らへの支援を優先にする
活動方針を明らかにした。又、韓国国会や政府宛ての「サハリン韓人
永住帰国及び支援法制定と関連しての要望書」を採択したが、その内
容は以下の通りである。
A.永住帰国に関して
1.永住帰国希望者全員を2010年まで永住帰国させること。
2.サハリン及びロシア、旧ソ連地域に住む元サハリン韓人ら中、現
地残留を希望する1世に対し毎月300米ドルの生計支援金(医療補
助金を含め)を支給すること。
3.サハリン残留希望者のための住宅建設。
4.サハリンに100人収容の養老院と50人収容の病院の建設と運
営支援。
5.70歳以上の高齢者が年1回韓国を訪問し2週間休養できるよう
にすること。
6.2年に1回母国訪問できるようにすること。
7.国家レベルでの永住帰国長期政策の立案。
8.残留者らに韓国国籍取得の法的措置を設けること。

B.サハリン韓人2世らの問題
1.2−3世の母国訪問を最低5年に1回実現させること。
2.徴用被害者の遺骨を祖国に帰すこととそれにかかる費用を政府が
支援すること。
3.永住帰国者用アパートに2世らが入居できる法的措置を設けるこ
と。
4.既に死亡した徴用被害者遺家族(子供たち)の永住帰国を許可す
ること。
5.毎年若者50人の韓国留学を保障すること。
6.毎年100人の希望者の交換留学制度を設けること。
7.韓国語や伝統文化を教える教師5−7人の派遣。

韓人文化センター開館1周年記念

 先週の土曜日(15日)、サハリン韓人文化センターで同センター
開館1周年と韓人芸術団「サハリン」創立10周年を記念する共同行
事が開かれた。サハリン州政府など各界人事と350人が集まった中
で、過去1年間のセンターの活動を振り返る簡単な事業報告の後、協
力者への感謝状伝達があった。その後、エトノス芸術団や芸術団歌手
らの踊りと歌が続く他、サハリンのウクライナとアルメニア民族が祝
賀の踊りと歌を披露して多文化共生社会のあり方を示す行事となった。

メドヴェゼフ氏を大統領候補に公式承認

 今月17日、モスクワで開かれたイエジナロシア全国党大会でデ・
メドヴェゼフ第1副総理を次期大統領公式党候補に承認したことがわ
かった。プーチン大統領も党の選択を支持した。

「サハリンエネルギー」5年間5億ルーブルを支援

 先週、市内ホテルで「サハリンエネルギー社」の支援活動について
の記者会見が開かれたが、同社社会問題担当者の報告によると、サハ
リン住民の生活や福祉のために行った社の支援は2003年から総額
5億ルーブルに達している。

北方少数民族政策セミナー開催

 さる13日、州政府庁舎で州政府とサハリンエネルギー社、サハリン
北方少数民族協議会が共同主催するセミナーが行われた。セミナーでは
原住民の伝統や文化を守る活動への支援のみならず、少数民族居住地域
全体の社会経済発展を図る必要があるとの指摘があった。

紛失物

 サハリン州鉄道局によると、この1年間の列車での忘れ物は金額にす
ると50万ルーブルに達する。携帯電話、帽子、財布、お金などが主な
紛失物。紛失物はユジノサハリンスク駅紛失センターに保管されている。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 この22日土曜日、元毎日新聞記者の西山太吉氏の講演を聞く機会が
あった。時は沖縄返還時、首相は佐藤栄作氏、その沖縄返還に関して、
毎日新聞政治部記者だった同氏は「密約」をすっぱ抜いた。

 しかし当時の政府は無論のこと、マスコミもこぞって「密約問題」に
は触れずに「外務省機密漏洩事件」と姿を変えて「情を通じた」と当の
西山記者のスキャンダルに眼を向けることに成功した。

 400万ドルという巨額を国民の眼を欺いてアメリカに提供した政府
は、傷を負うことなく事件は西山記者と外務省事務官の逮捕・起訴そし
て有罪判決で事件は終わった。

 しかしアメリカの情報公開で「密約」の存在が明らかになった。当時
アメリカ側と交渉した外務省の高官もこれを認めた・・・。

 西山氏は当然新たに名誉回復のための裁判を起こした。来春には判決
があるという。

 その西山氏は78歳の高齢にもかかわらず、90分あまりの時間をフ
ルに使い、「今に至るまで沖縄の米軍(つまりアメリカ)とともにわが
国政府は国民の目を欺いていると熱弁を振るっておられた。

 聞きしに勝るジャーナリストだ。
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発行     2007年12月25日   No.321
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
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