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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2007/9/12 No.308 ───────────────────────────────── 【609 Studio】 メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプト に論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、 ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その 他、寄稿記事など話題満載! ───────────────────────────────── サハリン韓国語ラジオ放送をお聞きください! http://www.609studio.com/html/broadcasting/urimal.html サハリン韓国語新聞 セコリョをお読みください! http://www.609studio.com/fromsakhalin.html ───────────◆◆◆INDEX◆◆◆─────────── ◆現代時評:[政府の借金癖と浪費癖] ken ◆セコリョ新聞ダイジェスト版:翻訳未着です。 ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評:[政府の借金癖と浪費癖] ken Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは office@609studio.com へ! ───────────────────────────────── ◆◆ ニッケイネット 2007.9.05 財務省は5日、6日から募集す る個人向け国債の発行条件を決定した。固定金利の5年物の表面利率 が1.15%、変動金利の10年物の最初半年に適用される利率は年 0.85%となった。28日まで募集し、10月15日に発行する。 市場金利の低下を受け、5年物の利率は7月発行の前回国債の過去最 高の1.50%から0.35%下がった。変動10年物の利率も前回 債から0.16%下がった。 ◆◆ ニッケイネット 2007.9.04 外務省は23日、来年度予算の 概算要求で、政府開発援助(ODA)予算を今年度当初予算比13. 9%増の約5170億円とする方針を固めた。地球環境問題への対応 などを柱とする。来年日本で開く主要国首脳会議(洞爺湖サミット) の準備費用として約320億円を求める。 ■■ 近年わが政府は国債の海外売り込みに熱心だ。 PRの効果も あり、海外投資家の日本国債保有比率は03年末の3.0%から、0 6年末には5.8%(39兆2千億円)に伸びている。しかし、2ケ タ台の欧米諸国に比べて異常なほど少ない。 原因は金利が安いこと と、わが国債の格付けがイタリア国債と並んで「AAマイナス」とい う低さにあるからとされている。 ■■ にも関わらず、わが政府は国債を国内個人客や海外に売り込む のになぜ熱心なのか。 原因は、旧郵貯関係の国債保有が民営化移行 に伴い当てにならなくなり、それに代わる有力な売り込み先を探す必 要があるからだ。 無理も無い、もともと郵貯関係の国債保有率は3 0数%、日銀保有と併せて60%近くを占めているのだから、郵貯資 金に逃げられる可能性大とあっては慌てざるを得ない。 ■■ 聞けば、国債の海外向け販売は日露戦争の戦費集めに外債を発 行して以来100年無かったことらしい。 もともと政府が1000 兆円もの膨大な借金を抱えていて、なお諸外国から信用があったのは 、国の債務、つまり日本国債の保有者がほぼ全額、国内だったからで 、この辺が米国のように外国からの借金に依存しない強みであった。 それがもし今後、外債依存体質になれば、いまのような日本という 国への諸外国からの信頼感は一挙に消えてしまう。 そう考えると、 いま政府が目論んでいる国債の海外販売など成功しないで欲しい、と ボクなどは願っている。じじつ成功しない可能性もじゅうぶんある。 ■■ とはいえ国債の捌け口が無くなれば、すぐさまわが政府が困る ことは見え透いている。 ではさて、どうすべきか。 簡単なことだ が出費を減らせばいい。昔から「量入制出」と言われているではない か。 ■■ ところがわが政府の浪費癖はいまなお止まず、緊縮財政も上の 空である。 どんどん出しっぱなしで、勤勉な国民のカネを使い果た し、なお海外からカネを借りようというのだからわが政府の心底は図 りかねる。 ボクが「政府は出しっ放し」というその簡単な実態を一 つお見せしよう。 卑近で判りやすいのは外務省の浪費である。 ■■ つい2・3日前、政府は来年7月7日から9日までの「洞爺湖 G8サミット」の準備費として320億円を要求した。 この金額は あくまで準備費であり、実施には少なくともその2・3倍のカネを消 費するつもりらしい。 たった3日間の、それも特別重要でもない、 早くいえばお祭り的な8カ国首脳会議のためのものである。 ■■ 参考までに前回日本で行われた2000年の「沖縄サミット」 を思い出してみよう。 政府が支出した総額はなんと815億円にの ぼった。当時、英国のNPOがその巨大な出費に驚いて、「もしこれ だけあればアフリカ・ガンビアの借金をじゅうぶん払いきれるのに」 と嘆いたという。 その前年、ドイツ・ケルンで開催された同会議の 費用は、その100分の1と言われている。 これなど、いかにわが 外務省が「出費好き」かを示している。 ■■ さらにこの沖縄サミットの後で、その資金を取り仕切った外務 省のノンキャリア官僚が、タクシー代を換金横領しただけでも300 0万円にものぼり、たしか横領罪で起訴されたはずである。 ときの 河野外相は金銭のことはいっさい知らなかったとかで責任を問われる こともなかった。 それで判明したのは、外務官僚中のキャリア組は 金銭の出し入れにいっさい関与せず、カネのすべてはノンキャリア一 人の思うままの采配に委ねられていた、という事実である。 ■■ 後日これを暴いた田中真紀子外相が、「スカートの裾を踏んだ 」とかで、小泉首相にクビにされた発端である。 さらに、そのスカ ートの端が内閣官房長官の機密費20億円にまで及んでいて、話が重 大過ぎ、総てはお蔵入りになってしまった、といういきさつがある。 ■■ のちその沖縄サミットは、外務省の公式WEBサイトで次のよ うに総括している。 「7月21日〜23日、沖縄において九州・沖 縄サミット首脳会合が開催された。21世紀に向けての一層の繁栄、 人々の心の安寧、そして世界の安定を達成するために、G8として何 をなすべきかというテーマの下で首脳間で活発な議論が行われ、これ を踏まえて、(1)G8コミュニケ、(2)グローバルな情報社会に 関する沖縄憲章、(3)地域情勢に関するG8声明、そして(4)朝 鮮半島情勢に関するG8声明の計4本の文書が出された」。 そして 、とりあえずの評価として、「21世紀を目前とした今回のサミット では、 21世紀に向けて人類が直面する課題を特定 することが重要 であると考え、一層の繁栄、心の安寧、世界の安定という観点から、 首脳間で活発な意見交換が行われた」と、わが政府は空疎な言葉で自 賛している。 ■■ こうした政府の浪費癖はその後も続き、来年夏のたった3日間 の「洞爺湖サミット」のために、またしても事前準備費だけで320 億円という大金を要求している。 無自覚も甚だしい。 ■■ もちろん政府は、「洞爺湖サミット」にそれなりの大金を投ず る理由は付けるだろう。 おそらく先ず、「国際貢献」とか「国家の 対面」など。 つぎに「北海道振興」、そして「観光開発のため」な どなど・・・。 しかしどのような名目を付けるにせよ、たった三日 間の国際会議にそれほど莫大なカネを投入する必然性は無い。 本当 のところは、政府の浪費癖に尽きる。 もしくは例の漫然とした官僚 の「惰性」であるならば、年金保険料の横領と動機はたいして変わら ない。 なにしろ自分の懐から出すカネではないのだから。 ■■ こうした浪費癖がわが政府にある限り、1000兆円の国民の カネを遣いきった後は、世界中に日本国債をばら撒き、ついには米国 並みの借金大国に落ちぶれることとなるのは見え透いている。 ■■ だいたい「G8」とか「APEC」とか称する国際会議は、い くら名目をつけてもしょせん国家間首脳同士の「お祭り行事」以外の 何ものでもない。 列国の大統領・首相が並んで写真を撮るところな ど、いわば「白波五人男」の顔見世舞台とそっくりである。 だから、一度や二度中止したり、欠席したからといってもどうとい うことは無い。 まして数百億円も掛けて主催するのは常識外れもい いところである。 せっかく大金を投じて、「さすが成金日本の見栄 っ張り」と蔭口を叩かれるのが関の山だ。 ■■ それよりも政府は、早急に浪費癖と借金癖から脱すべきである 。この二つの悪しき癖を直さぬ限り、美しい国日本はごく近い将来に 米国と同様の借金大国に成り下がるだろう。 ───────────────────────────────── ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中!!◎ 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店 もしくは609studioでお求めください。 四六判160頁 1,600円(税別) ISBN4-89642-138-8 C0072 未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html または office@609studio.com ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang ◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 翻訳未着です。次週9月18日号でお届けいたします。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から] Michio Katayama ───────────────────────────────── 昨日お届けするはずだったメールマガジンを一日遅れでお届けいた します。 またセコリョ新聞の日本語版は次週合わせてお送りいたします。 いーえ!快進撃の阪神タイガースを夜毎見ていたわけではありません。 でも、すごいですねー。 △臨時国会が開会しました。見ものといっては不謹慎ですが、ようや く国会も本来の使命をまっとうしそうです。やはりこれ位緊張した国 会を国民はみたいものです。 △その緊張のあまりか、安部首相は所信表明でサミット部分読み飛ば した。サミットまでもたないという意味じゃないですよね。安部さん。 △しかしながら安倍首相がインド洋での給油活動が継続できなければ 退陣する考えを示したことに異論様々。 もうホントに死に体だな。 △いずれにしても緊張の国会、緊迫の国会で与野党の真摯な攻防を見 せてもらおう。国民の眼は厳しいぞ! ───────────────────────────────── 発行 2007年9月12日 No.308 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail office@609studio.com website http://www.609studio.com 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 購読解除は websiteへ ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |