609studio　No.307◆現代時評：[同床異夢の政府と国民感情] 2007/09/04

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タイトル：609studio　No.307◆現代時評：[同床異夢の政府と国民感情] 2007/09/04

───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン　2007/9/4 No.307 ───────────────────────────────── 【609 Studio】メールマガジンは「現代社会を斬る！」をコンセプトに論説委員Ｋｅｎ氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記事など話題満載！　 ───────────────────────────────── サハリン韓国語ラジオ放送をお聞きください！　http://www.609studio.com/html/broadcasting/urimal.html 　　　　　　サハリン韓国語新聞　セコリョをお読みください！　　　　　　http://www.609studio.com/fromsakhalin.html ───────────◆◆◆ＩＮＤＥＸ◆◆◆─────────── ◆現代時評：[同床異夢の政府と国民感情]　　　 ken ◆セコリョ新聞ダイジェスト版：２００７年８月３１日号 ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評：[同床異夢の政府と国民感情] 　　　 ken 　　　Ｋｅｎ氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは　　　　　 office@609studio.com 　へ！ ───────────────────────────────── ◆◆　NHKネット　2007.8.29元農林水産大臣の玉沢徳一郎衆議院議員が代表を務める自民党の支部が、政治活動費の領収書の日付などを書き換えて使い回し、中には印刷にかかった代金を５重に計上していたことがわかりました。玉沢議員は、事実関係を認めて謝罪するとともに、内閣改造に伴う国会人事にあわせて衆議院の政治倫理審査会の会長を退任する意向を明らかにしました。 ◆◆　安倍内閣メールマガジン第44号　2007.8.30　・・・こうした反省の上に立ちながら、今後とも、改革は続けていかなければなりません。これは、決して変わることのない、私の信念です。　私たちは、将来の世代に対して責任を持っています。人口が減少し、経済がグローバル化する中でも、日本が今後とも発展を続けるためには、厳しくとも、今、改革を前進させなければなりません。　戦後つくられた、憲法を頂点とする様々な仕組み、教育や公務員制度などについて、時代の変化をしっかりとふまえ、原点にさかのぼって大胆に見直していくとの方針は、今も変わっていません。 ■■　安倍内閣は「政策実行内閣」を標榜し、産業構造改革を第一の目的に掲げている。　ところが、マスコミに先導されたいわゆる国民感情は「政治資金倫理問題」に血道をあげているかに見える。これでは、両者の思惑は完全に「同床異夢」で、意識の相隔たること千里に近いと言うべきだ。 ■■　もちろん国民大衆側も、政府の「構造改革」に反対している訳ではないし、政府も「政治資金倫理」におろそかではないが、事実としての関心度は、両者とも思い思いの方向を向いていて、妥協が難しい。 ■■　安倍内閣としては、当面日本の行くべき道、つまり日米協調、産業構造の改革、憲法改正、教育・公務員制度の見直しなどを最重要策として捉えていて、いわば政治家としての高邁な理想をアタマに描いているらしい。 ■■　そのためには議員末端の政治資金の不始末などは、成るべく頬被りしておきたいところだ。　頬被りはやむを得ぬとしても、そのまえに先ず政治を官僚の手から取り返すことが先決で、それには最低限、議会での質問の返答くらいは議員自身が書けるようになる必要がある。　数年前から、政策担当秘書が公費で雇えるようになったが、その公費すら議員自身の収入として取り込みたがり、身内親族を政策秘書に化けさせたりしているので、実効は低い。　たとい大臣になっても、実務政策のほぼ総てを役人の手に委ねている間は、官僚にアタマがあがらず、思い切った改革など出来るはずも無く、空念仏の理想を唱えるだけになる。 ■■　しかもその上に、政府与党は野党との票決争いに負けまいとして、いかがわしい議員の粗製濫造に忙しく、よしんば自派議員が破廉恥罪を犯しても、なるべくそれを庇う努力をし、余計に国民の信頼を失うばかりになる。 ■■　一方、大多数の国民や、彼らを顧客とするマスコミは、社会正義を名分にしながら、じつは庶民の低級な野次馬的興味を満足させるための議員の政治資金スキャンダルを見つけ出しては喜んでいる。　そしてそのため、いま国家が何をなすべきかの政府政策に協力しようなどとの気構えをどこかに置き去りにしてしまっている。　 ■■　ところでボクの疑問は、いったい誰がああした猟奇趣味ともいえる議員の、不始末の資料を探してくるのかということだ。　察するに共産党辺りが組織的に調べ回っているらしいし、最近では自衛隊情報保全隊なるものまでが、そうした政治家のスキャンダルを探し回って居るとの噂もある。　彼らは社会正義のため、政府の不正を糾すといいながら、じつのところ週刊誌的ゴシップ事件を暴き立てて快感を味わう趣味が濃厚のようだ。　品性下劣というべきか。 ■■　野党、民主党なども、いまここで政権を奪取しないかぎり「万年野党」たらざるを得ないので、中近東に於けるわが自衛隊の補給活動のためのテロ特措法などはいま廃止するわけにはいかぬことは百も承知と知りつつ、憲法違反を名目に、テロ特措法の廃止を主張している。　これなど、党利党略のための反対で、日本国家のためとは言い難い。　いわば政権奪取の道具として国家戦略を弄んでいるのだ。 ■■　といった状態で、実情は政府と国民の2者、いや野党もあわせて３者３様に政治を弄んでいるのだから、おそらく心ある諸外国の連中が、「日本はいったいどうなっているのか」と、不思議に思うのもむべなるかな、である。 ■■　ところでその「政治資金倫理」の問題だが、じっさいのところ、予想以上に多数の政治団体、つまり議員諸君のいい加減な政治資金処理が多すぎるのは、かく言うボク自身でさえ呆れかえる。　おそらくそれは、戦後６０年のいわゆる「戦後レジューム」が、そういった曖昧な政治資金と議員の自己蓄財を癒着させたまま今日に至っているからだろう。選挙制度が現行システムのままである限り、今後とも永遠に続く「政治上の必要悪」と、断じるべきかも知れない。　 ■■　換言すれば、安倍、小沢、河野、鳩山らの面々も、かって彼らの先祖が、そうした選挙システムの下で営々として蓄財に励んでくれたお蔭で、今日の彼らが存在しているのは世間が知る通りである。　現状では、憂国の志だけで、政治家になる者は居ないも同様である。　有利な世襲職業として、彼らは政治家を志すのであり、昔の伝説のように「井戸塀」を覚悟で国家のために政治家になろうとする者は、先ず、居ない。 ■■　といってそれを非難する国民の側にも問題がある。　なぜなら、そのような議員を選出したのは選挙民自身に他ならぬからだ。　選挙民が選んだ議員、つまり選挙民と議員は同じ穴の狢と言わざるを得ない。　この選挙民にしてこの議員あり、だ。　ところがその話になると、国民もマスコミも頬被りしたままである。　政治家のスキャンダルをあげつらう前に、先ず彼らを選んだ選挙民こそ非難されるべきである。 ■■　ボクはこれを考えるとき、日本の最大の弱点として、いまのような投票選挙システムは日本には不向き、または時期尚早であると言わざるを得ない。　いちど謙虚に投票選挙システムを考え直してみようではないか。 ■■　民主主義実践のためには少々欠陥があろうと、現状の選挙投票システムしか他に方法がないと、ボクらは教えられてきた。　果たしてそうだろうか。　 ■■　ボクらの子供のころ、村の村長は投票選挙で選ばれなかった。　衆目の見るところなるべき有徳人が、自然に村長になっていた。　そしてそれはうまく作動し、村の村長の汚職など、聞いたことも無かった。 ■■　つい先般、中国では新しい全人代候補２０００人が指名された。　もちろん投票選挙制度によるものではなく、胡・温政府の、いわば恣意による任命であり、民主的というには程遠い。　がしかし、彼らは地球上初めての１３億人国家をわりあい上手に統治している。　もし中国が、民主主義の名の下に日本のような投票選挙制度を採用していたら、ああうまく統治できるかどうか、たぶんに疑問である。　だから、必ずしも中国方式が劣っているとも言い難い。 ■■　その昔、孔子は「偉大なる哲人政治の思想」を唱え、実行した。　古代ローマは、元老院議官制度であの絢爛たる文化を発展させた。　日本でも戦前は勅任議員や、枢密顧問官制度があり、それはそれで比較的有効であった。　英国の上院議員制度などはいまなおその余韻を残しているのではないか。 ■■　現状日本の、選挙民の意識レベルの未熟さからいって、現行選挙システムが果たして絶対のものかどうか、この辺りで謙虚に考え直してみる必要がある。 ───────────────────────────────── 　　　　　 ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中！！◎ 　　　写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店　　　もしくは609studioでお求めください。　　　　　　　　　　　四六判160頁　1,600円(税別) 　　　　　　　　　 ISBN4-89642-138-8　C0072 　　　　未知谷　HP　http://www.michitani.com/index.html 　　　　または　　　　office@609studio.com ───────────────────────────────── 　　 ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]　２００７年８月３１日号発行　ユジノサハリンスク市　翻訳　Kil　Sang ◇詳細/写真、記事は関連Webへ →　http://www.609studio.com ─────────────────────────────────　新学期準備状況についての記者会見　さる２８日、州教育管理局のイエ・サポノフ局長がサハリン州政府プレスセンターで記者会見を開いて新学期準備状況について報告した。局長によると、現在州内には１７３校の一般学校と１３校の夜間学校があり、学生数は５万６千人で今年の新入生は４６４７人。教育部門における今年の州予算は２億１８００万ルーブルで昨年に比べ１億ルーブルほど増加した。州政府は学校の設備や教材の購入と給食制度の整備に万全を期する方針であることがわかった。しかし、教師不足問題は今も続いており、学校側の報告によると科目別に約１７０人の教師が足りない状況。南部サハリンとクリル解放６２周年　９月３日は軍国主義日本から南部サハリンとクリル列島が解放された日。この日を記念して州政府は前日の２日、勝利の広場で記念行事を行うことにした。集会やコンサートの他スポーツ競技などが多様な記念行事が２日から１週間にわたって行われるとのこと。州議会臨時会議　先月の２８日臨時会議を開いて新しい州知事の承認を検討したことのあるサハリン州議会が今月の９日には新しい州議会副議長選考のために再び臨時会議を開いたことがわかった。元副議長のア・キスリチンさんが副知事に任命されたため、ヴェ・ゴルシェツニコフ議員が新しい副議長となった。原油ガスインフラ事業関連展示会　８月２８日から２日間にわたってユジノサハリンスク市の将校会館で原油ガス開発事業と関連したインフラ調整事業に関する展示会が開かれた。サハリンエキスポセンターと国際商工会が共同で主催した展示会に米国、カナダ、ノルウェイのほかロシア国内からも政府や企業の関係者が多く参加。参加企業は貿易、工業、建設、造船、通信、生態学など多様な分野に及んでおり、開幕式の祝辞でエン・ノヴィコワ副知事は契約件数が多く展示会が大成功することを祈ると述べた。米国商務次官來島　２８日、米国のポール・ダイク商務次官がサハリン州政府を訪ねた。露・米太平洋パートナー会議に参加するためにサハリンを訪れたダイク次官は、州財政管理局長を兼職しているエン・ノヴィコワ副知事と面談し、二人は駐ユジノサハリンスク米国領事館会館問題の他、両国の経済発展と協力関係の深化について意見を交わしたと伝えられている。地震被害者への住宅提供原則決定　先週サハリン州政府は、今年の７月７日に決まったロシア連邦政府の「非常事態及び災難で住宅を失った住民に提供される国営住宅証明書に関する件」を実行するための規則を発表した。これによると、被害者に与えられる住宅は独身者３３㎡、２人家族４２㎡であり、３人以上の家族には家族一人当たり１８㎡の広さと決まった。モスクワの医師らクリル島で医療奉仕　さる１７日から４日間、モスクワとハバロフスクの専門医１２人と２人の歌手が南クリルのエトロフ島で一般住民を対象に無料診療サービスと慰安コンサートを開いた。引率責任者のヴェ・ブシュエフ国歌栄誉センター副所長は「遠く離れている寂しさを無くすためにこのような慈善事業を企画した」と共同体意識を強調した。奉仕チームは島の子供たちに本を配布する他、「私はロシアを愛している」というタイトルをつけた写真展も開いた。世界韓国語弁論大会でサハリン代表優勝賞受賞　今年の５月、サハリン国立大学が主催したサハリン韓国語弁論大会で最優秀賞を取ったサハリン国立大学韓国語学科の李・チンシルさん（５年生）が、７月２７日韓国で行われた第１２回世界韓国語弁論大会でも優秀賞を取ったことがわかった。１３カ国の国外と国内からの参加者数は総勢５１人。中学生の時から韓国に興味を持って勉強してきた李さんは大会への参加経験が勉学に励みとなったと喜んでいる。安山市からの奉仕活動団体　今月の２８日から一週間の予定で、韓国安山の市民グループ２０人がサハリンへ奉仕活動のために来ていることがわかった。セマウル運動（新しい村作り）や赤十字社の会員さんからなる奉仕団の一行はユジノサハリンスク市老人センターの修理を行うなど同胞社会のために汗を流している。インタビュー：「父のお墓を探しに来ました」　８月１４日に韓国からサハリンに来た母子２人が翌日当社を訪ねてきた。２人の話を紹介しよう。（訳者抜粋）「どうか協力して頂けないかと思って当社を訪ねた。母（羅ジュングム、１９２５年生）と私（ユ・ヨンサン６４歳）は父のお墓を探しに来た。安山のコヒャンマウルを訪ね知合った方を頼りにここに来て、父の生前住んでいたコルサコフの共同墓地を歩き探したが見つからない。父は全羅北道出身で１９４５年１月に強制徴用されサハリンへ来た。父が生きているとのことは１９７６年に分かった。中ソ離散家族会を通じて手紙が届いた。それから２回ほど手紙のやり取りがあった。しかし、２回目の手紙に対する返事が無いまま約２年が過ぎた。７８年、再びサハリンから手紙が届いた。しかし、差出人は父ではなく父の友人だった。父は７７年１月に持病で亡くなったとの知らせだった。その方は父がコルサコフという町でどう暮らしてきたかについて詳しく書き、又私たちから手紙を貰ってどんなに喜んでいたかについて話してくれた。又、お墓の世話もするから心配しなくていいよと優しく言ってくれた。父の死亡ニュースを聞いてから私はサハリンを忘れようとした。どうしてもう少し早くお墓を探さなかったのか今はとても後悔している。昨年、私はサハリンから永住帰国した人たちの中に父を知っている人が居るかもしれない。父がどう生きたのかもっと知りたくなって安山コヒャンマウル（ふるさとの村・永住帰国者アパート）を訪ねた。期待した以上に多くの方々から父の話を聞けた。そして、父の死を知らせて下さった友人の郭・ユンドクさんも既に亡くなったことも知った。二人のことをよく知る方が墓探しに協力してくださると言われてはるばるサハリンへ母をつれて来た。しかし、なかなか見つかりそうもない。子孫のいない独身１世らのお墓は酷かった。３０年も訪れる子孫もいなく放置されたままのお墓。そのようなお墓が沢山あった。幸い標識が残っているお墓でも木が腐っていて字が読めない。こんな有様だから墓を探すのは無理だ。しかし、一つ期待できるのは郭さんの子供が何か知っているかも知れないということだ。だから郭・ユンドクさんの子供を捜すことに協力をお願いしたい。」 ───────────────────────────────── ◆[編集長から]　　　　　　　　　　　　　　Michio　Katayama ───────────────────────────────── 　９月に入りました。ようやく酷暑も一段落して朝夕は過ごしやすくなり編集子もほっとしています。何しろサハリンとの温度差が・・・。 ◇農水省は阿安部内閣にとって鬼門か。また「遠藤農水相の組合補助金問題」表面化。 ◇昨年１０月７日、チェチェン戦争を追っていたジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤさんが、モスクワの自宅アパートで暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤ追悼集会が東京で開催される。　彼女のジャーナリストとしての行動には驚嘆する。詳しくは http://journalist-net.com/home/07/09/02/092440.php ◇男性が妻の死後も遺体と一緒に生活！東京での話。殺人事件はなく、高齢の夫婦が死亡していたという事件。おそらく生活苦から？これも殺人？！憲法に定められた項目もすでに死んでいた。憲法第２５条　すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。２　国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。この条文、我国の憲法なのだが。 ◇「昨夏猛暑は温室効果ガスの影響　エルニーニョでなく」米海洋大気局（ＮＯＡＡ）の分析結果。それでは温室効果ガスとは？大気中の二酸化炭素やメタンなどのガスは太陽からの熱を地球に封じ込め、地表を暖める働きがあります。これらのガスを温室効果ガスといいます。（宮崎県地球温暖化防止情報から） http://eco.pref.miyazaki.jp/gakusyu/ondan/ondanka/ondanka1.htm もっと真剣に考えなくては・・。 ◇アフガン拉致・解放の１９人が韓国帰国。様々な問題と影響を残した事件だった。今後韓国内でどのような評価が？　我国であったようなバッシングだけは避けてもらいたい。 ───────────────────────────────── 発行　　　　　２００７年９月４日　　　No.３０７編集・発行　　609studio 　　Michio Katayama 発行　　　　　毎週火曜日　　購読料無料配信まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail office@609studio.com website 　　 http://www.609studio.com 投稿　　　　 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読購読解除は websiteへ　　　　　　　　　　　◇禁・無断転載◇ ─────────────────────────────────

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