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タイトル:609studio No.280◆現代時評:[世界一豊かになったが、さて…]  2006/12/12


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【609 Studio 】メール・マガジン・2006/12/12  No.280
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【609 Studio】 メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプト
に論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、
ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その
他、寄稿記事など話題満載! 

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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:[世界一豊かになったが、さて…]     ken

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2006年12月8日号

◆編集長から

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◆現代時評:[世界一豊かになったが、さて…]     ken

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 office@609studio.com  へ!
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◆◆CCN 2006.12.06   国連大学世界開発経済研究所が、2000
年の各国政府などの統計を元に、初めて「富」に関する調査を実施。個
人が所有する不動産や株式、預貯金から負債を差し引いたものを「富」
として、国有資産や大企業の資産は除外された。その結果、1人あたり
が持つ「富」は平均、2万500ドル。国別では、日本が世界最高の1
8万1000ドルで、米国は14万4000ドルだった。

◆◆毎日インタラクティブ 2006.12.07 財務省が7日発表した11
月末の外貨準備高は、10月末から113億9500万ドル増えて89
69億4900万ドルになり、9カ月連続で過去最高を更新した。ユー
ロがドルに対して値上がりし、ユーロ建て資産のドル換算での評価額が
膨らんだことが主な要因。

◆◆共同通信 2006.4.07 世界保健機関は、2006年版の「世界保
健報告」を発表し、2004年世界192カ国の中で、平均寿命ランキ
ングの第1位の国は日本、モナコ、サンマリノで82歳。男女別で見て
も、日本女性が86歳で最長寿。男性は日本、アイスランド、サンマリ
ノが79歳で最長寿国。2000年以来連続で日本は「長寿世界一」の
座をキープしていて、しかも平均寿命から平均障害期間を差し引いた「
健康寿命」(介護や介助の必要なく元気に暮らせる年数)でも第1位。
 
■■国連大学世界開発経済研究所の発表では、世界でもっとも豊かな国
は日本ということになった。これはいい加減な情報で無い、世界でもも
っとも権威ある研究所の発表であり、決してガセネタではない。おまけ
に今年4月のWHOの発表によれば、日本は世界最長寿国でもある。こ
の情報もまた世界で最も権威ある機関の発表だから、じゅうぶん信頼し
ていい。 加えて日本の外貨保有高は増え続け、とうとう9000億ド
ルに達した。

■■ならばわが国は、世界最長寿、世界最富裕の、いわば地球上におけ
るもっとも理想的な長寿で豊かな国家を創り上げのだから、目出度いこ
と限りない。 

■■昭和15年、日本は国をあげて、いわゆる「栄えある皇紀2600
年」を祝った。 神武天皇即位以来2600年ということで、奉祝歌は
「金鵄輝く日本の、栄えある光、身に受けて今こそ祝へこのあした、紀
元は二千六百年、ああ一億の胸は鳴る」であった。 橿原神宮の森はこ
のとき全国から寄進された記念林である。あとすぐ第2次世界大戦に繋
がる日本の、ひとときの幸せであったが、今から思うと全国民の心が昂
揚した楽しい思い出の全国のお祭りで、ボクらの世代にはその晴れ晴れ
しい記憶がいまなお残っている。

■■ボクは思う。いまこそあのときに似た、国民挙っての「世界最長寿
、世界最富裕」になった日本を奉祝するお祝い行事を実施したらどうだ
ろうか。 あの戦前の皇紀2600年というのは、いささか神話的な事実無
根の喜びであった。 が、今回はまぎれもなく、世界お墨付きの、地球
の歴史始まって以来の人類による「最長寿、最富裕」を為し遂げた、わ
が国民による偉業なのだから、内外ともに誇っていいだろう。 

■■そういうと、「何を悠長なことを・・、いまの日本は内憂外患こも
ごもの、胸突き8丁のときであるのに」と、異論を唱える向きも多少は
居るだろう。「千兆円の財政赤字をどうするつもりか、社会貧富の格差
解消はどうする」。あるいは「米国経済ソフトランディングのときの対
応策は、北朝鮮の脅威をどう考えるか」と問われれば、それなりの心配
事が無いわけでもない。

■■しかし、そうした国家の心配事というのは、何時の時代、どこの国
でも幾らかは存在しているのであり、そのような心配が皆無の国や時代
というのは、先ず無い。 そうした心配事や社会問題のインバランスと
いうのは、それなりに、ときに応じて手直しや改善をしていかなければ
ならぬことはとうぜんである。 

■■がしかしだ。世界的評価としての「世界最長寿国、世界最富裕国」
になった日本という事実は変わらない。 率直に「目出度い」として祝
ってもいいのではなかろう。 誰はばかることは無い。

■■そうした世界の幸せの最頂点に立った日本という国が、その次に「
何を為すべきか」が、じつは問題である。国力充実したいま、その力を
もって「世界平和に貢献すべき」という論が世上に高い。「国連軍に参
加して世界の平和に協力を」とか、「豊かな経済力で発展途上国の産業
開発を援助する」とか、あるいは「わが国の先進技術力で、世界の公害
対策を指導する」とかの話がある。すべて結構なことで、日本一国のみ
が幸せを享受するだけであってはならならないことは言うまでも無い。

■■が、しかし、ここでボクが主張したいのは、それよりも先ず、わが
国民の意識改革が必要であるということだ。さて、その「意識改革」と
はどういう方面に就いてのことか?

■■私見では先ずわが日本の、これ以上の一人勝ち的発展を遠慮するこ
とである。ナンでもかでも、「勝とう、他に負けまい」とする態度を、
もうこの辺りで方針転換し、「他所の国に後れをとってもいい」という
方向に向けることが必要では無かろうか。 古めかしい言葉で言えば、
「日本勝った、日本勝った」の勝利志向を止めることである。 戦争中
に醸成された「撃ちてしやまむ」の精神をいっとき棚上げし、都合では
諸外国に勝ちを譲ってもいいといった、相手に譲る雅量を持った国に替
る必要があると言いたい。

■■ドーハのアジア・オリンピックで「日本の金メダルは他国と比べて
何個」と、毎日、TVで報ずるような態度は止めにして、「参加するこ
とに意義がある」といったふうな方向に意識を転換すれば、内では「学
校の成績のことで口論して父親を刺した」というような不幸を無くする
にも繋がり、外には「日本は温和で強調的な国である」と思わせるに効
果があるだろう。 

■■それが残念にも、明治100年以来のわが国の伝統である「何がナ
ンでも追いつけ、追い越せ」の精神を、「世界最長寿・世界最富裕」に
なったいまも、なお転換していない。おそらくこうした風潮が続く限り
、わが日本は、世界の国々から、つねに恐れられ疎んぜられ、それでい
て自分自身はいつまで経っても、「どことなく不安、どことなく貧困」
の、いわゆるハングリー精神的境遇から脱し得ない原因となっている。
今に至る大方の日本人の、西欧に対するインフェリオル・コンプレック
スの真因はここにある、とボクは見ている。

■■一般的に言って、わが国民が「世界一の豊かさ」の事実を体感でき
ないのは、「国土の狭隘さ、住宅スペースの貧弱さ」を原因にしている
ように見える。 が、じっさいの日本の、道路の狭さとか住宅の貧弱さ
などは、近年、急にクリアされて、必ずしも欧米の水準にひどく劣ると
は考えられず、オランダやイタリアなどと比べればそれは明白である。
 英国辺りの庶民の住宅など比べて、わが国の庶民の住宅内部などは高
級家具什器備品が、余りにも在り過ぎて、それで狭い住居面積を必要以
上に狭苦しくし過ぎているのが実態である。

■■それのみか、住宅スペースの狭さを、不可抗力としての国土の平地
部分の狭隘さを原因にしているが、英国やニュージランドのような牧草
農業を志向しないで、里山式自然農法によるわが国農業の利点を敢えて
秘匿しているのではないか、と疑えるふしもある。 山頂までの牧草農
業と、里山保存の自然農業と、どちらが産業および環境として有利かは
一概に言えぬにしても、もし日本人が住居スペースの拡大に本来熱心で
あれば、必ずしも現在のような狭隘な住宅でなかったはずである。原因
はむしろかって矮小民族であった日本人の体型に起因すべきではなかっ
たろうか。 じじつ、住居面積の広い富山県などを、オランダの平均的
住居と比べると、決してわが国の住宅が狭隘とは言いきれない。

■■いま論じられている「教育基本法」にしても、政府文教官僚たちは
口を開くたびに「わが国の教育程度が落ちて、香港やフィンランドに首
位を譲ってしまった」と、危機感を表明するが、ではいったいナゼわが
国の学生たちがそのように教育レベルでも世界一にならねばならないの
だろうか。1位、2位でなくても5位、10位でもいいのではないか。
 世界に百数十カ国もあるのだから、その中位程度に落ちたからといっ
て、日本が急に世界の劣等国になるわけでもないし、それによって、わ
が国の産業が急激に衰退するとも思えない。

■■じじつイタリアなどは、そう勉強もしないし、政府は年中いい加減
な政治ばかりしているように報じられているが、それでいて、いつもG
7などの大国会議に堂々と出席し、国家滅亡の気配もない。ボクらの子
供の頃、小学校で最後まで字も読めなかったような同級生が、いま帰郷
してみると、みな立派な家を建て、何時の間にか新聞の文字が読める一
人前の国民になっている。 何を好んで、「しっかり勉強しろ」とか、
「他に抜きんでて商売をしろ」とか、尻を叩くのだ。
 それよりも、もうこの辺りで、「ゆっくりとした生活を楽しもう」と
いった社会的習慣をつけるほうが、人間の人生としてもっと幸せではな
いのか。そうしなければ、「世界最長寿・世界最富裕」のまま、いつも
何となく不安で、あくせく働く社会に、われわれは終生身を置く結果と
ならざるを得ない。

■■そうした、張りつめた日本。つねに頑張って世界一ばかり志向する
日本という国は、いつまで経っても世界の諸外国から軍国化への危険を
疑われ、経済的に嫉妬され続ける存在であろう。それでいいのか、この
辺が思案のしどころである。 それでいて、内心は焦りと欲求不満、そ
して昔からの飢餓感が消え去らない日本人のアンビバレントな心境には
自己憐憫すら感じさせる。

■■タキトウスやジュリアス・シーザーの歴史によれば、かってライン
以東は「蛮族ゲルマン」の社会で、汚湿原始人の住むところだったとい
う。 そのライン以東もいまやドイツ・オーストリア、チェコなどの先
進国家群になっていて、しかもそこは、いまでは「追いつけ追い越せ、
世界一になれ」の社会ではない。 いつ行って見ても見飽きないおっと
りとして優雅な西欧社会が、われわれ極東からの旅人たちの目を和ませ
てくれる。
 おそらく彼らも、ある時代、あるチャンスに「追いつけ、追い越せ」
の方針を変換して、今日のように穏やかで、豊かな社会生活を送る国に
転換したのであると考えて間違いないだろう。

■■他の例を挙げて見よう。いま世界の先進国として、とくに豊かな福
祉国家の定評を得ている、スエーデン、ノルウエー、デンマークなどの
北欧諸国には、「追いつけ追い越せ」の気風がぜんぜん見えない。産業
や教育、あるいはスポーツなどにおいても、世界の1等国になろうとい
う欲望などは皆無で、なるべく変わり映えがない豊かな社会を目指して
いるかに見える。

■■それがわが日本は、日々年々、どこも彼処も変化が激しく、進歩を
求めてやまない、その急変振りに驚かされる。 これでは気が休まらな
いのもとうぜんである。昔の飢餓感情が未だに残っている社会では、わ
れわれ国民も休息する暇が無い。 

■■「変化こそ進歩」と、絶えざる変化を唱えたのは、かの経営学の大
先生ドラッカー博士であった。 それを地で行き、日々進歩、そして何
事にも世界一を目指したのは米国であった。 それをわが国は真似たら
しい。 しかしその米国も、世界一を求めた反動として、いまや国家の
凋落激しく、四苦八苦の有様である。 にもかかわらず、アフガン、イ
ラクから撤退後になお世界一を求めて、いま月の世界への移住計画に懸
命である。 おそらく、年中なにか世界一のプロジェクトをたてない限
り、米国経済が維持できないのであろう。 
 「前者の轍は踏むべからず」だ。

■■せっかく「世界最富裕、世界最長寿」になった今が日本としてのチ
ャンスである。 われわれはもっと気を穏やかに取りなおし、ゆっくり
した人生を送れる国家社会へ向って作り替えようではないか。 もう、
世界の最先進国でなくてもいい。 普通の先進諸国の一員でありさえす
れば、それでじゅうぶんである。 そのためには、日本を追い越す国々
が近隣諸国に現れたとしても、拍手を送り、そうした国々を祝福すれば
いい。

■■もちろん、貧乏な日本から、今日の日本になるまでには努力も要り
、あくせく働き、一所懸命の勉強も必要だったろう。 そのためには、
われわれが明治以後に採用した世界の一等国になるための異常な努力は
決して無駄ではなかった。 むしろ自分たちのそうした過去の行為を、
みずから誉め称えてもいい。

■■しかし情勢が変わった。 重ねていう、いまや日本は世界の「最富
裕国、最長寿国」になったのだ。 横綱やチャンピオンの地位は永遠に
続けられるものではない。 69連勝の双葉山も、ある日安芸の海に負
けた。 常勝朝青龍もいつの日か誰かにとって替られるだろう。 
 そしてそれで彼もホッとするだろう。 日本もホッとする日を迎えよ
うではないか。 ほんとうのこころ豊かな福祉国家というのは、そうし
たプロセスを経た後に作り上げられるものである。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2006年12月8日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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露朝両国貿易経済協力

 今月の4日、ユジノサハリンスク市でサハリン州と朝鮮民主主義人民
共和国(以下北朝鮮という)間の第1回貿易経済協力実務者会議が行わ
れた。2005年10月、両者が貿易経済協力のための実務者会議開催
に合意、それが実行されたのである。会議には両国の対外貿易関係政府
官僚や専門家13人が参加し、農産物の生産と加工、畜産業、建築、林
業、木材加工部門などで両者が共同投資することに合意した。
 北朝鮮とサハリン州との貿易量は2004年(15万ドル)を境に激
減しつつあるが、労働者の輸入は増加している。例えば、2005年の
場合、1200人の労働者が出稼ぎに派遣された。

ユジノサハリンスク市歴史書籍発刊

 さる5日、「サフインセンター」でア・テ・クジンさん(歴史学者)
の「ユジノサハリンスク年代記」出版会があった。州・市政府人事、博
物館や図書館関係者、俳優、学者、マスコミ関係者など100人余りが
集まった。1882年から2005年までのユジノサハリンスクの歴史
を4500人の人物や1500枚の写真を通じてまとめたものではじめ
てユジノサハリンスク市歴史書である。出版会では過去100年間のユ
ジノサハリンスク市の移り変わりをテーマとした映像の上映会(10分
)も行った。ユジノサハリンスク市の後援で出版され、発行部数は2千
冊。日本語の古文書や写真説明はサハリン州老人会の全・サンジュ会長
と鄭・テシク顧問が翻訳を担当しており、都市の社会経済発展に寄与し
たサハリン韓人も多く紹介されている。

月給1.5倍増加

 サハリン州エン・ノヴィコワ副知事兼財政管理局長によると、今年州
公務員たちの給料が1.5倍増加した。財政源は20億ルーブルの州超
過収入であり、春と秋、2回にわたって48.6%引き上げられた。こ
れによりロシアの他地域に比べ公務員たちの給料が高くなった。

水産資源保護

 11月29日、サハリン州沿岸国境守備管理局で「水産資源保護のた
めの国家政策」というテーマの会議が行われた。当局の職員や水産業管
理局、ロシア農業監視機関、サハリン漁業及び海洋科学研究所など関連
機関代表らが参加した中で、サハリン水産資源保護のための国境守備機
関活動の強化と海産物採集及び加工、そして漁労作業に対する国家統制
を強化の必要性について話し合った。

クリル島の運輸問題で

 11月28日、サハリン州運輸管理局ヴェ・ジェクチャリョフ局長が
クリル島の運輸問題対策についての説明会を行った。局長によると、メ
ンジェレエヴォ空港が閉まってから船舶の貨物・乗客輸送が著しく増加
したために輸送問題はあまりない。過去10ヵ月間イトロプ島クリルス
ク港を通じて1400個のコンテナが輸送されており、今コルサコフ港
でクリルへの輸送を待っている28個のコンテナも12月初旬までは出
される。できるだけ早く空港が開通できるように最善を尽くすと局長は
言った。

正教文化について教えるべきか

 11月29日、サハリン州の宗教社会協議会主催の円卓座談会が開か
れた。政府関係者や宗教関係者、社会団体代表、教師などが集まって、
一般学校でロシア正教について教えるかどうかについて意見を交わした
。参加者たちは倫理や道徳教育は必要であるが、正式な教科として正教
を教えるための関連法案と教師がないのも問題であるし、住民たちの意
見も広く聞いて見る必要があると述べた。主催側の代表エル・シュビナ
副知事は、2−3の学校で1年間選択科目として教えてみるなどのテス
ト過程を経てから教育要否を決めてはどうかといいながら、正教につい
て学びたいという人々の意見を尊重すべきであると主張した。

ユジノサハリンスク市「断水はない」が・・・。

 12月31日までの水道水の供給時間が変更された。月曜日から金曜
日までは零時から朝7時まで、週末は午前2時から朝7時まで水道水の
供給量を減らす。水量を減らすということは水の圧力を低くするという
意味で、高層まで水が上がらないということ。しかし、病院など医療関
連機関への供給は正常に行う。

外国人労働者問題

 先月の30日、エス・シェレデキン副知事が「建築部門における外国
人労働者雇用問題」で会議を招集した。現在、サハリン州では80の建
築機関が外国人雇用許可を得ている。ロシア連邦移住管理局によると9
000人の外国人が働いており、その大部分がサハリン原油ガスプロジ
ェクト関連分野に勤めている。外国人雇用問題において大きな法律違反
は見当たらないが、就業ビザではなく実務或は貿易ビザで働いている人
たちが少数いることがわかった。このような人たちはサハリンではなく
他地域でビザを取って入ってきた人たちである。今、サハリン州の悩み
の一つは、追放命令を受けた外国人の臨時収容施設がないこと。

コルサコフ市でも韓国語教育

 今月2日午後3時、コルサコフ市第2号一般学校で「韓国語教室オー
プン記念式」が行われた。同市では初めて、第2号学校が11月から韓
国語を週3時間の選択科目として教えており、今日は遅れながらも市政
府や韓人社会団体代表らなどが祝賀するために集まったのである。5年
生から韓国語授業を受けることができるが今50人の生徒たちが既に勉
強を始めた。1カ月の学習暦しかない生徒たちが韓国語で招待客を迎え
るなどして訪ねる人々に感動を与えた。教師はサハリン国立師範大学出
身の呉・チョンスンさん。彼女の専攻は文献学。大学を卒業してからロ
シア語の教師をしながら3年間韓国語教師研修過程を終えた。情熱的な
若い教師と地域韓人社会や市教育部など多くの方々の支援を受け、実現
できた韓国語教育。その分、周りからの期待も大きい。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 「非常に残念。失望している」。「他の大使とは異なり、アメリカの
国益を強く押し出す手法だった」。ボルトン米・国連大使辞任を受けた
国連大使の感想のうち、前に挙げたのが日本の大島国連大使、後の感想
は中国の王光亜国連大使の言葉だ。

 北朝鮮の核を巡る熾烈な国連内での駆け引きを念頭においての感想だ
ろう。しかし「失望している」という大島大使の言はいささか腑に落ち
ない。無論、北朝鮮に対する日本の立場をよく理解してくれたボルトン
氏に対する感謝の念がこもっているという意味では理解できるが、彼は
あくまでアメリカの立場をいささか「強引に」押しすぎた感は否めない。

 日本の後ろ盾といっても安保理常任理事国入りにははっきりと「ノー
」を突きつけた。また米国一国の利益のための対北朝鮮政策だったので
はなかったか。

 中国の王光亜国連大使の冷静な感想が的を得ているし、日本のそれは
「米国追従」をさらに印象つける結果になったといえる。さあ、独り立
ちしなくては・・・。
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発行     2006年12月12日   No.280
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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