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タイトル:609studio No.275◆現代時評:[どこへ消えたか靖国問題―為政者たちのエゴ]  2006/11/06


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【609 Studio 】メール・マガジン・2006/11/7  No.275
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【609 Studio】 メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプト
に論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、
ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その
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◆現代時評:[どこへ消えたか靖国問題―為政者たちのエゴ]  ken
 
◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2006年11月3日号

◆編集長から

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◆現代時評:[どこへ消えたか靖国問題―為政者たちのエゴ]  ken

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 office@609studio.com  へ!
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◆◆ヤフー中国ニュース 2006.10.25 最も気になるポイントはやは
り靖国問題、歴史認識をめぐる安倍首相の姿勢をどう見るかという点
である。「靖国参拝に関しては、行くか行かないかを明言しない」と
曖昧な態度に終始している。その点では気にならないわけではないが
、国内の安倍支持勢力に目を向ければ「行かない」と明言はできない
、他方中国・韓国に配慮すれば「行く」とは明言できない。その意味
で安倍首相の「曖昧な態度」は理解できる。そこで、この間の彼の発
言や姿勢から総合的に彼の首相としての判断を推測するしかないであ
ろう。

◆◆アサヒコム風計考 2006.10.30  エマニエル・トッド「小泉政
権で印象深かったのは『気晴らし・面白半分のナショナリズム』。靖
国参拝や、どう見ても二次的な問題である島へのこだわりです。実は
米国に完全に服従していることを隠す『にせナショナリズム』ですよ
」。

■■世にも不思議な話、それは「靖国参拝」問題だ。 ついこの間ま
で、ということは小泉前首相の在任中までは、あれだけニュースを賑
わせ、わが国と中・韓両国との間にあって、どうにも譲れぬぎりぎり
の問題のように報道されていた。 わが首相小泉氏は、「国家に命を
捨てた人々への感謝のために靖国神社にお参りし、二度とこんなこと
を起すまいと、不戦の誓いを立てるので、そのどこが悪い」と、不退
転の意気込みだった。

■■反対に、中国と韓国は「戦犯を祭った靖国神社へ首相がまいるな
どとは、日本軍国主義復活の道を歩むもの」と、激しく苦情を述べて
いた。とくに中国の場合は、最初の「日本の軍国主義の象徴であり、
断じて認められぬ」から、途中で少し方向変換し、「先の戦争は、一
部日本の指導者たちが始めた戦争で、他の殆どの一般日本人はその犠
牲者だから、はっきり区別して、我々は中国人民を宥め、そして和平
に踏み切ったのである。その一部日本人、つまりA級戦犯を祀ってあ
るかぎり、中国国民に説明のしようがないから、日本国首相の靖国参
拝は絶対認めない」という理屈付けになった。

■■小泉氏の「戦没者への感謝と不戦の誓い」のための靖国参拝も、
じっさい彼が本気でそう思っての参拝か、いささか疑問だが、中国の
「A級戦犯だけが戦争犯罪者」という定義付けも、先方の勝手な断定
であり、我々日本人の大多数は「自分たちもまた同じく戦争を志向し
た」と思っているのだから、彼らの思い違いもいいところで、中国側
の「ためにする思い違い」と言うべきだろう。 

■■韓国に至っては「靖国参拝は日本軍国主義復活の始まりである」
と息巻くが、たしかに戦前の我々は半島を合併し、迷惑を掛けたのは
事実だ。 が、いわゆる日本の旧軍国主義が、旧植民地朝鮮の直接加
害者となったことは無いから、それについて、いまさら韓国に文句言
われる筋合いはない。1943年度における、彼ら半島人の日本軍へ
の志願者数306.600人という数字をみれば、むしろ彼らもまた
日本軍国主義への加担者であったと考えた方が早い。じじつ、ボクの
旧軍隊時代の小隊長殿も京城高商出身の特別志願兵だった。

■■過去60年間一度の戦争もせず、少なくとも表面的には、世界で
も珍しい「平和国家」を貫いた日本という国の現況をわざと看過して
、小泉といういっぷう変わった首相の「靖国参拝」だけを取上げ、「
日本軍国主義復活の惧れ」などを論うのは、何か他に魂胆があっての
ことと考えるのが妥当であろう。 まぁそれは、それぞれの国内外の
事情があるのだろうから、適当に斟酌して、こちらが「靖国参拝」を
ご遠慮申し上げればいいことだったハズだ。

■■それを、大して信仰心が厚いとも思えぬ小泉氏が、異様なまでに
「靖国参拝」に拘ったのは、彼なりの打算もしくは思惑があったと、
賢明な国民の大半は思っていただろう。 そしてその後継者の安倍首
相も、官房長官時代はたしか同じ発言をしていた。

■■その安倍首相が、首相に就任するとすぐ北京とソウルに飛んだ。
 どんな話をして来たかは知らぬが、とたんに「靖国参拝」問題がニ
ュースの場から消えてしまった。 もし安倍さん、つまり日本側が譲
ったのならば、「もう靖国参拝はしません」だろうし、もし、中韓が
譲ったのならば「もう今後は靖国参拝にケチは付けません」というこ
とになろう。 がどちらも、誰もこのことに触れようとしない。

■■それでいて、日本国民も、中・韓国民もこの「靖国問題」の中断
に対して、苦情も言わなければ、問い質しもしない。すこぶる、四海
波静かに風も納まり、結構なことであるに違いない。

■■ならば、つい先頃までのあの「靖国問題」の激しい争いは白昼夢
だったのか。いやそうではない、確かに連日、ニュース面を騒がせた
ことは事実である。騒がせた元凶は誰か、言わずと知れた小泉氏であ
り、胡国家主席であり、盧武鉉大統領であった。三君子がまさしく「
豹変」したのである。

■■小泉氏は既に辞任しているからいい。だが10月8日、胡国家主
席は、安倍首相が靖国神社参拝について態度を明言していないにもか
かわらず、北京で日中首脳会談を行い、中国指導部の未来志向重視の
姿勢を内外に示して見せたし、続く温首相はこれまた、戦後日本の平
和的発展の歩みを高く評価したのみで、「靖国問題」には隻句も触れ
なかった。
「狸もいいところ」と言いたい。 

■■さらに温家宝首相は23日、北京で、日中両国の有識者で組織す
る「新日中友好21世紀委員会」の小林陽太郎・富士ゼロックス相談
役らと会見し、日中間の歴史認識問題を巡る中国側の立場について、
「歴史(問題)をつかんで、いつまでも放さないということではない
。歴史を直視することにより、目を未来に向けることができる」と語
ったという。 歴史を巡る中国首脳の発言としては異例の柔軟さで、
歴史を偏重してきた江沢民・前政権以来の対日政策を改め、未来志向
の日中関係構築に重点を置く胡錦濤政権の姿勢をはっきり示した、と
ニュースは報じる。 まあ、話がいい方へ向いているので、目くじら
立てて非難することも無いが、いわばこれは過去の強硬発言への「食
言」である。ひとこと、両国民に対して、そうした「君子豹変」の言
い訳くらいあってもいいのでは無いか、と思う。

■■その点、盧武鉉大統領は10月9日の日韓首脳会談で、安倍首相
が冒頭に、北朝鮮の核実験に対し日韓共同で抗議声明を出そうと提起
したとき、大統領は話を遮って、靖国参拝など歴史認識問題を約40
分にわたって論じ、共同声明も見送りになったというから、「靖国問
題」への食言は無い。 がしかしだ、その直後に中国首相が「靖国問
題」を棚上げしたというニュースが入った以後、この国も「靖国問題
」については音無しの構えを決め込んだらしいから、中国に同調した
と考えていい。 

■■靖国神社には、朝鮮出身者2万1千余柱の元軍人・軍属が合祀さ
れていて、その合祀を拒否するかどうかは、彼ら祭神の個々の遺族が
決める問題であって、いまの韓国政府がとやかく言うべき筋合いのも
のでは無い。もともと「靖国問題」は、いまの韓国政府には関係ない
話である。 「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の例えの通り、隣国中国
が苦情を言うのに卑俗な言葉で言えば「連れ小便」で唱和しただけの
ことであった。

■■安倍首相は、官房長官時代には「絶対に靖国神社にお参りする」
と、たしか言っていた筈だが、きょう現在では「靖国参拝に関しては
、行くか行かないかを明言しない」と曖昧な態度に終始している。
 曖昧な間は「食言」とはいえないが、少なくとも「前言取消し」程
度にはなろう。 そしておそらく、公式には「靖国参拝」せずに、こ
っそりと私的参拝するだろう。そうすれば、中・韓両国への体面も立
つし、小泉元首相への義理も取り敢えずは済ませる。

■■いずれにしろ、この日中韓の3カ国のボスは揃いも揃って、国民
に対して言い訳も無く、つい最近までの主張か公約を勝手に変更した
。こんなのこそ「勝手な話」であり、エチケット違反だ。じゃ、置い
てきぼりを食った国民はどうなるのか。 騙されたと騒ぐべきか、政
治とはそのようなものと達観すべきか。 それとも「国家のことは総
てを政治家に任せ、こちらは法に触れぬ限り他人事として済ませる」
か。ならば、古い言葉の、「知らしむべからず、依らしむべし」が、
いまなお政治に踏襲されていると考えるのが妥当である。

■■それについては古く高名な評論家加藤周一氏がいいことを言って
いる、「国民の90%には思想、つまりイデオロギーがない。
 情況が急変すればアタマのなかの意見も立場も急変する。人間と思
想・イデオロギーが結び付くのは、イデオロギーをその人が生きるた
めの道具にしているからだ。イデオロギーの道具化である。
 個人の人生の道具としてのイデオロギーである。道具というものは
洋服のようなもので、わりに簡単に着替えができる」。

■■だから、難しいことを言ったり考えたりしなくても、時に応じて
変化すればいいのであり、上が上なら下も下(した)だ。 上に立つ
為政者は、国家のため、もしくは自分の政治生命という職業のため都
合が悪いと気付けば、すぐカメレオンの如く主義主張を変更すればい
い。それを、国民がどうのこうのと途中で咎めだてするほどのことは
無い。政治家は政治家、国民は国民と割り切ればいいのである。 要
は選挙の時にすべてが決まるのであって、誰に自分たちの国を任せる
かがキーポイントになる。 

■■もっともその選挙も、先般の選挙で小泉さんが「刺客(せっかく
)」として派遣した、若く、そして無名の青年子女が、ただ自民党公
認というだけで大量当選したことを見れば、一部の選挙屋なるものの
手に当落の鍵が握られていたことを露呈した。 どうやら現行選挙方
法が国民の眞の意思を反映しているか、たぶんに疑問である。

■■政治家たちは、彼らなりのエゴと打算で動き、それにいくらかの
国家の将来に対する責任感もないことは無い。そして庶民にとっては
、そうした政治家を信ずるしか、いまのところ政治に参画する手段は
ない。靖国へ詣でようが詣でまいが、それを庶民がとやかく論ずる必
要もないし、論じても効き目は殆ど無い。 

■■にもかかわらず政治を論じて、いわゆる「国民の与論」という幻
(まぼろし)のごときものを作り上げようと企てるのは、マスコミ諸
君の商売に過ぎない。 それを知っている政治家たちは逆用して、「
与論」もしくは「国民が納得しない」などと外に向かって宣伝し、自
分たちの思うほうへ事を運ぶよう利用する。

■■そうした与論もしくは国民の納得などというのは、つねにマユツ
バモノである事が多い。 たとえば、中国などではしばしば「中国国
民」の名で、我々日本に要求する事が多いが、そうした場合の「国民
」とは中国の為政者たちのみの意思か、もしくは「制御し難い群衆の
勝手な主張」である場合が殆どなのだ。 日本も同じである。例えば
小泉さんがいかに紋付袴で靖国へ詣でようと、国民のすべてがそれほ
ど靖国神社を尊崇しているとも思えない。 靖国参拝は、いわば小泉
氏の恣意な信仰もしくはゼスチュアであった可能性が高い。 ボクの
身内にも靖国神社に祀られている英霊がいくらか居る。 彼らは、ひ
ょっとすると「天皇陛下万歳」を叫んで戦死したかも知れない。 だ
からと言って、後に残ったボクらが小泉さんに「靖国参拝」してもら
っても嬉しいとは思わない。 天皇が参詣して下さる場合は、いくら
か感懐が異なるかもしれないが…。

■■フランスの歴史評論家エマニエル・トッド氏の言葉を借りれば「
小泉さんの靖国参拝は、『気晴らしか、面白半分のナショナリズム』
か、あるいは、米国に完全に服従していることを隠すための『にせナ
ショナリズム』である」、ということだ。 過激な発言のようだが、
あんがい的を衝いているのではなかろうか。

■■また、それを「怪しからぬ」と息巻いたのも中・韓両国政府の打
算であり、関係国民たちのほんとうの意思であるかどうかは疑問であ
る。むしろ関係各国の政治家たちの、どっちもどっちの狐と狸の駆引
きだった、とも考えられる。

■■だから今、安倍内閣になった途端、話が180度替わったのも、
替わるべき政治的ニーズがあればこそで、それ以外の何物でもない。
一見、奇奇怪怪に見えるが、総ては内外政治家たちのエゴにより至極
簡単に変化するのが国際政治における意思というものであろう。どっ
ち転んでも、われわれ国民大衆は、つねに「蚊帳の外」に居る。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2006年11月3日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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国民団結の日

 尊敬するサハリン・クリル住民皆様、そして外国人住民皆様!
国民団結の日、おめでとうございます。1612年11月はじめ、ミ
ニンとポジャルスキの国民軍が首都モスクワから外国の侵略者を追い
払って400年の歳月が流れました。これでロシアの混乱期は幕を閉
じ、偉大なるロシア強国時代が始まりました。多様な民族、宗教がロ
シア国会体制の下で一致団結し理想の国づくりに励んできました。民
族間、宗教間の相互理解、相互発展の必要性を最も必要としている地
域はわが島サハリンであります。 

  豊富な資源、しかし過酷な気候のこの辺境の発展のためには国民間
の団結、他民族との共生を欠かせません。国家は私たち自身でありま
す。国家の根本は人と人との関係であります。善良かつ助け合う気持
ちなどがあってこそロシアは一層強くなれます。そのため、私たち一
人一人が善を実践しなければいけません。孤児、独身年金生活者、障
害者、老兵など弱者への配慮と支援が必要です。周りにいる弱者たち
を助けると共に彼らに勇気を与えましょう。小さい好意こそ国家やサ
ハリン・クリルの発展の礎となります。
              イ・ペ・マラホフサハリン州知事
           ヴェ・イ・エプレモフサハリン州議会長

ロシア経済の展望

 先月25日、TV・ラジオ生中継で3時間にわたってプーチン大統
領が一般国民の質問に答えた。国内経済についての質疑応答をまとめ
てみよう。
1)ロシア経済が年間7%の成長率を見せるなど順調に発展している
と伝えた。しかし、インフレ政策は期待ほどの結果が出ていないが、
ある程度抑えることはできた。これは重要な兆候といえる。今年は9
%までインフレを抑えようとしている。
2)わが国にとって最も嬉しいできことは、今年の8月に旧ソ連時代
、ロシア建国以来の外債を全部返したことである。ロシアの経済は健
康を回復し、ロシアに対する信頼が上がっている。また、根幹産業へ
の投資がこの9カ月間で41.9%増加した。
3)航空、船舶、鉄道などの社会インフラの遅れが経済発展の障害要
因となっている。政府はこれらの運輸部門の改善と発展に最も力を入
れる予定である。
4)今年、農村の潤滑油購入のために15億ルーブルを割り当てる。
5)数年後、国内で年間200万台の自動車が生産できる。急増する
自動車需要に応えるために外国自動車組み立てラインの拡大が必要と
されている。既に世界的自動車メーカー15社が組み立て作業を開始
した。
6)今後10年間、政府最大の課業は経済発展と近代化である。ロシ
アが単なる西洋の資源供給地に留まってはいけない。ロシアは経済発
展を成し遂げ、生まれ変わる。

サハリン開発事業違反、厳しく追及

 先週伝えたように、ロシア連邦天然資源省ユリ・トルトネフ相がサ
ハリン訪問し、サハリン開発事業―2の進行状況を調べた。同相が召
集した会議で、ロシア自然監視連邦管理局指導者兼サハリン―2にお
ける自然保護監視委員会の会長を務めているエム・ベラノヴィツさん
の調査報告が行われた。報告によると、この9月から10月にかけて
一部の企業を対象に原則違反事項を調べた結果、送油パイプを入れる
溝の幅が設計より広かったり、このような違反による密林の破壊額が
2400万ルーブルに相当するなど総60件の違反が見つかった。ま
た、送油パイプの通るところの80カ所の川を調べてみると、パイプ
建設のために1千以上の臨時橋が設置されていたが、これは設計には
ないもので、全体的に送油パイプ建設事業が設計通り行われていない
ことがわかった。しかし、調査期限が短く十分調べることができなか
ったため、調査期限の延長を求める声があった。他に具体的部門での
自然破壊事例が報告されるなどして会議は1時間半にも及んだ。会議
の後、参加者たちは違反事例調査期限を1カ月延長し、サハリンエネ
ルギー社には指摘された違反事項の改善案の提出を要求することにし
た。

ロシア水産業界問題担当事務グループ

 ロシア連邦国家評議会の決定により、今年9月13日に水産業界問
題担当実務グループが組織され、同実務グループはロシア水産業界の
状況や発展案を大統領宛に提出するのが主な仕事で、今月25日はじ
めてモスクワで集いがあった。サハリン州知事が司会を務めた第1回
目の会議の際、組織作りや組織活動の原則のようなものについて話し
合った。そこで州知事は「漁夫は魚を釣ることを専念し、公務員たち
は彼らの作業が順調に行くような支援を行うべきで、この支援システ
ム作りが我々の役目である」と述べた。今度の会議は12月に招集さ
れる予定。


エル・シュビナ副知事記者会見

 この3カ月間、15地域を訪ね500以上の施設を視察したエル・
シュビナサハリン州副知事が10月25日に開いた記者会見で保健や
教育部門が以前より大幅に改善されていたと報告した。医療関係者や
教師たちの給料は増え、支払いが遅れることもなくなったと説明した。

韓国語作文大会

 10月28日、サハリン国立大学で「ハングルの日(韓国の文字の
出来た日)」を記念しての韓国語作文大会と演劇公演があった。サハ
リンの小中高校、そして大学で韓国語を勉強している若者たち100
人余りが5つの与えられたテーマで作文をし、韓国語の実力を測るほ
か、審査の間に、サハリン国立大学韓国語学科の学生たちが大会参加
者たちのために用意した演劇を見たり、一緒にゲームをやるなど韓国
語に興味のある人々が交流する場ともなった。小中高校生部門では第
9東洋語学校11年の金・ヘザさんが、大学生部門ではサハリン国立
大学韓国語学科の李・ナゼズダさんが最優勝賞を取った。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 3連休明けの6日月曜日の新聞各紙は一面トップで「フセイン元大
統領に死刑判決」を伝えた。続報では「フセイン判決に距離を置く発
言相次ぐ EU加盟国」(朝日新聞)や「フセイン判決:米大統領『
イラク民主主義に大きな業績』」(毎日新聞)など各国の反応を掲載
してこの裁判の判決の大きさを物語っている。

 「フセイン裁判」とは何なのか。今後も控訴審が続くと思われるが
この裁判ほどの「茶番」は昨今の裁判でも異例だ。たとえば「人道上
の罪」が問われている。それも米傀儡を思われる政府の米軍占領下で
の裁判。どう贔屓目に見ても公正な裁判とは思えない。
 また、フセイン元大統領に「甘い」といわれる裁判長は罷免され、
一方では弁護士がいっせいに辞任。裁判長の身内がテロの犠牲になっ
たケースもある。

 ブッシュ大統領は先に述べたように「民主化の進展」を自画自賛し
た。裁判の模様は米軍が徹底的に検閲し、米軍の許可のない限り発表
できない仕組みになっていたようである。(朝日新聞)
 
 この裁判はまさに「なりふり構わぬ米政権の茶番」と思うのは筆者
だけか?
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発行     2006年11月7日   No.275
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
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