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タイトル:609studio No.258◆現代時評:[エレベータの事故]  2006/06/20


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【609 Studio 】メール・マガジン・2006/6/20  No.258
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【609 Studio】 メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプト
に論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、
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◆現代時評:[エレベータの事故]                  ken

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2006年6月16日号

◆編集長から

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◆現代時評:[エレベータの事故]                   ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 office@609studio.com  へ!
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◆◆アサヒコム 2006.6.15    都道府県の一部では、シンドラー社製
以外のエレベーターの事故についても情報収集を進めている。14日現在
で他メーカーの事故や不具合は427件が報告されている。  秋田市のJ
R秋田駅前にある官民複合ビルでは05年11月、日立製作所の製品で女
子児童25人が約25分間、閉じ込められた。保守管理を担当していたメ
ーカー系メンテナンス会社の調べで、原因は製造段階での組み立てミスと
された。

◆◆サンケイWEB 2006.6.15 シンドラー社「扉開いて昇降、6回」 
制御装置は日本製   製造元のシンドラーエレベータは14日、過去に
扉が開いたままエレベーターが昇降したトラブルが、千葉県浦安市、東京
都八王子市、名古屋市、広島市の4カ所で計6回あったことを明らかにし
た。いずれも港区の事故機とほぼ同時期に設置され、同型の日本製制御装
置を使用していたという。

◆◆毎日新聞 2006.6.15 ベルリン市内の総合病院で車いすの男性が故
障したエレベーター内に閉じ込められ、80時間後に救出されていたこと
が14日分かった。

■■何事であれ、事故がおきると、似たような事故が続けておこるものだ
。 不謹慎な例えだが、江戸時代後半に心中(しんじゅう)が流行った。
 元禄から享保時代にかけての話である。 「心中大全」という、当時あ
った心中事件の多くを並びたてた読み本まで発行され、今で言うベストセ
ラー・ブームになった。 

■■いまのエレベータ事故もそれに似ていて、次々と類似事故が報道され
ている。 必ずしもシンドラー社製のものだけでは無いようで、「エレベ
ータに閉じ込められた」という話は、いままででもときおり聞いたことが
ある。

■■ただ、今回のシンドラー社製による事件以来、問題の事故原因の多く
がコンピュータ制御にあったのではないかということが認識され始めた。
 じつはボク、前々からコンピュータというものに人間の命を託するのは
、危険極まりないと思ってきた人間の一人である。

■■原因は、ボクの身近で、日々遭遇している事実にある。 ボクは毎日
少なくとも10度や20度は、いわゆる「コンピュータの立上げ」、つまり「
起動」を実行している。 素人の手慰みに過ぎぬコンピュータだが、それ
でも最近は数十種類のソフトが入っていて、立上げの都度、それらのソフ
トが自動的にコンピュータ内に読み込まれる。 いつも同じOSを使用し
ているのだから、おそらくそうしたソフト間の読込み順序は、はじめから
定まっているものと思う。 ところが、実際には立上げ時の、ソフトの読
込み順序が幾らかづつ異なっているようだし、時として読込み時間の長短
にも違いがある。 こんなのを「sequence(シークエンス)のresponse
が違う(設定順序の反応が違う)」とでもいうのではないか、と思う。 も
し常に設定順序通り作動するならば、立上げの所要時間が異なったり、デ
ィスプレイ(CRT?)上の表示がそのたびに前後したりしないハズである。 

■■よく言われる通り、「コンピュータはファジーなもの」であり、「相
性のよくないソフトを入れると、なぜか知らぬがうまく作動しない」場合
が多いのも事実である。 ボクら素人にその原因は解らぬ。 が、原因と
して考えられるのは、トランシスター、IC、LSIと進化を遂げてきた
肝心の「半導体」なるものの素材としての中途半端さに宿命的な弱点が存
在し、それによってファジーになったり、作動に変化が生じたりするので
はなかろうか。 半導体の「半」と、中途半端の「半」は、つまるところ
同義語なのだ。

■■「主力プロセスとなる90nmの微細加工技術で思うように歩留まりが
上がっていないメーカーが多い」とか、「ウェハを使って製造するときに
は、ある程度の<欠陥>の発生が避けられない。欠陥の原因は製造上の不
均一や,塵やホコリの類だったりとさまざまで、…いずれにしろ製品歩留
まり率がよくない」とか言われるのが弱点だ。 じじつボクが昔トランジ
スターの輸入販売していた時には、同じ品でも「A級品はいくら、B級品
の値段ははいくら」などと、あたかも牛肉屋の店頭で品質により値段に差
をつけているのに似ていて、不思議な思いをしたものである。

■■それともう一つ、読み込む異なったソフト間で、いわば分子間引力に
違いがあるように、ソフト同士の親和性や相互反発性が影響しているとも
考えられ、その辺の理論や技術がまだ解明されていないままに、新ソフト
開発だけが異常に先行している結果とも考えられぬことはない。

■■そうした半導体の物性物理の究明がいまだ進化の中途にありながら、
つい便利であるという理由だけで、人間の命を預かるエレベータのごとき
機械製品までに、やたら際限なくコンピュータを組込んでゆく、無用心さ
こそ問題にすべきでは無かろうか。

■■そこで気付いた話がある。 第2次大戦中に日本軍が用いた軍用品の
なかで、当時、世界でずば抜けて優秀だったものが二つあった、と農学博
士で陸軍少将、故川島四郎先生が著書の中で書いていらっしゃる。 一つ
は、川島先生ご専門の陸軍の戦時携行食糧だが、あとの一つは「92式重
機関銃」だった、という。

■■じつはボク、軍隊でその「92式重機関銃」手だった。 珍しく眼鏡
照準で、命中精度が抜群だったと今でも称えられているが、ボクが誉めた
いのはそのことではない。 じつはこの機関銃、毎日の日課として、数十
種類の部品を完全解体し、そして注油して再組立てをすることになってい
た。そのためのツールはただ一つ、「やっとこ」つまり現在のペンチ一つ
だけであった。 古参軍曹の説明では、「戦場で故障したとき、有り合わ
せの材料だけで、誰でも簡単に、そして短時間に修理、組立てできるもの
こそ最良の兵器である。複雑なもの、故障個所が目で見て解らぬ物などは
、野戦兵器としては落第である」との説明であった。 たしかに、完全に
部品解体し、再組立てが完了するまでに1時間も要らなかった。 平易簡
単、これなら戦闘中に兵士が自分自身で故障を直し、再び戦闘に役立てら
れる。 軍隊には小学校程度の文字も読み難い兵士もおおぜい居たが、そ
のような文盲に近い初年兵でも、入隊後3カ月も経てばみな分解修理が出
来た。

■■先般のエレベータ事故のように、だいぶ日が経っても、ほんとうの事
故原因がどこにあるのか、糾明できない最近のコンピュータ依存機器と完
全に発想を異にした日本の「92式重機関銃」が、いまなお世界の戦史上
で称賛されているのは、ゆえ無しとしない。

■■たしかにコンピュータは便利であるし、それによる文明の進歩には計
り知れないものがある。 非難、排除していては現在の文明社会は成り立
たない。 が、しかしだ。 われわれはあまりにもコンピュータに依存す
る、いわゆる高度文明生活に慣れ過ぎてはいないだろうか。 人間の手で
済むものならば、なるべくコンピュータを使用しない、という方向へ今後
は目を向けるという態度が必要である、とボクは思う。

■■換言すれば、何事もすべてデジタル化し、アナログを古風として拒否
し過ぎ、ついには人の命を預ける機器まですべて、一見して目に見えず、
修理の糸口すら掴めぬコンピュータに依存し過ぎている社会というのは、
人類にとっては無防備過ぎる。

■■以前、ボクが海外の、いわゆる低開発国の工場に転勤することになっ
たとき、日本からどんな自家用車を持参すべきかと、自動車修理工場の友
人に聞いたことがある。 返事にいわく、「なるべくマニュアル・チェン
ジ車を持って行け。 いわゆるオート・チェンジは肝心の部分がブラック
・ボックス式になっていて、万一故障したとき、その部分の在庫が現地に
なければ、もう処置の施しようがない。マニュアル・チェンジ式ならば、
現地のヘボ工員でもナンとか修理可能だ」。 なるほど、それは正解で、
後日故障したときの修理に都合がよかった。

■■ボクが考えるのに、エレベータなどというのは基本原理は簡単なもの
で、便利がいいからとて、現在のようにむやみやたらとコンピュータライ
ズすべきでない。 なにしろ、命を預かる高層ビル昇降道具なのだから、
少々操作に手間がかかろうと、見た目で解る程度の、なるべくマニュアル
方式のものが、さぁというとき安全でいいのだ。 10秒、20秒の時間
を節約し、スピード運転を誇りながら大事故をおこしたJR尼崎の失敗を
反面教師として見習うべきだ。

■■エレベータなどは、ついこの間までは「エレベータ係」という専門係
が乗っていて、まことに安全な乗り物だった。それを人件費節約と称して
廃止してしまったのは近年のことだ。簡単そうな乗物だが、運転係不在の
エレベータというのは、無人運転の車両に乗るのと本質的に変わりはない
。 無人エレベータに人命を託して不思議に思わないのはいっときの「慣
れ」、つまり惰性による無神経さに過ぎない。 労働力不足で困った時代
ならいざ知らず、単純労働力過剰のいまなら、中高年齢層でもよければエ
レベータ運転係などいくらでも雇用でき、政府のいう雇用拡大ににも大い
に貢献できる。それにより、エレベータ内の犯罪防止にも大きく役立つか
も知れない。それに反して、人件費節約によるエレベータの無人化という
のは、畢竟するに「人命軽視」の典型である。

■■もっとも今回のエレベータ死亡事故の原因として、ドア開閉部分の潤
滑油調整がうまくいってなかったなどと、いわゆる「メカ」部分の不具合
に責任を仮する報道も出かかっているが、それと、コンピュータ関係の不
具合との間はまだ解明できていない。にもかかわらず、責任を「メカ」に
転嫁しようとするのはよくない。たしかに「メカ」部分に故障がよく発生
するのは、ボクらがかって「ソリッド式」と称するテープレコーダーが流
行ったとき、すでに経験済みだ。「メカ」の耐用命数の延長は、それなり
に改良すべきである。 だが、コンピュータ・ソフトのシークェンシー(
循行システム?)レスポンスが曖昧な現状の言いワケにしてはいけない。

■■いっときはデジタル腕時計が全盛で、機械式時計は此の世から姿を消
すのかと思ったたが、最近また、高価な腕時計市場において機械式腕時計
のリバイバルが顕著である。これなど、そうしたマニュアル式機器の安全
性が見直されてきたのでは無いか、とボクは思う。いいことである。
 ボクは今回のエレベータ事故死事件を切っ掛けに、度を過ぎたエレベー
タのコンピュータ化に大反対したい。

■■これはただに、エレベータだけの問題でなく、例えば航空機事故など
にも同じことが言えそうだ。 多くの簡単な航空機の操作にコンピュータ
が乱用(!)された結果、事故が益々増加している。 米軍のヘリコプタ
ーの戦地外での墜落事故が多いのも、どうやらそれが原因の一つらしい。
 何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」というが、コンピュータの乱用
も用心しなければならない。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2006年6月16日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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就業ビザ説明会

先週の8日、サハリン韓国教育院でウラジオストク韓国総領事館から派遣
された職員による新しい同胞関連ビザ説明会が開かれた。説明会にはサハ
リン韓人団体の関係者らと一般同胞たちが参加した。鄭・ビョンヨル領事
の説明によると、最近韓国法務部傘下外国籍同胞課が新設される他、先進
国である日本や米国よりも中国やCIS地域の同胞たちへのために特別法
制定を進めている。特別法案の内容は、中国や旧ソ連地域に居住する同胞
たちに5年間の就業ビザを発行し、1回最長3年間滞在及び就業が保証さ
れる。その間、居住国との自由な往来ができる。就業ビザの対象は25歳
以上の同胞。同胞数が多いため、地域別にクォターを決めて実行するつも
りであり、具体的なことはまだ決まっていない。サハリンの特性を考え、
できるだけ多くの人が対象になれるように努力すると鄭領事は言った。特
別法案の国会での可決は6月中旬、 公布実行は7月1日と予定している。

伝統衣装贈呈式

民族教育実態把握のためにサハリンを訪問中の韓国教育部在外同胞教育課
の職員二人が8日、サハリン教育院で伝統衣装300着の贈呈式を行った
。同課は海外の同胞教育機関に対してより積極的な支援を予定しており、
その一歩としてロシアと中央アジア地域の韓国語教育機関に2000着の
伝統衣装を寄贈することにした。教育院が受け取った衣装は諸々の民族関
連行事に使われる。

ロシア建国を記念する

先週の9日、州政府大講堂で6月12日のロシア建国の日を記念する行事
が行われた。慶祝辞を通じてイ・マラホフ州知事は、現大統領と政府の政
策が肯定的結果を生み出しており、国家の国際的威信も高くなり、経済も
発展し、国民福祉や生活も良くなったと指摘しながら、極東地域の発展の
中心にサハリン州があるべきであり、資源開発事業のほかに、豊富な資源
を利用しての観光事業に力を入れるべきであると強調した。ビジネスマン
たちはホテル建設やサービス部門で、自治体は地域の観光資源開発などの
方法で協力し合う必要性を述べた。

軍事歴史学習チーム

先週の土曜日(10日)、イ・マラホフ州知事と「ポホド・パミャチ軍事
歴史学習チーム」との対面があった。同学習チームは太平洋ロシア艦隊創
設250周年を記念して太平洋艦隊の有名な戦闘地を訪ねている。チーム
は戦争に参加した老兵たちと太平洋艦隊所属俳優、記者、画家、海軍入隊
を希望する若者達により組織されている。

生後2カ月の子供殺人疑惑

ホルムスク検事局は生後2カ月の子供殺人疑惑事件を捜査している。数日
前、若い夫婦(妻14歳、夫18歳)が呼んだ救急車により生後2カ月の
赤ちゃんが病院に運ばれたが、赤ちゃんは既に死亡していた。若い夫婦は
朝起きると隣で寝ていた息子が息をしていなかったと説明しているが、警
察は夫婦に殺人疑惑があると捜査中である。

2KGのヘロイン運搬

ワニノ鉄道駅で多量のヘロインを持っている52歳の女性が逮捕された。
彼女はアルタイ辺境ビイスクからの乗客で良質の相場800万ルーブルに
達する2KGの麻酔剤をカバンの中に入れていた。しかし、それからしば
らくしてバルナウル市に住む51歳の男性が現れ、薬の持主は自分であり
、彼女は何も知らずそれを運んだと自白した。

とうとう押収に乗り出し

最近、ポロナイスク住宅公社と警察が一緒に管理費を払わない住民たちの
自宅を訪ね料金を取りたてている。払わない人の場合、家電製品などを押
収している。このような強硬な姿勢に乗り出したのは、暖房季節に備えて
の資金作りのため。

ヌイスィ村住民会議

ノグリキのスイスィ村は1930年、サハリン州開発のためにロシア中部
地域から大量に移住させられたタタール人が作った村である。今は725
人のタタール人が住んでいる。旧ソ連時代には大規模の国営農場で働き、
今は原油ガス採取関連の仕事をしている。彼らが先週の日、ヴェ・セレダ
市長をはじめ、地域政府関係者たちと村会議を開き、地域の遅れた社会イ
ンフラや教育環境などの問題をめぐって議論した。同村では電力問題が最
も深刻だ。2006年サハリン州や連邦予算で1000万ルーブル相当の
ディゼル燃料を購入したが、住民からは送電線建設要望が強い。しかし、
最寄のヌイスィ駅から7KM離れている同村まで送電線を敷けば電力問題
は解消するが、州から予算が下りないとできないと市長は説明した。

新しい韓国旅行商品

先週の金曜日(9日)、ユジノサハリンスク市にあるメガポリスホテルで新
しい韓国旅行商品の説明会が開かれた。サハリンの旅行社アシアナ・ビフ
ツアーが主催し韓国観光公社とウラジオストク韓国総領事館、韓国のUS
・TRAVELが後援した。韓国を紹介する映像の観覧後にエトノス芸術
団の公演も続いた。ビフツアーの張・ヨンウン社長と韓国の提携社US・
TRAVELの李・ヘギョン社長二人は新しい商品が人気を集められるよ
うに頑張ると意欲を見せた。

回想記 「スターリン王国時代」
―1924年―1953年間のソ連と在ソ韓人達
 
ソ連で社会主義10月革命を成功させて6年後、レーニンは死亡した。レ
ーニンはスターリンを後継者にしてはいけないと党中央委員会政治局に暗
視したが、結局は国の主権はスターリンの手中に入ってしまった。こうし
て30年にも及ぶ恐怖と暗黒の粛清と迫害のスターリン独裁時代が幕をあ
げた。彼はブルジョアと地主の除去とプロレタリア社会主義建設というレ
ーニンの思想を継承しながら、すべての国家権力を握り、政府=スターリ
ンという個人独裁政治体制を構築した。私はこの時期をスターリン王国時
代と呼ぶ。スターリンと在ソ韓人との関係を述べる際、私は中央アジアか
ら来た友達に聞いた話がまず浮かぶ。スターリンとモロトフが署名した強
制移住命令の前、極東地域の朝鮮人は他民族と共に平和的に暮らしていた
。そして、彼らはソビエト政権の下でのみ、民族間の平等と動労者連帯、
自由が保証されると信じ切っていた。しかし、極東諸民族の中で朝鮮民族
にだけ不幸が訪れた。移住準備期間は3日。一日2−3回しか止まらず走
る貨物列車。誰も何故、どこに行くのか知らなかった。職業と地位に関係
なくすべての20万人にも及ぶ朝鮮民族が未知の荒野や草原に投げ捨てら
れた。朝鮮民族である理由だけでこのようは迫害にあう自分らの運命を憎
んだ。しかし、スターリンは社会主義が進行するにつれて階級闘争は激し
くなるとの論理を国内中に広げながら敵性民族や階級の無差別的粛清を続
ける。スターリンと韓民族との関係について話す時、朝鮮戦争のことを言
わざるを得ない。戦争は韓半島の人々に膨大な被害と犠牲を生んだ。ソ連
はスターリンの命令で戦争を起こしたこの戦争にソ連軍が加担したのを4
0年間否定してきた。しかし、ペレストロイカ以後真実は明らかになった
。「赤い星」という雑誌の1989年6月号にはこう書かれている。「ソ
連軍は国境地帯の施設を守り、北朝鮮の都市防衛戦も展開した。北朝鮮人
民軍にはソ連軍顧問がおり、都市にはソ連軍病院が開設された。ソ連軍通
信技術員たちは当時の最新式通信網を備えていた」。これは朝鮮戦争にソ
連部隊が参戦した事実を認める初の公式的報道であった。2次世界大戦の
後、我々が帰国できなかったことにはスターリン政策の影響は大きいとい
わざるを得ない。我々を社会主義と共産主義者にするために中央アジアの
朝鮮人たちを教育者として派遣した。彼は企業所や機関、事務所に送られ
、政治部長と名づけられ、我々の家庭での生活まで監視していた。韓国や
日本の放送を聞いていないか、帰国を希望していないか、ソビエト政権を
否定していないかなどについて監視を続けた。彼は親切ではなかったし、
先住民族である我々を蔑視していた。だから彼らとの間に友情は生まれな
かった。又、外から来た労働者には手当がついたのに私達には何もなく、
同様に働いても給料は半分に過ぎなかった。もう二度とこのような時代が
こないことを信じたい。   (セコリョ新聞名誉社長 成・ジョンモ)
<参考資料;在ソ朝鮮人のペレストロイカ(タカヤナギ、19991)、
ソ連とロシア人(木村、1980)、極東の韓人達(ア・クージン、19
93)>
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 W杯。クロアチアと引き分け。強豪相手に良しと見るか、「後がない」
とあせるか。いずれにしても「ニッポンがんばれ!」の声援が列島を席巻
した。

◇オリンピックといい、W杯といい、「日本人は愛国心」を忘れていない。
心の底からの声援で。

◇「心の問題に立ち入るな」とは小泉首相。この点では然り。しかし、心
に痛みを持っている人に対する思いやりも心の問題。

◇「愛国心」が自然に出てくるスポーツは気持ちがいい。

◇誰だ?「卒業式で命令を出して起立させようとするのは?」。

◇太平の眠りを覚ます・・・。北朝鮮のテポドン発射疑惑。
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発行     2006年6月20日   No.258
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
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