609studio　No.250 2006/03/21

メルマガ：片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル：609studio　No.250 2006/03/21

───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン・2006/3/21 No.250 ───────────────────────────────── 【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る！」をコンセプトに論説委員Ｋｅｎ氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記事など話題満載！　 URL ⇒ 　http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 　　　　　　　　　◆６０９ｓｔｕｄｉｏ　ＮＥＷＳ◆ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お知らせ　　　　　来る３月２８日号、４月４日号は、サハリン取材のため休　　　　　刊いたします。ご了承ください。　　　　　　───────────────────────── ジャーナリスト・ネット　ホームページ http://www.609studio.com　　　───────────────────────── 　　　　　 ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中！！◎ 　　　写真集「サハリン」が未知谷から発行されました。是非書店　　　もしくは609studioでお求めください。　　　　　　　　　　　四六判160頁　1,600円(税別) 　　　　　　　　　　ISBN4-89642-138-8　C0072 　　　　　未知谷　HP　http://www.michitani.com/index.html 　　　　　　もしくは　　office@609studio.com ───────────◆◆◆ＩＮＤＥＸ◆◆◆─────────── ◆現代時評：今週はお休みいただきます。 ◆セコリョ新聞ダイジェスト版：２００６年３月１７日号 ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評：今週はお休みいただきます。　　　　　　　　　　Ｋｅｎ氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは　　　　　 office@609studio.com 　へ！ ───────────────────────────────── ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]　：２００６年３月１７日号発行　ユジノサハリンスク市　翻訳　Kil　Sang ◇詳細/写真、記事は関連Webへ →　http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 極東地域大統領全権代表サハリン訪問３月１２日、ロシア極東地域大統領全権代表のカ・イスハコフ氏がはじめてサハリンを訪問した。１５日までの滞在中、同氏は石油・ガス開発などのサハリンにおける国家プロジェクトとクリル列島社会経済発展プログラムの進行状況に高い関心を示した。記者達の質問に対して「クリル列島の社会経済発展の連邦プログラムは今後も１０年間は続く」と答えた。低い投票率　３月１２日、サハリン州議員とユジノサハリンスク市、トイモフスコエ地方議員の補欠選挙が行われた。しかし、投票率が低く選挙が行われていない地域もある。ユジノサハリンスク市の場合、州議員選挙では３つ中の２つの選挙区が、市議員選挙では４つの選挙区中３つの選挙区で住民参加率が低く選挙が取り消された。州知事アニワ訪問国家プロジェクトを直接管理しているイ・マラホフ州知事は先週、アニワ地域の住宅国家政策の進行状況を把握するために現地視察を行った。州知事‘国際不動産展示会’視察のために出国イ・マラホフサハリン州知事がロシア経済発展相の薦めで、フランスのカンヌで開催される「国際不動産展示会」に参加するために出国した。政府や多国籍企業、銀行、投資会社など世界中から不動産取引に関心のある人達が集まる同展示会に参加し、ロシア側は外資誘致のノーハウを学ぼうとしている。前州知事追悼マラソン大会先日、故イ・パルフトジノフ前知事を追悼する「第７回国際スーキーマラソン大会」が開催され、３００人のサハリン選手達が３５ｋｍのコースを日本、ノルウェイ、米国、カナダの代表選手たちと走った。４月から年金８．５％引上プーチン大統領は、予測を上回った昨年のインフレ上昇率を考慮して今年の４月から年金を６％引き上げることを命じたとイタルタス通信が伝えた。そのため、４月１日から年金と特別補助金を合わせ８．５％が引き上げられた額を受け取ることができる。プーチン大統領はこの指示を必ず守るように保健及び発展相に強調したと言われている。統計でみるサハリン「２００５年サハリン州社会経済状況」２００６年１月１日現在、州統計目録に登録されている会計対象機関数は１万５１６４カ所。この中の１万３７４３カ所は社団法人で、残りは社団法人の支部或いは代表部である。この数字は昨年同期比８．１増加したもの。社団法人のほか、１万４７１６カ所の自営業者が登録されている。資源採取部門：３９４万トンの原油（前年度比約４０万トン増加）、約２０億ｍ３のガス（前年度比１６４０万ｍ３減少）、３４０万トンの石炭（前年度比７万トン減少）を採取。食品加工部門：鶏肉を含め１２３万５千トンの肉類（１．１％増加）、４６６トンの半肉類製品（６．２％増加）、３１１トンのソーセージ類製品（２１．７％減少）を生産。魚及び海産物の漁獲と加工部門：魚と海産物の漁獲量は４７万６３００トン（２４．７％増加）、漁製品は４７万トン（２８％増加）、缶詰製品は１．６倍増加した８８９２万３千トンを生産。乳製品部門：１．２％増加した１万９千トン、チーズ生産量は４５．５％増加。食品部門：４．３％増加した２万６千トンのフレブ製品を生産。製菓製品は５．７％、マカロニ類は２倍減少。アルコール製品は１．８倍減少した１３７万１１００リトルを生産。木材加工部門：昨年より１０．３％減少した７万４００㎡を生産。原油製品部門：４１００トンのベンジン、８１００トンのディーゼル燃料、１万３８００トンの暖房用燃料を生産。昨年に比べて潤滑油生産は１．８倍増加。建築部門：目標の１３３．２％にあたる売上４４０億ルーブルを達成。農業部門：農業機関、個人の畑などを含めて生産高は３９億７６５０万ルーブル。運輸部門：４２７万３１００トンの貨物（１２８．５％）、１０４万７４００人の乗客輸送。自動車及び個人運輸手段を通じての貨物輸送量は４４８万４００トン（１５．１％増加）、交通事故は１３６８件、事故による死亡者は１４４人、外傷は１８４４人。海上貨物輸送は３３０万トン、連絡船乗客数は７万１６００人。地方航空社利用客は１１０％増加した１３万人。消費市場：総小売商業流通量は前年度比１４．２％増加した３１４億ルーブル。一人当り消費量は５万８９００ルーブル（４７．３％食品消費）。アルコール販売量は９．９％増加した３７億ルーブル。有料サービス料金は１９％、アルコールを含めた食品価格は１５．８％引上。特に肉類とソーセージ類が３０％近く値上げした。住宅公共サービス料金は２３％、市内電話料金は２６％値上げした。対外貿易部門：昨年より２倍増加した３５億３１５０万ドル。輸出１３億２６００万ドル、輸入２２億５５０万ドル。主要輸出国は日本、韓国、米国、中国、シンガポールの順で、主要輸入国は韓国、米国、日本、イタリア、マレーシア、英国、シンガポール、オランダ、ドイツ、中国の順。輸入国１位の韓国からの輸入額は６億５７１０万ドルで総輸入額の３０％に当たる。サハリンから大量で輸出される商品は燃料・電力製品で総輸出量の５６％に当たる。予備資料によると、昨年は７億４千万ドル相当の１６７万８５００トンの原油を輸出した。また、魚と海産物の輸出量も大きい。昨年２億２４００万ドル相当の１８万８千トンの魚と海産物が輸出されており、日本へ一番多く売られた（３７％）。住民たちの収入：一人当月平均収入額は１万２１３７ルーブル（昨年比３１％増加）。支出内容をみると、６２％は商品購入とサービス料金支払に使われ、９．６％は貯金、５．５％は外貨購入、１３％はダンスに入っている。最低生活費は経済能力所有者５４７２ルーブル、年金生活者３９１６ルーブル、子供４７７７ルーブルである。労働部門：２００５年１２月末現在、経済活動人口は２９万６５００人（州全体人口の５５．７％）。その中の９３．３％は積極的に経済活動を営んでおり、６．７％はよりいい仕事を探している。失業者数は１万２２７４人へ減少し昨年より３５５８人が減った。社会部門：２００６年１月１日現在、サハリン州人口は５２万６３００人、昨年より６１３２人が減少した。出生率も昨年度比２．２％低下した反面、死亡率は７．４％増加した。結婚率は１１％増加、離婚率は８．１％減少。学生数は５万７８００人、その中の大学性数は１万２千人。しかし、その中の５８６６人が通信大学在学生。又、犯罪件数は前年度比１０％増加した１万４６００件。犯人達の履歴を調べると、失業者６０．２％、未成年者１７．９％、女性１２．７％、学生１１．３％。２００５年１１月１日現在、山林火災件数は４０件、前年度比３６件も増加した。本社入手資料「日本との再交渉を促す要望書」韓国人慰安婦数は３万５千或いは２０万人と言われ、１３年間に渡って毎週水曜日駐韓日本大使館前でデモを行っている。広島・長崎の被爆被害者数（韓国人）も７万人。その中の４万人が死亡し生きて帰国した人々は２万３千人余である。彼らは今も後遺症と貧困、社会的差別に苦しんでいる。又、４万３千人のサハリン同胞が捨てられた。敗戦直後、シベリアに連行され強制労働を強いられたことのある旧関東軍所属の韓国人青年も５００人余がいる。又、太平洋戦争中捕虜監視員として動員されたため、敗戦後ＢＣ級戦犯と判明され死刑或いは長期刑を受けた韓国人青年も１４８人にのぼる。このような被害者達の声は、１４年間続いた韓日協定交渉の場では取り上げられることもなかった。今、追求すべきことは追及し、要求すべきことは要求しようという韓国政府の変わった態度に促され、被害補償の希望を持てるようになった。日本政府は当事者が黙っているのに自ら事件を掘り下げることはないとの態度を取っている。このような問題は被害補償のみならず、時効のない人権問題であり、社会正義、東北アジアの反核平和の問題でもある。被害者団体連盟は、韓国政府に明確な歴史意識の下で平和構築のために同問題を日本政府に提起、再交渉することを硬く要求するものである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００６年３月日本軍従軍慰安婦の「分けあう家」理事長宋・ウォルジュ、韓国原爆被害者協会長郭・クィフン、サハリン州韓人協会長朴・ヘリョン、シベリア朔風会長李・ビョンジュ、韓国人ＢＣ戦犯社同志会李・ハクレ。（韓国のノ・ムヒョン大統領にも伝達）種・栽培用植物通関禁止外国から帰国する人々がお土産として訪問先の植物や種などを持ち込むことがしばしばある。しかし、ロシア植物検疫規定により、根のついている植物や土のついている植物、種、生の果物などの搬入は禁止されている。以上の規定を遵守してほしい。（サハリン州植物検疫管理所エル・グラドコワ）回想記「もう遅い薦めー如何にしてサハリン韓人が農業から離れたのか」戦後60年を迎えて時々過去の我々の暮らしを振り返る。自分の体験した戦後の農村生活について話してみよう。１９９０年の春のある日、州知事が私を訪ねた（当時、私はセコリョ新聞社長だった）。知事の訪問目的は、ソ連崩壊後破壊された農村の再建のために、農業に才能のある韓人たちの農村へ移住を訴える宣伝をしてほしいとことであった。私はもう遅いと答えた。その理由として説明したのが以下である。終戦後、日本人に捨てられ帰国できなかった我々の多くが農村に入って農業を営んだ。悪気候のなかで一生懸命働き高い収穫を得ることができた。１９４７年―５３年までユジノサハリンスク市の市場には地方から運ばれた農産物が山ほど出ていたのを覚えているでしょう。農家の生活水準も徐々に高くなり都市よりも安定した生活ができた。しかし、こんなことが党委員会と執行委員会には気に入らなかった。個人農業を営み、一部の個人だけがいい暮らしをするというのは社会主義原則に反することと考えたせいか、高い税金を課したため、人々は自発的に農業をやめ都市へ移住してしまった。元々勤勉なわが民族は都市でも家の畑で野菜栽培を行ったり家畜を飼ったりしていた。昼は仕事、退社後は家で家畜の世話や野菜栽培など苦労は大きかったが生活には大いに役立った。ところが当時、ソ連政府は「家畜にパンを食べさせる」と厳重な罰に処するとの法律を制定した。マカロフ市に住んでいた金・キファさんの父は店から少し多い目のパンを購入したために、警察に捕まって酷い審問を受けた末自殺してしまった。買っても貰っても家畜の餌にパンを使ってはいけないとのことで、多くの人々が誤解され罰金刑や監獄送りになった。又、多くの人がビニールハウス栽培をしていた。しかし、これも問題で、一軒に一棟以上のハウスは許可されなかった。ユジノサハリンスク市ホムトヴォに住む宋・ゼジュンさんは地方執行委員会の命令により仕方なくビニールハウスを撤去し６００坪にものぼる畑を無駄にしていた。こんなことがあったのに今更農村へいけ！と言っても誰も応じる人はいないとの私の説明に州知事は深いため息をついた。　　　　　　　　　　　　（成・チョンモ　セコリョ新聞名誉社長）あれこれ「外国労働者数増加」昨年、サハリンの外国人労働者数は２００４年比２倍弱増加した１万４３４人。５９カ国から労働者が入り、５４４１人がサハリンへ居住しながら仕事をしていた。その中の１６５３人はＣＩＳ地域出身。昨年外国労働者中、トルコ出身が４２００人で最も多かった（２００４年度４２００人）。その次は北朝鮮出身者で１２００人（２００４年度５５１人）。外国人労働者の増加の一番の原因はコルサコフの液化ガス工場の建設である。「高麗人同胞、人身売買容疑で逮捕」　ウラジオストク新聞によると、中央アジアカザフスタン出身の高麗人黄・イゴリが沿海州のウスリスクでウズベキスタン女性を雇って売春を商売としていたため７年の刑に処せられた。黄は数年間数十人のウズベキスタンから高麗人女性を連れてきてはパスポートを奪い、監禁状態で給料も払わずに売春を強要していたことがわかった。黄に監禁されていたウズベキスタンの女性は現地警察の助けで全員帰国した。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から]　　　　　　　　　　　　　　Michio　Katayama ───────────────────────────────── 　「報道機関の取材活動は、民主主義社会の存立に不可欠な国民の『知る権利』に奉仕する報道の自由を実質的に保障するための前提となる活動だ」とは、ＮＨＫ記者に対する東京高裁（雛形要松裁判長）の判決文の一部。　先に同じ問題で読売新聞記者の証言拒絶を認めなかった１４日の東京地裁決定がとった論理を全面的に否定。いったい「この国の主権者は誰だ」と思ったが、１７日にでたこの判決は当然といえば当然。 ◇チェルノブイリ原発事故は１９８６年４月２６日に。爆発当時、内部から発生していた高熱や長年の風雨の影響によってコンクリート製の石棺は劣化。今度はこの石棺を新たな石棺で包み込む作業が始まる。　当時の応急処置でない処置を望みたい。　４年以上前だが、ロシア・沿海州の町、ナホトカで一人の男とあった。朝鮮民族。彼は爆発当時、中央アジアにすんでいた。何も知らされずに動員されてチェルノブイリで石棺を作る作業をさせられた。会った当時は当然のことながら、強度の白血病に罹り、体調が思わしくなく、また治療も充分受けていなかったと聞いた。　彼とは連絡を取っていないが、元気でいるとは思えない。 ──────────────────────────────── 発行　　　　　２００６年３月２１日　　　No.２５０編集・発行　　609studio 　　Michio Katayama 発行　　　　　毎週火曜日　　購読料無料配信まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail office@609studio.com website 　　　http://www.609studio.com 投稿　　　　 http://www.609studio.com　掲示板へ購読購読解除は websiteへ　　　　　　　　　　　◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────

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