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タイトル:609studio No.241 ◆現代時評: [新年正月、先ずは目出度い]  2006/01/03


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【609 Studio 】メール・マガジン・2006/1/3  No.241
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       今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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◆現代時評: [新年正月、先ずは目出度い]              ken

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2005年12月30日号

◆編集長から

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◆[新年正月、先ずは目出度い]                        ken         
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 office@609studio.com  へ!
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■■新年正月元旦、先ずは目出度い。昔の落語では、この日ばかり
は借金取りも来ず、ゆっくりできるので目出度いとしたものだ。世
の中、総て大きく変わったが、こればかりは今もって同じで、ベト
ナム戦争のクメールも「正月休戦」で一躍有名になったが、これが
旧正月か新正月の、どちらの一月一日だったかボクは知らない。

■■子供の頃、小学校の先生に教わったのは、「元旦とは正月、つ
まり1月だけのことだから、年賀状には『一月元旦』と書かず、単
に『元旦』とだけ記すように」ということだった。 この習慣はだ
いぶ定着したようで、近年送られてくる年賀状に「一月元旦」と書
いたのをみることはない。 そのかわり、「平成18年」といった
年号は減って、2006年という西暦が増えた。

■■元旦の「旦」は、朝日が昇る状態の象形文字らしい。 が、柳
田國男によれば、むかしの日本の1日は、前日の夜から始り、その
日暮れで終わったらしく、そこから「宵宮祭」の習慣が出来たとい
う。 ならば「初日の出」は必ずしも正月の始まりでは無く、初日
の中ほどの時刻らしい。 つい10年ほど前まで文房具屋で売って
いた既製の商契約用紙には「1日とは、その日の朝に始まり、日没
を以って終わる」と印刷してあったが、こうした明るい日中だけを
1日とする商業習慣は江戸時代中期からのことだそうである。

■■1月1日を正月元旦とするについての論理的な理由はぜんぜん
無く、ただそうした習慣があるだけだ。が、日本だけで言えば「国
民の祝日に関する法律」の第二条に、『国民の祝日を次のように定
める。(1)元日1月1日 年の始めを祝う。云々』となっている。

■■ただし、この「1月1日」という日付が曲者で、この日が変わ
れば、元旦の日もとうぜん変わる。 現在では、日本の殆どがいわ
ゆる「太陽暦」を使用しているが、それがもし「旧暦」、つまり「
太陰暦」になれば、今年の元旦は台湾・香港並に1月29日となる
。 但し彼らは正月といわずに「過年」とか「春節」と呼ぶ。

■■日本が西欧並にグレゴリオ暦、つまりいまの新暦(太陽暦)を
使用し始めたのはいつか。 明治5年11月9日の(太政官布告第
三百三十七号)により、この年の旧暦12月1日を以って新暦の明
治6年1月1日とせしめた。だから明治5年は11ヶ月強しか無か
った。 

■■改暦の理由は、西欧諸国と歩調を合わせるためという説と、旧
暦のままでは、その年が閏年で役人の月給を不当に多く払わねばな
らぬからだった、との2説が残っている。ちょうど岩倉大使一行が
米欧回覧中で、帰国したら月が1ヶ月早まっていて戸惑ったそうだ
。 これを歴史上、「明治の改暦」もしくは「紀元治定」と称し、
それ以前に使用していた旧暦を暦法上「太陰太陽暦」と呼ぶことに
した。

■■「太陰太陽暦(旧暦)」は、またの名を「天保暦」ともいい、
持統天皇6年(692)以来であると言われているが、じっさいは
江戸時代だけでも貞享、宝暦、寛政、天保暦と数度の改定が行われ
た。 農業などには、この旧暦がより適合していて、いまでも田舎
の農家などで愛用されている。

■■片や、新暦(太陽暦)は、それ以前のユリウス暦からの改暦で
、ローマ法王グレゴリオ13世が1582年に命じて行ったため「
グレゴリオ暦」とも称されている。これが1月1日を元旦と定めた
のである。 その太陽暦は、上述のようにわが国では明治5年末に
採り入れられ、さらに明治31年に少し変更されて今日に至ってい
る。 われわれの「1月元旦、謹賀新年」という慣習はこれが濫觴
である。

■■ところが、1年は365日に加えて僅かに端数が出ることによ
って、簇生の、いわゆる暦法マニアが族生した。例えば、北大の木
下名誉教授が、「いまの新暦はいけない、仮称『木下暦』なるもの
を使用せよ」とPRされているが、我々庶民にとっては殆ど関係の
無いことである。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kinosita/calendarj1.htm

■■それより考えてみると、1分が60秒、60分が1時間、1日
が24時間というような不規則な時刻割りをしたのが不便、かつ間
違いのもとで、すべてを10進法にすれば計算がし易すかったハズ
だ。 1週間を7日にするなどはもっとひどい。幕末に米国公使ハ
リスが下田に駐在したとき、わが幕府役人どもは、「彼ら米国人は
、どんな計算か知らぬが、ある日を決めて仕事を休み、朝から馬に
乗ったりして園遊しているのが不思議だ」との記述を残している。 

■■それまでわが国には曜日などの習慣は無かった。もちろん、日
曜休日など思いもよらなかった。 現にボクの少年時代は、村の区
長が「今日は休日ですよ」と、ランダムな特定日を恣意に定めて休
みとし、村中に触れさせていたものである。

■■そうした不合理な暦日を大改正したのが「フランス革命暦」で
、例のフランス革命の直後に作られた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%
82%B9%E9%9D%A9%E5%91%BD%E6%9A%A6

1792年 11月24日、フランスの国民公会で正式に可決され、
公布されたが、その内容によれば、1年はパリにおいて太陽が秋分
点を通過する日に始まり、王制が廃止された1792年9月21日
の翌22日に始まる年を共和国第1年とする、となっていた。

■■これによれば、1年の始まり、つまり正月元旦は9月22日、
「太陽が秋分点を通過する日」だが、国民はこの新法に同調せず、
旧暦通りの4月1日を墨守して譲らなかったそうだ。 いま世界
に広まっている「4月1日エイプリル・フール」の起源はこれだ
という。

■■このとき、暦法のみならず、時間の単位も変更した。フラン
ス革命暦では、1旬は10日、1日は10時間、1時間は100
分、1分は100秒とすべて10進法が使われた。これはまこと
に合理的だったが、当時の農法や習慣とひどく異なったため実際
には使用されず、1801年にナポレオンは、ローマ法王庁と協
定を結んで、まず週と宗教上の聖日を公認し、ついで5年後、従
来のグレゴリオ暦を復活し、時刻法も旧に戻してしまった。 か
くして超合理的な「フランス革命暦」は、わずか12年でフラン
ス自身の手により消滅してしまった。 

■■しかしいま我々が使用している「メートル法」はこのときフ
ランス国民会議が制定した十進法による度量衡が元で、これだけ
は、わが日本などは率先して、国法として強制使用し、今頃にな
って米英などもようやく追随し始めた。よほど便利がよかったか
らであろう。

■■ただし、フランス語の数字呼称はあまりにも難渋である。つ
い数ヶ月前も石原都知事が「フランス語は国際言語として不適格
である」と断じ、駐日フランス大使が早速、反論声明を発表した
が、世間の同調は得られなかった。 

■■例を挙げよう。ボクの生まれは7月14日、いわゆる「パリ
祭」の日だ。 この14という数字は『quatorze キャトーズ』
で、4の『quatre キャトフ』の変形で、これなど簡単な方だが、
それが60を越えると,とたんに「60+いくつ(1〜19)」と
なり,80ともなれば「20×4+いくつ(1〜19)」となるの
で、石原氏ならずとも業を煮やすのはとうぜんである。

■■だいたいフランスと言う国は論理的なのが特色だが、それが
実際となると旧弊な庶民に敬遠される場合も多い。 いい例が宗
教だ。オーガスト・コントという有名な啓蒙主義学者が、「これ
こそ究極の合理的・文学的な宗教」と銘打って、「人類教」とい
う新宗教を開いたまではよかったが、結局、ブラジル政府が国教
として採用しただけで、フランスでは敬遠され、パリ本山の費用
などは、いまではブラジルからの送金によってのみ支えられてい
る。 宗教などは、いささか妖怪変化教的なのが好まれ、あまり
合理的だと、かえって流行らないようである。

■■ところでボクは、正月元旦はいまのままの1月1日でいいとし
て、「1年が12ヶ月」というのをどうも好きになれない。 1
年は10ヶ月であった方がイイのではないかと考える。 だいい
ち計算がし易い。 そのため、1ヶ月が平均30日でなくても、
35日でも40日でもいいのではなかろうか。 

■■もしそれで月により日数配分がうまくいかなければ、特定の
1ヶ月くらいは端数があってもいいと思う。現にいまも、28日
の月や31日の月があるではないか。 暦法家や宇宙物理学者は
ナニか理屈をつけるかも知れぬが、ボクら庶民にとってはそれで
ちっとも困らない。

■■現に、上代の日本では1ヶ月が、今の半分、つまり月齢によ
って、15日1ヶ月と計算し、現在の1年が2年だったという説
を唱えている学者もいる。 統計学者兼歴史家の安本美典先生で
ある。 http://yamatai.cside.com/ 
 この先生は、例の「邪馬台国北九州説」の首魁として有名な方
だが、統計学者から日本歴史家に転業した珍しい人である。

■■先生は、数理文献学という独自の手法で、コンピュータを駆
使して科学的、客観的に「卑弥呼は誰か」を説明している。 ボ
クが先生の初出論文を「科学朝日」で見たのはもう数十年以上前
のことで、その頃の安本先生の肩書きは、たしか「科学技術セン
ター統計課長」であった。 

■■先生の説では、上古日本の歴史の信憑性はともかくとして、
神武以来、応神・仁徳ごろまでの天皇の生存・在世年数は、それ
以後の天皇と比較してそれぞれ2倍ほどの長さになるという。 
もし月齢によって毎月を15日と計算し、いまの1年を2年と仮
定すれば、その後の天皇の平均在位・年齢とほぼ同じになる、と
のことだ。

■■ナニもボクが安本先生の説を盲信しているわけではないが、
今の1年12ヶ月を絶対のものと考えずに、冬の正月と、夏の正
月が両方あってもいいではないか、と思ったりもする。 どうせ
正月は目出度いのだから、鏡餅を飾ったり、串に指した干し柿を
食べたりして、「新年おめでとうございます」と挨拶するのに、
絶対といえるほどの日を決める必要は無いのではないか。 「目
出度い正月」は多いほどいい。

■■ナニか決心して実行するのに、「新年からはじめよう」と思
うより、「思い立ったが吉日」ということわざ通り、いつでも思
い立ったその日から始め、その日が「目出度い日」と思えばよく
、それが正月と考えればいい、とボクは考える。 旧暦も正月、
新暦でも正月。 フランス暦並に9月22日でも正月は正月だ。

 むかし取引先の外人が、たしか夏の暑い日に「A happy new 
year」と、素っ頓狂な電話を掛けて来たことがあった。 ユダヤ
人だったか、アラブ人だったかは忘れたが…。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2005年12月30日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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州知事からの新年挨拶

尊敬する同郷人の皆様、そしてサハリン及びクリル住民の皆様。
今年も残り後一日。振り替えてみるとわが州にいいことの多い一
年でありました。経済的発展は勿論のこと、皆様の家庭に少しは
経済的余裕のあった都市と言えましょう。平均賃金の上昇、失業
者の減少、戦争老兵や若い世帯への住宅支援策などで少し皆様方
の暮らしぶりがよくなったと思います。このような支援は「サハ
リン州がわが家」と持っていただきたいからでもありました。こ
のような発展は多様な民族の努力と協力の上に築かれたものと言
えます。今後もわが州の発展は続くでしょう。来年はサハリン州
の社会経済長期戦略が本格化する年であります。これは皆様方の
島に対する愛情と努力があってこと成功できるものであり、又私
は成功を固く信じております。大晦日と新年は家族で迎えるのが
わが国の伝統です。皆様方が幸せに新しい年を迎えることを祈り
ながら、益々のご健康と幸福をお祈りいたします。
(この祝賀文は31日の夜テレビで放送されるものを事前に入手
し掲載しています)

読者と支援者の皆様方へ

 セコリョ新聞の愛読者の皆様!そして、支援者の皆様!この一
年間のご愛読とご支援に心からお礼を申し上げます。これからも
変わらぬ支援をお願い致しながら皆様方のご健康とお幸せをお祈
りいたします。
(セコリョ新聞社員一同)

第13回韓国語コンクール授賞式

 今月の26日、第13回韓国語コンクールの授賞式が主催のセ
コリョ新聞社で行われた。コンクール参加者は40人であるが、
中学校3年生から80歳まで、ハバロフスクからの参加者もおり
、年齢的にも地理的にも幅広い層から関心を集めた。入賞者は1
6人でその中に4人のハバロフスク経済大学学生が含まれている
。最優勝者はユジノサハリンスク第9東洋学校11年生の郭・オ
リャさん。

大雪の中でも大成功のコンサート

 22日夜7時、ユジノサハリンスク市「オクチャブリ」コンサ
ートホールで白・スギョン社長が個人運営しているオーケストラ
の公演が行われた。ちょうど2年前に組織され、その間、国内外
で90回の公演を行うなどの活躍ぶりをみせたが、今回は特にロ
シア人観客が多く、韓国の文化を伝える伝教師としての役割が確
認された。クラシック音楽は勿論のこと、韓国の歌謡曲まで歌い
東洋と西洋との文化を満喫することができた。大雪のために飛行
場が閉鎖されるなかでもホールは観客で満員を成していた。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 あけましておめでとうございます。昨年はお世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。
   10日号、17日号は休刊させていただきます。

    ↓↓新春の新聞から拾いました。↓↓

◇陛下「世界の平安祈る」 皇居で新年一般参賀。

◇、「日本社会には、ようやく新しい時代に挑戦する意欲と自信
が芽生えてきた。改革を止めるなという国民の声を真剣に受け止
め、続行していきたい」小泉首相。(朝日新聞)

◇「郵政3事業の民営分割が決まり、今朝はその準備に向けての
出発式でもある」郵政公社・生田正治総裁。

◇「お年玉は高校までという約束だった。大学入学後は、お年玉
代わりに100円ショップで気に入りそうなものを2〜3個買い、
ラッピングして渡していたが、案外喜んでくれました」浜松の主
婦。

◇沖縄の昨年を漢字で表すと・・。「米軍再編の対象となった全
国の自治体の首長や住民がこぞって『反対』『反発』しているか
らだ」沖縄タイムス社説。

◇自民・山崎氏、中国訪問取りやめ 要人との調整つかず(朝日
新聞)

 新しい時代に挑戦する意欲の見えない庶民がいることを忘れて
「勝ち組」ばかりに目を奪われないようにしよう。 
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発行     2006年1月3日   No.241
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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