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タイトル:609studio No.238◆現代時評: [欠陥マンション住宅]  2005/12/13


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【609 Studio 】メール・マガジン・2005/12/13  No.238
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◆現代時評: [欠陥マンション住宅]             ken 

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2005年12月9日号 

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評:[欠陥マンション住宅]             ken 

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 office@609studio.com  へ!
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◆◆毎日新聞 2005.12.08 耐震データ偽造問題の発覚で
、マンションの住み替えを予定していた3人に1人が計画を凍結する
つもりでいることが、アンケート調査で分かった。  調査は12月
2、3の両日、首都圏、京阪神に住む25〜59歳の男女約1000
人を対象にインターネットで行われた。回答者のうち、自分や配偶者
名義の一戸建てやマンションに住んでいるのは全体の3割弱だった。
(中略) 耐震データ偽造問題に関心がある人は、9割を超え、関心
の高さを示した。今、住んでいる住宅の耐震強度について、「非常に
不安」「やや不安」と答えたのは44.3%だった。全体の33.9
%が「住み替えの予定あり」と回答。しかし、このうち、33.7%
は今回の偽造問題の影響で、「しばらく業界や行政の対応を見ながら
、住み替え自体を控えるつもり」と静観の構えでいることが分かった。

◆◆国土交通省ホームページ 2005.11.30 国土交通省においては、
平成17年8月19日に「大規模空間を持つ建築物の天井の崩落対策
について」を各地方公共団体に通知し、大規模空間をもつ建築物の天
井の状況等について調査し、報告を依頼し、このたび、その結果(中
間報告)を別紙のとおりとりまとめましたので、お知らせ致します。
 現在調査継続中の地方公共団体もありますが、落下のおそれがある
とされた建築物の数は約5000件ありました。これらについては今
後、各地方公共団体において指導が行われることになります。

■■昔、ボクの息子が、当時カナダ随一と言われた大学の入学に、資
料を取寄せ「建築科」を見ると、修業年限が僅か二年で芸術学部の範
疇に入っていた。これは意外だった。日本の大学ではふつう「建築」
は工学のうちで、誰もそれを不思議と思わない。何故ならば、「建築
科」は「構造力学」が殆どを占めていて、他の部門、たとえば建築美
術などは付属に過ぎないのがわが国の伝統である。地震や台風が多い
国柄だから、とうぜんの事かもしれない。要するにわが国では、建築
技術とは構造力学のことであるといっても大きく違わない。

■■ところがいま毎日のニュース種になっている設計偽装事件は、そ
の構造力学が設計の段階で偽装されていたというのだから、空いた口
が塞がらない。 まことに怪しからぬ話で、当の建築士、建設業者の
責任はもちろん、監督官庁もどうしていたのかと、非難の声が挙がる
のはとうぜんのことである。

■■ところでボクがいま住む街は、先の阪神大震災で被害がもっとも
大きく、家屋倒壊率98%と発表され、おそらくここが震源地ではな
いかと言われている。 が実際には、そのとき100%倒壊と診断さ
れた家屋・マンションのうちの多くがいまなお生き残っている。もち
ろん、多少の補修はしているが、じつのところ、言われる程の倒壊危
険が無かったのではないかと思える。市役所のしっこい勧奨で、取壊
して建替えたのもあれば、頑張って居座ったのも居る。 結論から言
えば、補修し、そのまま住んでいる人やマンションが得をしている。
 将来の事は判らぬが・・。

■■もちろんすべてに安全に、もしくは万一を考えて、どんな場合に
も備えるに越すことはないが、そうするといわゆる「保険貧乏」の諺
通り、あまりにもコストが掛かり過ぎる。人間の生命のばあいは生命
保険会社が儲け過ぎ、建築物などは土建屋を繁昌させるだけの結果に
なり兼ねない。人の一生、あるいは国家社会の命運などは、ある程度
のリスクの上で成り立っていて、すべて安全ということなどあり得な
い。 ほどほどがいい。

■■いまの建築基準法は、宮城県沖大震災のあと、1981年に大改
正が加えられ、それを基準にして更に阪神大震災後の2000年4月に施
行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」
を加えたものが、ほぼ完璧に近い「新しく建築する建築物」の基準と
いう事になっている。
www.jsca.or.jp/vol2/15tec_terms/200403/20040320-2.html

■■しからばそれが絶対的に安全な基準かというと、必ずしもそうで
はない。 世の中には「運」というものがあり、それは先の阪神大震
災でボク自身この目でたくさん見ている。 見るからに弱そうなプレ
ハブ住宅などが多く残っていて、現にまだ人が住んでいる。かと思え
ば、その隣家の丈夫そうな鉄筋住宅が倒壊したりしている。マンショ
ンの類も、建て変えたのから、従前のままでチャンと人が住んでいる
のまで種々だが、不思議と昭和40年代の高層集合住宅がたくさん残っ
ている。
 勿論、いくらかの手直しはしているが…。

■■そのようなのを評して、物知り顔の学者は、「五重の搭の芯柱の
ように柔構造だったから震災でも倒れなかった」などというが、それ
なら建築関係者は、マンションの柔構造をなぜ本気で研究し、勧めな
いのかと言いたい。 見ていると、業界は頑丈な建築にすることだけ
をとりわけ優先させているようだ。

■■拙宅のすぐ近所を走る阪神高速道路が数キロメートルに渉って震
災で横転していた写真をご覧になった方も多いだろう。あのとき、さ
るボクの友人で高名な建築科教授が、「ボクら建築家というのは、た
いていいい加減なものだが、その点、橋梁設計の専門家はもっと立派
な技術者と思い込んでいた。 が、あの高速道路の横転を見て、どち
らもいい加減な連中と思い知らされた」と述懐する。

■■ところがその話を別の建築家(この人は建築家協会の当初発起人
の一人で、もちろん大先生)に話すと、「耐震設計などは、起こる地
震がどの程度で最大かを想定するだけの違いで、想定以上の地震が起
こった場合はもうお手上げである。建築基準法などはその予定震度の
想定だけでどうにでも変更できるから、あながち、設計技術者だけを
責めるわけにはいかない」と、まことに明白、かついい加減な話であ
った。

■■じじつ、ボクが不思議に思うのは、最近流行りの「免震構造設計
」なるものに弾力性のあるゴムの類を使用していることだ。ゴムの劣
化速度を、果して建築家たちが的確に承知した上でのことであろうか
。 同じくガラスパネルや、アルミ材などの新建材の劣化予想なども
、誰も経験のないことだから想像で考えるしかない。ゴムなど弾性体
資材の劣化スピードはだいぶ速いのではないかと、ボクは心配してい
る。

■■例の、オーストリア・ウインの郵便貯金会館が、アルミを使用し
た名建築としていまなお建築雑誌に美しく紹介されている。が、いま
は見るも不様(ぶざま)な鈍い白色に変わってしまっていて、幻滅を
感じた観光客も多いだろう。 これなど美観の問題だけで、強度には
とりあえず無関係だが、アルミ建材の強度が、年数を経てどう劣化す
るかなど、誰も経験不足で知らぬのが実態だ。

■■ところで今回の、某建築士関係マンションの構造強度不足問題に
ついていえば、怪しからぬことは当然だから、法令違反でじゅうぶん
咎められて然るべきである。 が、だからといって、すでに建って住
民が入居していたり、既に運営されているホテルをどうするか、とい
うのは別の問題だ。 マスコミや役人たちは他人事だから、無責任に
、いまにも倒壊しそうに「さあ移転」「さあ建替え」と囃し立ててい
るが、これは社会をより混乱させるだけの、いわば扇動好きの軽率行
動と言わざるを得ない。

■■1995阪神大震災はマグニチュード7.2、関東大震災の地震
はM7.9。地震のマグニチュードは0.1上がるごとに約1.4倍
ずつエネルギーが大きくなるから、関東大震災のエネルギーは阪神大
震災の約10倍となる。先ごろのスマトラ沖の震度はM9.1、 1
960年の南米チリ大震災はM9.5だった。
http://unit.aist.go.jp/actfault/event2005/tsunami.pdf 

■■無限に大きい地震もない訳ではないが、それにすべて対応出来る
免震度の建築基準法など作りようがない。 建築基準法は生命・健康
・財産を保護する技術法令であることから、過去の事物に対しての法
の遡及についてが他の法令と異なる。具体的には既存建物が現行法令
に合致していないまま使用されている場合は、法律上は違反建築とは
ならない。 

■■現行建築基準法は阪神大震災にもいちおう耐えるよう改定されて
いるが、それだって実際のほどは判らない。いわばいい加減な予想に
よる理想法であるに過ぎない。おそらく今回の、法令違反建築を設計
し、建築した関係者たちも、すぐ倒壊するだろうと思いつつ工事した
わけでなく、法令の基準以下ではあるが、そう簡単に倒壊しないだろ
うし、だいいちM5以上の巨大地震などめったに起きないだろうと多
寡を括っていたに違いない。そして事実はそれに近く、万一の安全の
ために現行建築基準法があるだけといえば、それだけの話だ。

■■しかもそうした巨大地震がはたして何時、何処に起きるかは闇雲
で、東海沖地震の可能性などはボクの知る限り、昭和20年代から今す
ぐにも発生するように政府やマスコミは宣伝してきたが、今もって起
こらない。代わりに、夢想だにしなかった阪神大震災がボクらの足元
で起こったのには驚かされた。起こってから、「起こった理由」を大
いに説明されたが、起こる前には何の説明も見聞きしなかった。

■■その現行建築基準法を建てにとって、違法建築に住む無辜の住民
や、ホテル経営を開始している企業に対し、「いますぐ出て行け」、
「営業を中止しろ」というようなデモンストレーションをする役所や
政治家の態度は、被害者に対して現状無視の、無慈悲な行為ではなか
ろうか。

■■もちろん、違法設計、違法建築の当事者たちはじゅうぶん叱りつ
け、刑罰を加えるのが当然である。しかし、現にそこに住み、そこで
営業している企業者たちに、今すぐにでも大地震が起こり、出て行か
ぬと危ないというような「脅し」を掛ける行為は自粛すべきである。
 違法行為者相手と、その被害者たち相手に、同様の態度と示唆を与
えるのは、どう考えても思慮ある行動とは言い難い。 

■■被害者相手には、慌てて追い出しに掛かるよりも、他になすべき
方法がいくらかあろうというものだ。少々不安ながら、つぎに来る大
地震まで、つかの間の偸安(とうあん)を貪る居住者があっても、そ
れはそれでいらざる不安感に怯えるよりいい場合もある。いまにもガ
ンに冒されそうな言辞に弄されて「ガン保険」に加入するより、「そ
うなればそのときのことだ」と、大悟一番して保険に入らぬ人も、世
の中にはたくさん存在する。

■■政府もその例に漏れない。第2次関東大震災の用意のためにと、
「首都移転」がいっときだいぶ議論され、その候補地まで発表された
が、何時の間にか消えてしまった。おそらく政治家・役人たちは、「
関東大震災はとうぶん起こらない」か、「起こったら起こったときの
ことにしよう」と思い、棚上げにしてしまったのだろう。であれば、
「欠陥マンションを買った人々はすぐ出ろ」とか、「ホテルは営業を
止めろ」とか、過激な勧告は、この際慎むべきだ。

■■東海沖大震災論などは、昭和20年代から喧伝されながら、いま
だに起こらない。既成事実として、いま違法建築がたくさん出来あが
っているが、その地にM5以上の地震が起こらない可能性も無いでは
無い。「起これば危険ですよ」と警告だけ発して、あとはぼつぼつ補
強するなり、カネの都合出来る人には追いおい建替えを勧奨するとい
った不安感を宥める方法もあるだろう。
 急な「脅し」は、社会不安を掻き立てるだけである。

■■拙宅の近所に、関西初の高級マンションと評判になった古い8階
建てがあった。震災で2階部分だけが押しつぶされ煎餅になってしま
った 居住者組合で「建替え」か「復修」かでだいぶ揉めたようだが
、結局、3階以上をもう一度押し上げて2階部分を元通り修復してし
まった。いま、そのマンションは、少なくとも外観では震災以前と変
わらない。これも一つの方法で、建築技術はそこまで進歩している。

■■前の阪神大震災で、役所の「全壊指定」に唆されて、家屋解体を
実行し、いまごろ「臍を噛んでいる」友人がボクの周辺に何人か居る
。 役所に執拗に勧められなければ、いまごろそのまま、まだじゅう
ぶん役立つ建物だった。 役所やマスコミは、その辺りを大いに考慮
し、くれぐれも慎重に行動して欲しい。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2005年12月9日号 
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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全・サンジュさん 老人会長に再選

 今月3日、サハリン州韓人会事務所で州韓人老人会総会が開かれ、
各支部代表など29人が参加した。一年間の事業と会計報告の中で全
・サンジュ会長は「1世たちの郵便貯金問題などで日本政府を相手に
裁判を準備しており、必要な書類を高木健一弁護士に既に送った」と
伝えた後、運営資金の不足で財政が大変苦しく支部への資金援助は力
不足であると参加者の理解を求めた。参加者たちからは永住帰国問題
の解決を向けての努力も共に残留1世たちに対してより関心を持つべ
きだとの意見が出された。特に経済的に苦しい年寄りへの支援が何よ
りも優先されるべきであるとの声が多かった。会議の最後に任期を終
えた会長の選挙が行われたが金・ブザさんより5票多い17票を得て
全・サンジュ現会長が4回目の再選を果たした。

2010年に人口調査予定

 イタル・タス通信によると、国会統計委員会のヴェ・ソ・コリン委
員長は連邦政府に2010年の人口調査案を提出した。委員長は政府
の承認を確信しており、調査費用は2002年度の約2倍がかかると
予測されている。

国際障害者の日を迎え

 12月3日の国際障害者の日を迎え、12月1〜4日間多様な行事
が開かれた。1日にはユジノサハリンスク市のオクチャブリ映画館で
障害者を対象に映画観覧会が開催されたが、映画鑑賞の前にユジノサ
ハリンスク市政府や市議会代表、福祉関係者などが数百人の障害者と
一緒に今後の障害者対策について話し合った。現在サハリン州には1
万1千人の障害者がおり、その中の9千人がユジノサハリンスク市に
居住している。

『特集』コルサコフ韓人会動向:母国語・文化の普及運動を活性化し
よう

 当社は財政難で長い間地方出張が不可能であったが、幸いにも最近
地方出張経費への支援をうけることができ、そのスタート地域をサハ
リン韓人社会において最も縁の深いコルサコフ地方に決め、先月の1
1月27日同地域を訪ね、地域団体の代表などに会い、地元の近況に
ついて聞いた。現在コルサコフには約3500人の同胞が住んでおり
、「コルサコフ韓人ディアスポラ(移住民)協会」がある。当社記者
たちはオケアン・文化会館でコルサコフ韓人会関係者たちと会ってま
ずセコリョ新聞の歴史や現状について簡単に説明した。財政的に苦し
いとの話を聞いた参加者たちは母国語や母国文化の普及にいっそう力
を入れるべきであるとの意見を述べた上、新聞購読への協力を約束し
た。本誌ではコルサコフ韓人会の紹介を兼ねて関係者たちのインタビ
ューを掲載する。今回の取材で私たちはコルサコフ同胞たちの民族教
育への情熱に大変な感動を覚えた。

黄・チョルホ(コルサコフ韓人会長、62才):当組織は今年の3月末
に発起準備会を開き、6月に正式に登録を済ませ誕生した。主に会長
と7人の運営委員が事業を行っている。新しい団体の組織の際、まわ
りから誤解されやすい。韓人会があるのにどうして又他の団体を組織
するのかなどの批判の声もある。しかし、今ある韓人会事業が我々の
ニーズに応えられないから新たな組織が生まれる。韓人会が母国訪問
や永住帰国、1世老人たちの問題だけに関心を示し、若い世代の問題
については無関心だ。又、社会団体間の結束力も弱い。我々は韓人全
体の威信を高め、韓人たちの文化水準を高める事業をも大事に思う。
だから新しい組織を作った。しかし、州韓人会コルサコフ支部との連
携や協力関係を維持しようとしており、当会の設立趣旨を理解し積極
的に協力してくださっている。設立されて8カ月間、解放記念行事や
医療活動、年寄りへの経済的支援など多様な事業を成功的に行った。
現在、当団体の会員は約100人。法人と個人にわけて入会費と会費
を払い、運営費は基本的には会費で賄う。足りない分は地元の事業家
たちからの寄付金で補充している。

 今は永住帰帰国や賠償問題が最も関心を引く。しかし、5年、10
年経つとこの問題は自然に消滅するとみている。だから我々は次の世
帯のことをまず考える。彼らの民族の文化を如何にして伝えるか、歴
史と言葉を如何にして教えるかなどなど。既に今年の10月から伝統
舞踊と韓国語教室を開いている。このような趣旨から考えるとセコリ
ョ新聞は必要なものだ。しかし、地方の声や生活などがほとんど新聞
には載っていないのがとても残念だ。また、韓人団体の分裂と葛藤が
表面化しているが、朴・ヘリョン会長は地域団体の意見を取り入れた
事業計画案を持って、一致団結して事業を進めていくべきだと思う。

金・ソンス(サハリン州韓人会コルサコフ地域会長、64才):韓国語
が少しできるとのことで昨年11月市韓人会の会長に選ばれた。私は
主に離散家族問題や一時母国訪問、1世問題を担当してきた。現在コ
ルサコフには1945年8月15日以前生まれの人が40人近くいる
。「コルサコフ韓人ディアスポラ協会」の黄会長とは親友であり、協
力関係にある。今後も力を合わせやっていきたいと思う。

金・マンヒョン(第1副会長、コルサコフ市議員、48才):私はコル
サコフ出身でイルクーツクの東シベリア内務大学を卒業した後、コル
サコフへ派遣された。93年からコルサコフ消防隊長を勤めている。
文官官僚への転換のために現在太平洋国立経済大学通信科に通ってい
る。我々は次の世帯のことにもっと関心を持つべきだ。以前我々同胞
が犯罪を起こすことはほとんどなかったが、今は犯罪者のグループの
中に必ず1・2人が含まれている。彼らの家庭は比較的裕福な方で家
庭教育の問題が深刻だ。若い世帯の家庭教育は勿論のこと、民族教育
に一層力を入れ、民族的プライドを持って行けるようにするべきだ。
私は小学校3年まで朝鮮学校に通ったお陰で片言の言葉はできるが今
の若者は全然わからない。生後6カ月の孫がいるが、孫が自由に韓国
語を話せるようになってほしい。だから黄会長と共に頑張りたいと思
った。

権・サンヒ(運営委員兼女性会長、50才):私はコルサコフ出身。こ
こで中学校を卒業してから20年間、縫製の仕事をしてきた。ペレス
トロイカ以後、衣類の販売をはじめ、今はカフェと旅館を経営してい
る。会の仕事は夫の勧めではじめた。船舶修理所責任者を務めている
夫に友人が次の世帯のために同胞の生活や文化を向上させる活動をし
ようと誘ったが仕事上、時間を作るのが難しかった夫の代わりに私が
参加することになった。私が会長を務めている女性会には15人ほどの
会員がいる。今年幾つかの大きな行事を行ったがその際、女性会は大
いに貢献した。また、9月の市議員選挙の際も女性会の会員は一生懸
命働き金・マンヒョン同胞が圧倒的勝利を得ることができた。民族舞
踊や韓国語教室の受付や世話も女性会が担当している。大人のために
夜間韓国語教室の運営やセコリョ新聞購読キャンペーン実施なども考
えている。

金・クァンヨン(運営委員、芸術分野担当):私たちは先輩たちがや
ろうとしたことを継続させている。60年初朝鮮学校が廃校になって
から先輩たちは孫たちへの民族教育の場を求めていた。その意思を受
け継いで今後活動していきたい。1世たちの死亡や永住帰国により法
事など民族伝統文化を教える人がいなくなった。伝統を次の世帯に伝
えるのが我々の使命であると思う。

李・チュンスク(運営委員、スポーツ分野と連絡担当):91年から
コルサコフ市のスポーツ学校を指導している。放課後200人がスポ
ーツ教育を受けているが全ロシア選手権で優秀な成績を収めた生徒が
多い。テコンドーなどを通じて若者が民族的プライドを持てるように
するのが目的。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 寒波襲来!と日本列島は寒さに震えている。そんなところへ寒々し
いニュースばかりが・・・。本当に何とかならぬか。

◇小学生が又犠牲に・・・。京都の塾で。防ぎようのない犯罪多発。
それでも庶民は知恵を出し合って防犯に努力。

◇耐震偽装。水曜日に国会で証人喚問。これもおかしい。証人4人を
個別・時間差喚問。この仕組みで誰が得をする。喚問側に問題。高給
とって喚問の「詰めの甘さ」が露見せぬよう。

◇一方でBSE問題。米国産の牛肉輸入解禁。これも誰が得をする?
庶民は自衛に走る。アンケートでは「買わない人」が圧倒的。食の安
全は、政府役人たちの「職の安全」の前に吹っ飛ぶ。
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発行     2005年12月13日   No.238
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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