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タイトル:609studio No.223◆現代時評:[お参りのエチケットと、靖国戦犯と宗教について]  2005/11/01


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【609 Studio 】メール・マガジン・2005/11/1  No.233
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◆現代時評:[お参りのエチケットと、靖国戦犯と宗教について]    ken

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2005年10月28日号
  
◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評:[お参りのエチケットと、靖国戦犯と宗教について]    ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
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◆◆産経新聞 2005.10.18 《A級戦犯》 A、B、Cはランク付け
ではなく、連合国軍総司令部が戦犯選定の際に用いた便宜的な犯罪の
カテゴリーを示す。Aは侵略戦争を遂行した「平和に対する罪」、B
は戦争法規・慣例に違反した「(通常の)戦争犯罪」、Cは民間人に
対する迫害や殲滅(せんめつ)を実行した「人道に対する罪」−だが
、明確な法的根拠はなく、「A級戦犯」の呼称は「通称」にすぎない
。極東国際軍事裁判(東京裁判)では28人が「A級戦犯」として起
訴され、7人が処刑された。靖国神社にはこれに受刑中の死亡者と未
決拘置中の死亡者を合わせた14人が祭られている。

■■「小泉首相がポケットから小銭を取り出して賽銭箱に入れたのが
怪しからん」と、若き野党党首がTVで詰っていた。「日本という国は
天下泰平だなぁ」と思い、ボクは思わず嬉しくなった。

■■その小泉さん、二礼二拍手もせず、手を合わせただけだった。だ
いたい「二礼二拍手一拝」という神様の前での、あらたまった形式は
明治四年の文部省による神道礼拝形式で、違反のための罰則は始めか
ら無かった。 だからいまでも、ご本家の伊勢神宮は八礼拍手、出雲
や宇佐神宮は四拍手で押し通している。まして「賽銭」は習慣に過ぎ
ず、片手でポケットから小銭を取り出そうが、ポチ袋に入れて恭しく
賽銭箱に入れようが、別にナンと言うことは無い。 入ったものはす
べて、早くいえば神主の儲けで、神様がコンビニで買物なさるわけで
はない。 それを、首相の参詣の態度がぞんざいであったと、衆人環
視の前で野党党首が詰るのは、つまりは天下泰平の証拠以外の何物で
も無いと、ボクは受け取った。

■■最近は、百年前に文部省が指定した神道礼拝様式を守ると、「政
教分離」の原則に反するという判決が出るので、「仏様」にお参りす
うように両方の掌をあわせる形式であれば、神道でないと思ってもら
えるような功徳があるらしい。「賽銭」の方は、神社はもちろん、お
寺でも取るし、キリスト教でも「銀のお盆」がまわってくるから、「
政教分離」に無関係らしい。

■■ぼくはもともと、あの政教分離が気に食わない。イラクのシーハ
派・スンニ派や、べネディクタインのような敬虔、かつ厳しい宗教な
らばいざ知らず、日本の神道や、インドネシアやトルコのムスリムな
どは、早く言えば宗教などどうでもいい信者が殆どである。スウェー
デンの友人などに聞くと、「まぁ、教会など、絶えて久しく行ったこ
とが無い。死んだら頼まねばならぬかも知れぬが…」とのことだった。 
時代錯誤の、ある特定のファナテックな宗教国家に科すべきだけの異
常な足枷を、マルチ複合宗教の日本に適用したのが間違いの元ではな
かろうか、とボクは思っている。そもそも「政教分離」という厳しい
掟を日本に適用したのが、すべての間違いのもとである。

■■じゃ、宗教とはいったいナにか。 昔の宗教学者の話では、「教
義と経典と儀式が揃えば『宗教』で、そのうち、一つでも欠ければ『
原始トーテミズム』である、という。「トーテミズム」というのは、
はやく言えば「妖怪変化教」だろう。
 白い蛇を拝む「巳(みー)様」などは、どこにでも転がっている宗
教、もしくは「妖怪変化教」の類だ。教義、経典、儀式があるのとな
いのとで、宗教かどうかを別ける意味は、ボクにとっては未だに解ら
ない。 既成宗教であろうと、新興宗教であろうと、すべては妖怪変
化教の仲間ではないかと、ボクなどは思っている。 だが、ボクは神
社の前で頭を下げ、仏様にはお参りする。 矛盾しているが、それが
人間の心であるとボクは納得している。

■■昔、ハワイに住んでいたころ、おどろおどろしく祭壇を飾り立て
たキリスト教風の小教会(?)へお参りしたことがある。キリスト教
の中にも「妖怪変化教」があるのを、そのとき初めて知った。米国大
統領などが「聖書」の上に手を置いて宣誓するらしいが、あの妖怪変
化教とどこが違うのか、ボクにはいまだに解らない。 小泉さんが靖
国神社で賽銭をあげたかからといって、苦情をいうのなら、無辜の日
本市民を原爆で殺した米軍人達を祀るアーリントン墓地に参る米大統
領についても、もっと糾弾したらどうだ。

■■オーギュスト・コントという大哲学者がいて、もっと合理的な宗
教を創ろうとし、教義は哲学者に、経典は高名な文学者に、そして儀
式は著名な舞台芸術家に頼んで「人類教」という理想的な新宗教をパ
リで発足させたが、あまり流行らず、いまそれはブラジル政府のみが
国教として採用していると聞く。 フランスにおける本山の費用はブ
ラジル政府が毎年、送金しているのみと聞くが、興味のある向きはお
調べ願いたい。 なぜ、アレほど合理的で、完璧(?)にちかい新宗
教が、世間で流行らぬかといえば、「おどろおどろした、不可解なも
の」にこそ人間は惹かれるらしいのだ。人間は合理的だけでは生きて
ゆけないのだ。 それをコントは誤解していた。

■■先日もTVで、「死」ということを知り、それを怖れるのは人間
の頭脳がそういう方向へ進化したからである、と説明していた。 な
るほど、動物は本能的に危険を避けるが、さて「死」を認識し、死後
を極端に恐れるのは人間だけのの特権であり、そしてその不幸な弱点
であるらしい。

■■エピキュロス派哲学のキーワードに『アタラクシア(ataraxia)
』がある。『アタラクシア』とは魂の平穏を意味し、エピキュロスは
、これを至高の状態と解釈し、それが即ち彼の『快楽』であった。そ
してその最大の敵は『死』であった。『死』のことを考えれば不安に
なり、その不安を克服する為に、かれは原子論的自然観を採用した。
 それがデモクリトスの原子論的自然観で、『万物が原子で構成され
ている以上、死もその分解過程にすぎない(=だから怖くない)』と
いう ことになった。だが実際は「死」がおそろしい。それにつけ込
んだのが宗教で、「死んだらみんな極楽へ行ける」と唱えたのが釈迦
であり、親鸞であり、「屍(かばね)に薫れ桜花」の靖国神社であっ
た。 みんな人間の心の弱みにつけ込んだのである。

■■その靖国神社で英霊が生きているとは、小泉さんも思っていない
。 しかし戦死者に対する敬虔な心は、非合理ながら生きた人間の心
の中に強く生きている。これはオーガスト・コントやェピキュロスの
合理精神の埒外のもので、いわば人の情念の範疇に属する。歯に衣着
せずにいえば、宗教は一つの商売にすぎない。とすれば、生きんがた
めの商売の方策として、死んだ人間のこころを誇大に言いたてる必要
がある。 宗教と、精神的詐欺とは同一のものだが、そう言ってしま
えば身もフタも無い。ボクだって神様を拝み、仏さまを信心している
。イトコも祀られている。

■■公明党の党首が、小泉首相の靖国参拝を非難するのも、中国政府
と近い関係にあるからとかナンとか理由をつける評論家も居るが、じ
つのところ、公明党という仏教母体の政党では、おもてむき神道を是
認するわけにはいかず、もしその禁を破れば親分の法王様のお叱りを
頂戴する可能性がじゅうぶんある。なにしろ、いまは反省してっらっ
しゃるらしいが、法王様はかって「王佛冥合のため国立戒壇の建設を
」と大号令をかけた張本人なのだ。 考えてみると、いま神道専門の
皇室も明治の中頃までは京都東山の泉涌寺が檀那寺で、歴代天皇の位
牌も安置されている。天皇ご一家が檀那寺参詣もままならぬ国と言う
のは正常な国とはいえない。

■■もともとわが日本はマルチプル宗教の国柄だから、「政教分離」
などと堅苦しいことを言わずに、イスラムが4人まで妻帯してもいい
ように、日本もいくらでも宗教を持ち、首相も大臣もあちこちの神社
仏閣や教会に参詣してもいいとすればどうだろうか。ただし行政にだ
け特定宗教を優遇しないように、との法律を作ればいいではないか。
 すると将来、クリスチャンの首相が出現して、聖書の上に手をを置
いて宣誓しても、咎目立てしなくていいようになるだろう。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2005年10月28日号 
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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2005年9月24日サハリン韓人協会運営委員会拡大会議にて採択
された韓国・日本政府宛の呼訴文

 運営委員会拡大会議は、両政府がサハリン問題を認識し問題解決の
ための支援や支持に感謝しております。希望と期待を持って無条件的
に早期に、我々の懸案である以下の問題を解決してくれることを要求
します。

1)サハリン1世たちが子供たちを同伴して永住帰国できるようにす
ると共に若い世代の永住帰国と帰国後定着のために、国際法に準じる
実務措置を講じること。

1)残留希望者には一人当たり毎月300ドル以上の生活補償金を至
急すること。

1)韓・日赤十字社及び国際機関のサハリン韓人団体への支援金削減
に反対。

 上の内容はサハリン韓人たちの総意である。両政府の誠意ある検討
を頼みたい。我々は人類の歴史において如何なる時も正義と人道主義
が勝利したことを固く信じる。

文化センター完工遅延

 今月25日のサハリン韓人会常任委員会議で朴・ヘリョン会長は文
化センターのオープン遅延の恐れがあり(12月15日完工予定)、
その責任を日本政府を追及するとのことを明らかにした。また、建設
進行状態などを監視者として建築家の金・ミョンヨルさんを指名した
。また、朴会長は韓人会を含め同胞団体の事務所の文化センターへの
移転はありえないとはっきり述べた。文化センターはオフィスビルで
はないと強調した。韓国で勧められているサハリン同胞永住帰国促進
定着支援特別法案の国会公聴会(11月18日予定)に本人と李・ス
ジン離散家族会長が招待されたと伝えた。

韓国言論財団代表来島

 26日〜28日まで韓国言論財団の鄭・ナムギ理事長とクム・チャ
ンファン次長がサハリンを訪問した。1週間、中国の吉林省やロシア
沿海州の同胞言論機関をみてまわった最後にサハリンを訪問したもの
である。同財団は昨年に続いて今年もセコリョ新聞社への支援を忘れ
なかった。今回は5400ドル相当の機材を支援した。

サハリンオーケストラ訪韓公演

 韓国在外同胞財団と安山市、サハリン韓人協会協賛で、白・スギョ
ン社長の「エストラダ・オーケストラ」が11月3日は安山市立文化
会館で、5日は永住帰国者住宅団地コヒャンマウルで公演をする。

冬時間へ

 10月31日午前3時にロシア全国が時計の針を1時間遅らせ冬時
間へ戻る。

電力喪失36%まで

 今月10日に行われた州政府定期会議で、電力喪失防止対策をめぐ
っての議論がなされた。サハリンエネルギー社によると、電力生産比
電力喪失量が97年11%から2004年36%まで増加した。

あれこれ

「新しい広場設計案提出」
 サハリン州政府によると、マリオト多国籍企業代表がユジノサハリ
ンスク市内に新しい広場と宿泊施設の建設案を州知事に提出した。サ
ヒンセンターとチェーホフセンターの間に噴水のある公園を建設する
と共に、20階建てのビジネスホテルをも建設する計画案である。

「鉄道再建に460億ルーブル投資」
 最近、ある会議でロシア鉄道会社のヴェ・ヤクニン社長がサハリン
鉄道再建について触れたことがわかった。社長は5大鉄道改革案のな
かでサハリン鉄道再建が最も至急であると連邦政府は認識しており4
60億の国家予算が下りる可能性も高いとのべた。インフラの老化に
よる流通量の低下と軌道の幅が狭く物流量に制限があるため地域経済
発展が大きく妨害されていると専門家たちは指摘している。実は20
02年、ロシア運輸省とサハリン州政府間でサハリンの鉄道軌道を1
520mm拡張すると既に決めてある。

「偽札」
 最近、ユジノサハリンスク市で偽の1千ルーブル紙幣で買い物をし
ようとした21歳の女性が警察に捕まったことがわかった。彼女は5
枚の偽札を持っていたが、警察の調べで同居中の男性(26歳)が家
のパソコンを使って偽札をプリントしたことがわかった。彼らは5−
8年間の自由剥奪と財産没収の処罰を受ける。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 タイガースは完敗!でした。もう何も書きたくはありません。

◇チェイニー米副大統領の側近が28日、イラク戦争にかかわる情報
操作に絡んで偽証などの罪で起訴。
 イラク戦争にまつわる話。そういえばわが国の首相もなんかそんな
こと話していた。
 これを追求できないマスコミの悲劇。

◇大阪市もどたばた。なんなんや!あれは。

◇鈴木宗男議員、質問主意書を連発。いずれ劣らぬ・・・。
外務省ももうごまかす術はない!?
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発行     2005年11月1日   No.233
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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