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タイトル:609studio No.231◆現代時評:[阪神電鉄とタイガース]  2005/10/18


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【609 Studio 】メール・マガジン・2005/10/18   No.231
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◆現代時評:[阪神電鉄とタイガース]             ken

◆セコリョ新聞ダイジェスト版:2005年10月14日号
  
◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評:[阪神電鉄とタイガース]   ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 w_m@609studio.com  へ!
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◆◆サンケイWEB 2005.10.12 阪神タイガース上場問題で、牧田
俊洋球団社長と親会社である阪神電鉄経営陣は電鉄本社で12日、村
上ファンドから提案のあったファン投票について検討する会議を開い
た。 電鉄の筆頭株主である村上ファンドを率いる村上世彰(むらか
み・よしあき)氏が11日、電鉄の西川恭爾(にしかわ・きょうじ)
社長とのトップ会談で、球団上場の是非を問う場としてファン投票を
提案したため。電鉄側が実施するかどうかを含めて対応策を協議した。

■■野球のルールも知らず、新聞の株式欄にも縁が無いボクだが、不
思議に阪神には縁があった。 長年、阪神沿線に住み、今は故人とな
った阪神の元役員の数名とも親しかった。 だから、いくらか話も聞
いている。

■■そのうちの一つだが、これは阪神球団ではなく、そのライバル球
団の監督を務め、後にはいわゆる「野球の殿堂」入りもした人(故人)
から聞いた話だ。そのころ阪神は負け続けだった。 「なぜ阪神は弱
いのか」というボクの質問に対する彼の返事は、次ぎの通りであった。

■■「阪神さんがおカネを出さぬからである。巨人がいい例で、カネ
さえ出せば野球は勝つ。 阪神は負けても儲かるから、おカネを出さ
ない。球団といえども商売だから、総ては損得ずくである。」

■■このもと監督、後年、潰れかかった私鉄へ出向し、みごと建てな
おした人だが、こんなことも言っていた。 「球団は、かならずしも
総てがカネではない。 運が悪いと負け続け、毎日まいにち負けて帰
る。初めから負けると解っていても、懸命に戦わなければならない宿
命にある。 もし気を緩めると、観客席から『マジメにやれ』と、怒
号が飛ぶ。 そうなると、監督たるもの血の小便が出る。 ところが
フトした機会に勝つことがある。すると不思議に、あとあと勝ちが続
く。 長らく野球の監督をしていて、そうした苦労を重ねると、他に
どんな困難な仕事を与えられても、野球の監督より楽である。倒産寸
前の私鉄の立て直しなど、野球の監督に比べると簡単なものだ。」

■■中村鋭一という人がいる。 日本初のパーソナリティとして聴取
率の日本記録を数年に渉って保持し、後日、参議院議員にもなった人
だ。 商売柄、話がうまく、負けが続く阪神タイガースの応援を「お
はよう、パーソナリティです」という放送番組でし続け、タイガース
の「六甲颪」の歌を全国に流布させた。 今日の、「負けても勝って
も阪神」という熱狂的ファンを作り上げた大功労者であると、ボクは
思っている。

■■彼は、「ボクは歌が下手です。でも、下手なボクでも大声を張り
上げて毎朝タイガースの歌を歌い続けると、アァ、あのへたくそでも
歌えるのか、と視聴者が安心し、それでみんなが歌ってくれるのです
」と、言っていた。 いまや、「六甲颪し」は誰知らぬ者もない野球
の歌である。村上ファンド氏も、全国のタイガース・ファンも、星野
元監督より先に、中村鋭一氏に、「阪神」が今日あるについて感謝す
べきではなかろうか。

■■タイガースの親会社「阪神電鉄」は明治38年開業。同業の阪急
、京阪両電車より5年古い。もともと神戸三宮、大阪出入橋間の電車
から出発した。地元阪神間、つまり尼崎・西宮・神戸の人々にとって
は、明治・大正のころ、「電車」といえば、「阪神電車」であった。
 市電がない頃の、阪神間の人々は、「阪神電車」をいわゆる「市電
」風に利用していたらしい。 たしかに「市電」らしく、戦前戦後の
阪神電車は、まだあちこちに短距離の支線が付設され、そのうちの幾
つかはいまもなお運転されている。

■■反対に、彼ら阪神間市民たちは、遅れて敷設され、里山を縫って
走る「阪急」のことを「猿だけしか乗らない田舎電車」と軽蔑してい
た。ところが戦後、膨大な宅地開発とともに、奥が深い阪急は路線を
大きく延長した。百貨店のみならず、あらゆる方面の経営規模を急拡
大し、阪急「財閥」とも言われるようになった。つまり、「阪神」と
「阪急」が攻守ところを換えたのである。

■■阪神は大阪湾岸沿いの狭い地域に閉じ込められ、例えば山側の六
甲山を遊園地化するにも、バス路線を運営して、阪急本線を横切らね
ばならぬ状態であった。表向きは「大手私鉄」の一社といわれながら
、結果的に電鉄路線は大阪・神戸間の単行運転に近く、いっときは「
中小私鉄」に転落か、とも見えた。 電鉄経営には、「面の阪急」が
「線の阪神」に勝つのはとうぜんともいえた。 阪神がたった一つ阪
急に勝るものありとすれば、それは甲子園球場だけだった。阪神パー
クも甲子園遊園地も、阪急宝塚公園に遅れをとった。

■■阪急に比べ、すべてに消極的だった「阪神」はホテル業でも遅れ
をとった。阪急の新阪急ホテルチェーンに対して、阪神は「ホテル阪
神」しか持っていなかった。「うちは、いわばビジネス・ホテルに過
ぎないので」と、当時のホテル阪神社長は、口癖のように言っていた
。 もちろん、その頃はまだカールトン・ホテルも来ていなかった。

■■それに阪急は、ターミナル百貨店の嚆矢としての「阪急百貨店」
が華々しかったに対し、阪神は元「阪神マート」と称した小規模店舗
のままで、その面でも出足が遅れた。そしてようやく百貨店の体裁を
整えたころ、例の大丸の大阪駅ビル進出が決まり、JR大阪駅前にお
ける阪急、阪神、大丸の、3百貨店の決戦が浪花の噂の種になった。

■■ときの阪神デパートのボスはすぐれた経営者であった。が、「も
う自分では勝ち目が無い」と見きりをつけ、当時、大正生まれだった
役員を総道連れにして辞職し、後をすべて昭和生れの若い役員連中に
任せた。ところがこれが成功し、若い経営者達のアイデアと、奮迅の
働きにより、三つ巴の百貨店戦争に勝利をおさめた。予想外の出来事
であった。「あれなら、何も辞職しなくてもよかったのに」と、のち
のちまでボクは、そのとき辞職した友人を揶揄した。

■■というようなことで、阪神電鉄は何かにつけて積極性に欠けた。
そばで眺めているボクが、歯がゆいくらいであった。ところが、それ
がバブル崩壊のときに幸いした。過剰投資は寸毫も無く、被害皆無と
いう状態だった。 今回、村上ファンド氏が言うところの優良資産は
その結果として保たれたのであった。 それに反して、ライバル阪急
電鉄は、積極経営と、過剰投資で「粉飾決算に近い」との評判まで耳
にする。まさか、とは思うが。

■■村上ファンド氏は、TVで見る限りなかなか俊敏で、わが国資本
家中の、将来のホープに見える。 が、たといいま、阪神電鉄が投資
超優良株であるとしても、その今日あるのは、村上氏とぜんぜん違っ
た経営方法を採用して来たからに他ならない。 隠退蔵した不動産が
値上がりし、長年下位に喘いできたタイガースが、何かの拍子に芽が
出ただけではないのか。

■■球団の持ち株会社化案も面白く、阪神電鉄の遊休資産有効利用も
結構なことである。 それで投資利潤を得ようとする村上氏の現代人
的発想にも敬意を表したい。 ところが再考したいのは、彼ら若きエ
ースたちの主張する積極的経営というのが、はたしてどの程度の比率
で、うまく事が運ぶかということである。

■■国家であろうが、私企業であろうが、いままで超積極的にやって
きた国々、あるいは企業たちは、いま、多くが世状の様(さま)変わ
りに喘いでいる。 その代表が、国でいえば米国であり、企業でいえ
ば西武鉄道である、とボクは思っている。 その辺りを、世間の識者
たちはいったいどう考えているのであろうか。 小泉総理や、竹中国
務相や、それに村上世彰などは…・。

■■昔見た新聞の広告に、プレイ中の野球選手の大きな写真を真中に
配して「結局はエラーの少ないヤツが勝つ」というのがあった。いっ
とき、ボクはそれを切りぬいて、自分の机の前に貼っていたことがあ
る。考えるに、阪神という会社は、少なくとも戦後60年、つねにそ
うしたモットーで企業を経営し、それで成功をおさめて来たのでは無
かったろうか。 同業他社が華々しく事業を拡大するなか、自社のみ
が自制、つまり節度を守るというのは、常人に出来る技ではない。

■■温厚篤実、派手さが微塵もなかった故野田誠三氏に長年率いられ
た阪神電鉄は、そういった社風の会社であり、今のような「争い」を
つねとする産業社会とはぜんぜん異質の存在であった。それが、とつ
ぜんにファンド、あるいは「ハゲタカ」と呼ばれる新経済グループの
標的になった。「自社の持つ資産を有効に遣わないのは、株主への怠
慢である」と、ハゲタカたちは自己弁護する。 そうかも知れない。 

■■が、「争い」のないことを経営の信条にして成功している有名企
業は、大阪にはとくに多い。 そうした会社の経営者の殆どは、昔の
「修身の教科書」から出て来たような人格者ばかりで、ボクはつねず
ね尊敬してきた。彼ら人格者が怠慢であったのか、はたまた時代の流
れに遅れたのか。ボクにはその辺が解らない。 

■■ただ謂えることは、株式上場というのは、交通信号でいえば「黄
色」である。瞬間に「赤信号」に変わる可能性があり、そのときは人
を轢いても罰せられない、と思っている青年も世の中には居るという
ことへの認識が、彼らマジメな経営者間には薄かったのではないか。
 経営者の、時代に対する適応性の問題かも知れない。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2005年10月14日号 
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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北朝鮮、ロシアと経済協力協定書調印

 北朝鮮通商部副部長の金・ヨンゼ国際貿易協力委員会長が率いる代
表団(通商部職員たちと駐ナホトカ北朝鮮総領事館領事など)が、北
朝鮮とサハリン州との貿易経済協力共同実務部立ち上げの協定書調印
のため、10月4・5日の2日間、ロシア、サハリン州ユジノサハリ
ンスク市を訪問した。
 訪問の初日、代表団はサハリン州国際対外経済地域間連絡委員会の
ヴェ・ルカヴェツ委員長と会見、協議の上、翌5日、協定書に調印し
た。金副部長は「ロシアとの友好関係は両国首脳たちの努力により発
展してきた。しかし、経済関係は政治関係ほど発展しなかった。今回
の共同実務部の立ち上げで地域間の経済関係は大いに発展するであろ
う」と期待を表明した。
 サハリン州統計資料によると、2004年初め、北朝鮮はサハリン
州に200万ドルを投資したのを最後に北朝鮮からの投資はなかった
。現在、北朝鮮からはサハリン州の建設農業分野へ労働者を派遣して
いる(2003年492人、2004年551人)。

新市長と市議員の就任式

 10日、ユジノサハリンスク市の新市長と20人市議員たちの就任
式が行われた。就任式の後に行われた議会議長と副議長の秘密投票選
出でパヴェルアルボロフ議員が議長に、エル・クルスンカヤ議員とヴ
ェ・ドラグノフ議員が副議長に選ばれた。また、ヴェ・ロベイ議員が
定員外副議長に選出された。

プリコフスキ極東大統領代表の訪朝

 北朝鮮の金・正一委員長の招待を受け北朝鮮を訪問したプリコフス
キ極東大統領代表は9日、金委員長のピョンヤン邸宅「デドン戸」に
迎えられた。今回の訪問目的はロシアと北朝鮮の経済協力と6者核会
談の結果について審議するためであると大統領代表報道官が伝えた。

全ロシア・インテリたちのデモ

 12日は全ロシア教員が各地でデモを起こした。同日ユジノサハリ
ンスク市庁広場にはドリンスクやコルサコフ、アニワ、ネベリスクな
ど近隣地域から学校や幼稚園の授業を休んで教師たちがデモに参加し
た。また、安い給料と賃金滞納に苦しんでいる医師や文化機関県連職
員たちもデモ隊に加担し約2千人が集まった。ホルムスクやノグリキ
でも同じデモが行われた。ユジノサハリンスク市議会議員たちがサハ
リンインテリたちの運動を支持した。

安山市代表がサハリン訪問

 さる6−10日間、安山市の国際通商担当職員と永住帰国者センタ
ー所長2人が、姉妹提携を結んでいるホルムスク市へのパソコン搬入
とクルトイセンターの安山公演の下準備のためにサハリンを訪問した
。安山市はホルムスク市の学校に多くのパソコンを寄贈しようとして
いるが、税関通過など受け入れ側の問題で事業が行き詰まっている。

韓国医療奉仕団が320人無料治療

 韓国の「国境なき医師団」所属の歯科医師たち16人が8月末5日
間コルサコフで無料医療奉仕を行った。同団体は中国やベトナム、そ
してウラジオストクでも奉仕活動をしたことのあり、今回のコルサコ
フで奉仕活動はコルサコフ韓人会長黄・チョルクァンさんがリード役
を勤めているコルサコフ韓人ビジネス団体が招待して成立した。コル
サコフ市長は奉仕団の医療活動を大いに歓迎し積極的協力した。16
0人を予定していたが市民たちの長い列で医療団は朝から夜まで休む
まもなく予定の2倍に達する人々を治療した。最後の日、コルサコフ
市長は奉仕団に感謝状で感謝の意を伝えた。治療を受けた市民たちは
今も感謝している。       (コルサコフのオ・クニャセワ)
 
住民世論―新市長と議員たちへの期待

 「新しい市長と議員たちにどのような期待をしているか」を一部住
民に尋ねた。

成・チョンモ(75歳、年金生活者、サハリン州韓人会顧問):私が
支持した人が市長になれて嬉しい。彼とは20年余りのお付き合いだ
が、約束を守る人で活動的な人だ。現在我々には社会経済の懸案を積
極的に解決していく若い主人を必要としている。私はいい変化を期待
している。社会や青少年問題などで特に新市長は大きい成果を達成で
きると思う。また、市議員たちは市予算実行をよくやってくれること
を期待する。

李・ミハイル(54歳、事務員):何も期待していない。私の考えで
は上がちゃんとしないと何の効果もないと思う。

金・ナタリヤ(39歳、事務員):実は私は投票もしていない。何回
も失望しているから。以前の人たち皆が国民の期待を裏切った。新市
長が州政府と喧嘩せず協力するのなら都市は発展すると思う。都市の
新主人たちにあまり期待はしないが、彼らが国民の要望を聞いてくれ
るなら市の展望は明るいでしょう。私はきれいで美しい都市で暮らし
たい。新しい人たちにぜひともこれをお願いしたい。

朴・マクシム(27歳、会社員):こんなことには関心がない。ただ
し、都市がきれいになってほしい。

金・イリナ(33歳、主婦):選挙キャンペーンのときの約束を当選
後に守る人をほとんどみていない。だから私たちの失望感は大きい。
期待することはいつも同じ。市政府と議会が一般住民たちのために努
力し社会保障分野にもっと関心を向け生活水準をあげてくれること。
また、美しくてきれいな都市に住みたい。

鄭・ビョンヒ(47歳、運転手):あまり期待しない。ただ新市長と
州知事が仲良く協力しながら仕事してほしい。そうすると少しでも多
くの予算をもらえることができる。正直に言うと投票場にも行かなか
った。支持する候補がいないから。新しい人たちが市民たちの要請を
ちゃんと実行に移すかどうかみてみたい。

リ・キョンザ(45歳、看護士):都市がきれいになることを期待す
る。今回投票場に行っていないが新市長を支持していた。道路標識や
信号などの整備もお願いしたい。

金・アレクサンドル(40歳、労働者):何も期待しない。政府を信
じないから。新しい人たちの登場で急に国民たちの生活水準が改善さ
れるとは期待しない。

片山通夫写真集紹介
「私を迎える彼らの眼」

 初めて降り立った薄暗い空港待合室。私を黙って見つめる眼。冷た
い空気が私の身体を吹き抜けた。季節がそう感じさせたのではない。
眼なのだ。私を見つめる眼。初めて経験したその眼。あれから多くの
人に出会った。多くの眼に見つめられてきた。カメラの前で泣く人、
何も言わずにカメラをじっと見つめる人、決してカメラを見ないで怒
る人、カメラに向かって叫ぶ人・・・。サハリンの朝鮮人たちが心を
開いてくれるまでは時間がかかる。私は最初からそれを覚悟していた
。しかし、彼らととても仲良くなった今も「これでいいのかしら」と
いう疑問が残る。「だったの5年で何かわかる?」と彼らの目が言っ
ているような気がする。撮影が進むにつれて、また彼らのことをわか
ればわかるほど感動と共に戸惑う私を発見した。苦心のすえサハリン
残留を決心したある老人が私にこういった。「多くの人が取材のため
に尋ねてきた。しかしそれきりだ。片山さん、あなたまでも私たちを
見捨てるのでは。私たちがここにこうやって生きているのに・・・」
。私は撮影をしながら忘れてはいけない日本歴史の一面を感じ取った
。この写真集をみる方たちもそれを感じてくれるのなら幸いに思う。
サハリン取材に協力してくれた多くの方々にこの写真集を捧げる。
       片山通夫写真集「サハリン」より 2005.9
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 ついにというか、やはりというか、小泉首相が今日17日午前に、靖
国神社へ。中国や韓国の反応はともかくとして、国内の50%にも上る
反対を押し切って・・・。
 それにしても、近隣諸国への配慮も不足。個人の心の問題は重要だが
オペラ鑑賞と同じにはなるまい。

◇中国の宇宙船「神舟6号」が帰還。国威発揚もいいけど、民主化の波
は?

◇関大阪市長が辞任、再出馬の予定。禊を済ませる腹。小泉劇場の大阪
版。

◇タイガースの上場発言に、百花繚乱。
 阪神電鉄かと思えば続いてTBS。雇われ重役に悲哀は昔あった映画「三
等重役」さながら・・・。
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発行     2005年10月18日   No.231
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
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