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◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇ 2005/2/22 No.202 【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ トに論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト 版、その他、寄稿記事など話題満載! 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いた日本国政への理想とは違う方向へ行ってしまった。 ボクは、現 在の投票による政治家選出制度に疑問を持つ者の一人である。 ■■先般、田舎の演説で森元首相が「「まだ決めていない人が40% ぐらいある。そのまま(選挙に)関心がないといって寝てしまってく れれば、それでいいが、そうはいかない」と言ったと報道され、怪し からんといって大騒ぎになったことがある。その式で言えば、ボクが 選挙に行かぬのも非国民になるだろう。 しかしボクとすれば、誰も が選挙に行く権利もあれば、行かない自由だってあるハズと言いたい。 ■■ここで白状するが、ボクはなぜ国会議員選挙の投票に行かぬかと いうと、たいていの場合、選挙結果が予測されていて、それでいいと 考えたからであった。自民も民主も、公明も共産も、はたまた社民党 にしても、それぞれ長短があり、議席数比例も、その時々の状況では ほぼ適当であり、仮にボクが心ならずも特定の政党に投票するならば 、結果としてボクの意図に反すると思ったからであった。要するに、 ボクの「棄権」はボクの「よき意見表明」でもあるのだ。 森元首相のいう「決めかねている人は、選挙に行かずに寝ていてく れればいい」というのを、ボクは地で行っているワケである。 「必ず投票にゆけ」とか、「イエスかノーをはっきりと意見表明し てくれ」とかの強要は、必ずしも民主的とも考えられず、良識ある行 為とも言えないのである。 ■■そうした見解の上でEU憲法を考えて見る。 元来、英国には「 憲法」がない。まぁその代わりといったらナンだが、昔から「慣習法 」と言う都合のいいものが存在するから、要は「憲法とはナニか」と いう憲法概念の問題に過ぎない。それが大陸法(成文法)、つまり独仏 とか、その流れを汲む日本などでは、「憲法という法律」類似品がすべ ての分野に渉って存在し、ときとしてそれが独り歩きし、憲法が無い など考えられない社会になっている。 ■■ところが英国の現状では、EU憲法採択について、「どっちでも いい」派が50%。 残りの50%は、採択賛成が10%程度で、「 わからぬ」派が20%とということらしい。 いままで自国に存在し なかった「憲法」なるものを、仮にも10%内外の英国民がEUにお いて採択賛成というのだが、この人たちは、はたして自分たち英国に も条文になった憲法が必要と考えているのであろうか。 その辺りが ボクにとって不可解なところである。 ■■ネット検索で探ってみると、憲法のあり方論議にもいろいろある らしい。「改憲」とか「違憲」とか言うのは憲法第9条「「自衛権」 に関連するもので、「廃憲」とか「現憲法は無効」とかいう人達は、 現行憲法そのものが要らないという主張であるようだ。 しからばE U憲法に対する英国人の見解はどうなのか。 統計では、彼らのうち 半数以上はどうやら「憲法はあってもなくても、どうでもいい」らし い。 そしてじつはボクもそう思っている。 ■■そもそもものごとを「二者択一、どちらを採るか」の方法は、現 実に際して問題が多い。 じっさいの世の中では、「どちらでもいい 」といった風な場合が多く、だから、イエスかノーの投票でも、イエ スでもなくノーでもない「棄権」もしくは「白紙投票」が、暗黙の内 に認められている。 悪く言えば「成行き任せ」だが、英国18世紀以後の植民地統治に 採用し成功した「レ・セ・フェル」という方法がこれに該当する。地 球上ほぼすべてに存在した植民地を手放すにあたっても、英国は同じ くこの方法を採用した。そして結果的に何のトラブルもなく平穏裏に すべての植民地解放を為し遂げた。「成行き任せ」は、実務的にトラ ブルが少ない効率的な方法であったと、後になって考えられている。 ■■今回のEU憲法採用にあたっても、英国民の過半は「どちらでも いい」、つまり「レ・セ・フェル」でいこうとしているかに見える。 フランスのシラク氏などにして見れば、歯がゆい話かも知れぬが、当 の英国ではこれが当たり前、かつ安全なEU連邦への参加方法なのか もしれない。 換言すれば、「レ・セ・フェル」の成行き任せは、じつは「成行き任 せ」でなくて、「成行き(circumstances)」つまり「時代の趨勢」 を利用しようとする狡猾な方法に過ぎず、その「成行き」が予測の外 に動いたばあい、「われわれはそれを承諾した覚えは無い」と逃げ口 上が打てる、という利便性がある。 「EU憲法」も、日本の「改憲 論」なども、現在、そうしたファジーな過程にあるのでは無かろうか。 ■■スペインの、EU憲法についての国民投票集会にドイツ、イタリ アの両首相が欠席したのも、いまさらEU憲法など不用に近いと、両 者が解したからではないかと邪推しても大きく外れてはいない。 憲法などという古めかしい形式を採らずとも、EU閣僚理事会の事 務規定だけでじゅうぶんであり、現にいまもそれだけでEUはじゅう ぶん作動しているのだ。 あっても無くてもいい「EU憲法」、それ をいまさら造ろうというアイデアは、フランスのシラク大統領あたり の荘重主義(?)が原因ではなろうか。 ■■ところでなぜか、今の世の中、不用のものが多い。 その代表例 がわが「参議院」だろう。二院制がよいと思われた時代もあったが、 現状における参議院の存在などは無価値に近く、コスト高である。 「外務省」という役所も無くても困らぬ存在だし、文部科学省もそれ に近い。社会保険庁などは解体論も出ている。 「憲法」というご大層な法律、いやコンスティチュ―ションも、じつ は無くてもいいものかもしれない。あればあるで、違憲か合憲かを判 断する、いわゆる「憲法裁判所」が必要との議論が出ている。 フランスやドイツには憲法裁判所があるが、既述のように英国では 「憲法」そのものが無いのだから、憲法裁判所がないのはとうぜんで ある。 その点、日本では「内閣法制局」が、実質的にその代行をし ているとの説がある。 ■■もともと憲法とは、各種法律の上部に位置する、国家の成立ちに ついての基本理念を示すもので、日本の場合は「国体」という言葉が 適切であるとの説まである。 とすれば、それは聖徳太子の「十七条 の憲法」と似たような道徳目、もしくは「綱領」であると謂えなくも ない。それを、ときの社会情勢に合わせ、あるいは国際政治の都合で 、「改憲」する、あるいは「しない」の議論が起こるようでは、高邁 なる「道徳目、綱領」からだいぶ離れた実態にある、と言わねばなら ない。じじつ、「廃憲」を唱える人々の多くは、素人ではなく、ある 程度憲法を勉強した「憲法学者」である場合が多い。 ■■「憲法改正」も、さてやるとなると問題だ。96条の改正条項を 見ればそれが判る。「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」で、国 会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。 この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投 票において、その過半数の賛成を必要とする」と書いてある。 このような状況をクリアする政治状況とは、議会を一党が過半数を 大きく超えて支配して、さらに世論を強力に操作できるような状態で あり、戦時内閣か、または一党独裁体制でしかあり得ないだろう。つ まりわが日本が、北朝鮮のような国になったとき、はじめて憲法改正 がスムースに実現するのである。 スイスのように、すでに140回も憲法改正した国とはちがうのだ。 ■■だからこの際、憲法も含めて、いままでの惰性で造られた各種不 用に近いと思われる役所や法規などは、すべて一挙に無くしてしまう くらいな「行政改革(?)」が必要であろう。 そのばあい、「憲法」に代わるべき国家理念の表現や、社会的な価値 基準・規範の表現などはどうするか。 ずばり言えば旧「教育勅語」 のような読み下し文にし、法律じみた条文の羅列などはやめることで ある。 現憲法にあるような「手続き」や「手段」は別の法律にすれば よい。 そうすれば、例えばいま問題の「戦争放棄」や「自衛権」など は、昔の教育勅語の通り、「一旦緩急あれば義勇公に報じ…」でじゅ うぶんで、運用は、その都度臨機の行動を議会で決定すればよい。 EUにしろ日本にしろ、繁文縟礼の「憲法」などは、いまどき時代 の遺物であると考えていい。 ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2005年2月18日号未着 発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang ◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com ───────────────────────────────── ご迷惑をおかけします。 セコリョ新聞日本語版がまだソウルから届いておりません。 届き次第お送りいたします。 ───────────────────────────────── ◆ 現代語感:[戦後60年その7 警察予備隊] MK ───────────────────────────────── 朝鮮戦争にさいし,米国は韓国支援のため,直ちに,日本占領中の 極東海空軍,続いて地上兵力のほとんどすべてを韓国へ出撃させた。 そのため,日本の治安を懸念したマッカーサー元帥は,吉田首相にあ て,国内警察力と海上警備力の強化を促す書翰を送った。「日本政府 に対し,7万5千人の国家警察予備隊の創設と,海上保安庁定員8千 人の増加のために必要な措置をとることを許可する。」とある。 このように冷戦時代突入、朝鮮戦争勃発の副産物として、現在の自 衛隊の前身、警察予備隊が生まれた。この時点では、あくまで「国内 の治安維持」が目的だったが、警察予備隊は保安隊と名前を変えて、 再軍備への道を歩むことになる。 そして保安隊は自衛隊となって、「不安定の弧」を守るために、ブ ッシュ政権が進めている米軍再編に絡む「世界の中の日米安保体制」 に組み込まれようとしている。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から] Michio Katayama ───────────────────────────────── 「サハリンからの手紙」が好評です。ナターシャの友人たちも書い てくれるようです。楽しみにしましょう。 ◆ブッシュ大統領が訪欧。会見で「イランに対して武力行使は・・・」 歯切れの悪い言い方。訪欧の結果次第? ◆又大阪の小学校で惨事。いったい何が起こっている、この社会。 ◆中国の王家瑞・共産党対外連絡部長は19日午前、ピョンヤン訪問。 中国頼みの世界。ますます大きくなる中国の発言力。 まさか出来レースじゃあるまい。 ◆金正日氏はロシアと中国頼みの二股天秤。イラクと違って「地理的 条件」がブッシュ大統領にとっては悪すぎる。 ◆そのブッシュ大統領が頭を悩ますのは「イラクからの引き際」。 イスラム教シーア派が選挙で多数を占めたが、その背後にイランの影。 フセイン大統領も最も注意した国内で65%以上を占めるシーア派。 フセイン政権を崩壊させたブッシュ大統領も思惑が違ってくる可能性 大。 ───────────────────────────────── 発行 2005年2月22日 No.202 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 Macky! 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