609studio　No.195◆現代時評:[正月とメリ－クリスマス] 　 2005/01/04

メルマガ：片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル：609studio　No.195◆現代時評:[正月とメリ－クリスマス] 　 2005/01/04

───────◇◆◇609 Studio　メール・マガジン◇◆◇────── 　　　　　　　　　　　　　　2005/1/4　No.195 【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る！」をコンセプトに論説委員Ｋｅｎ氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記事など話題満載！　 URL ⇒ 　http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 　　　　　　　　　　◆６０９ｓｔｕｄｉｏから◆ 　　　　　　　　　あけましておめでとうございます。　　　　　　　　　本年もよろしくお願い申し上げます。 ◇ウェブログ「サハリンからの手紙」を新設しました。編集部に　　届いたサハリンからの手紙を読むことができます。　　サハリンの今が透けて見えます。　　　　　　　　　　http://609studio.cocolog-nifty.com/ ◇サハリンの韓国語放送の２００４年８月１５日放送プログラム　　をＵＰしました。放送開始番組です。　　http://www.609studio.com/html/broadcasting/onair.html　　◇ユジノサハリンスクでの展覧会会場スナップ写真は以下に掲載　　しました。　　　　　　　http://www.609studio.com/html/news-2 ───────────◆◆◆ＩＮＤＥＸ◆◆◆─────────── ◆現代時評:[正月とメリ－クリスマス] 　　　　　　 ken ◆セコリョ新聞ダイジェスト版：２００４年１２月３１日号 ◆寄稿　[サハリン悲歌　　第四章　１]　　　　　　金　里博 ◆編集長から：[この１週間] ───────────────────────────────── ◆現代時評：[正月とメリ－クリスマス] 　　　　　 ken 　　　Ｋｅｎ氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは　　　　　　info@609studio.com 　へ！ ───────────────────────────────── ◆◆アサヒコム　2004.12.25　「メリークリスマス」に代わって「ハッピーホリデーズ（幸せな休日を）」――。特定の宗教を明示しないあいさつが、米国内で目立つようになった。１２月には、ユダヤ教徒やアフリカ系米国人の休日もあり、クリスマスだけを祝うのは「政治的公正」に反するとの風潮が年々強まっているためだ。キリスト教右派からは「クリスマスに対する差別だ」と反発する動きも出ている。 (中略)　別のデパート「メーシーズ」は、一部のチェーン店で「メリークリスマス」を「シーズンズ・グリーティング（季節のごあいさつ）」に改めたところ、キリスト教団体から不買運動を起こされた。 ◆◆この年末、ボクのところへ外国から来たクリスマス・カードの大半は「ハッピー・ホリデーズ」となっていて、「メリー・クリスマス」は少数だった。意外というか、とつぜんの変わりようにいささか驚いている。米国からだけでなく、ヨーロッパ・カトリック圏からの賀状も多くは「ハッピー・ホリデーズ」、もしくは「ピース云々」になっている。　何者かが示しあわせたのではないかと、邪推している。こうした方面にも、世界的な、隠れたオピニオン・リーダーが存在するのであろうか。 ■■こちらから出す分については数年前から「シーズンス・グリーティング」、つまり「季節のお祝い」にしていた。　クリスマスであろうと、お正月であろうと、あとさき１週間も隔てず、どちらも寒い冬の入口だから、ほんとうは「寒中御見舞」と書くべきだろう。 ■■われわれ日本人としては、語呂もよく、きまりのいい１月１日の正月を祝えばよいと思うが、多くのキリスト教国ではなぜか正月に重きを置かず、イエス様のご親戚のようなセント・ニコラウスがプレゼントを持ってくるという１２月２５日をクリスマスと称し、正月以上に最大のお祝い日にしている。　考えてみると、われわれ日本人にとってクリスマスと正月の大きな違いは、前者が「神様ご不在の忘年会」で、後者がとし始めの「新年宴会」である程度だ。 ■■もっとも、１月１日が正月、つまり「とし始めの日」というわれわれの解釈もいささか疑問が無いわけではない。　昔、ボクが若かったころ、取引先のユダヤ人がある残暑の日に「ハロー、ハッピー・ニユーイヤー」と、素っ頓狂な声で電話してきた記憶がある。　ユダヤ暦の正月は９月上旬とそのとき知ったわけだが、旧約聖書レビ記では７月１日を正月として祝え、ということにもなっているそうで、正月にも数種類あるらしい。　そしていずれにせよ、ユダヤ人の間では１２月２５日のクリスマスを祝うつもりはもうとう無いようである。　そのクリスマスが２５日というのも、おおぜいのキリスト教徒の間では異論・異習慣があるという。　昔、ボクの親しかったオランダの取引先がこんなことを言っていた、「オランダでは、ドイツと較べてクリスマスが１週間ほど早く、うまくいくとクリスマス・セールを二度やれる。オランダのアムステルダムで、毎年１２月５日のセント・ニコラス降誕祭、つまりオランダ流クリスマスの日のセールスを済ませ、その夜のうちに残品をトラックに積んで２時間ほど走り、ドイツ国境を越えたアーヘンの街に移動し、そこで２５日のドイツのクリスマス・セールの間に合わせる」と。　　アーヘンは国境を越えたドイツ側の最初の街で、有名なカール大帝の神聖ローマ帝国の都があった古くて有名な大都会である。お土産を担いで煙突から入ってくるクリスマスの髭の聖人（？）の、もともとのお名前をセント・ニコラウスと呼ぶらしいが、そのお方が１２月５日に現われるのか、それとも２４日の夜にいらっしゃるのか、異教徒であるボクには分からない。 ■■クリスマスにもいく通りか違う日があるように、正月の１月１日も１日だけでないのは、すでに我々が知っている通りである。　われわれ日本の正月は太陽暦の１月１日、そして香港や台湾などで祝うのが太陰暦の１月１日で、その間、約１ヶ月ほどの開きがある。日本でも、地方へ行けばいまなお旧暦の正月を祝うところが多く、新暦で祝うのはどちらかと言えば都会だけ、と言う感じもなくは無い。　四国４県がその典型的な例である。 ■■わが国は明治５年にそれまでの旧暦を改めて新暦を採用した。　つまり「明治５年１２月２日」の翌日をもって新暦の「明治６年１月１日」と定めた。　だから明治５年には１２月中の日が殆どなかった。ことほど左様に、正月などいつ決めてもいいのだ。新暦は、太陽暦と呼ばれ、グレゴリオ暦である。ユリウス暦を少々手直ししたものである。 ■■もっともこのグレゴリオ太陽暦、われわれが思うほどキチットしたものではない。　エジプトはナイル河の氾濫速度に合わせた、いわばエジプト農業に適した暦法である。だから、最近のように日本本土が亜熱帯圏入りしてくると、昔の旧暦の方が日本農業にとって都合がいいと言われ出す。 ■■だから、２５日のクリスマスはもちろん、いまの１月１日のお正月も確固としてこれが絶対正しい、と言えるほどのものではない。今年のクリスマス・カードのように、目くじら立てて「メリー・クリスマス」がいいか、あるいは「ハッピー・ホリデー」がいいかなどを論ずる必要などさらさら無いのだ。　単なる「遊び行事日」、つまり古い言葉で言えば「紋日」でいいのである。　 ■■さらに、この年末から正月３ヶ日までの間をロング・ホリデーとして長期に休む習慣がまだ定着していないわが国などで、「ハッピー・ホリデーおめでとう」の賀詞（祝い言葉）が適切かどうかなど、たぶんに疑問である。　ボクなど子供のころ、「正月３日に盆２日、祭り１日、こと日中（ひなか）」という流布された言葉があった。　つまり、正月は３日間、お盆は２日間の休みで、祭りの休みは１日だけ。そして何かの慶事にはチョット半日だけ休む、という習慣のことだ。　農事の合間にある休日などは、村の区長が決めて、それをその都度、通達していた。　「日曜が休日」などが定着したのはずっと後のことである。 ■■幕末、米人ハリスが伊豆の下田で領事館を開いたとき、定期的に仕事を休んで馬の遠乗りなどしていたらしい。ところがその休日が５日おきでも１０日置きでもないので、どのように休日を定めているのか判らない、と近所の人々は不思議がっていたそうである。１週間が７日で、そのうちの日曜が休日という制度など、日本人にとっては考えの外であった。 ■■この年末は、中越における大震災。そして数万人の死者をだしたスマトラ沖大地震と津波が続く。目出度い正月などと言うのは憚られる、というのがわが国民の大多数の、いまの心境であろう。しかしクリスマスは、少なくとも欧米キリスト教圏ではかならずやってくる。　２０日に年末最後の記者会見をしたブッシュ大統領は、「メリークリスマス」ではなく、「ハッピーホリデーズ」でスピーチを締めくくった、という。翌日にその理由を問われたホワイトハウスの報道官は「この国は、各人が自分の選択に従って自由に信仰できることを大事にする国だ」と述べ、マイノリティー（少数派）に配慮したスピーチであることを認めたそうである。そしてそのマイノリティに対しては、ホワイトハウス前の巨大なツリーだけでなく、ユダヤ教の「ハヌカの大燭台」を共に飾ったというから、マイノリティ中でも気を遣うべきはユダヤ人、ということであったろうか。 ■■さて他国はともあれ、われわれ日本人の「正月」に就いてである。　「元旦や　冥土の旅の１里塚」という川柳も無いではないが、少しは、より幸せで積極的な元旦というものを考えてみたい。　われわれは古来、「元旦」そのものを文句無く目出度い日としてきた。あまり目出度いと思いたくない人でも、「目出度さも　中くらいなりおらが春」であった。　その日ばかりは借金取りも来ないし、いがみ合いも無い。その昔、ベトナム戦争のとき、クリスマス休戦というのがあったが、あれなど、わが国では太古の昔から実践していて、珍しい話ではない。元旦、その日ばかりは「春うらら」で、「若やぎ水を汲み」そめる慣わしとなっていた。　つまり、前日までのあらゆる不幸や「怨みつらみ」を、目出度い水ですべて洗い流して、心機一点、初心に返るのが正月なのである。 ■■この旧く濁ったものをすべて水に流すのは日本人の特技、いや美徳である。　最近の靖国問題でもクローズ・アップされたように、人は死ねばすべて神になり、仏になる。　旧い恩讐を越え、過去のしがらみをすべて水に流す。それが日本人の知恵であり、そうした吉祥、けじめの最大で特別の日が「元旦」である。　われわれ日本人は、昔から意識せず自然に、正月元旦とはそのようなものであるという認識を身につけてきた。　 ■■が、振りかえってよその争う国々を見るとそうでもないらしい。遺恨百年、いや遺恨千年、怨みつらみを忘れずに、呪い戦う習慣のある国家・社会が意外に多い。　贖罪と反省をスローガンにして、争いをなお繰返す人々が不思議に多い。　お気の毒としかいいようが無い。　そうした人々はわれわれ日本人を、反省しない怪しからぬ国と非難する。　しかし翻って考えてみるに、反省と贖罪だけが、はたして当事者達の将来を幸せにする唯一の方法であろうか。再考の必要がありそうだ。 ■■その点、日本の正月というのは、怨みつらみをその日限り、または少なくともその日だけは水に流すという長年の習慣にしてきた。これは立派な伝統的習慣と、ボクは考える。怨念をさらりと捨て水に流す習慣、われわれはそうした日本の伝統的習慣でもって、原爆を落したアメリカを赦し、さらには同盟国として世界の平和にいま貢献している。　ところが往々にして、そのような日本人の美徳とも言うべき性向を、無反省で怪しからぬ態度として非難する向きがないでもない。　それに一理が無いわけではない。　けれども過去の過ちや怨恨を述べたてるばかりが、関係者間の次ぎの時代を幸せにする方法とは限らない。　むしろ過去の怨念を忘れないゆえに、更なる争いを招いている可能性がないだろうか。 ■■それよりも、われわれ日本人が持つ、過去の怨念をいとも簡単に水に流し、争いを起こさない性向を、改めていま平和的手法として見なおすほうが、次ぎの時代の静謐により効果的であると、ボクなどは思う。　そのためには、昔から目出度い出発の日と決めている正月などは、お互いが「おめでとう」と声高く祝い合い、そしてそれを立派な伝統としてより強固にしていこうではないか。　おそらく、世界の平和はそこからやってくるだろう。 ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]　２００４年１２月３１日号発行　ユジノサハリンスク市　翻訳　Kil　Sang ◇詳細/写真、記事、は関連Webへ →　http://www.609studio.com ───────────────────────────────── モスクワのインテルファクス通信とサハリン州知事との記者会見　最近サハリン州はとてもいい成果をあげている。サハリンとクリルはロシア地域で最も発展する地域の一つである。２００４年度サハリン州を紹介するモスクワ国際商業センターとハルビン商工会議市場での行事は成功であった。サハリン経済投資設計案案と原油・ガス開発案についてロンドンで国際会議も開かれた。そして、２００４年度サハリン州経済の成果を確証したのは「財政発展経済指標においてロシア連邦で最も素晴らしい地域」というテーマで開かれた「ゾロトイ（金）のルーブル」全ロシアコンクールで最優秀賞を獲得したことである。何故この勝利が重要であるか。州の成果は経済の展望と密接な関係にあるサハリン住民たちの労働能力の指標だからである。我が州は極東地域のみならず全ロシアで重要な地域であり、これは州知事が極東地域で唯一ロシア連邦国家評議会に入会したことが代弁している。　我々の宿題はサハリンとクリルの資源開発と生産にとどまらずロシア或いは極東経済発展の根拠地となれるよう努力することである。　南部クリルの位置付けについてもう一度私の意見を明らかにしたい。最近この問題が話題を呼んでいるが、サハリンとクリルはロシアの領土である。ロシアの領土であった、そしてロシアの領土であり、今後のロシアの領土でありつづけよう。日本政府は露日首脳会談の中から領土問題を除外させるべき時期が来たのである。平和条約のないことが両国関係に何の影響も与えていないと私は確言できる。サハリン州は日本との友好的経済交流を続けており、合弁企業が諸々の分野で活躍している。このような現実は相互交流の結果と言えるものであり、強いて障害を生み出す必要はない。両国の経済的親善関係は強化したいが領土についてはもうこれ以上言及しないでほしいものだ。ロシア大統領漁業に関する法に署名　プーチン大統領が「漁業及び水域生物資源保存に関する連邦法」に署名した。同法案はさる１１月２６日国会で採択され連邦会議で１２月８日に承認されたものである。法に基づき水域生物資源保存及び漁労部門関係調整基本規定が作られたのである。原油・ガスプロジェクト実行監督グループ組織　イ・マラホフサハリン州知事によると、サハリンで国際的に行なわれている原油・ガスプロジェクト実行過程を検閲する新しい組織が作られた。同グループは原油・ガス開発専門家から構成され、プロジェクト過程の支出、外国資本が提案する賠償などの問題について検討検閲するのを目的として組織されたと州知事が伝えた。３０ヵ所の養魚場建築　州知事の決定に基づきサハリンとクリル地域に３０カ所のマスやサケの養魚場が建設される。連邦政府の許可も既に得ており、漁業に関する連邦法に照らしても何の問題もないとのことである。インタビュー：州議員であり企業家である呉・チンハ氏：まず州議員当選おめでとうございます。今回我々韓人界から二人の議員が生まれまして本当に嬉しく思います。ところが、州内で指折りの企業家である貴方が政治家になろうとした契機は。：多くの方が知りたがっているでしょう。しかし、周知のように政治と経済は密接な関係にある。今日多くの方、特に若者達が選挙に参加しない。彼らは‘私とは関係ない「私が投票したから何が変わるのか」との考えで政治に無関心である。しかし、新しい政府ができ、新しい勢力が主権を取って新しい法律を作ると皆がそれに従わなければいけない。国民が安定的でよい暮らしをしようとするならばいい法律に基づいての経済発展は必要である。だから立法機関の役割は大変重要である。私は企業家として政治家として我が州の発展に寄与したいと思っている。：人々が選挙に参加しない理由がどこにあると思うのか。：我々の大きな不幸は政府、地方当局を信じないことである。これは２０年間数回法律が変わりながらも少しも住民たちの生活がよくならなかったからである。血と汗で稼いだお金を銀行に預けたのに一銭も支払ってもらってない過去の経験もあり、余裕資金を貯金しない。だから国の経済はよくならない。韓国の場合、大学生たちも政治に積極的に参加している。又、数年前国が経済的に大変だった時、国民は金の指輪などを集めるなどして国家経済を立ちなおそうとした。そのようなことができたのは国民が政府を信頼するからである。ロシアでもそのように国民から信頼される政府が必要である。昔、ドイツの首相ビスマルクは「人民が政治をしないと政治家が人民を指導する」と言った。正しい考えた。：州議会のどのような部門で活躍なさるのか。：予算財政委員会で働く。：会社について詳しいことを知りたい。：私が指導している企業所は１９７２年設立された当時は国営企業所であった。ケラムジトを生産する工場である。イルクーツクで大学を卒業して１９７６年、当社にマルチェル（課長のような地位）として入社した。当時工場の従業員は８００人程、生産量も今の数倍であった。就職して９年目に技師長に昇格した。３２才だった。当時韓人はどんなに能力が優れていても中々昇進できない時代であった。それから１９９２年有限会社となるまで総責任者として働いた。ケラムジト工場は９２年「レカ」という個人企業になり、私は株の４０％を所有し社長となり現在に至っている。現在従業員数は約１００人程度。周知の通り、ペレストロイカ以前、多くの住宅と公共建築物が建設された。それに使われる大型壁の生産にはケラムジトが約７０％含まれる。州内で一つしかないケラムジト工場だから当時は昼夜働いた。生産量も多く、仕事も面白かった。しかし、ペレストロイカ以後は住宅建設も公共の建物も建築中止となり、従業員数も減らすしかなかった。最近、建築ブームだけど建築法が変わり大型壁はあまり使わなくなった。最近は年間１０万㎡くらいの注文しかない。その間、ユジノサハリンスク市とドリンスクにあった工場は閉鎖した。：注文が増えれば生産量も増やせるか。：勿論。私達は９８年から２０×２０×４０cmのブロックを生産している。そして、貨物　自動車、ブルトーザー、掘削機、クレーンなど機械を貸しており、金属製品の生産もしている。又ケラムジト生産に必要な泥採掘場も持っている。：会社の株を４０％も所有しているとは金持ちの社長ですね。：お金に換算すればそうだけど、現金ではなくすべてが機械や設備、建物です。：残りの６０％は国家所有ですか。：いいえ、皆個人が所有しています。：社長として働き思うことは。：青春時代から一筋ケラムジト工場と縁を結んでおり、州内の公共機関、学校や幼稚園、文化施設など殆どが私達の生産したケラムジトで出来ているので嬉しくも誇らしくも思う。しかし、個人会社となって１２年、経営はとても厳しい。従業員達に対して以前より責任を感じている。最も重要なことは従業員を食べさせること。昼夜このことで悩んでいる。：数日後、新年が訪れます。どうか来年は貴社がより発展し、そして、議員としてのご活躍を期待しております。エストラダオーケストラ創立１周年コンサート　１２月２１～２２日の二日間ユジノサハリンスク市にあるオクチャブリ映画館でクルトルイセンター（社長白・スギョン）所属のオーケストラ・エストラダの創立１周年記念コンサートが開かれた。クラシックから大衆音楽まで幅広く演奏し、歌い、踊る同オーケストラは唯一の個人経営オーケストラである。　　社長が自ら参加し韓国の歌謡曲を歌うなど２時間に及んで楽しい舞台を演出した。韓人界は勿論、サハリン州政府関係者たちも参加した盛大な行事であった。同日経営者の白社長に州民の文化的生活に寄与したと州知事から感謝状が送られた。第１２回「ムクゲ文学コンクール」　セコリョ新聞主催、韓国統一部後援で毎年開かれる韓国文学コンクールが今年で１２回を迎えた。１０月末から１２月２０日までの４０余りの作品の応募があり、その中から学生部と一般部に分けて厳しい審査を行った結果、発表が２７日行なわれた。審査委員長のベ・ヨンスクさん（元セコリョ新聞記者）は‘例年より内容も多様化され、参加地域も広くなった‘との感想を述べた。連載：極東地域のサハリン韓人同胞の特性と提案（前号に続く）　その後も数回洪水に襲われる他、王子製紙工場から流れた有毒物質で土壌が汚染され癌患者ができ、消化器系統の癌で死亡する人が少なくなかった。筆者の義兄もその中の一人である。王子製紙から放出される排水を調査した結果によると、有毒物質は許容基準の数倍の中金属が含まれていた。　　このような街から離れたいと思いは皆山ほどであったが容易なことではなかった。１９５６年―６０年にかけて北朝鮮領事館幹部がウゴレゴルスク区域を頻繁に出入りしながら青年達に北朝鮮での留学を進める他、積極的に宣伝していたため多くの住民が北朝鮮の国籍を取るようになった。当時ソ連国籍のない無国籍者はウゴレゴルスクから出ることが禁止されていた。特別に緊急の理由がある場合に限って臨時許可証をもらって移動していた。勉学を目的に出る場合許可が下りた。サハリン州には大学が一つしかなく３－４つの専門学校があるだけであった。　勉学のために大陸に出る人が多くなった。しかし、卒業後サハリンでは就職先が見つからないため大陸で就職をし、親を呼ぶ人達がいた。大陸で勉強し成功した人々の中にはウゴレゴルスク出身が最も多い。故郷を離れた主な理由は経済的困難、環境悪化、教育問題であった。サハリン州中央都市へ引っ越した人や永住帰国した人達もいる。２００３年度合意文第３条に大陸居住者には永住帰国制限年齢を５才高くするとの規定があったが、７５才以上の高齢者には正当ではないものであった。ハバロフスクで開かれた今年の第３次懇談会で７５才以上の高齢者は現居住地による差別の対象としないとの新しい規定を設けることができて嬉しく又サハリン居住者に感謝する。　一つの提案は永住帰国希望者の配偶者の民族や国籍を問わないでほしいとのことである。日本の場合、日本人妻をもったサハリン韓人１世男性や中国孤児の中国人家族を帰国させたほか、最近北朝鮮から帰ってきた拉致被害者の曽我さんも娘や米国人の夫も連れて日本に帰ってきたのである。このような例をみても配偶者を差別するのは有り得ないことである。人道的次元からも再検討すべき問題と言える。又、今後２世の永住帰国も日本に提案すべきである。（終わり）極東地域離散家族会顧問全・ハクムン博士あれこれ「ブイコフ状況少し改善」　昨年の冬、ブイコフ部落住民たちは暖房の入らないアパートで震えていた。ところが今年は暖房が定期的に供給されている。今年の夏ボイラーと熱パイプ、設備などを修理整備したお陰である。ところがすべての古いパイプを取り替えることはできなかったため多少不安も残っているが昨年に比べるとかなり状況はよくなったと言える。「ナワガ漁労準備万全」　ポロナイスク区域にあるドルズバ水産コルホーズは来年のナワガ漁労準備を既に終えた。MLS－１５９型とMLS－８０型など漁船１２隻が海に出る準備を終えて待っている。「産院室内温度１０度」　ドリンスクとネベリスク、コルサコフ区域の暖房問題が深刻化している。ドリンスクの場合、産院の室内温度が１０度程度で産婦たちが震えている。 ───────────────────────────────── ◆寄稿　[サハリン悲歌　　第四章１] 　金　里博 ───────────────────────────────── 「わしらはのう本当に悪いことばかりしてきたんじゃ…」米寿を迎えた老人は静かに語り始めた－西暦二千年春がまだ遠い二月稚内市のある病院－公孫樹が全身をさらけ出し山々も眠りに急ぐ晩秋のある日病床で米寿を迎えたその老人の言葉は中学生の孫にはっきりと伝えられた。「本当に悪いと思っとる… 遅いかもしれなんが… わしの生きている内にキチっと詫びてあの世で綺麗に生きたいんじゃ… そう、わしが警官として任官したんは２２の時じゃった。当時、日本人は朝鮮に渡ると外地赴任手当が貰えての… 待遇が良かったんじゃ… この家ものう、敗戦の少し前にその時貯めた金で買ったんじゃ。本当言うとの、給料だけではこのような家は建てられん… だからこの爺さんの話をよく聞いておくんじゃ… 沢山の朝鮮の人たちのお嫁さんが内地に連れて行かれた夫の所に行きたいとおじいちゃんの所へ『渡航推薦状』を貰いに来た… その時、おじいちゃんはのお… おじいちゃんはのお… 酷いことをしたんじゃ、本当に酷いことをしたんじゃ…」老人ははらはらと涙を流しながら語っては喉を詰まらせ喉を詰まらせてはまた語った。「本当の事だからよく聞いておくんじゃそしてお前たちはおじいちゃんのようなことは絶対に、絶対にしてはならんのじゃ！だからわしの遺言じゃと思って聞いて必ず償いをしてくれや…」社会科の勉強で少し習ったことはあったが朝鮮の事は多くの級友と同じくこの孫も殆ど知らないでいた。日本が朝鮮と朝鮮人にどれほどひどい事と酷い事をしたのかを彼らには殆ど教えられないでいた。日清戦争もその戦場が中国大陸ではなく朝鮮半島で起こった事も日本が武力で植民地にしたことも殆ど知らなかった。敗戦前この稚内からもどれだけ多くの朝鮮人が役人と警察と憲兵によって追い立てられ迫害され差別されながら稚泊連絡船に乗せられ樺太に送り込まれ牛馬のようにこき使われ虫けらのように殺されたのかを教えられてはいなかった。「…お金がのう、どんどん貯まっていった。給料の五十倍ぐらいになったんじゃ… 二年もすると御殿のような家が一軒買えるほどに貯まった… わしは嬉しかったお金がドンドンたまったからのお… それも「公務」の立場できつく言ったり時々優しいふりをしてやっただけでどんどんお金が入ってきたんじゃ… だから日本人は誰でも警察官になりたがって競争が激しかった… 朝鮮の女の人たちは内地に渡りたくて必死だった… それもそうじゃ愛する夫のもとへ少しでも早く行きたいのは人情だからの… 威張って皇国臣民の誓詞を言ってみよ、と言うとおどおどしながら、それも下手な日本語で言ってはみるが、最後まで言えるのは殆どいない… 泣いて、跪いて『おねかいします、おねかいします！』と訛りのきつい日本語で哀願したんだがお爺ちゃんはその時『畏くも天皇陛下の赤子がなんたるざまか！』と叱りつけた… 胸ぐらを掴んで睨み付けたのも一度や二度ではなくビンタを食らわしたのも何百回もした… そしてたら…そしたら… そっとお金を握らせてくれるんだ…」その翌日老人は静かに息を引き取った。稚内の冬は海も空も大地もまだきびしかったが春はゆっくりと着実にこちらに向かっていた－ ───────────────────────────────── ◆[編集長から]　　　　　　　　　　　　　　Michio　Katayama ───────────────────────────────── 　皆さんのお正月はいかがでしたか？今年は戦後６０年。日韓条約締結４０年。いやその前に１９０５年日露戦争が終わりポーツマス条約締結１００年。同年に日韓協約調印で韓国併合の途に。　いろいろ歴史の上で記念すべき年です。今年も一層のご愛読を願います。 ◆新年が明けた。０５年乙巳（ウルサ）勒約（１９０５年日本が韓国の外交権を剥奪するため韓国政府を強圧して締結した条約）１００周年、光復（独立）６０周年、韓日協定４０周年、南北首脳会談５周年になる節目の年だ。年代記的にも過去を断ち切って新時代を切り開くべきだ、という象徴的な意味合いを持っている。 ⇒韓国・東亜日報の元日の記事。 ◆新年が明けた。０５年乙巳（ウルサ）勒約（１９０５年日本が韓国の外交権を剥奪するため韓国政府を強圧して締結した条約）１００周年、光復（独立）６０周年、韓日協定４０周年、南北首脳会談５周年になる節目の年だ。年代記的にも過去を断ち切って新時代を切り開くべきだ、という象徴的な意味合いを持っている。 ⇒韓国・朝鮮日報の２日の記事。 ───────────────────────────────── 発行　　　　　２００５年１月４日　　　No.１９５編集・発行　　609studio 　　Michio Katayama 発行　　　　　毎週火曜日　　購読料無料配信まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 Macky! ID:609studio e-mail info@609studio.com website 　　　http://www.609studio.com 投稿　　　　 http://www.609studio.com　掲示板へ購読購読解除は websiteへ　　　　　　　　　　　◇禁・無断転載◇ ─────────────────────────────────

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。