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タイトル:609studio No.191◆現代時評:[恐るべき米国と、ライス次期国務長官]  2004/11/23


───────◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇──────
                             2004/11/23 No.191
【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ
 トに論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と
 して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト
 版、その他、寄稿記事など話題満載! 
           URL ⇒   http://www.609studio.com
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            ◇◆セコリョ新聞から◆◇

              インターネット発行4周年を記念してのご挨拶

 サハリン韓人社会の生活とサハリン州の情報を伝えるセコリョ新聞
のインターネット版(韓国語と日本語)が発行されて4年となりまし
た。製作と翻訳を担当している片山通夫さんとキル・サンさんを含め、
世界の読者の皆様にお礼を申し上げます。これからもご愛読をお願い
致します。                         (セコリョ新聞社編集部)

                 ◆609studioから◆

  セコリョ新聞の翻訳者Kil Sang 氏が調査旅行のため12月10日ま
で留守になります。セコリョ新聞の日本語訳は掲載できません。後日ま
とめてお送りいたします。ご了承ください。なお、12月2日から、サ
ハリンでの写真展開催や取材のため、サハリンへ出かけます。これに伴
ってホームページの更新及びメール・マガジン配信は12月21日号ま
で出来ません。ご了承ください。          
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◆現代時評:[恐るべき米国と、ライス次期国務長官]     ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年11月19日号

◆寄稿 [サハリン悲歌  第三章 2]        金 里博

◆20代のぼやき:[初給料]                    有木優一

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[恐るべき米国と、ライス次期国務長官]     ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                  info@609studio.com   へ!
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◆◆アサヒコム2004.11.16 ブッシュ米大統領は16日、パウエル国
務長官の後任にコンドリーザ・ライス大統領補佐官(50)を指名し
た。上院の承認を得て来年1月ごろ正式に就任する見通し。ライス氏
の後任にはハドリー副補佐官が昇格する。

◆◆百科事典『ウィキペディア』コンドリーザ・ライス(Condoleezza
 Rice)1954年11月14日、アラバマ州バーミンガムに生まれる
。父親は牧師と学校長を務め、母親は音楽教師。8歳のとき、クー・ク
ラックス・クランの爆弾テロで友人の黒人女性が殺される事件がおこる
など、人種差別の中で育つ。両親は常々、教育が人種差別に対する最高
の防御になると教える。ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、
彼女は両親から「今は、ウールワースでハンバーガーを食べることはで
きない。しかし、大統領に上り詰めれば可能になる。」と良く聞かされ
たと語っている。彼女自身も成功するには、人の二倍努力しなければな
らないと常々語っていた。

■■彼女は15歳でデンバー大学に入学。入学時はピアニストになるべ
く音楽専攻を登録。しかし、オルブライト女性初の元国務長官の父ヨセ
フ・コルベルの影響を受け、専攻をソ連の国際関係の研究に切り替える
。1971年、19歳優等で卒業。ノートルダム大学で政治学修士号を
取得1975年。デンバー大学へ戻り、政治学博士号を取得する。ここ
までの彼女は典型的な大学優等生タイプである。

■■1989年から1991年まで、ジョージ・H・W・ブッシュ政権に
参画。国家安全保障会議東欧ソ連部長として、ソビエトおよび東ヨーロ
ッパの専門家として、辣腕を振るう。1991年、スタンフォード大学
に戻る。1993年、最年少、女性初、白人以外初のスタンフォード大
学の事務局長になる。2001年より国家安全保障補佐官として、ブッ
シュ政権の外交政策の最高責任者。この10年間の彼女は、日本流にい
えばキャリア官僚として順風満帆。米国風に言えば「サクセス・ストー
リー」の主人公としてこれ以上の幸せ者はいない。

■■さらに続けてウイキぺディア辞書英語版は次ぎの通り記載している
。She is the second African American (after Colin Powell) and 
first female National Security Advisor and would be the second 
black (again after Colin Powell) and second female 
(after Madeleine Albright) Secretary of State if she were 
confirmed by the Senate.
 有色人系としてはオルブライト、およびパウエルに続く3人目の国
務長官ということになる。

■■彼女の名、コンドリーザはよほど変った名らしく、イタリアの音
楽用語コンドリチェザに由来し、意味するところは「スイートに演奏
せよ」で、音楽家だった母親の命名による。
 米国における国務長官の役職は、日本でいえば副総理兼外相に相当
する。同じ女性とはいえ、小泉首相の代弁役に過ぎなかった川口順子
前外相などとは比較にならない重要なポジションなのが本来の姿であ
る。          

■■ブッシュ大統領は、国際的に信任が厚かったパウエル長官の後任
として、イラク戦争などを熟知した側近を充てるのが得策と判断した
とみられる。 が、何分にもライス氏はまだ若い女性で、しかもジャ
マイカ系の黒人、米国内における庁間の調整や、さらには国際政治に
おけるハードな駆引きには不得手との指摘もある。旧ソ連崩壊前後の
対東欧外交について経験があっても、今の対中近東で正念場の外交な
どには、完全に不適当であるとすでに噂されている。

■■ところがボクがここで心配するのは、彼女の外交能力などよりも
、むしろ彼女の社会性の無さである。東大出のキャリア官僚が智に走
って失敗することが多いように、彼女もまた米国エリートとしてあり
がちな知力への過信のあまり、ただ一途に「米国が勝てばいい」つま
りパワーポリテックの専門家として、無理な対外政策を押し進めはし
まいか、との危惧が大いにある。


■■由来、米国には哲学が無いといわれている。なるほど米国にはド
イツ風の懐疑哲学もなければ、フランス風の実証哲学もない。まして
東洋風の虚無思想も倫理哲学も無い。 そこにあるのは、ひたすら勝
つことを求め、勝ったもののみが正しいという、ある種の勝利哲学だ
けである。
 勝利哲学を表向きカバーするものとして彼ら米国政治家が持ってい
たのは、「グローバリズム」、もしくは「普遍的人権」という概念で
ある。 経済社会におけるグローバリズムは、幸いにもそれを主張す
ることによって米国の産業経済が他国に比して優位を占めることが出
来た。 彼らの唱える「普遍的人権」がそのまま「ヒューマニズム」
、つまり「人道哲学」であり得た時代はそれで良かった。

■■ところが「普遍的」、つまりこの地球世界の総てが同質化するこ
とを拒む者が現れた。それがイラクをはじめ、中近東イスラム諸国で
ある。 彼らは、「普遍的人権」の名のもとでの米国の一方勝ちを容
認しない。 彼らは「普遍的」でなくてもいいから、現状世界の継続
を願う。ここに米国の、今次イラク戦争に於ける失敗がある。
 しかしブッシュ氏、および米国の人たちは、自分たちの失敗や負け
を絶対に容認しない。 勝つことのみが正しいとした「勝利哲学」で
は、失敗はすなわち、非が自分たちに存在することを意味するから厄
介である。

■■ブッシュ氏は、何がナンでも勝たねばならない。勝つためには手
段を選ばない。ヒューマニズムの概念はどこかへとんでしまった。
 普遍的人権、つまり「グローバリズム」が、何時の間にか「パトリ
オシズム(愛国主義)」に変わってしまった。 大統領選で穏健派、
つまり「ヒューマニズム」のケリー氏が勝つと思っていた米国評論家
たちは、ブッシュ氏を支持する「パトリオシズム(愛国主義)」の票が
、ごく自然にケリー氏票を上回ったのを見て愕然とした。そして、と
うぜんそうあるべき米国社会であったと思い当たった。 

■■これについてはすでに先例がある。 第一次大戦の幕引きに「勝
ち負け無き終戦」をとなえたウイルソン大統領の14か条からなる平
和提案を否決した米議会である。世界中がウイルソンの人道主義に賛
成しても、自国の利益の前にはそれを否決するという米国議会の態度
。それは今回のケリー落選、ブッシュ再選に再び表現された。恐るべ
きは米国世論である。

■■もう後へは引けない、何がナンでも対イラク戦に勝たねばならな
い。 たとい穏健で批判派のパウエル氏とアーミテ−ジ氏が辞職して
も、チェルニーとラムズフェルドは残るだろう。 加えて、パウエル
氏の後任にライス氏を指名する。 サクセスストーリーを駆け上って
きたライス氏に否応はない。 彼女にとっては、サクセスストーリー
の階段はまだ上に向って続いている。 「勝利哲学」に身を任せてお
きさえすればいいのだ。

 カザフスタン石油の専門家としてシェブロン社の重役に名を連ね、
金融資本のチャールズ・シュワッブ社役員をも兼ねたライス女史こそ
金融・石油資本と軍事・政治複合体の代表選手である。まさに適材適
所の米政府人事なのだ。

■■そこには、人類や、イラク国民の幸せなどは考える余地がない。
ひたすら戦い、そして米国が勝てばいい。 米国民はそのためにブッ
シュ氏を再選したし、ブッシュ氏もそのためもっとも都合のいいライ
スという女性を次期国務長官に指名した。つまりホワイトハウスと国
務省は今度こそ一心同体になって米国の勝利に向って邁進するであろ
う。国務省が日本流の外務省に格下げされ、小泉首相が川口前外相を
上手に使ったと同じように、ブッシュ氏にライス国務長官が誕生した
のである。
 そうした立場に人道主義や、いわゆる哲学というようなものは無用
である。恐らくもっとも懐疑哲学から遠く、もっとも勝利哲学に近い
、そして出世街道を猛スピードで駆け上っているライス氏の指名こそ
、次期国務長官として最適の人事であろう。アメリカには哲学が無い
、ということがもっともうまく作用したのが、今回のライス国務長官
指名である。
 ただしそのために、残念ながらイラク和平はだいぶ遠退き、米国の
対国連和解もとうぶん陽の目を見ないだろう。 歴史の成行きとして
致し方ない。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2004年11月19日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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極東原油ガス総合体発展展望について

  ロシア連邦極東地域カ・プリコフスキ大統領全権代表は「極東地域
執行機関調整委員会会議」についての記者たちの質問に次のように答
えた。

―極東地域における原油ガス総合体の展望は如何なるものか。
―極東のみならず全ロシアの原油ガス総合体に関する最終決定はロシ
ア政府が決める。昨年と今年、これらに関する問題について数次議論
が行なわれたが結論は下ろせなかった。例えば、東シベリアから太平
洋への原油ガスラインを巡っての案も多かったが何も決まったことは
ない。これらのプロジェクトと関連して複雑な点、未解決問題も多く
、回りからの関心も高い。我々は極東地域知事たちの意見を政府に提
出する準備を進めている。調整委員会会議では原油ガス及び運輸会社
代表たちも発言している。彼らは重要な点を指摘しているが、長所も
短所もある。我々には皆が満足できる提案をする義務がある。まず、
原油とガスの埋蔵量を考慮すべきである。二つはインフラ構築の際、
生態学問題を考慮すべく、また経済的でなければいけない。又、原油
とガスパイプラインがどこを通過するかの問題も重要である。
我々が支持しているロシア大統領の立場は第一、わが国の利益を優先
すべきであり、パートナーたちの利害関係はその次の関心事と言える
。大統領全権代表である私と州知事の役目は大統領の意思を反映する
ことである。我々はこれらを実行すると共に、これについての文書を
政府に提出するつもりである。

―外国企業がサハリンに投資をする理由は何か。
―サハリンへの投資増加は原油ガスのお陰である。しかし、まだ実利
益を生んでないのが不満と言える。大統領宛に提出した報告書の中で
数次的にはいい結果を生んでいる。実利益を生めるように期待してい
る。現在サハリンの状況には満足している。勿論難問もある。事業の
結果が数字上は上がっているが現実にはないのがそれと言える。

―鉱物採掘優先許可法案について個人的にどう思っているか。
―私は地下埋蔵物採掘については同意するが、これらの許可は新しい
産地開発に必要なものである。特にオホーツク海開発には必要である
と思う。他に方法は無いのでは・・・。

日露平和条約に不満の声明書を提出(04.11.16)
   ―エジナヤロシア党サハリン支部の声明

 近々行なわれるプーチン大統領の来日と関連して、国内外で195
6年の宣言に基づく露日平和条約締結問題を巡っての意見や解説など
議論が活発に行なわれている。この宣言でソ連はクリルのグリャダ島
々(シコタンとハボマイ)を日本に譲ると同意した。   
しかし実際の譲渡はソ連と日本と間に平和条約が締結されてからとの
条件付きである。これから諸々の理由で両国間に平和条約が締結され
ることはなかった。しかし、このような過程が日本側に北方領土返還
の要求根拠を与えているとは言えない。我々は全サハリン住民と同じ
考えで辺境の島を含めロシアの領土を守りたい。ロシアに余り土地は
ない。(我々の領土を守るために)一致団結しよう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 サハリン州議員たちはアムル川の島々及びクリル領土問題、日本と
の平和条約問題についての不満を述べた声明書をロシア連邦プーチン
大統領と連邦安全保障会議、連邦会議、連邦国会に送った。

「サハリン州資源・潜在力」展覧会開催

 サハリン州経済委員会は今月30日〜12月2日の間モスクワ国際
商業センターでサハリンの原油ガス・石炭・水産・建築部門商品を紹
介する展覧会を開催する。サハリン州と他地域との交流協力の模索と
外資誘致を目的に開く。

台風のため電力供給中断

 さる16日、日本海北側から上がってきた台風の影響で島の生活が
麻痺状態になった。空路も航路も閉鎖され孤立状態になった。又、西
海岸地域では電線が切れ電力供給中断となったのである。鉄道だけが
運行し自動車道路も閉鎖された。

インターネット発行4周年を記念してのご挨拶

 サハリン韓人社会の生活とサハリン州の情報を伝えるセコリョ新聞
のインターネット版(韓国語と日本語)が発行されて4年となりまし
た。製作と翻訳を担当している片山通夫さんとキル・サンさんを含め
、世界の読者の皆様にお礼を申し上げます。これからもご愛読をお願
い致します。             (セコリョ新聞社編集部)

あれこれ

「密魚―200万ルーブル相当」
 オハ内務所国家自動車監督警察が検問の際、600kgのイクラを
隠し積んでいる車を発見した。自動車の持ち主のものと言われている
このイクラは200万ルーブルに相当する量である。

「車泥棒」
 ユジノサハリンスク市のある会社で警備員をしている若者が酒を飲
んで気持ちよくなってから何か冒険をしたくなった。彼は会社の貨物
車を無断で乗り飲酒運転をして、バス停に追突する事故を起こした。
軽症を負った警備員は自宅監禁状態である。

「ホルムスクで殺人事件」
 先週、ホルムスクに住む1974年生まれの青年が同じ寮で暮らし
ている男性との口喧嘩のすえ、ナイフで刺し殺したとの通報が地域警
察に届いた。早速現場に出動してみると既に救急車も来ていた。犯人
は現場に残っていた。彼は拘束され取り調べられている。

「飲料水不足」
 ゴロノザヴォドスク市では今月初めから飲料水不足で悩まされてい
る。当地域の住宅公社が100万ルーブルの電力使用料を払わなかっ
たため、電気会社が貯水池設備への電気供給を中止したためである。
 そのため、朝9時〜夕方6時まで集団住宅に水が出なく、市民は夜
中に水を溜めるなどの苦労をしている。

インターネット発行4周年を記念してのご挨拶
 サハリン韓人社会の生活とサハリン州の情報を伝えるセコリョ新聞
のインターネット版(韓国語と日本語)が発行されて4年となりまし
た。製作と翻訳を担当している片山通夫さんと南・ヘギョンさんを含
め、世界の読者の皆様にお礼を申し上げます。これからもご愛読をお
願い致します。(セコリョ新聞社編集部)
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◆寄稿 [サハリン悲歌  第三章  2]               金 里博
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旧大日本帝国樺太庁大泊
今、ロシア連邦共和国サハリン州コルサコフ。

ロシア語を「国語」とし
コリア語が話せなく、聞き取れない
少年が一人
夕陽を浴びながら
港の遥の南、稚内と
南南西の祖父母の祖国、
父の故郷
慶尚北道浦項を見つめている−

祖父は朝鮮人、祖母はモンゴル系朝鮮人
父はカレイスキー、母は日本系ルースカヤ
ユジノサハリンスクに生まれ育ち
今日の一時限目
初めて韓国人教師からハングルを習い
ロシア文字、ロシア語とは違った
不思議な
新鮮さと
ときめきを覚え
初めての夢精体験のような
血が騒ぎ
何処をどう通って来たのか
着いたコルサコフ港。−

微かな想い出の中の祖父母
自分が使っている言葉と違った父の独り言
たどたどしい言葉で父と語り合っていた母
それらが
潮風と共に
磯の香りと共に
こみ上がってくる。−

故郷は
間違いなくユジノサハリンスク
友の多くはロシア人
中に朝鮮人・韓国人もいるが
彼らの殆どは
コリア語を話せず
ハングルを読み書き出来ず
正式の名も名前・父称・姓の順となる。
少年の姓名
ウラジミール・サンチョルビッチ・キム。
伝統を重んじる朝鮮人は
卒倒するに違いない
そのような名前を持ったことに−

(おお
グルジア人・スターリンよ
全ソ共産党書記長スターリンよ
汝の罪は
歴史の入れ墨
ボルガ川
恐竜時代
大日本帝国の罪と共に
誰が忘れられよう!−)


目前から遥に拡がる宗谷海峡の海
晴れた日の
コルサコフ港
朝焼けと夕焼けは
秋の紅葉よりも美しく
ルビーの輝きよりも麗しい。

今、海を見つめるキム少年の心は万華鏡
綾取りは綺麗が
それらは形も像もなしてはいず
走馬燈のように回っているだけだ。
像や形になるには
彼の心の中に
コリアは余りにも少なく薄かった。

祖父が荷物のように降ろされた
四目の最後の港・大泊港
内地よりも更に遠く、寒い樺太
拉致されなければ、
土地を奪われなければ、
人間としての最低生活が営まれれば
故郷と切り離され
例え「楽園」であったとしても
強いては行かなかった地・サハリン(旧樺太)。

サハリンのコリアンは
最初に大日本帝国の
虐待、迫害、差別、蔑視を受け続け
大日本帝国滅亡後は
スターリンと全ソ連共産党の
虐待、迫害、差別、蔑視を受け続けてきた。

キム少年が
熱い思いと衝撃に狩られながらも
祖父の故郷を
画ききれず
織れないのは
コリア語を学ばさせず
コリア学校を建てさせず
ロシア化させ
ロシア人化させようとした
スターリンと
全ソ連共産党の罪だ!

コルサコフ港よ
語れ
一つ余すことなく
コリア人の
血と涙と
人間としての叫びと希求の歴史を語れ
大日本帝国の暴虐と残虐と迫害と蔑視を語れ
全ソ共産党の暴虐と残虐と迫害と蔑視を語れ
語り、キム少年の心に
麗しいコリアが自然に画かれ、織れ
語れるようにせよ−
少年を少年らしく過ごさせよ
少年に歓びと誇りを持たさせよ。

コルサコフ港での
朝鮮人の
悲しみ
心の傷は
六十年が経とうとしているのに
まだ癒えていない
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◆20代のぼやき: 「初給料」              有木優一 
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 先日、初めてカメラマンとしての給料を手にした。知人の計らいで
アルバイトを斡旋してくださったのだ。実はそれまでにもいくつかア
ルバイトのお話をして頂いていた。しかし、すべて都合が合わなかっ
たために今回が初めてのカメラマンとしての仕事だったのだ。

 午後12:30、近鉄上本町駅1Fのシアトルズベストコーヒーにて
待ち合わせ。僕は、カメラと三脚を持って、そこでカプチーノを啜り
ながら待っていた。すると、長身で細身の男性が、三脚と黒いバッグ
片手に現れた。今回のアルバイトでお世話になる方だ。お互い軽く挨
拶を交わし、椅子に荷物を置いて、彼はカウンターの方に消えて行っ
た。そして、コーヒートレーの上にパンケーキを乗せ帰ってきた。今
回の撮影の主旨確認や仕事の割り振りを話していると、店員さんが飲
み物を彼が持参したボトルに入れてやってきた。そして、しばらく会
話を楽しんで、今回の撮影先、上宮高校へ向かった。

 上宮高校に辿り着くと、まず数多くの優勝旗や優勝盾が僕を歓迎し
てくれた。守衛さんに会釈をして、案内どおり会場まで進んで行く。
その会場に辿り着くと、今回のアルバイトを斡旋してくださった方が
見える。その方に挨拶を済まして、会場内の下見をする。ここで、経
済産業省の教育分野での施策の一環として、産業界講師による公開授
業が行われるのだ。授業開始時刻が近付くにつれ、緊張感が高まる。
これから50分授業二コマの授業を撮影する。僕は新しく買い揃えた
コンバーションレンズを付けたカメラを片手に、僕は動き回り、生徒
たちと参観に来られえていた先生方たちとのやり取りや授業を行う講
師の姿を撮影し続けた。

 100分間の撮影も終了し、機材を片付けていると、すっと500
0円札が長身で細身の男性であるカメラマンから手渡された。そして
、その知人であるプロデューサーにお礼を告げて、会場を後にした。
初めてアルバイト代をもらえた嬉しさの中、帰路に着いた。帰宅途中
、交通費等を差し引いて計算してみると僕の初給料は1340円だと
いうことがわかった。たとえ、1340円でも初給料には変わりない
。そこで、その夜、初給料で寿司を食べるという小さな夢を叶えるた
め某回転寿司店に寿司を食べに行った。その夜食べた寿司はなぜか格
別にうまかった。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 秋が深まってきました。紅葉の便りがあちこちから聞えてきました。
・・・ということは冬は間近。新潟中越地震の被害に遭われた方々に
早い復興住宅の提供を望みます。何しろ豪雪地帯です。

◆来春ロシアのプーチン大統領が訪日する。北方2島を変換する用意
があると話した。国内向けか、日本に対する揺さぶりかはわからない
けど実現不可能な提案。
 
◆玉虫色。小泉首相もついに。三位一体の改革で。本命は郵政の民営
化だから?しかしそれじゃ地方はたまったものじゃない。政治は郵政
だけじゃないのだ。

◆米軍のファルージャ侵攻で相反する評価。米は大勝利と。しかし傷
ついたり殺されたのは市民ばかり!?

◆そのイラクの自衛隊。退く事もかなわず、さりとて・・・。アメリ
カ一辺倒のつけが回ってきた。まさか死ぬかで退かず?
いや死んでも!そういえば昔あった。「兵隊サンハ死ンデモらっぱヲ
ハナシマセンデシタ」無残。
 しかし退くことも大事な作戦だと思うが。
─────────────────────────────────
発行     2003年11月23日   No.191
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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