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◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇ 2004/9/21 No.183 【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る！」をコンセプ トに論説委員Ｋｅｎ氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト 版、その他、寄稿記事など話題満載！ URL ⇒ http://www.609studio.com ───────────────────────────────── ◇◇◇お知らせ◇◇◇ ◆写真展のお知らせ◆ １０月１日からモスクワで写真展を開催することとなりました。 詳細は http://www.609studio.com/html/news.html ◆中古カメラ売ります！!◆ Coffee shop シオンでは カメラを売り始めました。なかなか味の あるアナログなカメラです。一度覗いてみてください。 http://www.609studio.com/shion/camera.html ───────────◆◆◆ＩＮＤＥＸ◆◆◆─────────── ◆現代時評:[テロと戦争と殉国者] ken ◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版：２００４年９月１７日号 ◆寄稿 [サハリン悲歌 第一章 ４] 金 里博 ◆寄稿 サンチャゴレポート１９：[のみものたべものあれこれ] 塩田悦三郎 ◆２０代のぼやき：[９月１７日] 有木優一 ◆編集長から：[この１週間] ───────────────────────────────── ◆現代時評 ：[テロと戦争と殉国者] ken Ｋｅｎ氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは info@609studio.com へ！ ───────────────────────────────── ◆◆アサヒコム 2004.9.17 米政府高官は１６日、米政府内の機密 文書「国家情報評価」が０５年末までのイラク情勢を分析し、治安状 況について最悪の場合、内戦につながると予測していたことを明らか にした。文書は各情報機関の分析をもとに国家情報会議が約５０ペー ジにまとめ、今年７月にブッシュ大統領に示された。 大半は機密指定だが、同高官は朝日新聞に「治安面で厳しい状況に ある。内戦の勃発（ぼっぱつ）を含む厳しい予測も含まれている」と 語った。ブッシュ大統領は大統領選の中で民主化に向けた進展ぶりを 強調しているが、米政府内でも悲観的な見方が出ていることを認めた ものだ。 ◆◆アサヒコム 2004.9.09 ロシアのプーチン大統領の逮捕を助けた 者に、２０００万ドル（約２２億円）の賞金を約束する――ロシアか らの分離独立を求めるチェチェン共和国の武装勢力が９日、こんなメ ッセージをホームページに掲載した。ロイター通信が伝えた。ロシア 連邦保安局（ＦＳＢ）は前日、学校テロ事件に関与したとしてチェチ ェン武装勢力のバサエフ野戦司令官とマスハドフ元チェチェン大統領 に３億ルーブル（約１１億円）の賞金をかけていた。武装勢力側は、 これを受けて直ちに、倍額をプーチン大統領にかけた形だ。 マスハ ドフ派を名乗る声明は、プーチン大統領を、対チェチェン戦争を始め た「戦争犯罪人」と断じ、学校テロにも責任があるとしている。 ●●ブッシュ大統領の演説 2001.10.11 「１カ月前のこの日、約８ ０カ国の罪のない市民が、予告もなく挑発もしないのに、攻撃され殺 害された。この行為は、すべての米国民のみならず、あらゆる宗教の すべての信者そして人命を尊ぶあらゆる国を恐怖に陥れた。（中略） この攻撃は、文明世界の心と魂に向けられたものである。そして、世 界は、21世紀最初の、今までとは異なる新たな戦争を戦うために、立 ちあがり団結した・・・」。 ■■地球上、いまほどいわゆる「テロ事件」の多いときもないだろう。 「憎むべきテロとの戦い」とは、ブッシュ大統領の慣用句である。 それを何度か言われているうちに、いやじつはそれ以前から、われ われは「テロ」と殺人犯とは同じようなものと、潜在的に理解してき た。ブッシュさんの言う「テロ」とは、つまり「卑劣で突発的な殺人 者」である。 卑劣な殺人者とは断固戦うべきで、あえてブッシュさ んに言われるまでも無い。 ■■がしかし、迂闊ながらボクは、最近になってこの「テロ」につい て疑問を覚えるようになった。 なぜなら、「卑劣な殺人者」ならば 、まず単独もしくは小人数、そして単発的でなければならない。それ がいま、ボクたちがテロと呼んでいるいる人々はすこぶる多数であり 継続的であり、しかもその殆どは、テロリスト自身が先に死ぬことを とうぜんとしているらしいのである。 仮にも自らの命を先に捧げ、 何かのテロ的行為に走る。 そういう人達を、果たして卑劣な「テロ 」、つまり犯罪者と、簡単に断定してしまっていいものかどうか。 ボクにはそれが疑問に思えてきたのである。 ■■何物にも代え難い「自らのいのち」。それをむざむざ捨てて、自分 たちの社会のため何かを主張する人々。それを「卑劣なテロリスト」 の範疇に入れるのは失礼ではないか。 破廉恥な街の殺人犯はともか く、考えても見よ、いまわれわれがテロリストと称している人々は、 自らの命をも擲つ純情、かつ真摯な人々なのだ。 勇気ある愛国者、 テロリストの概念と反対のベクトルにある人々だ。 ９・１１事件直後のブッシュ大統領の演説の中で、既に「今までと は異なる新たな戦争」と呼んでいる通り、それはまぎれも無く戦争で あり、その戦争に命を捧げる戦士たちである。 ■■いささか反発する日本人も居るかも知れないが、敢えて謂えば、 それらの人々は靖国神社に祭られているわが特攻隊員と同じカテゴリ ーの人々であると考えていい。 いかに我々が、かって無意味な対米戦争をしたとしても、そのとき の特攻隊員たちの死を悼み、感謝するわれわれの心は変らず、テロリ ストなどとはとんでもない。 同じように、いまイラクで、チェチェ ンで、命を捨てて自爆する人々は、彼らの側からいえば、愛国者であ り、殉国者であることは寸分の疑いもない。 ■■そう断定するとき、その人達を生んだ戦争そのものの理非曲直に ついては問題でない。 彼らの死は、彼らの社会における英雄的行為 であり、名も無き戦に倒れた非業の死ではさらさらに無い。 ブッシ ュ氏が、イラクやチェチェンで自爆してゆく人々を、いかにテロリス トと呼び貶しめても、なお自爆事件が続くのはそのためである。 ■■後ろから撃って逃げるのがゲリラであり、自らの命を捨てて自爆 攻撃するのが殉国の英雄である。 ブッシュ氏周辺はその二つの区別 がついていない。どちらも同じと誤解したところに、今次イラク戦争 における米国の悲劇があり、チェチェン問題に関するロシアの深刻さ がある。 ■■ブッシュ氏、いや米国は「世界警察」を以って自ら任じ、イラクを 攻めた。(石油欲しさにイラクを攻めたなどとは思いたくない。) か っての日本がいまや米国のもっともよき味方になったことを例に挙げ て、「今次戦争の勝利によりイラクもよき民主国となるよう願う」、 とブッシュ氏は言う。 たしかに、原爆を落とされるまでの日本は自由世界の状況を知らな さ過ぎた。目隠しされていたボクらは、敗戦により開眼し、民主主義 国たり得た。フセイン治下のイラク国民も自由を知らず、米軍のフセ イン追放により、民主世界の現状を取りあえず知り得た。しかし、そ の後のイラクによる対米国ゲリラ戦（ブッシュ氏にとってはテロ）は 、結局のところ「過激な反米闘争」であると見るべきだ。民主化を感 謝している日本を見本にして、いまの反米イラクを武力で転向させよ うとしてもその可能性は少ない。自らの死を代償として米国を追い出 そうとするイラク人が多い間には平和は将来しない。 ■■北オセチァの学校占拠事件で３００人の犠牲者が出たのも、パレ スチナでいわゆる「テロ」が続発するのもすべて同様で、武力による 一時的な鎮圧だけで解決するハズもない。武力に勝る国々がいかに理 由を並べようと、トラブルの根本原因は、すべて武力による少数民族 支配に対する被抑圧者の反撃に他ならない。根本的解決法は、少数民 族の民族自決を承認することだ。つまり小国といえども希望すればす べて独立国たらしめることしか他に方法がない。 ■■昔ボクは、若き英国領事から自領開放の講演を聞いたことがある。 「いまやたかが人口４０００万の小国英国が、いまなお世界の大国と して尊敬をかち得ている理由はただ一つ。地球上日の没するところが 無かった世界中の領土のほぼ総てを、すべて平和裏に解放、返還し終 え、ただの一度のトラブルもなかったからである。もしそれらの領土 を、武力で以って維持しようとしていたならば、今日の英国の平和は 無く、まして全世界からの尊敬などあり得なかっただろう」。 ■■ボクはいま、この英国領事の言葉を思い出して、それをそっくり 米国やロシアなど、奢れる国々の為政者たちに差上げたいと思う。ブ レア英首相に対しても同様だ。 少なくともボクはいま、日々報道されている地球上の、いわゆるテ ロ事件の殆どは、抑圧された側の人々からみれば殉国者である、とい う事実を虚心に認識すべきである。 ブッシュさんのいう「卑劣なテ ロリスト」ではさらさらない。 そうした認識の無い限り、地球に平 和はやってこない。 ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] ２００４年９月１７日号 発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang ◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 韓国言論理事長サハリン訪問―民族文化維持のためには言論必要 韓国言論財団の朴・キジョン理事長と国際交流チームの白・ミンス チーム長がさる１１日―１３日間、サハリンを訪問した。中国東北３ 省の同胞言論社に機材の支援のために中国を訪問した帰りにサハリン を訪問したのである。サハリンテレラジオ公社の韓国語放送局とセコ リョ新聞社を尋ね現地視察を行った同財団理事長は苦しい中でも民族 言語と文化を維持するために頑張っている社員たちを励ました。 弔意の電報 ベスラン市学校で起きたテロで３００人以上の犠牲者を出した北オ セチヤのアレグサンドロ・ドザソホフ大統領宛にイワン・マラホフサ ハリン州知事が深く弔意を示すとの電報を送った。 韓国大統領ロシア訪問 韓国ノ・ムヒョン大統領がプーチン大統領の招待で今月２０日―２ ３日の間、モスクワを公式訪問することになった。朴・ヘリョンサハ リン州韓人会長兼民主平和統一諮問会議委員がロシア韓人団体長らと 共に大統領を随行するためにモスクワへ出発する予定である。 勝利の広場修理 イワン・マラホフ州知事は来年の戦勝６０周年を控えて、勝利の広 場の大修理を決め、１００万ルーブルの予算を割り当てることにした。 移住１４０周年記念の韓国伝統文化公演 さる１５日、ユジノサハリンスク市チェーホフセンターで、韓国文 化観光部と在外同胞財団後援の韓人移住１４０周年を記念する韓国伝 統文化公演が開かれ、大成功を収めた。 米国で５０万ドル募金 最近、北オセチヤテロ被害者を助けるために米国で募金活動が行わ れ５日間５０万ドルを集めたことがわかった。本募金活動を呼びかけ たのはロシア出身の米国民であった。 １５００人の献血者 最近、モスクワで北オセチヤ・テロ事件被害者のために１５００人 が血液を提供したことがわかった。毎日１００人弱が献血のために連 邦保険省献血センターを尋ねている。 サハリン関連展覧会 １１月３０日―１２月２日間、モスクワでサハリン州への海外資本 誘致を目的に「サハリン州の資源と潜在力」という展覧会が開かれる 。資源開発プロジェクトをはじめ合作会社設立問題などについて事務 的会議やセミナーも開催される予定である。 太拳道関係者サハリン訪問 サハリン州太拳道協会と姉妹関係にある韓国大丘市太拳道協会の金 ・ジャンス総務と後援会代表者ら二人が現地実態把握を目的にサハリ ンを訪問した。 あれこれ 「食パンの値上げ否定」 ヴェ・ナゴルヌイフサハリン副州知事は、食パン生産業者代表たちと の会談を終えた後、価格の引上げは予定してないと明らかにした。今 年の麦収穫高は例年よりよくて価格引上げの要因はないが、運送費の 値上げが問題だと指摘した。 「新しい船舶」 グベルナトル・パルフトジノフ故サハリン州知事の名前を付けた船 舶が地中海で試験運行を無事に終えた。貨物輸送量は１０万８千トン である。 「民間防衛・安全学部創設５０周年」 先週サハリン国立総合大学の民間防衛安全学部創設５０周年慶祝会 に出席したイ・マラホフ州知事は、非常事態担当の若い人材の必要性 を指摘しながら、ハバロフスクで開催された救護訓練競技で勝利した 学生たちに表彰状を授与するほか、学部にカメラと写真アルバムを寄 贈した。又、学生たちは州知事に全ロシア大学生救護隊員証書を送っ た。 「列車から転落」 先週、ポロナイスク駅近くの川辺に走る鉄道から女性が落ち怪我を する事故が起きた。女性は入院して治療を受けている。 「自然の中で休息」 ９月初め、慈善事業の一環として、９月に生まれたユジノサハリン スク市在住の障害者１８０人を対象にイズメンチヴォエ湖辺の遠足に 出かけた。ヴォリャ芸術団員が同行して公演を行う他ゲームをも指導 した。 「同郷人の追悼」 先週末、トマリ市は都市の日を祝った。当日市中心に小さい教会が オープンした。これは昨年カムチャッカヘリ墜落事故で亡くなった同 郷人を追悼するために作られたのである。 ───────────────────────────────── ◆寄稿 [サハリン悲歌 第一章 ４] 金 里博 ───────────────────────────────── 父と母の話をしよう。 父１９１２年生まれ 生きていれば今年９２歳 ７２歳で異国日本で肝癌死。 徴用以来一度も故郷の土が踏めず 熱く悲しい望郷の念をいだいたまま死亡 遺言は 「日本に墓は建ててくれるな」 「祖国が統一したら故郷に埋めてくれ−」。 母１９１０年生まれ 生きていれば今年９４歳。 ７６歳で異国日本で直腸癌死。 特例の母国訪問で故郷を二度訪れるも すでに両親、兄、弟、妹 全員死去 遺言は父と同じく 「日本に墓を建てないでな」 「祖国が統一したら故郷に埋めておくれ−」 二人は今 旧京都五山・朝鮮人副住職の寺・万寿寺に 眠っている− １９４３年、父は「徴用令」の名の下に 二ヶ月も逃亡した末に密告され逮捕連行 大阪の久保田鉄鋼所に服務した。 １９４４年、母はその後を追って 玄界灘を 釜関連絡船三等船室に積み込まれ渡った。 内地人（日本人）は無くとも渡れる玄界灘を 朝鮮人には警察の「渡航推薦状」が必要だった。 最後の最後まで 「皇国臣民の誓詞」が憶えられず 日本人警官に 「不逞鮮人！」と罵声を浴びせられ 「この朝鮮うすのろ！」と小突かれ、蹴られ 挙げ句の果てに ワイロ３０円を収めさせられた。 渡航推薦状と引き替えの金品が無く 陵辱された女は数知れず ふんだくられた金品も数知れない。 ようやく日本に渡って来たものの 父の給料は同一職の日本人の三分の一 どうして一家４人が養えよう。 こうして父の「副職」が始まった。 それでも 母は日本人のゴミ箱あさりをし 私の乳の源泉にした。 だから 私の体からは 長雨が続いたり ジメジメした日が続くと 毛穴という毛穴から 悪臭が吹き出すのを感じ 嘔吐が止まらない時がある。 父と母の言葉は 慶尚道の方言ではあったが 小作農の息子だった父は 漢文とハングルが読み書きできた。 たばこ屋の長女だった母は 漢字は殆ど読み書き出来なかったが ハングルは読み書きできた。 父と母はまだ幸福だったのだ。 識字能力が有り 自分の朝鮮語の中に 日本語が比較的少なかったのだから− サハリンの朝鮮人・韓人たちにとっては 同じ地獄だった。 少しは楽な地獄だ、と自分を騙しながら 渡らせられた者たちだったのだ。 中には二重「徴用」された者もいたが 「国民総動員法」の下に 「合法」的に行われたからこそ 国家的・国民的犯罪だった。 だからこそ 実はもっともっと悲惨だったのだ。 そればかりではない 父が生前語っていた「樺太」は 筆舌に尽くしがたい 叫びと疼きと 涙と血が 気候風土もあった 人心にもあった 言葉にもあった 今も有るに違いない… ───────────────────────────────── ◆寄稿：サンチャゴレポート１９「のみものたべものあれこれ」 塩田悦三郎 ───────────────────────────────── 海外旅行の良さは、一に観光、二に食事ではないだろうか。滞在者 にとってもそれは同じ。「食は文化なり」と言われているように、そ の国の文化を理解するのに食事は重要な要素である。今回はサンチャ ゴというよりはチリの「飲みもの食べもの」について述べさせていた だきます。私が雑食性でありかつ小麦粉アレルギー体質なので、内容 はやや偏っていますがその点は何卒ご容赦を。 チリと言えば、なんといってもワイン。安くておいしいのが沢山あ る。種類が多すぎて通でなければ選択に困る。私の場合、窮余の一策 として値段で決めている。スーパーなどの小売店で買う場合は、ボト ル１本３千ペソ（日本円で約６００円）以上だとまあまちがいがない 。おいしかった銘柄を覚えていて後日買いに行っても、同じものがな いことが多い。もちろん高価なワインは、在庫切れの心配はない。 レストランでのワインを注文する時、通の方は違うだろうが、私の 場合は例によって値段で注文する。目安は１万ペソ（日本円で約２千 円）。ワインは、ぶどうの種類はもちろん、いつ、どこのぶどう園で 採れたか等々良し悪しを決定する要素は沢山ある。小売店には、１本 ８００ペソから３−４万ぺソのワインも並んでいるので選ぶ楽しみに 事欠かない。ご来智の際は、どうぞワイン選びを楽しんでください。 ぶどうの蒸留酒、ピスコは乙な味だ。食前酒に「ピスコサワー」と 言えれば、もうあなたは半ばチリ人。そういう私は、相変わらず「と りあえず、ビール」をやっている。 食事の方は、これまた種類は豊富。太平洋に５千キロ以上の海岸線 を有しているのでシーフードが代表。サンチャゴに来たら誰もが必ず といってよいくらい訪れる中央市場内のレストランで、お皿山盛り一 杯のウニがお勧め。アワビは日本のとは比較にならないほど大きい。 これもお皿山盛り一杯出てくる。こちらはやや大味。牛肉・鶏肉・豚 肉の料理の種類は沢山あるが、お店によって味が異なるので具体的に どこのなにがいいとは言いかねる。先ずは、試していただきたい。牛 肉そのものは、お隣のアルゼンチンには負けるというのが定説。料理 全般に言えるのは塩分が多いこと。注文時に、「塩分控えめに」と言 えればしめたもの。 サンチャゴのランチタイムを紹介しましょう。ビジネス街でのラン チのお値段は、2千ペソから４千ペソ（日本円で４百円から８百円）。 お昼の定食を頼んでも、「飲み物は？前菜は？主菜は？デザートは？ 」ときかれる。○○と答えてもさらにそれらは種類が分かれているの で、「飲み物はオレンジジュース、前菜はミックスサラダ、メインは 牛の焼肉でライス添え、デザートはアイスクリームでバニラ」という ようにそれぞれ注文しなければならない。ランチの飲み物でビールが あるところでは、ビールの銘柄を指定しなければならない。お昼の定 食でさえこれだから、あとは推して知るべし。 チリ人は食事に時間をかける。ビジネスマンの昼休みは普通２時間 。ランチは先ほど述べたようにいろんな選択肢があって、デザートに 至るまで最低1時間はかかる。日本のビジネスマンのように「Ａランチ ！」とだけ注文してさっさと食べて出て行くのとは大違いだ。グルー プで行っても、「私も同じ」などという注文はしない。 食材はこれまた豊富。チリの食材は種類が多くて安い。その中でも ナス、キュウリ、カボチャ、昆布などは大きさが日本3〜4倍あって皮 が厚い。カボチャなんかは私の顔の２倍、いや３倍はあるのではない だろうか。うれしいことに、最近、アジアの代表的な食材とも言われ ている大根・にら・もやし・しいたけ・しょうが等がスーパーの店頭 に並ぶようになった。調味料のしょうゆ・ごま油・味噌・味の素等も 同様だ。 果物も日本ではお目にかかれないツナ（サボテンの実）・チリモヤ ・アランダノ（コケモモの実）等のいろんな南国のフルーツがとても 安く手に入る。魚貝類はある程度新鮮で、パック詰もあるが目の前で さばいてお好みの切り身にしてくれる。 いろいろ述べたが、かくいう私は毎朝、納豆・大根おろしにチリメ ンジャコ・梅干・味噌汁・ご飯を食している。納豆は日本からの輸入 品で日本の数倍のお値段。このような私がチリの飲み物・食べ物につ いてこれ以上述べるのはおこがましいのでこのへんで失礼！ ───────────────────────────────── ◆２０代のぼやき：「９月１７日」 有木優一 ───────────────────────────────── ９月１７日、プロ野球選手会が７０年の歴史において、前代未聞の ストを決断した。この報道にあるスポーツ紙は号外を出した。おそら く、スポーツ紙業界において、次の日の一面を飾ることは避けて通れ ないだろう。 そして、日が変わって午前２時現在、僕はパソコンの前で、お気に 入りに追加している各大手新聞社のホームページにて、今日起こった 事件を読みあさっていた。朝日、読売、毎日・・・、不思議なことに 気付く。これら大手新聞社でも各ホームページのトップに見出しこそ 違うが、「プロ野球、スト」関連の記事が掲載されていた。確かに日 本の国民的娯楽といえる「プロ野球のストライキ」だ。日本国民の大 半は、その経過について興味は尽きないだろう。しかしながら、スト ライキ決断後、５時間が過ぎようとしている時に各社同関連の記事を トップに掲載していていた。 中でも唯一、日経新聞社の場合、違っていた。やはり野球に関して の記事も掲載してはいるが、そこのトップには「イラク占領前、大量 破壊兵器存在せず、・アメリカ調査団が結論」とあった。１７日現在 、日本人の関心事はプロ野球関連にある、といっても過言ではなかっ た。しかしながら、マスコミは、再び国民に同日に判明した事実に対 してより関心を持たせるべきだろう。マスコミにはそれが出来る。「 大量破壊兵器が存在しなかった」ということは、世論の反対を押し切 り、自衛隊を派兵させた小泉首相の是非が問われる程の大問題であろ う。これは、当時、誰も把握していなかった事実だ、と言い逃れが出 来るはずも無い。ご存知の通り、国連を無視したアメリカの曖昧な認 識に乗じて派兵させたことで、知らなかったでは許されない「拘束事 件」を誘発させてしまったのだから。 マスコミが国民の知りたい情報を配信することに異議を申し立てる つもりはない。しかし、国民が深く思慮すべき事実を蔑ろにしてまで 、大手マスコミが挙って報じることには異議を唱えたい。世界の情勢 、最新の衝撃的事実が世界から配信されてくる新聞社は、日本のプロ 野球非常事態を強調して報道するよりも、一世界情勢として、小泉政 権非常事態をもっと強調して報道するべきだったのではないだろうか 。増してや、各社のホームページ上に記事を掲載する場合は、読者対 象が国内のみならず、世界へと広がっているのだ。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から] Michio Katayama ───────────────────────────────── 「大量破壊兵器はなかった。今後も発見には至らないだろう」 こんなニュースが世界中を駆け巡った・・・といえば大騒ぎになっ たでしょうね。わが国では「２０代のぼやき」で有木君が書いている ように、プロ野球のストライキがＴＯＰになった新聞が多かったよう です。読者の皆さんはやはり「ストライキ」の方が大ニュースでした か？ ９１１の後、アメリカのマスコミは「アフガン攻撃」や「イラク戦 争」に「やむなし」の論調が多かったようです。しかし今ＮＹタイム ズやワシントンポストなど著名な新聞は「あのときの報道は？」と自 己検証しています。無論「かなり異常だった」という反省です。 わがマスコミは？ だから小泉さんになめられるんでしょうね。 ◆誤報といえば北朝鮮の大爆発事故。韓国の統一部イ・ボンジョ次官 は１７日、北朝鮮北部の両江道金亨稷郡で起きたとされる大爆発につ いて「爆発の徴候があった場所で爆発はなかったものとみられる」と。 一体なんだったのか。あの騒ぎ。 ◆「金正日総書記の妹、パリでアルコール中毒治療」だと。あの国に いると酒でも飲まずにはいられないのか。 酒も飲めない庶民は何を飲む？ ◆「北朝鮮は反国家団体」だとソウル高裁・刑事第８部（裁判長：金 治中部長判事）は指摘。国家保安法違反の疑いで起訴された統一連帯 ・事務処長のミン・ギョンウ被告（３８）の控訴審で。 韓国のニュースを追っているとなんとも奇妙な思いに。それが政治 の世界。大人の世界。いや・・・。 ◆ ───────────────────────────────── 発行 ２００３年９月２１日 No.１８３ 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 Macky! 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