メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.176◆現代時評:[自殺者最多の国?]  2004/08/03


◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇
                              2004/8/3 No.176
【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ
 トに論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と
 して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト
 版、その他、寄稿記事など話題満載! 
           URL ⇒   http://www.609studio.com
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           ◇◇◇from 609studio◇◇◇

 ◇ホームページの「今日のサハリン」で1枚の写真を掲載します。
  この写真は土・日を除く毎日、ユジノサハリンスクから天気情報
  とともに韓国語放送の李・ボクスンが送ってきます。
    
───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:[自殺者最多の国?]              ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年7月30日号

◆現代語感:[記者クラブ]                MK

◆寄稿 サンチャゴレポート11:[イースター島]  塩田悦三郎

◆20代のぼやき:[病院食]            有木優一

◆韓国新聞拾い読み:
                                                    編集部
 
◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[自殺者最多の国?]             ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                  info@609studio.com   へ!
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◆◆サンケイWEB 2004・7・24 小泉純一郎首相は23日
昼、昨年1年間の自殺者が過去最多になったことについて「あまり悲
観的に思わないで、頑張ってほしい。できるだけ少なくなる対応が必
要だが、なかなか特効薬がなくて困っている」と述べた。
 事業不振など経済的な理由での自殺者が増えていることについては
「自殺の事情は経済だけではないが、経済状況を改善していく努力を
これからも続けたい」と述べた。
 昨年一年間の全国の自殺者は三万四千四百二十七人と、前年に比べ
て二千二百八十四人(7・1%)増加し、統計を取り始めた昭和五十
三年以降で過去最悪となったことが二十二日、警察庁のまとめで分か
った。三万人を超えたのは六年連続となった。

■■「日本は世界で自殺がもっとも多い国」と言われると、なるほど
そうかと今更驚く人も居るだろうし、「やっぱりそうか」と納得気味
の人もいる。 が、どちらの人々も、いわば被害妄想に傾きやすい種
族で、なにごとであれ「だから日本はいけないのだ」と、わが住む国
に対していつも批判的であり、他所の庭が美しく見える人々と考えて
いい。

■■だが、「いやそうではない。たしかスェーデンが自殺最多で、高
福祉国家、必ずしも幸せとは言えない」という話も聞く。調べてみる
と「自殺最多のスエーデン」という伝説は、米国のアイゼンハウワー
大統領が、スエーデンが米国の言うことを聞かぬのに業を煮やして、
どこかの演説で「スエーデンは自殺最多の国」と言ったことに由来し
、それは誤報であったとその後確認されたそうだ。

■■WHOの2000年統計によれば、自殺率はリトアニアがもっとも高く、
あとロシア、ベラルーシ、ラトビア、ウクライナなど、旧東欧圏国家
群が続くそうで、不安定な社会相が原因と容易に想像がつく。

 日本は11位で、あとにフィンランド、クロアチア、ベルギーが続
き、高福祉即ち高自殺を噂されたスエーデンは20位以内には出てこ
ない。 

■■いわゆる先進大国中では、やはり日本の自殺率が高く、とくに女
性だけでいえばスリランカ、中国などに続いて自殺率世界第3位にリ
ストされている。 もっとも、女性の自殺は、世界的にみてもそう多
く無く、男性の4分の1程度になっているから、女性は社会的に順応
性があるというべきだろう。

■■ボクは若いころ、なぜか自殺したいと思ったことが何度かある。
今となればその理由も定かでないが、とにかく自殺したくて、参考ま
でにショーペンハウエルの「自殺論」という本を買ってきて読んだ記
憶がある。その中に「死ぬ苦痛より、生きていく苦痛の方が勝るとき
、人は死を選ぶ」という文句があった。 なるほど理論的にはそうだ
ろうが、人が自殺を思うとき、そうまで理屈っぽく考えて自殺行動に
出るとも思えない。「死ぬしか他に方法がない」と、単純に思い込め
ばこその自殺であって、ソクラテスのように理詰めで自殺する風変わ
りな人はそう多くは無い。

■■むかしフランスにデュルケムという有名な社会学者が居て、この
先生も「自殺論」を書いている。「生活が苦しいから自殺するのでは
ない。生活水準が変われば、むかし同じ水準であった人々から仲間外
れにされ、自己意識が崩壊する。自分を失えば自殺や犯罪に走る」と
いうのだ。つまり「いままで自分が居た社会がすべて無くなり、孤立
してしまうから自殺する」というのである。この話はショーペンハウ
エルの話より、より説得力がある。

■■たとえばいままで幸せに暮らしてきた。それが、急にお金が無く
なったとか、あるいは何かの偶発事故で、それまで親しかった周辺の
人々から急によそよそしくされる。今までの友人・縁者・知己の総て
が敵に回わり、自分は孤立する。自負していた名誉も尊敬もすべて無
くなってしまう。 それを考えると、死んだほうがましということに
なる。 これはじゅうぶんあり得る話だ。

■■今ごろは社会福祉制度が発達しているから、「腹が減って食う物
も無い」といった天明の大飢饉のようなことはないから、最低生活が
出来ず、死を選ぶというようなことは先ず無い。物質生活の困窮より
も、精神的な困惑が増幅され、それが人を死に走らせる。と、デュル
ケム先生は言っているのである。

■■生きようと思えば生きられる、多くの女性はしたたかにそう考え
る。精神的な忍従生活において女性は秀でている。だから、男性の4
分の一しか女性は自殺しない。 換言すれば、世の男性の、忍従能力
を女性並みに下げさえすれば、ただそれだけで、男女合わせた平均死
亡率は一挙に4分の一近くに下がる計算になる。簡単にいうと、男性
の名誉心が女性の4倍だから、自殺率も4倍ということになろうか。責
任感でなくて、名誉心で死ぬと、デュルケム先生は言うのである。

■■どんなに努力しても自殺が完全に無くなるわけではないそうだ。
 それについてもデュルケム先生は言う。「自殺は、犯罪やその他の
一般的な社会的事実と同じくどの社会にも見出されるという意味で正
常的な現象である。しかし、社会構造が変わらないのに顕著にふえた
場合は「病理的」である」と。

■■先日発表された「わが国の自殺者、過去最多」は、そう顕著に急激
に増えたわけではなさそうだから、「病理的」ともいい難い。 が、
ややそうした傾向も無いとは言えない。

 統計的にみて面白いことがある。 男女を比較すると男の自殺が多
いことは先に述べた。それも「独身」の男女を比較すると、圧倒的に
独身男性の自殺が多いそうだ。 女性は独身を通そうが、亭主に先立
たれようが、それで死ぬことは先ず無いそうである。 ところが独身
男性は、独身で相手が居ないということだけでも自殺の原因になり得
るらしい。ワイフに先立たれた男性が死にたいと思うことは通常に近
い心情なのだそうだ。

■■偉そうなことを言っても、男性は女性無しでは生きがたい動物な
のである。 「結婚は、女性にとってよりも男性にとって有意義なも
のであり、生きていることの「意味」と結びつく」と、これもまたデ
ュルケム先生のお説である。 信じるか信じないかは、これを読む読
者諸兄の意向に任せる。

■■発表されたわが国の、昨年度自殺者の原因は「経済・生活問題」
が8897人で、平成9年までの3000人台、十年の6000人台に
比して急増というべきかも知れない。
 内訳は、「負債」が5043人と最多で、「生活苦」の1321人
、「事業不振」の1041人、「失業」の610人が続く。 

■■経済問題での自殺の9割以上を男性が占め、五十歳代前後の中高
年の自殺が目立っているというから、さしずめこのカテゴリーの自殺
者を減らすことが緊急の課題である。
 そしてこれは比較的取組みやすい問題といえるかも知れない。とい
うのは、これに属するのは事業に失敗したとか、リストラに遭遇した
とかの、わりあい簡単で、しかも他国では少ない自殺原因であるから
、社会環境や本人の心の持ち様を変えれば死ななくてもすむ話なのだ。

■■むかしボクが香港で親しかった華僑実業家グループの話である。
その内の一人が倒産し、同類仲間が集まってその善後策を相談してい
るところへ偶然ボクが行き合わせた、というわけだ。立派な食堂で豪
勢な昼食をとるのが通例の連中が、なぜかその日だけは炒飯を食べて
いた。

■■内の一人が口火を切った、「ところで債権者はいったい誰だ」。
「ウン、筆頭債権者は日本の商社で、次ぎが銀行だ」。 
「ああそれなら問題ない、彼らはカネを持っているし、担当者は月給
取りばかりだから、君はなかなかいいところを債権者として選んでい
る、上出来だ」。
(このときの商社というのは、「丸紅」らしかった。)
「で、あとどうするつもりだ」。 「もう一度同じ事業を再開するか
ら、みんな出資して欲しい」。 
「よし、そうしよう。次ぎはうまくやるよう期待する。また難しいと
きは、もう一度日本の商社と銀行に泣いてもれえばいい」。

■■そして、イとも簡単にこの内部における債権者会議は終わった。
グループを取仕切っていたボクの親しい男は説明する、「倒産したと
きの会議はだいたい焼き飯を食べながらこの程度の話で、誰もとやか
く言わない。済んだ事をぐずぐず言うのは日本人の特性で、われわれ

 華僑は過去を問わず、どうして再建するかだけが議題になる。どん
な素性の相手が大口債権者か、それが再建可能性の大事な要素だから
、問題になる。 通常、日本の商社とか銀行がいちばん無難な泣いて
もらう相手と考えている」。 
 なるほどこれならば、中国人ビジネスマン社会で、事業に失敗して
自殺したという話などついぞ聞かぬのはとうぜんである。

■■たしかに、この友人の言う通りで、我々日本人は過去を責め、失
敗を責めることに厳しく、いきおい、再建が困難で、ひとたび失敗す
れば、その人の人生はそれで終わりになることが多い。 
 事業の失敗のみならず、被雇用者が偶然リストラに遭遇したとして
も、その原因を内心で、本人の無能力、不道徳に帰すばあいが多い。
だから、失敗した人が、身も世もなく、自殺を考えるのも無理はない。 
そうした場合、赤穂浪士のごとく、いざぎよく腹を切り、桜の花のご
とく散れ、と世間が言っているように、失敗した人は思うのである。
 だから自殺が多い。

■■19世紀初頭のイギリスにおいては、「失業は労働者の勤勉とか
怠惰の問題でなく、国の内外の経済界の景気の反映に過ぎない。ある
いはまた猫の目のように変わる大衆の趣味の移り気こそ、多数の労働
者を失業させ、企業を倒産に追い込む殆どの原因である」と考えるよ
うになった。 そしてそこから初めての国家的企画としての失業手当
制度が発足した、と歴史は言う。 

■■こうした状況は、百年後の日本でもたいした変わりはないのだが
、それをややもすれば本人の不道徳、無能力に帰せしめようとし勝ち
な日本の習慣こそ責められるべきである。

 つまりわが日本という社会は、無慈悲無思慮に、失業した人々や倒
産した企業家を多くは道徳の問題として非難し、劣等位置へ追いやろ
うとする傾向が他国に比して余りにも大きいのだ。そしてそれが「経
済・生活問題」という理由で、諸外国に比して段違いに多い自殺者を
出している主原因になっている。

■■ひとたび事業に失敗すれば再起は難しいし、リストラに遭えば似
たようなポジションでの再就職は困難である。 いっとき政府が音頭
取りになってベンチャー企業の育成を鳴り物入りで宣伝したが、尻す
ぼみの状態のままであるのもそれが主原因である。

■■お金を借りるとなると、いくら有限責任の法人でも、銀行は経営
者に「包括担保」とか「根抵当」とか称して、無限の個人保証を要求
する。それのみならず、知人で不動産を持っ人の共同保証をも求める
ことが殆どである。世界でも数少ない苛酷な連帯保証制度と言えよう。 

■■被雇用者のばあいも、せっかく「年功序列」という穏当で立派な
労働条件慣行を持っていたにも係らず、近年は米国式と称して、労働
者の無慈悲なかく首、リストラを武器にして企業利益を捻出した経営
者のみが賞賛されるという産業社会に、急に変貌してしまった。
 そうした厳しい産業社会になればなるほど、自殺者が増えるのは自
明の理である。

■■自殺者全体のうち、男性が72・5%を占め、年齢別では、六十
歳以上が全体の33・5%を占め、五十歳代(25・0%)、四十歳
代(15・7%)、三十歳代(13・4%)の順と大半が働き盛りの
中高年男性が目立つ日本。 それは無慈悲で苛酷な社会を志向する日
本の、形を変えた姿である。

■■先日のニュースでは、東京、大阪を中心に全国規模で心の悩みを
受け付ける「自殺防止センター」が、昭和五十三年の開設以来、若い
女性の相談が多かったが、最近は中高年男性ばかりの日もあるという。
 悩みを受けつける情緒的な「自殺防止センター」の拡充も女性子供の
自殺防止には必要だ。 が、それにも増して、産業社会における一時
的敗者に対して寛容な社会を構築することが、より喫緊の要務ではな
かろうか。 いたずらに「敗者は消え去れ」の社会ばかり目指してい
ては、自殺者は今後とも益々増える。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2004年7月30日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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ロシア国家評議会の新編成

  ロシア連邦国会評議会法とプーチン大統領の決定により、国家評議
会常務委員会の新会員が決まった。イ・マラホフサハリン州知事、ザ
ジコフイングシェチヤ共和国大統領、オ・コロリョフリペツク州政府
首席、ア・レベジハカシヤ共和国内閣総理、ヴェ・サントペチェルブ
ルグ知事、ペスミンチェリャビンスク州知事、ア・チェルヌイショフ
アレンブルグ州行政首席が新しく会員となった。常務委員会は緊急問
題を協議するための組織で、毎月1回開かれる国家評議会の議題と事
業案を検討する。

冬暖房準備検討

 サハリン州イ・マラホフ州知事は、セルゲイ・ゼグチャリョフ副知
事出席の下「極東動力コンパにヤ」のヴィクトル・ミャスニク総社長
と会って冬の暖房準備問題について会談を行った。暖房問題の主な原
因として指摘されたのは石炭供給の不調。不足した石炭の代わりに質
の悪い燃料を使うため設備に故障を起こすなどの悪循環が続いている
とことである。州知事は燃料供給計画の厳守と設備や技術部門でトラ
ブルが起こらないように万全を期するよう指示した。

学生たち元山キャンプ場へ

 7月26日、ユジノサハリンスク「エトノス児童芸術学校」生徒1
4人が夏休みを楽しく過ごすために、北朝鮮の元山キャンプ場に出か
けた。彼らは10日間、キャンプ場で休みをとり、残りの日はピョン
ヤンの有名観光地を見学する予定である。

新しい札発行

 ロシア連邦中央銀行が新しい紙幣を発行する。現在使われている紙
幣と同じデザインの良質のもの、10、50、100、500、10
00ルーブル札が8月16日から流通される。現紙幣も古くなるまで
の2−3年間は使うことができる。

韓人団体、再び連合問題を論議

 さる21日韓人諸団体が集まって、連合組織の結成について協議し
、8月1日まで連合組織結成の決定書を作るとの結論に至っていた。
27日、ユジノサハリンスク市長補佐官金・ボクゴンさんの呼びかけ
で再び諸団体が集まって円卓会議を開き、連合組織作りの必要性につ
いて激しく競技したが、再び結論には至らず、8月1日に再度会議を
を開くことになった。

あれこれ

「夏休み中のアルバイト」
 ユジノサハリンスク市にある社会団体「ポドルオストク」は夏休み
を利用してのアルバイトを学生たちに斡旋する活動を行っており、今
年は約50人に都市の美化作業や建設現場でのアルバイトを紹介した
。同団体指導者の話では協力企業が10カ所ほどで、あまり関心を示
さないとのこと。学生たちの1カ月間の収入は1千〜3千ルーブルで
ある。

「熊と車」
 先週末、ユジノサハリンスクーオホツクコエ間の道路で熊が車に追
突する事故があった。走っている車に熊が急に飛び込んだという。人
も車も被害はなかったが、熊が外傷を得た。外傷を得た熊は大変危な
いとのことで、ハンターたちを動員して跡を追っていたが、事故3日
後、事故現場から350km離れたところで死んでいるのを見つけた。

「赤字企業整理」
 先日、州政府会議で赤字企業処理問題が議題に上がった。議題を提
案したア・ラジェフ州経済委員会副院委員長は州内企業の半分ほどが
赤字を出しており、これら無益な企業を閉鎖すべきであると主張した
。石炭、林業、木材加工、水産業、建築材料生産企業、住宅管理公社
の中に無益な企業が多く、登録されている11000の企業中、税務
報告を行っているのは半分の500社だけであるため、企業に対する
統制を一層厳しくする必要があると会議で訴えた。

「ラスヴェト問題」
 先週、ヴェ・ナゴルヌイ副知事と州農業管理局エ・ラピン局長がキ
ロフスコエ村の国営農企業「ラスヴェト」を訪問した。目的は同企業
の運営につての実地調査。同区域で今も生き残っている農企業は少数
である。「ラスヴェト」の場合、定期的に予算支援を受けており
(今年1・4期にも100万ルーブルの補助金が支給された)、過去
5年間、無利子で400万ルーブルの融資を受けている。農業管理局
は構造改造を提案しているが、改造後も改善されなかったら「ラスヴ
ェト」を廃業させるべきであるとエ・ラピン局長は厳しく対応してい
る。

安山市の支援活動

 昨年8月、ユジノサハリンスク市と友好協力関係を樹立した安山市
から、市長をはじめ、職員9人と東洋医学医師、大学生など40人が
支援活動のためにサハリンを訪問した。7月22日サハリンに入った
訪問団は極貧者に対する支援金4千ドル贈呈と郷土博物館韓国コナー
整備、大学生の奉仕活動、医療支援活動などを行っている。又、ソン
・チンソブ安山市長はサハリン同胞たちのために集めた1万ドルの支
援金を韓人会長に贈呈した。

ホルムスク市で医療奉仕

 安山市東洋医学意思協会の会員5人が22日〜25日までホルムス
ク市民350人を対象に医療奉仕活動を行うほか、8千ドル相当の医
薬品を市民たちに配った。患者の7割はロシア人、3割は同胞たちで
あった。

大学生奉仕活動

 安山市に住む大学生とセマウル(新しい村)夏季奉仕活動団など3
2人が最近、ユジノサハリンスク市の第9東洋語文学校とホルムスク
市の「ナゼズダ」リチェイ学校の校舎修理に励んでいる。

ユジノサハリンスク市立オーケストラの日本巡回公演

 1999年2月に創設されてから80回州内巡回公演を行っている
ユジノサハリンスク市立オーケストラは、2000年から毎年日本の
北海道を尋ね地元の音楽家や団体と共演を行うなど交流を深めている
他、今年の6月には韓国で20日間巡回公演を行った。8月からは札
幌市、函館市、根室市で巡回公演を行う予定である。
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◆ 現代語感:[記者クラブ]                MK
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 その数、日本列島に八百有余とも言われる「記者クラブ」は、和を
以て尊しと成す金融機関すら“護送船団方式”との決別を余儀なくさ
れた21世紀に至るも、連綿と幅を利かす。
 それは本来、新聞社と通信社、放送局を構成員とする任意の親睦組
織的側面を保ちながら、時として排他的な権益集団と化す可能性を拭
い切れぬ。現に、世の大方の記者会見は記者クラブが主催し、その場
に加盟社以外の表現者が出席するのは難しい。(後略)
(長野県公式ホームページから)  http://www.pref.nagano.jp/
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 記者クラブの弊害が叫ばれて久しい。ニューズウイーク日本語版(
8月4日号)は「取材は受け身、リスクは冒さない、政府や企業を守
るためなら真実を犠牲にするのもいとわない・・・民主主義の番人」
の役割を忘れた日本の新聞・テレビに未来はあるか」という内容で、
「おかしいぞ!日本のマスコミ」と題した特集を掲載している。記者
クラブに所属すると、官公庁が発表するニュースを「裏づけも取らず
」そのまま記事にする危険を冒している。先日の国松警察庁長官狙撃
事件の犯人逮捕そして釈放事件。あれも思い込みと発表ものを記事に
した結果だ。

 そして記者クラブの持つ最大の弊害は「ニュースを独り占め」しよ
うとする排他的な集団だということだ。いまやニュースは少数の新聞
やテレビ局だけの独占ではない。インターネットというツールがそれ
を可能にした。たとえば韓国のネット新聞は大統領選の結果にまで影
響を及ぼすようになった。日本でも同様の動きが見られる。

 長野県や鎌倉市のように記者クラブを廃してネットで広報を流すよ
うになると、記者クラブの存在に疑問が生じるのは筆者だけではある
まい。もっとも、「ニュースを独り占め」にはもう出来ない仕組みだ
が。
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◆寄稿サンチャゴレポート12「イースター島」  塩田悦三郎                         
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 「イースター島」は、スペイン語で「イスラ・デ・パスクア」、現
地語で「ラパ・ヌイ」と言う。サンチャゴの約4,000km西、飛行
機で5時間余のところにある。人口3,800人の小さな島。島名の
由来は、ヨーロッパ人が最初に上陸した日がキリスト教のイースター
の日だったから。最近、この島を訪れたので紹介します。

 「イースター島」は、チリの一部。こうなるまでにはいろいろな経
緯があった。近代になって独立するのが困難な島を、チリが領有宣言
したからチリ領土になったと単純に考えた方がよさそうだ。話は飛ぶ
が、チリは南極大陸の一部をも自国の領土と主張している(本レポー
ト1参照)。国際法上は、宇宙と南極には領土権を主張できないはず
なのだが。領土問題は、いつでもどこでも複雑難解だ。

 「イースター島」は、モアイの島で有名。全島に約900体あると
言われている。製造途中で放置されたのや、倒されたり、風化しつつ
あるのをいれるといくつになるのだろうか。このモアイは、大きさ・
顔かたち・表情・立っているかいないかなど同じものはない。全て男
性といいたいのだが、一体だけ「女モアイ」がある。首がないモアイ
で胸のふくらみがあるから女性とわれているが、男でも胸がふくらん
でいる人がいるから確かではない。

 「イースター島」は、モアイがあまりに有名だが、訪ねて見るべき
ところは沢山ある。一つは、日曜日朝の「ミサ」である。村中の人々
が着飾って集まる。島独特のゴスペルソングが感動的。信者でなくて
も聴く人に感動を与える。内容はさっぱりわからないが司祭のお話を
神妙に聴く。2列ほど前にいる女性がハンカチを出して目に当ててい
る。どうやら日本人のようだ。確かに、教会全体は厳粛な雰囲気だ。
でも、それだけで涙しているのではないだろう。彼女は司祭の言葉が
わかっているに違いない。

 「イースター島」は、謎の多い島。冒頭に述べた「なぜチリなのだ
」もその一つ。モアイはそれぞれの一族の長の館に向かって立ってい
る。彼らは、時々戦って相手のモアイを倒す。そんな間柄なのにモア
イの造られた場所は、島の東部のラノ・ララク1箇所だけ。造ったモ
アイを自分達の部落へ運ぶ時、妨害はなかったのだろうか。沢山ある
モアイの群の中には、海を向いている群が1箇所だけある。これも謎
の一つ。

 ロンゴ・ロンゴという文字板がある。象形文字のようだが、未だに
解読されていない。1860年代、ペルーによる奴隷狩りがあり、そ
の際文字を読める長老達までが連れ去られたためという。そのコピー
が、ホテルや土産店の飾りになっている。この文字板の変わっている
のは、最初の行を右から読んだら、次の行は左から読むのだそうだ。

 「イースター島」の原住民の数が、奴隷狩りや疫病でたったの50
人になった時があるという。そういえば、6日間の滞在で「これが原
住民の顔だ」という人には会っていない。変わらないのは、やはりモ
アイの顔だけか。

 「イースター島」は小さな島だが、いろいろと興味は尽きない。予
備知識があれば楽しみは倍増する。一つ一つのモアイと対座し、いに
しえに想いを馳せれば時間はいくらあっても足りない。「イースター
島」が「ハワイ」、「ニュージーランド」を結ぶ「ポリネシアン・ト
ライアングル」の一角で、人々はトライアングル内の島々をカヌーで
行き来していたということを知ったらますます興味が湧いて来た。
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◆20代のぼやき:「病院食」            有木優一 
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  先日、某病院の調理場で働く女性と話す機会があった。そこで、聞
くことが出来た老人ホーム化してしまった病院についての現状をレポ
ートしたい。

 僕が彼女から聞いた話の中で、一番驚いた話が、医師が指定する調
味料の分量を無視して、調理していたということだった。無論、糖尿
病を筆頭に調味料一つで生死を分ける患者が、当病院には入院してい
るのである。ところが、調理場を指揮する立場の管理栄養士は、「年
寄りばかりの入退院を繰り返す患者さんが多いこの病院で残り少ない
人生を終えるのに、おいしい食事を取らせて上げたい。」という気持
ちから見てみぬ振りをしているらしい。

 僕は、病を癒すための病院で、このような事実が黙認されているこ
とに驚き、そして憤りを感じた。確かに、残り少ない人生でおいしい
食事を取らせて上げたいという気持ちは、その職業に就いている限り
、当然抱くはずの感情ではあるだろう。しかし、職場が「病院の調理
場」であることを忘れてはならない。それは、その管理栄養士の完全
なまでに自己完結的なエゴである。まず、そこが病院である限り、病
院の全スタッフが患者の病気を治療することに専念すべきではないだ
ろうか。

 一方、おいしい食事が食べたいと切に願う患者ならば、病院に入院
するか否かは本人が判断するだろう。彼等は、病気を治すために入院
するのであって、おいしい食事を取るために入院しているのでもない
のだ。その管理栄養士は、患者や患者の家族の人たちがなぜ病院に入
院するに至ったのかを考えるべきだ。

 医療の事故が相次いで報道されて久しい。そこでは、よく「新人看
護師による医療事故」などといった報道がなされてある。今回、病院
食の現場についてレポートしたことで、医療事故が起こった際、一点
に責任を集中させている病院側の体制についてまでも疑問を抱くよう
になった。偶然が積み重なって起こった事故は、起こるべくして起っ
た事故であったということを改めて認識しておかなければならない。

さて、あなたの周りの病院、大丈夫?
─────────────────────────────────
◆[韓国新聞拾い読み]                       編集部
─────────────────────────────────
南北、技術標準を統合(中央日報)

  南北(韓国と北朝鮮)が技術標準の統合を進めることを決め、今年
9月に中国で協議を行い、本格的な実務作業に乗り出す。韓国科学技
術情報研究院(KISTI)は27日、韓国内の主要標準団体などと
共同で、南北間の技術標準統合に向けた「南北技術標準協力団(以下
協力団)」を構成し、9月、中国で、北朝鮮・国家品質監督局と技術
標準の全般について協議する予定だと発表した。
http://japanese.joins.com/html/2004/0727/20040727181645500.html
_______________

 筆者が驚いたのは、こんな分野まで南北に差があったということだ。
テレビのシステムが、一般国民に隣接国の放送を見ることが出来ないよ
うに、別のシステムを使っているのは知っていたが。たとえば中国はP
ALシステム、ヨーロッパと同じだ。韓国はんほんとおなじNTSCで
北朝鮮はPALで中国と同じ。ロシアはSECAM。面白いのは、フラ
ンス。周辺の国がPALなのに、フランスはSECAMだ。文化の防衛
か?北朝鮮の場合は体制の防衛?
─────────────────────────────────
◆[編集長から]              Michio Katayama
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 もう8月。早いものですね。原爆、敗戦、高校野球・・・と多彩な行
事が日本中で行われます。夏祭りに花火大会、そういえば仙台では七夕
も。子供たちの歓声が聞こえてくるようです。
 
◆「派閥政治の終焉」と新聞に。小泉政治の結果か?まさか。当の本人
が一番知っている。青木、安倍の面々とともに・・・。

◆イラクでは相変わらずのテロ。自動車爆弾がキリスト教会に。神に祈
る人々が犠牲。いったい・・・。

◆韓国与党・ウリ党の辛基南(シン・キナム)議長は「民主改革勢力が
多数党でないときは、日帝、冷戦、軍事独裁時代の暗い遺産を整理でき
なかったが、遅くなったとはいえ、いまからでも精算しなければならな
い」と語った。

 これが与野党の攻防なのか、単に「日帝時代の清算」なのかも見極め
が難しい。野党は「朴槿恵(パク・クンヘ)たたき」だと。

 朴槿恵(パク・クンヘ)は朴大統領の娘で、野党ハンナラ党の党首。
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発行     2003年8月3日   No.176
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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