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タイトル:609studio No.174◆現代時評:[巨大銀行の合併もしくは統合]  2004/07/20


───────◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇──────
                              2004/7/22 No.174
【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ
 トに論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と
 して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト
 版、その他、寄稿記事など話題満載! 
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            ◇◇◇お知らせ◇◇◇

 ◇長い間休刊しました。今週号はセ・コリョ新聞を一挙に3号分
  を掲載いたしました。

 ◇それに伴い、現代語感と韓国新聞拾い読みは休載となります。

───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:[巨大銀行の合併もしくは統合]        ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年7月2日号

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年7月9日号

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年7月16日号
 
◆現代語感:休載します。               MK

◆寄稿サンチャゴレポート10:「パイネ国立公園」 塩田悦三郎

◆20代のぼやき:[無名の薬物依存症者達による自助グループ]
                                         有木優一

◆韓国新聞拾い読み:休載します。              編集部
 
◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[巨大銀行の合併もしくは統合]         ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                  info@609studio.com   へ!
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◆◆アサヒコム 2002.7.15 三菱東京フィナンシャル・グ
ループは14日、経営統合へ向けて交渉を始めることで正式に合意し
た。週内の統合合意をめざす。両グループ合わせて総資産190兆円
、世界最大のメガバンク構想が実現へ向けて動き始めた。ただ、統合
に伴い、UFJ傘下のUFJ信託銀行を住友信託銀行に売却する計画
が白紙になることに、住友信託は強く反発しており、統合交渉に影響
が出る可能性もある。

◆◆アサヒコム 2002.7.15 昨秋の検査以降、金融庁と寺
西正司前頭取を中心とするUFJ前経営陣との関係は抜き差しならな
いところに来ていた。問題の発端は昨年10月、UFJ東京本部で検
査中に見つかった段ボール約100箱だった。「資料隠しだ」とする
検査官と「シミュレーション資料のひとつ」と反論するUFJで意見
が激しく対立した。竹中金融相の周辺からは「検査忌避で挙げてやる
」という強硬論が台頭した。それでなくても、不良債権比率の半減を
目指す金融庁にとって、ダイエーや大手商社の双日(そうじつ)など
再建途上の大口融資先を抱えるUFJは、問題を先送りしてきたよう
に映った・・・。 

■■いま売出し中の流通産業専門の新進理論家吉田繁治大先生が適切
な表現をしている、「何が世界最大? 世界最大の資産ではなく、金
融界で世界最大の負債銀行になった190兆円と言うべきでしょうね
。どうやってその190兆円に、利益という内容を与えるのでしょう
か?負債に見合う利益を出せるのか? 銀行の当事者の頭脳構造は、
ここへ至って未だに時代遅れの量の信仰がある。そう感じました」。

■■なるほどその通りで、三菱・UFJ、両行併せて190兆円の資
産は巨大だが、その殆どは預金者から預かった他人の金で、自分の資
産といえば、自己資本比率8%のBIS規制合意が精一杯だから、ト
ヨタの総資本22兆円、うち自己資本68%という健全さに比較し得べ
くもない。
 預金量で水脹れも極まった銀行が、貸す相手もないままに、唯一頼
りにする国債購入でその日暮しをしている現況は、世界に誇るべき企
業というよりは、1歩間違えば国家社会経済を巻き込んで御陀仏を決
め込む超不良企業こそ真実の姿である。

■■リソナ銀行が危ない、いやミズホがもっとたいへんと噂された頃
、健全な銀行のイメージだったUFJに、金融庁が疑問を持ちだした
とたん、さあたいへん、今度はそのUFJがどうにもならぬと言うこ
とになり、結果が今回の三菱東京との合併騒ぎだ。 ボクら素人は、
UFJのどこに不良資産が隠してあったのか疑問に思ったものだ。 
蓋を開けて見ると、それがダイエー、双日、および大京の問題だと教
えられて、それなら思い当たるフシも無くはなかった。

■■ボクの住んでいる付近のダイエーから急に客足が遠のき、閉店が
続いた。
 商社日商の主力取引先神戸製鋼は震災後は廃墟のまま、ニチメンの
得意とする繊維は、いまや大阪と共に過去のものになった。大京とい
うマンション屋に至っては「数千億円の棒引きを銀行に要請した」と
新聞に報じられて、なおそれ以後に近所に巨大なマンションの建設を
始め、近隣住民をして、いったいアノ会社はどうなっているのかと、
噂の種になって久しい。 そんな赤字会社を背負い込んだUFJとい
う銀行が健全な銀行であるなどとは、まことに不思議な話であったの
だ。

■■それが表沙汰になり、潰れるよりはまし、と三菱東京銀行に救済
合併を頼み込んだというが、それも、もし三菱側が健全無比な銀行な
らばそうした瀕死のUFJを抱え込む必要が、果たしてあたかどうか
、ボクなど、これまた疑問に思う次第である。

■■だいたいボクが不思議に思うのは、近年、銀行が合併を続け、合
併して大きくなるのが、つまりは生き延びる道であると解釈される傾
向についてである。 大きければ生き残れるのなら、いったい第2地
銀や、凡百の信用金庫、信用組合はいったいどうなるのだ。彼らはす
べて消えて亡くなるとでもいうのか。

■■戦前戦後、ずっと見続けていると、銀行、船会社、航空会社など
はたえず企業規模が小さければ、今にも潰されてしまうように言われ
、合併を繰り返しては巨大になり、そしてその後、また新しく小さな
同種の会社が生まれてきている。

■■なるほど、事業規模が小さくては不効率な面があり、それで企業
合併して生き延びてゆくことも多いだろう。 ところがその反面、大
きくなり過ぎて効率が悪くなり、それでまた新しい新企業が同じ業界
に進出してくるというのも、事実として多い。 
 船会社が合併を繰り返し、日本郵船・大阪商船といえども合併しな
ければ存続し得ないように言われた裏側で、何時の間にか香港や台湾
で世界一の船会社が出現した。日本航空がどうにもならぬと囁かれて
いる隙間に、欧州ではヴァージン、東洋ではキャセイなどの優良航空
会社が出現している。

■■銀行も同様で、あれほど大きさを誇った旧都市銀行が、合併だけ
を唯一に生き残る方法とし、どんどん巨大化してゆく裏側で、超優良
な地方銀行や信用金庫もたくさん存在する。

■■いま、三菱・東京が超優良銀行のように喧伝され、不良の典型U
FJを吸収合併するというが、その三菱もつい先年、政府の緊急融資
を受けた旧都市銀行の一つではなかったか。 まぁ、うまく政府借金
を返済したからといって、そう偉そうに言えた筋合いのものではない
。 いつまた政府へ泣込みを掛けなければならないか、判ったもので
はない。

■■じじつ、いま三菱・東京銀行が健全と言っておれるのも、じつは
預金金利が政策によってタダ同然であり、そのカネを使用して政府の
国債を買い、その利鞘で稼いでいるに過ぎない。まともな銀行経営で
稼いでいるわけではない。

■■今の超低金利時代に、大きく貸出せる超優良貸出し先など、三菱
といえども持ってはいず、怪しげな貸出し先を探さねばならない。
 十年前なら「サラ金」と蔑称され、健全な大人なら見向きもしなか
ったアコムとかいう会社を抱え込み、高利貸しの真似どころか、本格
的に高利貸しに成り下がった三菱・東京銀行など、ボクら戦前派は、
見ていて吐き気すら覚えるのである。カネ儲けの為にはなりふり構わ
ず、「サラ金」「高利貸し」もする銀行などは、銀行業全体がいかに
不健全かの典型である。

■■もしわが子が、アコムなどを代表とする、いわゆる「サラ金」か
らカネなど借りれば勘当ものであることは間違いない。
 今度の三菱・UFJ合併で、彼らがほんとうに世界一の立派な銀行
になるつもりなら、先ず「サラ金」とだけは手を切れ、と言いたい。

■■カネ儲けのため、いや、銀行という企業存続のため目を瞑って「
サラ金」こと「消費者金融」商売をしなければならぬのなら、彼ら銀
行が先ず慎まねばならぬことは、最低限、宮殿のような建物の中で商
売したり、四十歳そこそこの行員連中に1000万円を越す給料を出
さないことだ。つまり「サラ金屋」の分際を知れ、と言いたい。

■■いやそれは個々の企業の勝手だというのなら、今後、金輪際、政
府資金のお世話になるな、と言いたい。政府のカネは、我々まっとう
な国民が拠出しているおカネである。

■■だいたいが政府も政府だ。すぐに「行政指導」「窓口指導」「勧
告」などをしたがる。最近はそれも巧妙になってきて、表向きは民間
の自由などを標榜するが、一つ違うと「告発も辞さない」などと半強
制的言辞を弄する習慣が抜けない。 今回のUFJの合併問題なども
、そうした気配が濃厚である。それに、竹中大臣などは、自分の業績
手柄で、日本経済を立て直したと思い込んでいるらしいが、トンでも
ない。銀行や企業に「不良債権を消せ」と大号令を掛けているが、い
ったん企業が欠損を出した不良債権などは、表へ出そうが償却形式を
採ろうが、企業自身でそれに見合う収益を揚げないかぎり、取り返す
方法などないのである。 

■■概していえばいまの日本の、不況デフレの原因は、橋本内閣もし
くはプラザ合意以来の日本の「株式時価」と「土地価格」の両方合わ
せて800兆円の目減り減価が、金銭数字として銀行では減価されず
にそのまま簿価に残留しているからであって、それは政府や役人が如
何できるものではない、いわば宿命な欠損であって、小泉、竹中大臣
の出る幕ではない。 まして、大銀行同士の合併などでは、どうしよ
うもない。日にちを掛けて、少しづつ各銀銀行が稼ぎ、貯め込み、償
却に回すしかほかに方法はない。

■■もっとも政府がいままでやったことが総て怪しからぬことだった
わけでもない。
 周知の通り、わが政府が使い込んだ赤字は、国債など中央政府の直
接借りが700兆円、地方債が200兆円、それに特殊法人の借金が
全部でほぼ470兆円。 〆て1400兆円といわれているが、それがす
べてドブへ抛りこまれたワケではない。 役人や政治家がポケットへ
入れたり、放漫経営で捨て金になった分を10%と見ても、残りの1
200兆円くらいは、戦後の短期間に日本全国、津々浦々に道路を作
り、橋を架け、見違えるような近代国家日本を作り上げるのに直接貢
献したのだ。 他国から、浪費政府、浪費国家と言われる筋合いは毛
頭ない。 自慢して然るべきで、米国のように諸外国から借金して、
消費に回してしまったのではないのである。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2004年7月2日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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サハリン州安全保障会結成

 サハリン州政府は州知事を首長とするサハリン州安全保障会を結成
した。同会は州知事、連邦大統領や州政府、国家機関に提出する国家
安保関連政策の検討と諮問を行うために組織されたものであり、ボリ
ス第一副知事を含めサハリン連邦総監督官、連邦安全勤務管理局長、
州議会長、内務管理局長などを含め16人から構成されている。

中国ハルビンで投資説明会

 さる6月15−19日まで中国ハルビンで開催された国際商品展示
会にサハリン州代表団が参加したことがわかった。世界90カ国が原
油製品、ヘリ、自動車などの中工業商品をはじめ子供の玩具などを出
品した同展示会に、サハリン州政府関係者とサハリン原油ガス関連会
社、水産会社関係者などから編成された代表団は、サハリン州経済現
況と投資状況などの説明会を開いて投資を誘致しようとした。代表団
の発表によると、中国企業はサハリン原油プロジェクトや大規模の建
設に高い関心を示し、合作企業立ち上げ問題に興味を見せた。

畜産業の危機

 最近、ヴェ・ナゴルヌイ副知事は畜産専門家を同行してトイモブス
コエ、ホルムスク、コルサコフ区域を訪問し畜産現況を調査した。そ
の結果、放牧場と牧草地は荒果てて、設備も悪くて畜産専門家や職員
たちが殆ど残っていないなど深刻な状態に落ちいっていることがわか
り、同地域の畜産業を立ち直せるための特別プログラムを考案中であ
る。副知事はプログラム作りの前にソコロブキ、コムソルレツなど先
進的畜産企業所の経験を最大限活用するように執行機関に命じたこと
がわかった。

大学生掃除団結成

 サハリン州政府青少年問題担当管理局は、6月28日<街を綺麗に
しよう>キャンペーン開幕式の際、大学生の都市美化チームを結成し
た。雪の中に埋もれていたゴミと埃で汚れているユジノサハリンスク
市の住宅街と市内、公園などを大学生と公務員、企業などの奉仕活動
で掃除しようとするのが同キャンペーンの目的である。
就職率50%

 サハリン州の就職率は50%。9人中7人が企業や機関で働いてい
ることがわかった。残りは個人事業や個人に雇われている。州統計委
員会によると、2003年度賃金上昇率は16.4%、特に建築、運
輸、通信、地質学部門従事者の給料が最も高いのである。昨年の平均
賃金額は9、3331ルーブル(男子平均は1万1927、女子は7
,701ルーブル)であり、住民の20%の主な収入減は年金である


サハリン州世界韓人女性代表団訪韓

 7月6日―9日までソウルで開かれる第4回世界韓民族女性ネット
ワークに参加するために、サハリン州代表団4人が5日出国した。サ
ハリン州代表はユジノサハリンスク市韓人会女性部金・スンオク部長
、レストラン・ランデウのチェ・チョンスン社長、青少年芸術団金・
ブザ団長、ウリマル放送の金・チュンザ局長の各氏。

中国、サハリンに大型住宅団地建設

 中国のシンジョウ建設会社が原油ガス開発事業に伴う住宅需要に応
えるために、総建築費1億5千万ドルの1万―1万5千人が住める大
型住宅団地建設をサハリン州に提案していることがわかった。ベ・ゴ
ルクノフ第一副知事はこの提案を肯定的に受け入れていると伝えた。

あれこれ

「子供たちの休暇に力を」

 クリルスク地方政府は極貧家庭の子供たちの夏休み期間中の休暇問
題の高い関心を占めているが、子供たちが夏休み期間中にも利用でき
る休憩施設建設のために37万5千ルーブルの予算を割り当てた。こ
の他にもサハリン州社会保護管理局から3万ルーブル、社会保険ファ
ンドから8万7千ルーブルの支援があり、子供たち30人が州政府か
ら休憩施設入場券をもらったことがわかった。

「友達が車を盗む」

 24日、ユジノサハリンスク市内の駐車場から車を盗まれたとの通
報があり、警察が調べた結果、車主の友達(1983年生まれ)が犯
人であることがわかった。犯人は現場近くで直ぐに捕まった。

「電話によるテロ」

 先週末、サハリンエネルゴ社内に爆発物を設置したとの電話通報が
あって、警察が直ぐに出動して爆発物訓練犬と一緒に建物の中を調べ
たが、爆発物は発見されなかった。捜査中に嘘の電話をかけた犯人が
見つかったと会社側から知らせがあったという。犯人については詳し
く知らされていない。

「店に火事」

 ユジノサハリンスク市内中心に位置するある店で先週末火事が起き
た。幸い人命被害はなかったが建物は全焼した。火事現場の近くでベ
ンジンの入っていた瓶が見つかったため、警察は放火事件とみて調べ
ている。

「車庫に火災」

 先週月曜日夕方7時頃、アニワ区域オゴンキ部落の個人車庫から火
事が発生し、車庫と車が全焼する事件があった。火災の原因を今調査
中。

「熊狩りクォター2倍」

 カムチャッカでは秋に熊狩りを行う。今年はハンターたちに与える
熊狩りクォターを2倍にすると当局は決めた。理由はダーチャ(別荘
)密集地域で熊による被害が増えているためである。

ユジノサハリンスク市韓人会の決算会議

 6月26日、州農業管理局会議室でユジノサハリンスク市韓人会の
決算選挙会議が行われた。過去2年間の事業報告と新しい会長選挙が
主な議題であった。同会が主催している事業、8月15日光復節記念
運動会の参加者が毎年減っていることに対し対策と対案を講じるべき
との心配の声が出された。また、若者たちの参加を呼びかけるよう努
力すべきであるとの指摘があった。決算会議後選ばれた新しい運営委
員会による選挙で現朴・チョンザ会長が再び会長に選ばれた。

トンソ大学による研修

 韓国釜山のトンソ大学のコンピューター関連分野の教授4人が教育
及び科学分野における交流協力協定を結んでいるユジノサハリンスク
経済情報法律大学で短期コンピューター教育を実施するために来島し
た。コンピューター教育は6月21日―7月12日まで、一般人と大
学生を対象に48時間行われた。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2004年7月9日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
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知事韓・中訪問結果報告

 6日、州政府会議室で州知事の韓国と中国訪問結果を報告する記者
会見が開かれた。知事は、両国がサハリン州原油ガス・プロジェクト
をはじめ州産業についてよく知らなかったと伝えながら、広報活動に
力を入れるべきであると強調した。韓国ではバン・キムン長官と動力
工業及び商業関係政府官僚に会い、韓国に対する原油とガス供給にお
ける協力の重要性について話あった他、<コカス>ガス動力会社指導
者たちとサハリン液化ガス供給及び協力の可能性について検討したと
伝えた。また、中国では急激な発展を成し遂げている山東省東南部を
訪問したと報告した。山東省はガスが不足しているため、液化ガスを
需給ターミナルの建設を計画しており、動力部門のみならず他分野に
おいても一緒に仕事をできる環境を整えている地域であると伝えた。
訪問の際、中国国家開発及び開放問題担当委員会に出席し動力問題に
ついて検討した。中国は2020年までに石炭の代わりにガスを広く
利用する予定であり、同委員会はサハリンからのガス供給問題を積極
的に指示していると知事は伝えた。中国は勿論韓国もサハリン原油ガ
ス・プロジェクトに対し関心が高いと知事は伝えた。

韓国語教師研修会

 さる6日から5日間、サハリン韓国教育院で第8回サハリン韓国語
教師研修会が実施された。母国から派遣された国語研究者二人が同胞
韓国語教師らを対象に韓国語文法と言語使い、会話法、文化などを教
えた。

韓赤代表サハリン訪問

 韓国赤十字社と通信社職員3人が里帰りの永住帰国者たちを引率し
てサハリンを訪問した。滞在中彼らはウゴレゴルスク市に住む二重徴
用者遺族たちを訪問して実態を調べた。

資源開発独占を批判

 今月初春、カ・プリコフスキ極東大統領代表が連邦機関指導者たち
との地域別経済発展問題検討会で、地方政府による資源利用独占化問
題を指摘し批判したことがわかった。代表は、地方政府が資源の開発
と採掘権を一部の企業にのみ渡しているとの情報が入っていると伝え
ながら、このような独占化が企業破産と失業者を量産していると強く
批判した。会議参加者たちは資源開発及び採掘、利用問題をより徹底
的に解決することを決議した。

あれこれ

「電話テロ犯の裁判」

 ユジノサハリンスク市警察により、建物に爆発物を設置したとの悪
戯電話事件が今年に入って65件に上っていることがわかった。5月
4日学校に悪戯電話をかけた9年生の学生が今裁判の判決を待ってい
る。彼はロシア連邦法により20万ルーブルの罰金或いは3年間の懲
役に刑罰を受ける可能性が高い。犯人が未成年者であるため、彼の両
親は罰金と学校に4500ルーブルの損害賠償金を支払わないといけ
ない。判決は1カ月後に下ろされる。

「コルサコフ港麻痺状態」

 コルサコフ港が最近麻痺状態に陥っている。港総責任者ユリ・イワ
チョフさんによると、先週の水曜日船舶<スピリト>がナホトカから
コルサコフへ原油パイプを積んで来たが、パイプを注文した機関がパ
イプを運び出していないため港の機能が麻痺している。各地から運ば
れてきた食品が港で腐っている他、コルサコフーウラジオストクー釜
山間船舶運行にも支障が生じている。

「警察車に燃料不足深刻」

 最近、サハリン州警察署は州議会にロシア連邦内務省と連邦安全保
障理事会に送る訴文を受け付けた。現在サハリン州で動かせる警察車
は3台のみで、一日120件にも上る事件の捜査に対応できなくて住
民たちの不満は高まっている。連邦から支給されるべき燃料代の35
%しか割り当てられず、業務を行うことができないため、警察が燃料
代の至急を訴えることになったのである。

「第15学校修理決定」

 先週末、学校当局と父兄、市教育部指導者らが集まって、第15学
校の大修理を決めた。同校舎は1953年の建設後一度も大修理をし
たことがなく、今は玄関と屋根が壊れており非常に危険な状態にある
ため、大修理が絶対必要である。修理期間中、本校学生たちは第9と
14学校で勉強することになる。

サハリン州議会北方少数民族代表ア・ヤ・ナチョトキナさんとのイン
タビュー

:サハリン州議会で北方少数民族を代表して仕事をなさるのは光栄で
もあり、責任も重く感じられると思う。今サハリン州には少数民族が
何人?
:人口調査によると約3400人である。ニフフ人がその半分を占め
ており、その次がエヴェンク、ナナイツ、ウリルタである。

:彼らは主にどこに住んでいるのか。
:サハリン州では北方少数民族居住地域として6カ所が決められてい
る。北部地域のオハ、ノグリキ、トイモブスコエ、アレクサンドロフ
スクーサハリンスキ、ポロナイスク、スミルヌイフである。

:州議会北方少数民族代表役はいつから?
:もう10年。1994年3月に開かれたサハリン州北方少数民族大
会で代表者として選ばれた後、州議会の承認を得て今に至っている。
長い間、代表者関連法律はなかった。1989年少数民族保障と恩恵
についての連邦法が制定された。それに基づきサハリン州議会が昨年
代表者法を制定したのである。

:代表者は大会で選出されるのか。
:そうである。またそれが正しい。少数民族の問題と苦しみは少数民
族が一番よく知っている。

:州議会ではどのような仕事をしているのか。
:少数民族関連法律発案、改正、修正、審議などを行い、6つの地域
協議会を通じて地方政府との問題解決に努力する。現在のところ、オ
ハ地域が最も活動が積極的である。

:各地域にも少数民族担当官がいると聞いているが。
:勿論。私も以前オハ市少数民族担当官であった。嬉しいのは最近、
このようなポストに高等知識所有者が増えていることである。

:改革以降、北方少数民族の暮らしはよくなったか。
:遺憾なことにそうではない。知っている通り一層経済的に苦しんで
いる。特に年配の方々の生計が最も苦しい。本当に心が痛む。

:その原因は何か。
:一つ、ソビエト時代に少数民族を本来の居住地から追い出し、本来
の生計手段である漁労、狩りを禁止したこと。少数民族は今も都会生
活に慣れずにいる。また、漁労や狩り以外の知識を持っていないため
就職も難しい。だから失業者が多い。

:少数民族の主食は何か。
:魚である。勿論若者たちは少し変わったが、彼らも魚のない生活は
想像もできない。

:私の知っている限り、少数民族は個人が1年間食べる魚の漁労は法
律で守られている。
:1年間、マス40キロ、鮭60キロが許可されている。しかし、こ
の量は少なすぎる。これは2カ月分の食料としても足りない。これが
一番の問題である。また、少数民族は親族で漁労をするが、漁労クォ
ターも少なすぎる。だから皆悲惨な生活をしている。先月、ユジノサ
ハリンスク市で極東・シベリア・北方少数民族調整協議会議が開催さ
れたが、その会議でも同じ問題があがった。

:いい解決策はないか。
:これは政府次元で解決できる問題である。上の会議でいい方策が出
されたので希望は持てる。

:少数民族の伝統を守るための献身的に働いている人も少なくないと
知っているが。
:残念ながら民族言語と伝統をよく知っている1世たちが殆ど亡くな
ったため、大変である。幸い最近、少数民族教科書と辞典が発行され
大変役に立っている。そして、民族文化発展のために、州内に6つの
少数民族芸術団が組織され活動中である。

:高等知識所有者も増えていると聞いているが。
:大学教育を無料で受けることができるが、その影響で大学卒業者が
増えており、サハリン国立大学にも数人が在学中である。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2004年7月16日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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韓国と医療分野で協力

 イワ・マラホフサハリン州知事が訪韓の際、韓国保険センターから
サハリン韓人治療奉仕活動をサハリンで行いたいとの提案を受けてい
たことがわかった。韓国政府は海外の韓人密集地域で同胞たちに無料
医療サービスを実施しており、サハリン州でも同様なことを行いたい
と考えている。州知事はサハリン州立病院と協力してサービスを行う
ことを進めており、その旨を州保険管理局に伝え、正式な協力協定を
結ぶよう命じたのである。

旧ソ連旅券無効

 今後旧ソ連時代に発行された旅券は使えなくなる。7月1日からロ
シア連邦発行の証明書だけが認められるが、今も20万人余りが新規
旅券に切り替えていないことがわかった。

新しい管理局組織

 最近、サハリン州知事の命令により、資源利用関連事業を行う新し
い組織が作られた。18人の専門家たちが資源利用(原油とガスは除
く)を統制、発掘作業と環境問題の処理業務を全担することになる。

あれこれ

「年金引き上げ」

 8月1日からロシアで一斉に年金額が6%引き上げられる。北極
地域住民の場合、増加額は300ルーブル。

「新しいマーケット建設」

 先週、サハリン州政府会議はユジノサハリンスク市内に地方生産
者のために特別市場を建設することを決めた。現在市内には15カ
所の市場があるが、賃貸料が高く地方から作物を運んできた人々は
市場の外側で販売を行っているが、衛生状態も悪いので、地方生産
者を支援する趣旨で特別に販売場所を用意することにしたのである。

「漁夫たちの慈善行為」

 毎月、サハリンの漁夫たちは漁獲機に極貧家庭にマスと鮭を無料
で配給してきた。しかし、海産物の値段が高騰したため無料配給が
難しくなった。そのため、アニワ市長は水産業関係者会議を召集し
て戦争老兵と極貧家庭への無料配給方法を探り、よい結果を生み出
した。近々アニワの漁夫たちから魚が送られる予定である。

「日本NHKが片山通夫さんを取材」

 6月30日、サハリン韓人のために活動を続けている大阪出身写
真家片山通夫さんが再び来島した。今度の来島目的は来る10月の
モスクワでの写真展のための撮影と二重徴用被害者家族の取材であ
る。また、彼はブイコフ部落を尋ね、地域韓人会と老人会代表と1
世老人たちにサハリンアリランCD製作の経過を伝えた後、録音した
アリランを一緒に聞きながら歌う機会を設けた。在ユジノサハリン
スクNHK支局はこのような活動を行っている片山通夫さんをテー
マにドキュメンタリーを製作するために片山さんに同行していた。

日本合作プラスチック管生産工場設立検討

 最近、サハリン州政府は政府会議を開いてサハリンでプラスチッ
クパイプ生産工場設立を検討したのである。会議には日本の積水化
学の北海道工場長竹川ヨシミさんが出席し、プラスチック管生産に
必要な機械と設備、価格、技術工程、工場設計図などについて説明
を行った。サハリン州からは州経済委員会、建築管理局、燃料動力
、建築及び鉄筋コンクリート工場長などが出席していた。 
 会議を主催した第1副知事のべ・ゴルクノフさんは日本企業と協
力する意向があると積極的な態度を示しており、州政府も肯定的見
方をしていることがわかった。

部品不足

 現在北クリルスクでは発電所設備の部品が供給されず、8月から
電気供給が中断される恐れがあることがわかった。地方政府は州政
府の支持に基づき600トンの燃料を保管しているが、老朽化した
発電機の修理のために必要な部品が不足して停電の危険性が高いの
である。
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◆ 現代語感:              MK
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 都合により休載します。
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◆寄稿サンチャゴレポート10「パイネ国立公園」  塩田悦三郎
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 サンチャゴに住んでいる日本人の間では、「砂漠は行った?」「氷河
は?」というのがしばしば話題になる。これは「北には行った?」「南
には?」という意味である。今回はチリ南部の氷河地帯パタゴニアにあ
る「パイネ国立公園」のお話。パタゴニアは、辞書には「南米大陸南端
、アルゼンチンとチリにまたがる台地」とある。私は今年の夏(1月)
、この広いパタゴニアの南部にある「パイネ国立公園」を訪れた。

 先ずサンチャゴからプンタアレナスに飛ぶ。飛行時間約4時間。眼下
には夏でも雪をかぶっているアンデス山脈が延々と連なる。チリが南北
に細長い国だということは承知していても実感したのはこの時。アンデ
スの左側はアルゼンチン、これはチリ同様長いといえば長いのだが横幅
があるので比較にならない。

 プンタアレナスから車で約3時間北上し、プエルトナタレスに向かう。
途中ペンギンの保護地区に立ち寄る。かわいらしいペンギンの仕草に顔
をほころばせる。「パイネ国立公園」はここからさらに車で3時間。途
中の道路はほとんど未舗装。すごいほこり。クーラーはあるがあまり効
かない。点在する低木林。木々は真横に伸びている。一年中止むことな
い強風のためだ。時折、白い木を見ることがある。病菌に犯されている
のだ。不気味。

 「パイネ国立公園」の入り口では、ラクダの仲間の愛らしいグアナコ
のお出迎えを受ける。人見知りはしないが触れるほどには近寄らない。
「パイネ国立公園」の目玉は、なんといってもトーレス・デル・パイネ
だ。トーレスはスペイン語で塔を意味する。まさにパイネの塔だ。三つ
の巨岩峰の標高は2,700mから2,800m。切り立った三峰は、公
園のどこからも見える。
 
 次は、氷河。氷河といえば「氷河時代」とか「アルプスの氷河」を思い
浮かべるのは私だけだろうか。こちらの氷河は、海はもちろん川や湖に
流れ出している。氷河の楽しみ方は大きく分けて二つある。一つは白い
大きな氷の河を眺めることであり、もう一つは氷河が落雷のように大き
な音を立てて崩落するのを見ることである。前者は、流れが遅いので削
り取られた両側の岸壁の傷跡をみながら、流れ出る様を己の想像力で思
い浮かべるしかない。後者は、自然のなせる業なので、遭遇すればラッ
キー、遭遇しなければビデオで楽しむことになる。

 氷河は、せり出して海や河や湖に氷塊となって流れ出す。大小様々だ
が、南極の氷山には程遠い。小さな氷塊を抱き上げかぶりついてみる。
冷蔵庫の氷よりは気泡が多い。ピスコ(ぶどうの蒸留酒)に浮かべれば
ピチピチと心地よい音がするはずなんだが。

 「パイネ国立公園」は、トレッキングコースが完備している。時間が
あればこれをやらない手はない。氷河を間近で見たり、トーレス・デル
・パイネをいろんな角度で見たり、珍しい動植物に出会ったりして興味
はつきない。ただし、強風にはくれぐれもご注意を。私もいつの日か挑
戦したいと思っている。

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◆20代のぼやき:[無名の薬物依存症者達による自助グループ] 
                           有木優一 
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「Narcotics・Anonymous」の頭文字をとって、「N.A.」(無名の薬
物依存症者による自助グループ)と称される薬物依存症者の自助グルー
プの会議に先日初めて参加した。この自助グループへの参加資格は、自
らが更生したい、生き延びたいという願望があることのみだ。そして、
その自助グループでは自らが「薬物依存症者」であることを自覚させるた
めにも個々の発言の前に「依存症者○○(匿名)」と名乗ってから発言す
る。そこには、 当然「Anonymous」(匿名性)を重視するといった要素
もある。メンバーの発言はそれぞれが自由に、そしてただひたすら、発
言者は語り、聞き手となったメンバーはそれを聞く。意見はしない。た
だ、彼等の告白に耳を傾けるのだ。

 彼等の本音や考え、悩みは何も特別なものなど何一つなかったように
思えた。心から共感を覚えるものすらあったのだ。そして、いつの間に
か俄かに彼等が「薬物依存症者」だということも信じがたくなっていた。

 「薬物依存症」に陥るケースとして、いくつか上げられるだろう。そ
の中の一つとして、病院で処方される「薬」を大量に服用することから始
まるケースもあるらしい。つまり、元は「精神障害者」であったのだ。
事実、覚醒剤の化学式と一文字だけ違う薬が普通の病院で処方されるの
である。しかも、そのような薬品を私利私欲のため、必要以上に処方す
る病院まであるそうだ。

「精神障害者」のケースに限れば、おそらく、彼等は感受性が豊かであ
るために、一見些細なことと思われることに過剰な反応をしてしまう。
それを僕等が彼等の反応を自分たちとは違う特異な人間だと捉えてしま
い、それを僕等が「一般常識」を盾にして彼等を受け入れようとせず、
蔑ろにしてしまっているところに薬物依存の一つの原因がある様に思え
た。その点においては、僕たちも反省すべきであろう。

 理性を重視する現代社会において、人間の精神も科学され、分別され
てきた。その分別の行き着く先に「精神障害者」という好ましくないレッ
テルを人に惜しげもなく突きつける社会が待ち受けていたのだ。その社
会が彼等に「薬物」を使用させていた。根本原因を追究していけば、薬
の服用で癒せる「病」ではないはずの「精神病」に対して、「社会」は
どこまで「薬物」に依存していくのだろうか。

 心のよりどころを求めて、敏感な感受性をもつ彼等が日々精進してい
く姿を見ていると、彼等が四苦八苦から解き放たれる術を求めて、修行
する敬謙な僧にも見えてきた。
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◆[韓国新聞拾い読み]                       編集部
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 都合により休載します。 

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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 サハリンから帰ってきました。日本は暑いですね。バテています。
参議院選も終わりました。その結果にあまり小泉さんは応えていないよ
うです。しかし「翳り」がそこここに出てきました。最たるものは、曾
我さんのインドネシアでの家族再会。結構な話ですが、政治利用はいけ
ませんね。

 今週号は休刊中のセ・コリョ新聞を一挙に掲載しました。じっくりお
読みください。
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発行     2003年7月20日   No.174
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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