メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.166◆現代時評:[センセーショナルな報道と、その影響]  2004/05/11


───────◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇──────
                              2004/5/11 No.166 
【609 Studio     メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ
 トに論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と
 して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セ・コリョ」ダイジェス
 ト版、その他、寄稿記事など話題満載! 
           URL ⇒   http://www.609studio.com
     
───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:[センセーショナルな報道と、その影響]   ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年5月7日号

◆現代語感:[麻痺]                  編集部

◆寄稿 サンチャゴ レポート:[水色のご婦人]  塩田悦三郎

◆20代のぼやき:[社会人、会社人]       有木優一

◆韓国新聞拾い読み: 中央日報・社       編集部

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[センセーショナルな報道と、その影響]   ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                  info@609studio.com   へ!
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◆◆サンケイ 2004.5.05  中国衛生省は4日、北京市で新型肺炎「
重症急性呼吸器症候群」(SARS)の疑い例と診断され、隔離措置
を取られていた3人の感染が確認されたと発表した。北京と安徽省で
発生した感染者は9人(うち死亡1人)、疑い例はゼロとなった。新
たなSARSの疑い例・感染は先月29日以降、報告されていない。 

◆◆共同ニュース 2004.5.06 京都府丹波町の鳥インフルエンザ感染
で、同町の船井農場を経営していた浅田農産(兵庫県姫路市)が、経
営再建は困難と判断して廃業する方針を決めたことが三十日、分かっ
た。 浅田農産は今年二月の感染発覚後、鶏卵などの取引ができず経
営が悪化。一時は兵庫、岡山両県内の養鶏場五カ所で飼育していた鶏
計約百七十七万羽を処分し、規模を縮小して経営を続ける意向を示し
ていた。 しかし、卵の販売ルートが確保できなかった上、養鶏場を
同業者に譲渡することも模索したが、風評被害などで買い手がつかず
再建は困難と判断…。 

□□最近のニュースを見聞きするたびに、そのセンセーショナルな報
道振りにガマンがならない。 イラクと米国の話はもちろんのこと、
それ以外でも、なぜこんなに人騒がせな事件・事故をたくさん報道す
るのだろうか、と呆れるばかりだ。殺人事件や交通事故などはいつの
時代でも似たように存在するのは分かるが、それ以外にも重大な事故
が日にち毎日ニュースとして流れてくる。ボクは新聞を購読しないか
ら、そうしたイヤな記事を新聞で読むことはないし、テレビの画面は
覗かなければそれでいいが、ネット配信の毎日のニュースとなると、
これでもかこれでもかと不吉でイヤな情報が流されてくる。それも、
いともセンセーショナルに…。

□□鳥インフェルンザ問題など、もうこれでタマゴを食べるのも終わ
りかと思うほどに、日本中が一挙に鳥インフェルンザに侵されてしま
ったような報道だった。カラスや渡り鳥によって空から病気を持ち込
まれてはもう防ぎようがない、とボクらをして思わしめた。いくら防
いでも、渡り鳥が持ってくるから処置なし。あるいはカラスが空から
運ぶので取り締まりようもないという話で、ボクらは不安ながらも納
得さされていた。

□□それがいまや、日本での鳥インフルエザは収束したと、役所が唐
突に安全宣言を出すから、ボクらは狐に抓まれる。そんなに急速に終
わるくらいなら、あのセンセーショナルな報道はいったいナンだった
のか、人騒がせな…。
  「大山鳴動」して、スーパーの店頭から鶏肉が消え、数百万個のタ
マゴが廃棄され、170万羽の無辜(?)の鶏が処分され、ついには
自殺者まで出したのに。しかし、鳥インフェルエンザに感染して病院
へ入院した話はついぞ聞かない。だいいち、鳥インフェルンザが人間
に感染するのかどうかすらハッキリしていないらしい。

□□SARSサーズのときも同じだ。あっという間に、少なくとも東
アジア一帯に、この忌まわしい病気が曼延してしまうかと思わせるほ
どの報道ぶりだったが、何時の間にかすっと消えてしまった。つい先
日も、中国北京で4月以降に7人がサーズに罹患したとニュースが報
じたが、誰もナンとも言わない。正月過ぎた注連縄か、10日のアヤ
メにも似て、ニュースバリューが無くなったらしい。

□□もちろん防疫技術の向上や、予防医学の進歩とかが大きく貢献し
ていて、曼延しなかったのだろう。 が、それにしても、世界60億
人のうち、たとえば昨年1年でサーズで亡くなった人は僅か792人
というから、イラクで戦死した米兵の数と大して変わらない。 その
程度なら、おそらく毎年、風邪で死ぬ人がその数百倍は存在するので
はないか。

□□近年、どうもマスコミが騒ぎ過ぎる。台風予報と同じで5月も過
ぎれば、わが国では休む暇なく、台風が襲ってきそうな気象予報ばか
りだが、たしか一昨年だったか、大きな台風は結局一度も無かった年
があった。まあ外れた台風予報などは、それによる被害者も無い、誇
大なニュース報道を咎めるほどのこともない。

□□サーズのニュースなども、予防に如くはないから、いちがいに騒
ぐなとも言えない。しかし鳥インフェルンザとなると事情がだいぶ異
なってくる。おそらく真面目に事業を継続し、日本有数の養鶏業者と
なった企業が、ほんのちょっとした怠慢で政府への報告を怠ったばか
りに、あれほどまでに新聞マスコミに日にち毎日報道され、まるで凶
悪犯のごとく非難されたらたまったものではない。責任者が自殺に追
い込まれるのも無理は無い、気の毒な話だ。

□□何百万羽の鶏を飼っていて、さあたいへんのときに、即座に政府
へ届け出るほどの勇気がある人間など滅多に居るものではない。
 かく言うボクなどが、もしそんな場面に遭遇したら、1週間や10
日は、どうしょうかと思い悩む方で、新聞がいうようにさっと届け出
る勇気も、決断力も無いのは間違いない。

□□車で人を轢いても、一瞬黙って逃げられないだろうかと、考える
のが人の性(さが)というものだ。 まして鶏インフェルエンザのよ
うに、目の前で人を傷つけるような事故でなければ、まあナンとかし
て逃げおおせたいと思うのはとうぜんである。
 その逡巡する業者を、見ず知らずの遠い所に住む、いわばアカの他
人が、「社会正義」の名にかこつけて厳しく咎めだてしようとするの
は酷というものだ。 むしろ、面白半分にする他人苛めの類であろう。

□□「動物の愛護及び管理に関する法律」とかいうのがあって、届け
出が遅れたらら罰せられるらしいが、起訴されても微罪であることは
間違いない。それをマスコミ・新聞・TVが日にち毎日、これでもか
これでもかと書きたて、喋りまくる。その懲罰効果たるや、2年や3
年の実刑にも勝る。要するに激しいリンチで、だからこそ、養鶏業者
は自殺したのだ。

□□つい先般、政治家の娘の離婚か何かで週刊誌が、「その報道を事
前禁止したのは報道の自由への侵害である」といって抗告したが、あ
れも同じに、「報道の自由」に名を借りたある種のリンチではなかろ
うかと、ボクなどは思う。
 「報道の自由」も結構だが、それをさも絶対的な社会倫理のように
言っているが、じつは暇な庶民たちの娯楽のための話題提供に過ぎぬ
ことが多い。俗悪マスコミのゴシップ記事によって、いままでにどれ
だけ多くの被害者が泣き寝入りさされているか、想像にあまりがある。

□□元来、「報道の自由」などというものは、政府などの施策に対す
るアンチテーゼとして、弱い民衆側が官製報道に対して<真実はこう
だ>と訴えるような場合の高尚な概念であって、他人のプライバシー
をゴシップ種にして楽しむような、低俗場面に適用する言葉ではない。
 むかし、ランブイエ宮殿におけるポンパドール夫人のサロンなどで
は、争いに発展しそうな宗教や政治経済を論ずるより、他人のゴシッ
プ会話のほうが良いとされていた。 が、それでもゴシップの対象は
、音楽家など、いま流に言えばTV俳優などの、評判を商品化した特殊
な玄人筋の、華やかな恋愛沙汰などに限られていて、普通庶民の聞か
れたくない内証ごとを話題にするのは禁句であった。

□□日本は幸せにも、いまのところ重大な事件やニュースが少なく、
世界でも珍しいほどの安全、かつ豊かな生活を享受できる国である。
 が、それがいわば裏目に出て、マスコミは報道すべきニュースに飢
えている。だから、手当たり次第に何でもニュースを探し出してきて
、軽薄な大衆相手に、誇大、かつセンセーショナルに報道する。

 そのマスコミ・ニュースの殆どが、他者の何者かを非難し、落ち度
を糾弾する話ばかりだ。大衆はそれを面白がり、際限なく浮薄に、見
ず知らずの他人様を非難して憚らない。
 そして、他人が見ず知らずの他者を非難してもいいとされる、その
唯一の理由は「社会正義」という概念なのだ。低俗な覗き趣味を隠し
て臆面も無く「社会正義」の語を振りかざす、それは「反社会的行為
」以外のナニモノでもない。

□□他者に対して、いったいいつ頃からそうした無慈悲で酷薄な社会
習慣を持つようになってしまったのか、ボクなどは残念でたまらない
。かって我々は、「人の非を咎めず、かえってわが身の至らざるを思
え」と教えられてきたのに、いまや正反対の社会世相なのだ。

 そうした社会世相の結果が、気の弱い養鶏業者の痛ましい縊死とな
り、数百万羽の鶏の無意味な「処理?」となり、養鶏関係業界の、極
度な市況不振を招くことになったのは疑う余地が無い。
 マスコミに扇動された大衆の「節度無き他者への非難行動」は、そ
れ自体がじゅうぶん非難されるべき行為である。

 たとえいくらかの理由があろうとも、マスコミや大衆による「他者
への激しい非難」は、たいていの場合、社会による「リンチ」である
。そして「リンチ」は恥ずべき行為である。無知な大衆を扇動するマ
スコミは、このことをどう思っているのであろうか。

□□取りあえず収束した例のSARSサーズ騒ぎにも問題がある。
その騒ぎのため、航空各社は外国便数を減らし、旅行業者のなかには
倒産に追い込まれたところもあった。この場合は、大衆の付和雷同が
原因というより、マスコミの騒ぎ立てに問題があった。日にち毎日、
あの国にもサーズ、この国にもサーズと、まるで世界中がサーズ恐慌
のような報道であった。それは中世欧州のペスト騒ぎにも似て、まる
で市民の半数が死に絶えたがごときムードを醸成した。

□□台湾馬階病院の若い医者が日本見物に来て、回りまわった関西各
地では、その青年の行った先すべてが大消毒された。ところが不思議
なことに、その青年が歩き回った日本のどこにもサーズの気配すら起
こらなかった。それはそれで結構だが、ボクは釈然としない。ならば
本当に大騒ぎすべきほどのことであったのだろうか…と。
 ひょっとして騒がなくてもいいのではなかったのでは、と思う。

□□もちろんボクは、サーズなどほっておいた方がよかったなどと言
うつもりはない。世界中があれほど騒いだのだから、火の無いところ
に煙が立ったわけではない。
 関係筋、つまり公衆衛生当局や、病院や病理学者など、その衝にあ
る人々は、それなりに予防のため大いに動いてくれるのを望む。 し
かし社会全体が上を下への大騒ぎをすることは無かったではないか、
というのがボクの感想だ。

 つねに大事を惹起する可能性を秘めている社会であればこそ、それ
に対処する用意をつねに怠ってはならない。それでいて日常生活はな
るべく静謐であるべきが、成熟した市民社会の理想的な姿である。

□□マスコミなどは、「政府が頼りないから、社会運動や人民のレシ
スタンスが起こるのだ」と言う。それはそうかも知れぬが、大衆運動
というものはひじょうに効率が悪く、往々にして事態を悪化させる方
向へ動く可能性すらある。
 アフガニスタンやイラクにおける人民の動きがそうした弊害を端的
に表明している。たとい発端は善意であろうと、その国の将来をより
複雑に、より悪い方向へ持って行く場合が少なくない。
 軽躁な国民の社会運動は、社会的資本の不当浪費に繋がる。

 そして、いまの日本社会はつねに騒がし過ぎ、センセーショナルな
ニュースが氾濫し、いつも誰かの悪口を言い合っている。社会が未熟
な証拠だ、と、ボクは言いたい。 特にマスコミ諸君の自制を求める。

□□いま社会では某自動車メーカーのリコール隠しがニュース種にな
っている。その某社は、再度に渡って届け出るべきリコールをヒタ隠
しに隠していたらしい。その行為は咎められるべきだ。
 しかしそうしたニュースですら、無関係な一般人相手に、まい日毎
日マスコミがセンセーショナルに細部までこと細かく報道し、俄鳴り
立てる必要があるかとなると、いささか疑問だ。
 国交省の役人さえしっかりしていて、怠慢な業者を的確有効に行政
指導しておきさえすれば、それで済む話ではなかったのか。
 両者がユルフンで、いい加減に日時を延ばして来たから、その弱み
をハゲタカのようなマスコミに突つかれ、「社会正義」の名のもとに、
無関係な人々にまで面白おかしく報道されたのである。

 そうした非難がたとい自業自得であろうと、「国民の知るべき権利
」を遥かに越えた状態で、これでもかこれでもかと報道されては、競
争社会に生きる1企業としてはたまったものではない。それは大衆に
よる1私企業へのリンチであって、次なる別の社会問題を惹起する可
能性がじゅうぶんある。

□□中国明の史書に、次のような一節がある。
「・・道に方士ありて詠っていわく、<燕を追う勿れ、燕を追う勿れ
。追えばまさに天に昇らん>と…」
 晋の燕王が謀反しそうだと市民が噂を立てる。その噂に押し捲られ
た燕王は、ついに宋を簒奪して帝位についた。これが明の成祖永楽帝
(在位1402ー1424)である。
 永楽帝は噂に押し捲られて帝位にのぼったが、世の中には噂によっ
て自殺する人も居れば、噂によって会社を潰されることもある。

□□いまの日本の、マスコミ主導によるセンセーショナルな他人への
批判が度を越せば、ついには自殺者を出したり、数万人の従業員を抱
えた大企業が倒産しないと誰が言えようか。
 民衆の口による無責任なリンチは、人の死を見物して喜んだ中世の
、あの魔女狩りの火刑と似たようなものであることを、思い知るべき
である。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2004年5月7日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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英国王子、州知事と会談

 4月28日、英国のエドワード王子はサンタホテルでマラホフサハ
リン州知事ら政府関係者と晩餐会を兼ねての会談を行った。そこで王
子はサハリン開発プロジェクトによる環境破壊について関心を示し、
その実態について質問をした。こに対して州知事は2カ月に1回環境
破壊について調べる委員会を設けているなど生態問題に注意を払って
いると答えたことがわかった。王子はサハリン開発プロジェクト関係
社を訪問する他、地元の大企業家との面談、液化ガス工場建設現場の
見学を終えた後、故パルフトジノフ元州知事の墓参りをした。王子の
サハリン訪問は実は故パルフトジノフ元州知事が英国を訪問した際、
薦めたという。

サハリンのメーデー

 今年も勤労者の日を記念してサハリンとクリルの職盟と政党、政府
代表らをはじめ600人が集まって、マラホフ州知事を先頭に、市内
行進を行うなどソ連時代からの伝統を守っている姿を見せた。いい天
候に恵まれ多くの市民がガガーリン公園で勤労者の日を祝う行事を楽
しんだ。

知事臨時会議招集

 4月27日、マラホフ州知事は内務管理局、国家道路安全監督官、
国家衛生防疫監視センター、自然保護管理局、ユジノサハリンスク市
の市長と検事局など諸機関の指導者たちに緊急召集命令を下し、サハ
リン州の美化と衛生に万全を期するよう促す他、指導者らに責任を追
及する特別政令を作ると伝えた。

漁獲量減少

 今年はサハリン及びクリル島沿岸に戻ってくる鮭とマスの量が6万
2千トンに過ぎず例年より漁獲量の少ない年になるであろうと専門家
が予測している。漁獲シーズンになれば、サハリン州水産担当管理局
が漁獲クォーターの分配事業を始めるが、今年は量が少ないと予想さ
れているため、サハリン州水域の一部では漁獲作業が禁止される可能
性があると州政府関係者は言う。

ロッテ奨学財団サハリン訪問

 朴・チャンボク次長引率下、韓国ロッテ奨学財団代表団が、サハリ
ン韓人同胞子女教育の現況(学生数把握と支援方案検討)を調べるた
めにサハリンを訪問した。5月5日〜7日までの滞在期間中、代表団
はサハリン州韓人協会、老人協会、ユジノサハリンスク経済法律情報
大学、第9東洋語文学校などを訪問し、実態把握に努めた。

教育と保健サービスの充実のために

 先週、サハリン州エル・シュビナ副知事が教育と保健機関指導者ら
を集めて会談を開いた。副知事は夏休み期間中の学生たちの休息問題
と鉄道病院のサービス問題に高い関心を示し、環境改善策を探ってい
る。副知事は250人収容可能なオリンピスキーキャンプ場と約2万
3千人の鉄道関係者らの医療施設である州立鉄道病院の視察を終えた
後、修理やサービス改善により注意を払うよう関係者に訴えた。

安夫妻、孤児院支援

 ユジノサハリンスク市にある商業センター・メガポリスの社長夫妻
、安・チャンスさんと安・ファザさんは、以前から児童施設への支援
を行ってきたが、最近は85人(3才〜18才)の孤児らが生活して
いるクラスノゴルスク孤児院に生活用品購入費5万ルーブルを寄付し
話題を呼んでいる。

殺人事件

 マカロフ市に住む76才の老人が同居していた39歳の若い女性の
殺人の嫌疑で警察の取調べを受けていることがわかった。4月の22
日の深夜、死亡者の親戚が悲惨な姿をして死んでいる彼女を街で発見
した。死亡者は同居中の老人とよく口喧嘩をしていたことがわかり、
警察は同居中であった老人を殺人容疑で逮捕したのである。

鉄網を破って

 ユジノサハリンスク市に住む25才の男が窃盗犯容疑で逮捕される
事件があった。容疑者は市内に位置している店の鉄網を破って侵入し
、パソコンを盗もうとしたが、店に設置しておいた警報機が鳴ったた
め、警備員に捕まったのである。

旦那を殺人

 コルサコフ市に住む76才の女性が旦那をナイフで刺し殺す事件が
あった。警察によると、犯行当日家で夕食の仕度をしている奥さんの
顔をお酒に酔っていた旦那さんが急に殴った。腹の立った奥さんが手
にしていたナイフで旦那の胸を刺し殺したのである。コルサコフ警察
はもっと詳しく事件を調べている。

轢き逃げ事件増加

 ユジノサハリンスク市では最近交通事故が多く、4月26日も2件
の事件が市内中心で起きた。又、轢き逃げ事件も多くなったため、サ
ハリン州道路安全保護管理局は轢き逃げ事件犯行者の発見と拘束に市
民が協力してくれるよう呼びかけている。

サハリン州鉱業及び商業委員会協議会の報告

 ヴェ・ナゴルヌイ副知事はサハリン州鉱業及び商業委員会で次のよ
うに、2003年度州内商業とサービス部門、福祉部門の報告を行っ
た。部門別の総括内容を紹介する。

<商業部門>
 2003年度州民の消費額は190億2300ルーブル。同年は卸
業部門の成長が目立った。卸業者の98%がユジノサハリンスク市に
集中しており、398カ所の卸業者がいる。卸業者増加と共に小売業
者も増えてきたが、小売店から物を買って又それを売る小小売販売も
多く、このような中間商人の数を減らし少しでも安く消費者に提供す
ることが懸案の一つである。又、その他、食料品店の衛生問題や都市
美観を害する露店の取締りの強化などが問題と言える。

<サービス業部門>
 この部門ではまだ小企業しかない。2003年度に48カ所が増え
、お互い接客の質を高めるために競争している。コルサコフ区域は天
然液化ガス綜合体の建築に伴って人口の増加が予想されているが、そ
の対策がない状態である。今、ウラジオストクの有限会社‘マンジュ
ル‘がプリゴロドノエに食堂を開く予定である。

<福祉部門>
 福祉サービスに地方自治体が特に積極的に取組んでいるにも関わら
ず、大都市に集中しているのが問題と言える。洗濯や服の修理業など
が農村では殆どなく不憫な暮らしを強いられている。農村では各区域
を巡回しながらサービスを行うなどの臨時対策で応じている状態であ
る。

サハリン州韓人会主催の卓球大会

 サハリン州韓人会が主催する韓人同胞卓球大会がホルムスク市で開
かれた。ユジノサハリンスク市、コルサコフ、ネベリスク、チェホフ
などからも参加者が駆けつけ、二つのグルプに分かれて試合を行うほ
どの盛況振りを見せた。決勝戦まで上がったのはホルムスクとネベリ
スクチーム。団体部門ではホルムスクが、個人部門ではユジノサハリ
ンスク市の金・ボリス君が優勝した。

参戦者記念日除幕式

 4月中旬頃、ユジノサハリンスク市でアフガニスタンとチェチェン
戦争で戦死したサハリン出身戦死者の追悼碑除幕式が行われた。追悼
碑の真中には悲しんでいる母の像が置かれ、石版には戦死者の名前と
徴集場所、死亡地などが書かれている。追悼碑建設は社会団体ベヴォ
エブラドストヴォとロシア連合アフガニスタン老兵が提案し、サハリ
ン州政府とユジノサハリンスク市、そして州民からの募金で建設費用
を賄った。除幕式には多くの州民と州知事など政治家が出席したが、
戦場へ兵士を送り出している極東大統領全権代表、州内務管理局長、
連邦安全勤務管理局、軍指揮官などが姿を見せなかったのはとても遺
憾であった。モスクワとコストロマからアフガニスタンで戦死者のお
母さん2人が除幕式に参加するために来島した。
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◆ 現代語感:[麻痺]         MK 
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1)しびれて感覚がなくなること。「寒さのため手足が―する」
2)はたらきが、にぶったり停止したりすること。
「交通が―状態になる」「良心が―する」
3)〔医〕 運動機能や感覚が低下または消失した状態。多くは神経系
の障害により起こり、運動麻痺・感覚麻痺などがある。
______________
 イラク人への虐待、政治家の厚顔無恥、官僚の・・・。

 感覚が麻痺するということは医学的にはもちろん、社会的にも恐
ろしいことだ。
 
ああ、庶民の感覚の正常なことよ!感覚の麻痺だけはしないで置こ
うよ、ご同輩!!
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◆寄稿 ササンチャゴレポート2.「水色のご婦人」塩田悦三郎
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  前回は乱暴な「黄色い悪魔」だったので今回はおしとやかな「水色
のご婦人」のお話です。

「水色のご婦人」とは市内を走る地下鉄のことです。「メトロ」と呼
ばれ、きれいで静かで安全です。運転間隔は約2分。東京でよく見掛
ける「駆け込み」、「押し合い、へし合い」は見ることができません
。乗客は次の電車を待ちます。何と言ってもいいのは構内アナウンス
がないこと。車内アナウンスはありますが、次の駅の名前を一度言う
だけ。車内アナウンスがない場合もあります。この場合は、電光掲示
板に目的地と次の駅が表示されます。

 どのくらいきれいかをお教えしましょう。若者はもちろん、その上
の世代でも平気で床にぺたんと座ります。座席が空いていてもそうす
る人がいます。この座り方は足を伸ばせるし、お尻と床の感触がなん
ともいえず、体験するにあたいします。プラットフォームのきれいさ
も同様です。前回「ごみひとつない」と紹介したので誤った情報だと
いけないと思い、この1週間観察しましたが誤報ではありませんでし
た。

 地下鉄に乗って印象的なことは、老人やご婦人への席を譲る速さで
す。先ほどまで目をつぶっていたのではないかと思われる男性が、彼
女らが来た瞬間にもう席を立っているではありませんか。「よーし、
今度は私が。」とがんばって、やっと実現できる有様。席を譲られた
ご婦人は、小さな声で「ありがとう」と言って、しごく当然のように
座ります。日本で見かける遠慮の言葉やありがとうの連発はありませ
ん。席譲り競争に勝てた時の気分の良さは格別です。
 
 この「水色のご婦人」にも欠点はございます。就寝時間が早く、起
床時間が遅いことです。終電は、全日22時30分。始発は、平日6
時30分、日祝8時です。日曜日どこかへ遊びに行こうかなと思って
も地下鉄利用の早出はできません。全線・全区間同一料金、定期券が
ないこと、乗車時間帯によって料金が異なることなどが日本との違い
でしょうか。

 この「水色のご婦人」はすべてフランス生まれ。いとむべなるか
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◆20代のぼやき: [社会人、会社人]          有木優一 
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 先日、高校卒業後、大学進学と同時に東京に上京した高校の頃の友
達と約2年ぶりに地元のお好み焼き屋で再会した。現在、営業マンと
して働く彼から聞きなれない標準語とその口から発せられる社会人と
しての言葉は、会社に属していない僕にとって異様なものに聞こえた。

 「今月の売り上げは140万円だった。GW明けに大きな仕事が出
来るかもしれない。120万円もの契約が取れそうなんだ。」。

 彼の話す標準語はともかく、こうした会話をしていることに僕はと
ても異様な感覚を覚えた。新卒の彼にとって、120万円の契約がい
ったいどれほどすごい契約なのか、僕にはわからない。確かに、彼の
仕事に関して無知である僕にとって、先月の売り上げと今回の契約に
ついて比較してもらえる方が120万円の契約がどれほどのものかわ
かりやすい。しかし、違和感があった。そして、この話題の最後に彼
は、「一人年間7000万円の売り上げが、会社が掲げる目標なんだ
。」と付け足した。僕は甘いソースの掛けられた葱焼きを食べていた。

 葱焼きの中にある葱。葱焼きの中の小麦粉。甘口のソース。細かく
散りばめられた青海苔。そして、鰹節。この何種類もの食材がこのお
いしい葱焼きを作り出し、この店の店長が僕に至福の時を与えてくれ
たのだ。

 この店長が、葱焼きを形作る具材を選別し、葱焼きの最良の味を醸
し出そうとする構図と経営者が会社を形作る人材を選別し、経営向上
を図る構図は、より良い「もの」を作ろうという観点で似通っている
。しかし、葱焼きの中の選ばれた葱や小麦粉、ソースなどは、この葱
焼きのために作られたわけではない。葱は、さらさらおいしい葱焼き
になろうなんて思ってもいないだろう。むしろ、店長が葱焼きを作る
ために葱を必要としているのだ。会社という組織においても同様にい
える。

 彼には会社人ではなく、社会人になって欲しい。いつしか自分の生
活のため自己実現のために働く社会人が、会社の経営のために働く会
社人へと変わらないでいることを願い、飲みかけのビールに手をやっ
た。

─────────────────────────────────
◆[韓国新聞拾い読み]    編集部
─────────────────────────────────
 【社説】朝日関係の発展を期待する(中央日報) 

 こう着状態にあった北朝鮮と日本間の交流に、再開の兆しが見えて
いる。朝日交流の最大障害である拉致問題に進展があったという報道
が相次いでいる。(中略)特に、右傾化の雰囲気と日本国内の非難世
論に押された小泉内閣が、朝日国交正常化交渉の中断に続き、日本国
内の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系に対する有形・無形の圧力
強化、北朝鮮船の出入港制裁、自衛隊の海外派遣、靖国神社参拝の強
行などに相次いで踏み切り、交渉はこう着状態となった。このため、
日本が米国との同調外交だけを強調し、アジアおよび北東アジア外交
を後まわしにしているという非難を受けてきた。(中略)もちろん朝
日国交正常化交渉と交流協力の交錯は、日本だけの責任ではない。大
量破壊兵器拡散脅威や各種人権問題を引き起こしている北朝鮮にも問
題がある。だが、冷戦終息後、この地域が新しく平和と繁栄の道に進
もうとするのなら、北朝鮮を国際的協力と開放の枠に引き出さなけれ
ばならない。このためわれわれは、北朝鮮と日本がせっかく醸成され
た関係正常化の雰囲気を十分に生かしてくれることを期待する。特に
、この地域最大の経済大国である日本が、もう少し大乗的で、経済力
にふさわしい政治力を発揮してくれることを期待したい。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
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 しばらく日本を離れていました。その間にイラクでもアメリカでも
無論わが国の政界にも、いろいろな風が吹き荒れていました。
 この間はホテルでCNNやBSなどのニュースでいろいろなことを
知るわけですが、やはり日本を離れているという感覚がそう思わせる
のでしょうが、何処かさめた見方をしている自分に気がつきます。

◆イラク人虐待事件。さまざまな見方がある?米軍の組織的犯行、兵
士個人の反抗?いずれにしてもやはり戦争は人を異常にする。

 米兵の家族は会見で上官の命令と。そうだろう。まさか当人の個人
的趣味であるはずがない。

◆グアンタナモ基地のアフガンの捕虜はどうなった?
 
 しかしこんな事実が明るみに出るのはやはり民主国家?!

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発行     2003年5月11日   No.166
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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