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タイトル:609studio No.162◆現代時評:[核開発と産業スパイ]   2004/04/13


───────◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇──────
                              2004/4/13 No.162 
【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ
 トに論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と
 して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セ・コリョ」ダイジェス
 ト版、その他、寄稿記事など話題満載! 
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     ◇◇◇◇◇◇新定期寄稿者のお知らせ◇◇◇◇◇◇

 この春大学を卒業して、人生の何かを掴み取ろうとして「もがいて
いる」一人の青年が心の赴くままに書いたエッセイを掲載。
 彼は大学を先月卒業しました。すでに昨年決まっていた就職を今年
になって断るという「暴挙」に出た迷える子羊でもあります。そんな
青年が今後どう生きてゆくのか、その心の様を読者にお届けします。
 応援してあげてください。
       メールは info@609studio.com まで 
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      *「ボクの散歩道」登場:写真日記のようなものです。

http://www.609studio.com/html/gallrey_file/sampomichi/index.html

  *「セ・コリョ新聞4月16日号、23日号及び30日号は翻訳
  者の都合で期日にお届けできません。翻訳者の都合がつき次第同
  時に掲載いたします。御了承ください。

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◆現代時評:[核開発と産業スパイ]           ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年4月9日号

◆現代語感:[わかりません]               MK

◆20代のぼやき:[4.8事件]         有木優一

◆韓国新聞拾い読み:                編集部

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[核開発と産業スパイ]           ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                  info@609studio.com   へ!
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◆◆アサヒコム 2004.4.4ブラジル政府が、建設中のウラン濃縮施設
について、国際原子力機関(IAEA)の査察を部分的に拒んでいる
ことがわかった。同政府は核兵器開発用の施設ではないと主張してい
るが、米政府は核開発疑惑で圧力をかけている北朝鮮やイランに示し
がつかないと懸念しているという。(ブラジル)外務省は「施設を覆っ
ているのは、我々の独自の技術を知られないようにしたいからで、核
兵器開発との疑いは心外」としている。 

◆◆毎日新聞 2004.3.30 米国の遺伝子スパイ事件で、理化学研究所
の岡本卓元研究員の米国への引き渡しを認めなかった29日の東京高
裁決定は、大方の予想を覆すものだった。法務省は日米の捜査協力へ
の支障を懸念するが、決定を評価する法曹関係者もいる。一方で複数
の国にまたがる共同研究の現場では、知的財産をめぐる国際ルールの
確立が課題となる。 

■■20年ほど前、ボクの郷里の近くに大きな製鋼所があり、当時の
最新技術による自動車用鋼板を造っていた。ボクの親戚の青年がそこ
へ勤めていて、「どんな仕事しているのか」と聞くと、「スパイの監
視をしてる」とのことだった。

■■当時、日本の製鉄業は不況で悩み、減産協定を結んでいた。
 ところがややもするとその減産協定が守られない。そこで製鉄業者
の間で相互に社員を相手方に派遣し、減産数量を守っているかどうか
を監視していた。ところがその監視にやってくる競争相手の会社の社
員が、生産量の監視に名を借りて、工場現場における生産技術を盗も
うとするらしい。だから他所から来た数量監視者を大事なところへ立
ち入らせないように、こちらもまた監視する必要があると、その青年
は言った。

■■お互いに世界でも有名な大高炉メーカー同士だから、そんな必要
はないのでは、と聞くとさにあらず。他所からきた数量監視員たちは
、結構面の皮が厚く、場所を間違えた振りをして秘密にしている生産
現場ヘ入りたがる。というより、そのような密命を帯びた技術社員ば
かりが相互監視員として送られてくるらしい。
 大会社といえども、その辺りの同業へのモーラルはいい加減なもの
だそうだ。

■■それから数年後、ボクの息子が学校を卒業し、ある新製品開発で
著名な電機メーカーに就職した。もちろん業界リーダー格の会社だっ
た。
 所要があってその息子に、勤務中に電話すると、必ず電話交換手が
出てきて用件を聞き、「あとでこちらから電話させる」という。
 そのころすでにダイアルインとか称して、個々の社員が会社におけ
る自分専用の電話番号を持つことが流行っていた時代だ。
 「お前の会社は、なぜ社員専用電話を持たせないのか」と聞くと、
「他所の商売仇が、名を騙って電話を掛けて来る可能性があるので、
社外電話は、いったんすべて社内の電話交換手を通すことになってい
る」と言う。じじつ、そうした社外からのスパイ電話らしきものを、
ボクの息子も何度か受けたことがあるらしい。
 事情は大手電機メーカーも、産業スパイに関するかぎり大製鉄所た
ちと大して変るところはなかったらしい。

■■きのうのニュースによれば、ブラジルのリオデジャネイロ近く、
レゼンデにある核濃縮ウラン工場に、国際原子力機関IAEAが核査
察担当者を派遣したが、ブラジル側は、施設で作るのは核兵器に使え
る高濃縮ウランではなく、発電用の低濃縮ウランであるため査察の必
要はないと主張して、施設の周りに覆いを被せて見せなかった、とい
う。

■■ブラジル政府の言い分としては、「自分たちは核の軍事利用など
考えてなく、すべて平和目的だ。しかし技術は自分たちの秘密に属す
るもので、他人に見せたくない」とのことで、なるほど理屈は合って
いる。
 ナポレオンのポルトガル侵攻で、ポルトガル王室がブラジルに避難
してきた1808年頃ならばともかく、いまのブラジルに核兵器など
を使用する相手国など無いのは見え透いている。

■■だが米政府やIAEA側は、「発電用の開発であっても簡単に核
兵器開発に転用できる技術によって新たな核兵器開発競争が進むこと
がある」と言っているらしい。 なるほど、これもいわば理屈だ。
 ブラジル、IAEA,つまり米国側の両方ともに五分五分の理屈が
あって、甲乙は付け難い。

■■しかしボクが思うには、ブラジルがそういうことを言出すには、
それなりの過去の状況や、危惧があるからだろう。
 もしIAEAや米国側に問題無く、他所の技術などを盗もうという
魂胆が皆無ならば、敢えてブラジルが公開を拒否するまでも無いはず
である。 「火の無いところに煙は出ない」というが、どうもやっぱ
り米国側にそう勘ぐられてもし方が無い実績があるからとしか考えら
れない。
 アメリカという国は豪儀な国で、国家ぐるみのスパイ活動を、IA
EAという国際機関まで使用して働く素地があるようだ。

■■これが米国一辺倒の日本ならば、「どうぞご覧下さい」といって
簡単に査察を受け入れるところだろうが、ブラジルはそうではなかっ
た。
 さすがブラジルと、誉めて差上げたいところである。
「一寸の虫にも五分の魂」だ。

■■もっともごく最近の日本も、その辺、少々こころを入替えた気配
が見える。
 それは、先週の遺伝子スパイ事件の判決で、わが裁判所が、理化学
研究所の岡本卓元研究員の米国への引き渡しを認めなかったという事
実だ。アメリカ様に言われたら、日本人の人権などどうでもいい日本
政府は、すぐさま岡本氏を米国へ引き渡すところだった、と、ボクは
思っている。

■■ところが、ここのところ、大型兵器も見つからず、スペインもポ
ーランドもイラクから軍隊を引き揚げると言出した。そこで米国とし
ては、世界でほぼ唯一に味方と頼めるのは日本だけとあって、急にブ
ッシュ大統領が日本におべっかを遣い始めた。
 日本政府だってまんざらのバカではない。そうした状況のもとでの
わが国民の意向を汲んで、裁判所は岡本氏の対米引渡しを拒否した、
と、ぼくは見る。 岡本卓氏は運がよかった。

■■その証拠に、はじめ、わが検察は岡本医師が研究員として勤務し
ていたクリーブランド・クリニック財団から試料を持ち出し廃棄した
行為が、日本の法律でも「窃盗罪」や「器物損壊罪」に当たるとし、
引き渡しが妥当と主張していたのだ。
 検察としては大黒星で、これほど明快に検察がいったん起訴した事
件を裁判所が退けるというのは異例に属する。それはわが裁判所の総
合的な政治判断ともいうべきで、一地裁における一女性裁判長の独断
で、そのように重大、かつ異例の判決を出すとは考えられない。
 いまの米国と日本のバランス関係を、機敏に判断した結果の判決だ
ろう。

■■きのう、北欧のさる有名な家具メーカーの、寝具マットレスの展
示場を覗きに行った。
ず いぶん高価なスポンジマットで、これなら「床ずれ」しないとの
話だった。説明によれば、このマットはだいぶ特殊な新製品だそうだ
が、特許申請はしていないという。 
 理由は、もし特許申請すれば内容を細かく説明しなければならず、
それによって特許泥棒される惧れがじゅうぶんあるからだ、とのこと
である。
 なるほど特許開示により、たいていの新技術は、その競争者に対し
て裸をみせることになり、申請を躊躇する話は以前からよく聞く。
 特許部とか法務部などを完備させている大会社などは、競争相手の
特許開示を求めて、常に手ぐすねを引いている。
 特許を申請しないのも、高度なスパイ防止技術のうちの一つだ。

■ふつう用いられる「産業スパイ」などいう言葉には、そっと普通に
、さりげなく遠慮しながらスパイする、というイメージがあるが、さ
きほどの、(米国などが得意とする)国家ぐるみのIAEA査察によ
るスパイ行為や、特許開示を出発点とする産業技術の盗み活動などは
、それをはたして「スパイ」などという軽い言葉で言っていいものか
どうか、たぶんに疑問である。
 公共のための社会システムそのものが、そのまま巨大なスパイ・シ
ステムになっていて、それを牛耳る国家に奉仕する仕掛けと化してい
る。そうした場合、それは「スパイ」とよぶより、もっと他の、たと
えば「公共的陰謀組織」とでも呼称する方が妥当かもしれない。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2004年4月9日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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知事職100日

 さる7日、サハリン州政府会議室でイ・マラホフ州知事の就任10
0日を迎えての記者会見が行われた。州知事は「とても多忙であった
」と述べた後、以下の三つの問題に最も注目し、検討を行ったと伝え
た。一つは州政府幹部問題であり、幹部達が業部を代理に任せるなど
の無責任な勤務態度に問題があることを指摘した。二つ目は昨年の州
社会経済発展状況の厳しい分析を行い、本年度の企画を立てたこと。
三つ目は年金生活者たちの最低生活費保障問題であった。最後に州知
事は記者たちの様々質問に答えた。

税関安全部設立10周年

 税関公務員たちの身の安全と共に彼らの法律違反の摘発及び処罰の
ために組織された税関安全部が、4月1日で設立10周年を迎える。
その間同機関は26人の税関公務員を文書偽造、買収、収賄などの容
疑で提訴した。

28mのゴミ山

 ユジノサハリンスクのゴミ場は家庭から出るゴミで28mにも達し
ており、ゴミ焼却中に発生する煙や有害物質特にダイオキシンで住民
たちの健康が脅かされているとサハリン州生態学専門家が指摘した。
又、焼却場から出る煙やガス、雨と雪解け、ネズミ、烏等が伝染病を
呼び起こしていると警告した。環境保全団体は、これらが水源まで汚
しているにも関わらず、58年間如何なる法的措置も対策も講じてい
ないと告げた。

金正一国防委員長も祝賀

 インタファクス通信によると、北朝鮮の金正一国防委員長がカ・ク
リコフスキ極東大統領全権代理に再任祝賀メッセージ−を伝えてきた
ことがわかった。カリコフスキ全権代理は北朝鮮住民に親しい人物で
あるとの金国防委員長の言葉に、偉大な将軍と共にした時間や日々に
いつも満足していると答えたと言う。

中央都市を掃除しよう

 ユジノサハリンスク市政府は春の都市掃除日を指定した。指定の4
月10日と24日以外、毎週金曜日住民たちの共同住宅団地内の掃除
を呼びかけている。雪解けと共に姿を表すゴミで都市全体がゴミ場の
状態になり、伝染病発生の原因となっている。

新しいパスポート発行

 最近、国際規格の新しいパスポートの発行が始まった。国境通過に
かかる時間は著しく短縮してくれる新パスポートであるが、従来のパ
スポートもそのまま使えるので、再発行は希望者のみ。

州離散家族会の運営委員会議

 さる3日、サハリン州離散家族会の運営委員会議が開かれ、朴・チ
ョンザさんと朴・スンオクさんが副会長と書記に選ばれる他、永住帰
国事業と一時母国訪問事業をはじめ、協会財政状況などを巡っての当
面課題についての話し合いが行われた。

あれこれ

「北部問題に注目」

 4月27日、ユジノサハリンスク市でサハリン州政府主催が主催す
る北極及び準北極地域の社会経済政策問題を巡っての公聴会が開かれ
る。組織準備委員会長のヴィクトル・ドルギフサハリン州議会長によ
ると、連邦政府と国会、連邦会議、地方の政府と立法機関などに27
0余の招待状を送り、既に参加意志を伝えてきた人たちもいる。

「特別セミナー」

 ユジノサハリンスク市で開催された特別セミナーで、地域の医療と
教育機関の統廃合プログラムが紹介された。即ち部落の老化した医療
機関や学校などを統廃合させ、予算投資の合理化とサービス質の向上
を図ろうとする構想である。しかし、これは長期的観点に立った地域
代表たちの構想に過ぎず、その実行までは時間がかかるであろう。

「中央テレビチャンネル増加」

 先週からサハリン州でも連邦テレビチャンネル「クルテゥラ(文化
)」が視聴できるようになった。ロシアや世界の文化について伝える
同チャンネルを北クリルスクとアニワ、ユジノサハリンスク地域では
見ることができない。同地域で視聴できるようするには法律的解決が
必要である。サハリン州政府は年末まではユジノサハリンスク市民た
ちも同番組を見られるように努力すると話している。

「偽の卒業証書」

 コルサコフ地方検事局は、少なくとも5人以上が絡んでいる、偽の
大学卒業証書販売組織があると発表した。又、偽装卒業証書は1千ド
ルで販売されており、コルサコフ以外の地域でも同じ犯罪が起きてい
るとの噂があると伝えた。

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◆ 現代語感:[わかりません]              MK 
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 「わかりません」とは小泉首相の言。靖国神社参拝を違憲とした7
日の福岡地裁の判決の感想を聞かれて16回連発。

 通常、裁判の判決の感想を聞かれた場合、「判決文を精査してから
」とか、「判決文が届いていない」とか常套語があったはずだが。も
っとも、この常套語を受けて、その後の追跡をしない記者もおかしい
が。

 さて小泉首相の「わかりません」だが、司法の独立の」観点から見
て憲法違反の事案に対して「わかりません」はないだろう。ずいぶん
国民を馬鹿にした言だ。こんな首相を持ったわが国民、「わかりませ
ん」で済ますのか。記者の突っ込みの不足を憂う。

 韓国の中央日報の社説は「万が一、ドイツ首相がヒットラーやゲッ
ベルスの墓地に毎年参拝し『英雄への評価は、国ごとに異なり得る』
と話したり、それを批判する周辺諸国の世論について「他国に対する
干渉であるだけ」といった具合のき弁を弄するならば、人類の普遍的
良心に対する挑戦と考えざるを得ない。」と断じた。

 小泉さん。これもやはり「わかりません」ですか? 
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◆20代のぼやき: [4.8事件]     有木優一 
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 桜も散り始め、春の暖かさとは裏腹にイラクで日本の民間人三人が
拘束されるといった身の毛も弥立つような事件が8日起きた。この日
私は、大阪にいた。朝晩の肌寒さは残るものの相変わらず、桜は精一
杯花を咲かせている。私はこの一週間ほぼ毎日お弁当を持ってとある
事務所に入り浸っているのだ。その日の晩にある居酒屋で「在イラク
邦人人質事件」を知った。この事件は、日本側にとって自衛隊イラク
派遣のつもりが、イラク国民には自衛隊「派兵」と映っていたことを
物語っているように感じられた。今回の自衛隊イラク派遣は、人道支
援を大義名分として法整備までして自衛隊をイラクに派遣した。しか
し、その裏側には国益を求めての派遣であることも、少なからずあっ
ただろう。そのため、太平洋戦争の頃、大東亜共栄圏を大義名分とし
て領土拡大のためにアジア各国に侵出していた頃の日本と何も変わっ
ていないのではないか、という印象を持った。今でもアジア各国の日
本に対する見方は決して穏やかであるとは言い切れない。日本政府は
アメリカのイラク侵攻を支持していたが、国益重視の外交政策の結果
が今回のような事態を引き起こしたといっても過言ではないだろう。
 去年の今頃、ブッシュ大統領がテロ組織を「悪」として、「正義」
のために戦うと繰り返し、テレビ演説で述べていたことが思い出され
る。確実に「9.11」以降、世界の情勢が徐々におかしな方向へ向
かい始めている。「正義」対「悪」の構図を作り出すことで戦争が正
当化され、今や外交手段の一つとなっているように感じられる。しか
し、戦争は自国を正当化する大義名分を掲げ、自説を固持し争うのみ
ならず、国の利害関係も内在しているために劣悪な意思表示の手段で
あることは間違いない。外交とは「交渉」することであり、戦争は国
家同士が武力闘争するものであって、全くの別物だ。これを履き違え
てもらっては困る。
 ご存知の通り、あくまで戦争は殺し合いだ。
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◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
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 風俗店経営者「私娼窟閉鎖は財産権侵害」反発(中央日報)

 全国の風俗店経営者らが7日、釜山(プサン)のあるコンドミニア
ムに集まった。政府が最近、私娼窟閉鎖方針を明らかにしたのに対し
、対応策を用意するためだった。 
 経営者らはこの日、「私娼窟閉鎖は明白な個人財産権侵害」とし、
「政府がこれを強行する場合、法律的諮問を経て、憲法裁判所に違憲
訴訟を起こす」と述べた。(後略)

───────────────
 「経営者らは専門機関に依頼して女性従業員、一般人を対象に、私
娼窟閉鎖に対する世論調査を実施することで一致した。」とある。
 韓国の国民の強さを表すいい例だ。「私娼窟の存続」を求める経営
者にも驚きだが、「女性に閉鎖に対するアンケート」をさせるのには
もっと驚く。韓国人は強い。
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◆[編集長から]              Michio Katayama
─────────────────────────────────
 11日の日曜日。仕事で明日香村あたりへ出かけました。イラクで
の邦人人質事件の手前、いささか心苦しい思いを抱きながら。
 桜はもうほとんど散って、菜の花が真っ盛り。イラクの空はもう真
夏だろうが。

◆邦人3人がイラクで拉致された。首相は、事件に対する自身の政治
責任について「まず無事救出だ。私自身の問題ではない。国全体のイ
ラク復興支援にどうかかわるかの問題だ。テロリストの卑劣な脅しに
乗ってはいけない」と語った。(事件後初の会見で。朝日新聞)
 「国全体のイラク復興支援にどうかかわるかの問題」とは何をさす
のか意味不明の言。冗談じゃない。「国論を二分する問題」だといっ
たのは誰だ。この言は自衛隊は兵を決めた首相として無責任だ。

◆この項を書いている12日13時現在、人質はまだ開放されていな
い。
 一方、ファルージャで戦闘中の米軍と武装勢力は停戦中との報道。
「テロとの戦い」を標榜する米軍が「テロリストと停戦協定」とは?
 この事態はすでに正規軍同士の戦闘。言い換えれば侵略軍とレジス
タンスの戦闘とも言える。ベトナムの再来か?
 しかしそれにしても日本政府も、報道機関も「テロリストと停戦協
定」に疑問をはさまないのが不思議。

◆最近の小泉さん。

 けものめく顔あり口をあけたてす
 とのみ見てゐぬ
 人の語るを            啄木
   
─────────────────────────────────
発行     2003年4月13日   No.162
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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                Macky!                    ID:609studio
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