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タイトル:609studio No.159◆現代時評:[年金問題と少子化傾向]  2004/03/23


───────◆◆◆609 Studio メール・マガジン◆◆◆──────
                              2004/3/23 No.159
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【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ
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          尹 胄榮(ユン チュヨン)プロフィール

 韓国中央大学校教授、朝鮮日報編集局長、無任所長官、駐チリ国大
使、文化広報部長官、国会議員等を経て引退。1979年以来写真に
専念し、写真展、写真集等多数。1990年、第15回伊奈信男賞受賞。 

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http://www.nikon-image.com/jpn/service/salon/schedule_osaka/2003/index.htm

───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:[年金問題と少子化傾向]           ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年3月19日号

◆現代語感:「事情違う」                MK

◆韓国新聞拾い読み:                編集部

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[年金問題と少子化傾向]     ken

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                  info@609studio.com   へ!
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◆◆毎日新聞 2004.3.16厚生労働省は16日の参院予算委員会で、
合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数、02年1.32
)が少子化の進行で想定以上に下がった場合、モデル世帯の厚生年金
給付水準が政府公約の50%を割り込み、46.4%に低下するとの
試算を明らかにした。(中略)坂口力厚労相は同日の参院予算委で、
毎年0.354%ずつ引き上げて17年度以降、年収の18.30%
に固定する予定の厚生年金保険料率の毎年の引き上げ幅を大きくする
ことなどで、年金水準50%を維持する考えを強調した。 同法案は
年金水準が50%を切ることが予想される場合に「所要の措置を講ず
る」と定めており、厚生年金保険料率を18.30%からさらに引き
上げる余地を残している。

■■経済学の中に、「マルサスの人口論」というのがあり、昔はよく
流行った。要約すると、戦争や疫病さえなければ、食糧生産が増える
とそれ以上の割合で人口が増え続けて困る。人間の自制力だけが、そ
うした無限の人口増殖を防ぐことが出来る、という説だ。

■■その頃は、一般的に人口が増えるのは、つまりはその国が豊かに
なったからであるとし、幸せでよい意味に捉えていた。
しかしマルサスの言い分はそうではなかった。つねに人を養える食糧
よりも多く人間が増え続けるのは困るから、人間の英知として、晩婚
や産児制限の必要があると、説いたのである。

■■彼の説に依れば、人口の不均衡が発生すると、それを是正しよう
とする力が働く。すなわち人口に対してその増加を抑えようとする「
積極的妨げ(戦争や病気など)」と、「予防的妨げ(主として晩婚化
や非婚化による出生の抑制)」などがおこるとのことだったが、世間
ではあまり本気に取上げなかった。

■■ところが、いまや彼が予言したと同じ時代が到来した。際限なく
増え続ける人口の中国、インド、フィリピンなどと、かたや人口減の
国々、つまり日本やフランスなど、いわゆる「少子化」の国である。
マルサスの人口論が華やかな頃は、たいしたことはないと思っていた
のに、いまやその両極端が、それぞれの国を困らせている。

■■人口急増のあまり、一人っ子政策を強要したように見える中国に
は、いまや数百万人の隠し子が出来てしまった。
いくら食糧を増産しても、それ以上に人間が増え続け、ついに800
0万人の国民を抱え込むことになって困惑のフィリピンなどは、いく
ら政府がコンドームの無料配布をしても、老後の保障を子供に求める
しかないので、人口の減りようがない。

 米環境専門学者ブラウン博士のように、「CO2の排出に、深刻化
する水不足、化石エネルギーの不足が見え透いている今、我々は13
億人の中国を、はたして食べさせていけるのか」というような疑問を
投げかける他所の学者まで現われた。

 マルサスが予言した人口を規制する「生活資料」とは、殆どが食糧
のことであったが、いまやそれは食糧だけでなく、化石燃料からCO
2に災いされない空気にまで及び、それを環境学者たちに云々されて
は、中国政府もたまったものではない。
 人間の英知で人口制限をしなければならないのは、いまや地球人全
体にとって不可避の命題となった。

■■その点、日本は問題をうまくクリアして、人口減少の傾向が続い
ている。 マルサスの人口論でいえば、「人口の増加を抑えようとす
る予防的妨げ、つまり晩婚化・晩産化・非婚化による出生の抑制」が
おこったのだ。
 この「人為的努力の結果もたらされる新たな均衡状態は、人口、生
活資料とも以前より高い生活水準で実現される」と、マルサスは言っ
ている。 ならばいま、我々は結構な人間の英知の結果を、無意識の
うちに享受しているのである。

■■ところがいま、わが政府は切実な年金問題を発生させた最大の原
因として、「少子化」を挙げている。少子化によって、将来の年金財
源が確保されなくなったと嘆き、少子化こそ問題の「癌」だと説明す
る。しかしこの年金問題をもって、単に「少子化」だけに責任転化す
るのは、あまりにも短絡化し過ぎだと、ボクは思う。

■■「少子化で働く層が減り、結果、年金資金が不足する」のなら、
そのまえに、例えば現在の定年を大幅に延長するなり、外国から若年
労働者を招聘してして、年金拠出者を増やすという方法があるではな
いか。だがそれについては、わが政府はひじょうに不熱心、というよ
り、しばしば反対的行動をとっている。 定年延長問題しかり、外国
人労働者輸入問題しかりだ。

■■その原因はじつのところ簡単である。
わが国はいま、労働力過剰で、定年延長とか、外国人労働力の輸入な
ど出来ない環境にあることを政府は知り過ぎている。
もしほんとうに労働力が足らなければ、定年延長などは、自国内の処
置だけで至極簡単にやれるハズで、定年を過ぎて働きたい人々は巷に
もハローワークにも溢れている。
 ドイツなどでは高年齢の男女が企業の窓口業務でたくさん働いてい
て、まだ年金基金拠出者で居る。が、わが国では、お役所といえども
、窓口は「職場の花」みたいな若い女性が殆どで、政府に定年延長の
意思がないのを端的に証明している。

■■要するに働く場所がない、つまり労働力の供給過剰で、結果的に
それが年金拠出者層を薄くしているのである。だから、単に「少子化
」だけで、将来の年金資金が減る、という論には、少なくともボクは
組しない。 高齢労働者が払おうが、外国人労働者が払おうが、払う
年金資金に色がついているわけではない。毛沢東流に言えば、「年金
拠出金は、払ってくれさえすれば、白い人が払おうが、黒い人が払お
うが年金資金の充足に変りはない」のである。

■■じゃ問題はどこにあるか。「年金は、国家ぐるみのねずみ講」と
いう巷の悪口が、その本質を説明している。
 「ねずみ講」は、つぎの人が加入しないと、前の人が分け前に預か
れないという、無限連鎖型末広がり加入によってのみ経営が維持され
る。法で「詐欺」と断定する法源はここにある。
 残念ながら現在の年金制度は、国民年金も厚生年金もこれと同じ状
態にある。 

■■「年金白書(1999年)」によれば、70才の夫婦は1300
万円の保険料を払い、6800万円の年金を受け取っている。給付額
は負担の5倍以上だ。その孫の10才の子は将来、7500万円の保
険料支払で、4900万円しか受け取れない計算になる。
 つまり加入者が自分で積み立てた保険料だけでは給付をまかない切
れず、下の世代の保険料負担で年金給付をまかなう方式が、いつのま
にか、なし崩し的に成立しているのだ。
 つまりねずみ講と同様に、次々により大きな金額を支払う次の時代
層の加入によってのみ、現在の受給者に年金が支払われる仕組みであ
る。

■■既に納付された保険料に対して支払いが約束されている給付債務
は720兆円。そのうち、財源的裏付けは、270兆円だから、差額
分の450兆円の債務超過状態にある。しかも、将来分でも、80兆
円の債務超過額がある。過去と将来を合わせれば、530兆円になる
と、政府自身も説明している。けっして「将来の少子化」だけが年金
破綻の原因ではないことは、ハッキリしている。 要するに現行の「
年金制度」そのものが理論的に無理なのだ。

■■ここではっきりしておかなければならないのは、日本という国は
現状の資源、設備、および国民の労働総量によって、全国民の「健康
にして文化的な生活」をほぼ充足させているということだ。
 つまり、これ以上の労働力を投入しなくても、いまの労働量でちゃ
んとやっていけ、辻褄が合っているのである。 

 それを、年金原資が足りないからという理由だけで「少子化」をや
め、さらなる追加労働力を生み出しても、日本の何処へその労働を投
入しようというのか。 過剰労働力の創出にどのような意義があると
いうのだ。

■■だから、いまの日本社会の、総投入労働力だけで得た報酬の中か
ら拠出した年金基金だけで、公的年金の原資を足らせる、というのが
理のとうぜんであるべきだ。
 それで原資が不足するのは、拠出額に比して支給金額が多過ぎるか
らであって、所詮は年金制度の組立てに本質的な欠陥があると言わね
ばなるまい。

 専門家と称する人々の説によれば、日本人の年金額は西欧などに比
して少ないという。真っ赤な嘘だ。 平均的な年金しか貰っていない
庶民のボクが、ボクの西洋の友人たちと比べると決して少なくは無く
、むしろ多いくらいである。
 もし日本の生活物価がいまより20%も下がれば、年金がもう少し
下がってもじゅうぶんやっていけ、それで初めて、西欧並の生活レベ
ルになると、ボクは思っている。ただし日本特有の贅沢癖や浪費癖を
矯めることが先決である。

 日本の日常生活物資の値は、ここ数年で大幅に下がっており、僅か
な物価の下がりでは決してない。その代表例として「百均ショップ」
や、マクドナルドのようなファーストフーヅチエンを見れば分かる。
わずか1%とか2%しか下落していないと政府がいうのは、おそらく
自動車や電気製品とかの、ボクら年金生活者にとっていまや関係の無
い、いわば半贅沢品に近い商品の値が下がってないから、通算すると
物価下落率はそう大きくないのだと、ボクは見ている。
 いまのような物価下落傾向が続くかぎり、もう20%下がるのも決
して夢ではない。 ならば、年金給付額がもう少々下がっても構わな
い。

 本質的な年金制度の欠陥は、いわゆる「公的年金」なるものが保険
会社の「商品」としての「養老保険」と同じく、掛け金にスライドし
て保険金が支払われるシステムにある、とボクは見ている。
 保険会社の「養老保険」は、掛け金に忠実にスライドした保険金が
支払われ、それはフェアな商品取引契約としてとうぜんのことと解釈
される。

■■公的年金制度も、こうした養老保険と同じ発想で最初は発足した
。たくさん掛けた高額所得者が、配当、つまり年金をそれに応じてた
くさん受取る。公的年金制度を、「お役所が経営する養老保険」と酷
評する人がいるのはそのためだ。

■■「あみだ籤」や「養老年金」は、あるグループの範囲内でカネを
集め、そのほぼ全額を予告されたルールで、当該グループ内に支払わ
れる。それと同じ「商取引」的な行為が公的年金発祥の原点であった。
しかしその本質が現在では、「国家から老齢者へ渡す生活費」という
社会保障的な意味合いのものに変ってきた。
 保険会社の「養老年金」は、掛け金が滞れば契約解除になるが、た
とえば「国民年金」などは、その40%が未納者であっても契約解除
にはならない。なぜなら「国民年金」は、いまや国家が国民に支払う保
障生活費という方向に移行しているからだ。

 換言すれば、公的年金への拠出金は、いまや「年金基金繰入という
特定目的のための目的税」化した一種の所得税の性格を帯びているの
だから、保険会社の商品としての「養老保険」と異なり、高額所得者
からはより高率の拠出を求め、年金原資の辻褄合わせに貢献してもら
えばよいのである。

■■だいたい、未納率40%という国民年金の数字はおかしい。
 徴集担当者の怠慢であることは見え透いているが、そこは役所のこ
とで、取り敢えず腹の傷む人もいないし、いわば野放しになっている。

 フィリピン・マニラでは住宅地の不法占拠者(スカッターと呼ぶ)
率が60%にものぼり、調査した国連は、「こうなると、土地の所有
制度そのものを見直す必要がある」と声明を発している。
 日本の「国民年金」制度も、未納率40%ならば根本的な見直しが
とうぜんであろう。

■■そこで一つ気付いたことがある。 ボクの周辺には、70才過ぎ
ても元気で出社し、高額の給料を得ている連中が多い。
ところが彼らは、同時に例外なく比較的高額な厚生年金を受給してい
る。こうした連中への年金は、即日支給を止めても痛くも痒くもない
。貰っても使い道がないくらいだ。こんなのを見聞きするにつけても
、年金資金の不足などは、あんがい徴集や、支給方法の見直しをすれ
ば、だいぶ是正されるのではなかろうか。

 それをしないで、50%支給、18%拠出などと、不確定な数字合
わせばかりに励むのは、いまの役人や政治家の奇癖といってもいい。

■■さらに、「少子化」だけを、将来の年金に対する心配の種にし、
さも国家の安否に関わる重大問題のように言うのは軽率も甚だしい。
ロバート・マルサス先生は、すでに1798年に「人口の原理関する
一論」によって、「人為的努力の結果もたらされる新たな均衡状態は
、人口、生活資料とも以前より高い水準で実現され、また生活資料に
対してはその水準を高めようとする」と、説明している。
 つまり「少子化」なるものを、先進国の英知ある人間たちの営みと
して評価している。「少子化」をマイナス面で捉えるのは、いまの日
本の弱みではなかろうか。

■■わが国の、いま程度の少子化傾向ならば、それによる将来の労働
力不足を補うに足る生産性の向上は、科学技術の発展にによって今後
ともじゅうぶん見込める。
 なおもし足らなければ、最初に挙げたように高年労働者の職場復帰
を求めればいい。 いまのように、60才や65才で職場を去らせ、
その後はテレビを見るか、温泉旅行ばかりを勧奨しても、高齢者の所
在無さは解消されない。
 さほど体力を要しない軽労働の場を提供する方が、働きたい高齢者
にとっては、より幸せである。

 まして、「少子化」を年金資金不足の鬼子に仕立てて、年金制度の
根本的欠陥に目を蔽う行為は許されるべきでない。
  どうしても年金原資の払込み者を増やしたいのなら、遠慮せず外国
人若年労働力を輸入することだ。 
 そして、その人達のわが国内で得る給料所得から年金掛け金を払っ
てもらえばいい。労働力輸入を躊躇するのは、いまや時代遅れという
べきだ。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2004年3月19日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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プーチン大統領再選

 ウラジミル・プーチン大統領が得票率71.22%で再選した。投
票率は64%。プーチン大統領は再選の背景を問う記者団の対して
「4年前本気で仕事をしますと国民の前で誓ったが、その約束を守
ったからでしょう」と答えた。プーチン大統領は10日後、新しい
内閣構成について発表すると伝えた。

州韓人協会運営委員会

  13日、州韓人会事務所で韓人会運営委員会が開かれた。開会の
前に朴・ヘリョン会長は参加者たちに、李・スジン新離散家族会長
と金・ブユンドリンスク新韓人会長を紹介し、金・ミョンヨル元離
散家族会長に感謝の気持ちを伝えた。
 委員会は事業報告と文化センター建設進行状態を中心に議論が進
められた。朴会長は去年12月モスクワで開かれた第2次サハリン
韓人同胞団体代表者会議で永住帰国問題と安山の空家への入居問題
、一時母国訪問対象者選定方案などが議論され、その結果として協
議会決議文と呼訴文が採択され、日本の小泉総理、プーチン大統領
、ノ・ムヒョン大統領宛に送られたと報告した。又、韓国赤十字社
とサハリン韓人同胞団体代表者との協議の末、モスクワに居住して
いる80才以上の韓人1世はサハリンに居住している人たちと同じ
条件で永住帰国させることにしたことも伝えた。
 朴会長の報告によれば、安山市は100人収容可能な福祉施設を
建設し、サハリン韓人独身者50人を受け容れる予定である。現在
、安山コヒャンマウルには100人の独身者世帯がある。その中の
50人が建設予定の安山市福祉施設に移り、彼らの家にはサハリン
から年齢順に永住帰国させる方針である。
 今日現在、サハリンの永住帰国希望者は3500人。州韓人会は
永住帰国事業の解決のために、日本の小泉総理に希望者名簿を送る
予定であり、そのために各地域で正確な名簿作成を行っている。又
、文化センター建設の件について、日本、韓国、州韓人協会、ユジ
ノサハリンスク市4者の合意を得て建築に取組んだと報告した。
 朴会長の報告を巡って、幾つかの質問がなされたのち、今後の事
業計画についての話し合われたが、今年の光復記念日は韓人移住1
40周年を記念して盛大に行うことに対し、参加者皆が同意した。 

22人永住帰国

 20日、サハリン韓人1世22人が祖国に帰る。安山コヒャンマ
ウルアパートに7組、仁川福祉施設に5人、テチャン養老院に3人
に入る予定である。永住帰国団に、病気のため里帰りできなかった
テチャン養老院の母親に会いに行く2人の息子たちが同行したが、
その渡航費用は韓国赤十字社が負担する。

北方民族の日

 22日ノグリキで北方民族の日を記念する行事が行われる。民族
芸術団公演、手工芸や絵の展示会、民族料理の紹介、スポーツ競技
などのプログラムが準備されている。スポーツ競技には各地域から
も参加する予定であるが、サハリン州民族政策部と文化管理局、体
育委員会と北方民族協会、ノグリキ地方政府などが共同で同行事を
組織した。

ユジノサハリンスク市、氷状態

 サハリン中央都市では、昼雪が解け、夜は凍る状態が繰り返され
道路は氷状態になっている。そのため、骨折傷者が増え、病院は満
員状態。

あれこれ

「卵の値上げ」

 サハリン州政府価格担当管理局が「オストロブナヤ養鶏場」の卵
値上げ申請を承認したため、1級品の卵10個の値段が12%まで
値上がりした(以前の価格30ルーブル)。値上げの要因は電気代
と暖房代、餌の価格が高騰。

「戸締りをしっかり」

 ネベリスク市で犬の散歩の時、家に泥棒が入る事件が起きた。戸
締りをしていなかったため、15才の少年が進入し、ミンクの帽子
を二つ盗んだのである。少年は捕まり盗まれたものは返った。

「州中央都市とオハ間道路建設」

 ロシア連邦政府がユジノサハリンスク市とオハの間800km区
間に道路を建設する計画を立てているとの噂が聞こえている。8億
ドルの予算をサハリン州が賄う能力はないが、連邦政府からの予算
支援を担保に借りて道路工事を進めることが可能であろう。

「フレフ(食パン)の値上げ」

 150種類のフレフを生産しているユジノサハリンスク フレフ
コンビナートは3月1日から値上げを決断した。1kg当り6ルー
ブルであった麦の値段が11ルーブルまで、運送費も40%も値上
がりしたため、国家補助金がなければ値上げは仕方ないとのこと。

「ノラ犬に注意」

 ユジノサハリンスク市で12才の少女が4匹のノラ犬の群れに攻
撃され、命を奪われそうになった。幸い通りかかりの人に助けられ
て無事であったが、大きくなった犬を捨てる人が多くノラ犬が増え
つつあって、住民の脅威となっている。

インタビュー:オン・ミョンチュン指揮者のライフストーリー

 クルツルヌイセンター(社長白・スギョン)の交響楽団は創設し
て3回公演を行い、市民たちから絶賛された。交響楽団を指導して
いる指揮者オン・ミョンチュンあっての高い評価であると言われて
いる。彼はどのような人物なのか。李・ボクスン記者が会った。

−サハリン韓人出身の指揮者は珍しい。いつから音楽に興味を持っ
たのか。
−父はハーモニカを吹くのが好きだった。その影響か兄弟4人皆が
音楽好きだ。小学校9年の時に音楽家になると決めた。

−読者に自己紹介を。
−私は1950年ポロナイスクで生まれ、8年制の朝鮮学校を出た
後、ロシア学校に行き、ロシア語ができず苦労した。友だちも皆同
じで中退する子も多かった。私もそうしようとしたが母がどうして
もやめさせてくれなかった。高校を卒業した後、ハバロフスク芸術
専門学校でクラリネットを専攻、最優秀成績で卒業した。それから
もノヴォシビルスク、ウラジオストク芸術大学の通信過程に通いな
がら、極東やシベリア地域の音楽コンクールで多くの賞を取った。
大学通信科に通っている時にポロナイスク音楽学校で教師をしてい
たが、州音楽教師コンクールで最優秀賞を取ったのを契機にユジノ
サハリンスク音楽専門学校の教師として迎えられた。23年間働い
た後、サンユク大学(韓国系)音楽科の教授として迎えられ、今日
に至っている。

−白・スギョン社長との出会いは。
−白社長は3年間、私を説得した。初めて社長から電話を受け、交
響楽団創設の話を聞いたときは信じなかった。お金にならないこん
な事業に手を出す人はいないと思った。しかし、彼の熱情は凄いも
ので、毎年進行状態を知らせ、1年前は楽器を買いにモスクワに行
こうと誘われた。信じなかった。しかし、彼の事務所を訪ね、話を
聞いてやっと真剣であることがわかった。そのとき、指揮者として
の招待を受け容れた。白社長は「儲けるためでなく、人のためにオ
ーケストラを組織した」人で、限りなく音楽を愛し、我々音楽家を
尊重してくれる人物である。

−地方にも貴方達を待っている人たちが多いが、これからの公演予
定は。
−今月27日、そして4月初めはホルムスク市で公演が決まってい
る。そして、韓人移住140周年記念行事として6月にハバロフス
クで公演を行う。地方のファンたちにも聞かせたいため、地方循環
公演も考えている。
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◆ 現代語感:「事情違う」                MK 
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 小泉純一郎首相は15日、スペイン総選挙でイラク派兵に反対する
野党・社会労働党が第1党になった感想を記者団に聞かれ「日本とス
ペインは事情が違う。(スペインの)首相が代わってもテロとの戦い
は協力していく」と、自衛隊を派遣した政府方針に変わりないことを
強調した。(毎日新聞2004年3月16日東京朝刊から)

 ここでも「小泉流」が。国民はその先を聞きたかったのに。どんな
にどこが違うのか、明確にすべきだ。おそらく明確にするには「事情
が許さない」のだろう。それにしてもマスコミも突っ込みが足りない。
しっかり言質を取らなければ。
─────────────────────────────────
◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
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気に入らない不法滞在外国人情報を法務省HPに密告、波紋広がる
                     (中央日報)

 日本の法務省入国管理局が、同局ホームページ(immi-moj.go.jp)
に、不法滞在者ら不審外国人の情報を匿名の電子メールで受け付ける
欄を設けた。 
  これについて、国際人権団体「アムネスティーインターナショナル
」日本支部と市民団体メンバーらは17日、日本が批准している人種
差別撤廃条約に違反するとして、日弁連人権擁護委員会に人権救済を
申し立てた。 (後略) 詳しくは

http://japanese.joins.com/html/2004/0319/20040319154950200.html
________________
  
 韓国の新聞をチェックしていて、ドキッとした。そして「どこの国
?」との疑問が。その次に「まさか・・」がこの記事の感想だった。
そして次第に怒りが。この「密告制度」は江戸時代の五人組制度を思
い出し、国民を愚弄した「お上のやりそうなこと」というのが印象。
無論それにもまして「匿名で密告される外国人」の怒りをおもう。
こうしてわが国は「文化のない国になってゆくのか」
 いやな世の中だねえ。

─────────────────────────────────
◆[編集長から]             Michio Katayama
─────────────────────────────────
 台湾でもテロが起こりました。この一年、テロをばら撒く結果の
ブッシュの戦争という思いが。次は?警戒と覚悟をしなければなり
ません。小泉首相は「国民は覚悟しているはず」だと話しているよ
うですが、本当ですか、皆さん?。

 彼岸が過ぎました。春という言葉のもつ意味が日ごとに。

◆アメリカの、いやブッシュのブッシュによるブッシュの為の戦争。

 米英軍がイラク開戦に踏み切ってからこの20日で1年。沖縄では
平和市民連絡会は19日夜、浦添市西原の米国総領事館前で集会を開
いた。約80人の参加者は、イラク戦争の犠牲となった人々の命を象
徴するろうそくをともし、米英軍や自衛隊のイラク即時撤退を求めた
。何人の犠牲者が出たのだろう。

◆先日アフガンの難民を描いた映画、「ヤカオランの春〜あるアフガ
ン難民の生涯」監督 川崎けい子 中津義人を見た。
 主人公の学校教師をテーマに描いたものだが、映画が終わって、監
督・取材の川崎けい子さんから「彼はパキスタンの難民キャンプから
ふるさと故郷アフガンに帰国した。しかしその消息は知れない」と聞
いた。もう安全だと思って帰国した彼の運命を思う。

 http://www007.upp.so-net.ne.jp/movie/

◆芭蕉の句を。

 さまざまのこと思ひ出す桜かな

─────────────────────────────────
発行     2003年3月23日   No.159
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
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