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タイトル:609studio No.158 ◆現代時評:[中学生の体罰と学長の謝り]  2004/03/16


【609 Studio 】 2004/3/16 No.158
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【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ
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          尹 胄榮(ユン チュヨン)プロフィール

 韓国中央大学校教授、朝鮮日報編集局長、無任所長官、駐チリ国大
使、文化広報部長官、国会議員等を経て引退。1979年以来写真に
専念し、写真展、写真集等多数。1990年、第15回伊奈信男賞受賞。 

詳細は↓
http://www.nikon-image.com/jpn/service/salon/schedule_osaka/2003/index.htm

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◆現代時評:[中学生の体罰と学長の謝り]   ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年3月12日号

◆現代語感:「弾劾」                    MK

◆韓国新聞拾い読み:                編集部

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[中学生の体罰と学長の謝り]   ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
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◆◆読売オンライン2004.3.09 世田谷区の高校で今月5日、男性教
諭(28)が生徒指導中、男子生徒の顔をけり、唇を2針縫うけがを
負わせていたことが分かった。警視庁北沢署は傷害容疑で教諭から事
情を聞いており、近く書類送検する方針。(中略)教諭は万引きなど
の問題がある生徒22人に指導を行っていたが…・・(中略)怒った
男子生徒が詰め寄ったため、教諭は生徒を投げ飛ばし、起きあがろう
とした時、顔をけった……。 

◆◆読売オンライン2004.3.10 川崎市の市立中学校で、男性教諭が中
学1年の男子生徒に対し、回しげりをして左手首を骨折させる体罰を
していたことが9日、分かった。 親の刑事告訴を受け、警察は、 傷
害事件として男性教諭から事情を聞いている。(中略)サッカー部の
男子生徒が同級生と口論となり、腹をけって軽傷を負わせた。(中略
)男性教諭は、「男子生徒に反省する様子がなかったため、ことの重
大さを知ってほしくて、ついやってしまった」と弁明…・。 

◆◆京都新聞2004.2.10 (ワンダーフォーゲル学生たちの遭難救助
について関学の)平松学長は市役所で山岸正裕市長に面会、「皆さん
のご尽力のおかげで、無事帰ることができた」とお礼。(中略) 平
松学長はその後、福井県庁で西川一誠県知事に会い「知事の判断で自
衛隊に(救助を)要請してもらい、県に迷惑をかけたことをおわびし
ます」と陳謝した。 

■■生前大学教授だった友人がよく言っていた、「昔、小学校の先生
は《訓導》、中学校の先生は《教諭》と呼ばれ、導いたり諭したりす
るのが職責だった。それが大学の先生は、今も昔も《教授》どまりで
、ただ教え授けるだけでいいのだ」と。
 これなどたかが冗談話だが、学校の先生が、学生・生徒の教育につ
いてどこまで責任を負わされているのか、実のところボクはその限界
をいま以って知らない。小学校の先生から「訓導」のタイトルが消え
、中・高校の先生ともども「教諭」と呼ばれるようになったからには
、「諭す」だけで充分で、手取り足取りの「導き」はもう不要なのだ
ろうかと、戦後の一時期ボクらは文部省を揶揄したものだ。

■■大学は、かっては「最高学府」とよばれ、最高の学問を成人とし
ての学生たちに「教授」する場であると昔から決まっていて、教えた
り諭したり、導びいたりする子供たちのための「学校」とは違うとこ
ろであると、少なくともボクは最近までそう思っていた。
 ところがつい先月、ある大学のワンダーフォーゲル部員数名が冬山
で遭難し、救助された。するとその大学の学長が「相済みませんでし
た」と、関係各方面にお詫びにまわったという。

■■学生たちは立派に成人した大人で、もちろん選挙権もあれば、お
酒を飲んでも叱られない。何をするにも個々の責任で、たとい遭難し
ようが救助されようが、それは個々の学生のリスクと責任においてな
されることである。そしてその学長たるもの、子供を預る小・中学校
長のように生徒の行動に目を張り、監督責任を負わされている立場で
はないから、学生の行動について謝ったりする必要はない、とボクは
思う。

■■それがなぜ、立派な大人である学生たちの遭難に、学長があちこ
ちアタマを下げに回らなければならないのか、その理由がボクには判
らない。それともこのごろの学生は小児化し未成熟だから、大学が幼
稚園のように「学生と称する子供」たちの保育を請負っているのだろ
うか。 もしそうなら、そうした保育所や学校に預かってもらってい
る学生たちは、その大学を出るまでは選挙権を返上し、飲酒も辞退す
るのが筋ではないか。

■■いやそうではない、学生達が頼みもしないのに、学長が世間体を
慮って、手回しよく関係筋に謝ったのだ、ということであれば、ボク
は、そうした見識の無い学長を頭に戴いた大学を軽蔑する。保育園化
した大学などは、そこに籍を置く学生たちにとっても恥じであるべき
だ。 いい加減にしたらどうかと言いたい。そんな暇があれば、学生
はより高度な学問の習得に励み、学長は、いま論議されている大学改
革とやらに努力すべきではないか。 でないと、日本の大学の国際的
評価は益々下がるばかりだ。

■■つぎは今さらながら「教師による体罰」について、である。
体罰はいけないと、言われ出してから久しい。伝えられるところに依
れば、わが国の小・中・高校の体罰の源流は、昔の帝国軍隊の営内班
における体罰システムにあるそうだ。悪名高き帝国陸海軍の体罰は、
それを加えることによって、兵が条件反射的にきびきびした行動をと
れるようになり、加えて上下関係における絶対服従精神の涵養に役立
てた、とのことである。 ボクなど、僅かな期間ながら兵役に服し、
体罰の効用についてのプラス面、およびマイナス面とも、いくらかの
経験と認識を持っている。

■■いまの学校教育においては、「教師による体罰」は、絶対いけな
いこととなっていて、その法的根拠は確定している。にもかかわらず
、「教師による体罰」事件は後を絶たない。昨日は東京で、きょうは
神奈川での「体罰」がニュースで報じられた。
 学校教育法第11条によれば、「校長及び教員は、教育上必要がある
と認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒及
び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはで
きない」となっている。 つまり、学校・教員による罰則は認めるが
、体罰だけはいけない、ということである。

■■ボクの見たところ、この「体罰はいけない」ということについて
、少々オーバーなくらい厳密、かつ神経質になっているのが、いまの
日本における学校教育の特徴らしく、それには反論の余地はさらさら
ない、というのが社会的な定見であるように見える。
 ところが毎度のことながら、体罰が問題化したときの、いわば被告
席にあるのはたいてい特別に教育熱心な先生であり、反対に体罰を食
った生徒は、例外なくどうにもならぬほどの悪童、もしくは不良生徒
なのだ。換言すれば、教育熱心な先生ほど分が悪い。
 教育に熱心でない、一昔まえなら「デモシカ先生」と蔑称されたよ
うな先生が、生徒に体罰など加えることもないし、まじめな生徒が体
罰を受けたというようなことも、先ず無いはずだ。

■■それがひとたび「体罰問題」が発生すると、教育熱心な先生がま
るで無法者のように弾劾されるばかりで、その非難の蔭にかくれて、
どうにもならぬ悪ガキどもの行為が本気で責められるようなことは少
ない。「どんな理由があろうと、教師による体罰はいけない」、「い
や、熱心のあまりつい手を出してしまい、まことに申し訳無く反省し
ています」というのが、いつもながらの教師と社会との間のやり取り
だ。

■■これがニュース記事になったとき、ボクはつねに違和感を覚える
、「体罰を加えてどこがいけないのだ」と。
 「いったい、体罰を加えずに、どんな有効な教育方法が不良学生に
対してあり得るのか、あれば教えてくれ」と、言いたい。

■■ボクの経験では、どうにもならない極道息子や不良生徒は、ほと
んどの場合、「ことの解りがよくて、理解深い父親」のところから出
ている。「理解深い父親」は、通例、諄諄と説いて聞かせるが体罰を
加えない。それをいいことにして子供は、なおさら増長する。
 もし父親が厳しく、体罰も辞さぬばあいは、子供なりに父親から加
えられる「身の危険」を予測して、控えめにならざるを得ない。
 いったいに、「自由に子供をのびのびと育てたい」といったふうな
、自由主義的家庭(?)から、どうにもならぬぐうたら息子や非行少
年が生まれる率はひじょうに高い。

■■刑務所の存在がその相関関係をよく示している。
 悪い事をすれば刑務所へ入れられ、その内側ではリンチの気配もあ
りそうだ。それが恐ろしいからこそ悪事を働かない。 
 日本が世界一安全で犯罪の少ない国である最大の理由は、つまりは
わが国の犯罪検挙率が高く、悪人にとって刑務所へ入れられる確率が
高いから、ついつい犯罪を犯すのを遠慮する。

■■それと同じで、「体罰」が恐ろしいから、不良少年たちもついつ
い悪いことをしないか、してもその実行回数が少ない、というのはじ
ゅうぶん考えられるところである。
 そんな簡単明瞭なことを看過し、子供だからという理由だけで、体
罰の一つも加えぬ世の中にしてしまったから悪ガキ生徒どもが繁殖す
る、といったことになぜ気付こうとしないのか。
 悪い子供たちへの有効な矯正方法が見つからぬままに、体罰を否認
してしまった現今の学校教育システムこそ問題なのだ。

■■いまのままの状態では、勇気があり教育熱心な先生が、万やむを
得ず体罰を加えるためには、先ずもって辞職の覚悟を必要とする。そ
の覚悟が出来ぬときは、子供たちの非行を見て見ぬふりするしかない
。先生というのは分の悪い職業で、そこをうまく世渡りしようとすれ
ば、子供の非行など、見て見ない先生になるしか方法が無い。

 そこをどうすべきか。ボクは、体罰を復興せよと敢えて言いたい。
いまの世の中、昔の軍隊でも無いし、そうやたらとコブシを振り上げ
て生徒を殴る先生など存在しないから、少々「体罰」を是認しても、
それによる弊害などあるとは思えない。
 先ず試みに、西洋の家庭における躾なみに、悪いことをした生徒の
尻をぶつくらいな軽度な「体罰」の許可を先生に与えて見るべきだ。
それでうまくいけば、もう少し強い、たとえば「子供の横面を張る」
ていどの体罰へ進めばいい。

■■昔でも、牢屋へ入れられるまえには、「杖で百叩き」ていどの刑
罰が存在した。
 少年院に入れられる前に、若い元気な体操教師に締め上げられ、あ
るいいはケツを百叩きしてもらった方が幸せで、痛い思いをするより
は大人しくしておいた方が得という程度の算段は非行少年にとっても
、じゅうぶんつくはずだ。 
 痛くも痒くもない長説教を聞かされるか、さもなければ少年院送り
、という二つに一つの簡単なシステムより、その間に殴られたり叩か
れたりする体罰が存在する方が、子供たちにとっても、より有難いは
ずである。

■■こうした体罰をいわゆるリンチの概念で捉えると、リンチ、つま
り「私刑」ということになり、先進国社会のルールとしては問題があ
ろう。だからむしろ、先生が腹を立てたから殴る、というプリミティ
ブで人間的な考え方を導入すればいい。 誰だって、先生だって腹が
立てば怒る、それが嵩じれば殴りもする。とうぜんのことだ。殴られ
るのがいやだから、生徒は先生の言うことを聞く、それでいい。
 幼児が柱で頭を打ち、コブを作りながら、柱を避ける技術を身につ
ける行為と同じと考えればいい。

■■叱られないように身を処する、それは動物たちにとってごく自然
な条件反射による護身行為の習得に他ならない。学校の生徒たちもそ
うした人間としての身の処し方を、もっと先生から教わっておいても
悪くはない。
 良識ある人間社会の仮装された繁栄のなかで、どんなことをしても
体罰は食わない、しっぺ返しもない、という習慣が身についてしまう
ことは必ずしもよくないことである。

■■近所の子供を意味も無く数人殺した少年が、いよいよ社会復帰す
るとかで昨日のTVニュースは大騒ぎをしていた。
 ボクは思う、あの罪を犯した少年の父親というのはどんな人だろう
か。おそらく、わが子を殴ったりするような親ではなく、穏やかな人
だったに違いない。もし厳しい父親で、反抗すれば拳骨が飛んでくる
ような家に育っておれば、ああした理由不明の犯罪を犯すような人格
になっていなかったのではないか。

◆◆駅やデパートのエスカレータの前で、後からくる人にお構いなく
お喋りをしている女性方が最近とみに増えた。むかしは、ああいう人
は少なかった。誰に叱られることもなく、中年になった幸せな女性方
が増えた、ということであろうか。
 他人の邪魔をすればしっぺ返しもあるということを、世に処する人
間の智恵として知って欲しい、と思う。

◆◆そうした意味で、ボクは教師による「生徒への体罰」を、復活し
て欲しいと考える者の一人である。
 じじつ、統計によれば体罰を受けた生徒たちのうちの80%は、そ
の後、体罰を是認しているという。 旧軍隊の「体罰」も、体罰を受
けるだけだったボクのような初年兵でも、その効用についてはじゅう
ぶん理解してい、必ずしも悪い面ばかりではなかったと思っている。
 もしここで体罰をすべて否認し通せば、教育の荒廃はまだまだ進行
すると考えなければならないだろう。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2004年3月12日号  
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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住民の声

 先日、地方政府指導部らが参加しての州政府会議で地域住民の要請
を実現させる対策案が積極的に講じられた。ドリンスクとウゴレゴル
スク地域からは年金生活者の大陸移住のための住宅購入支援金要請、
コルサコフからは電気と暖房料金の値上げ防止、アニワからは公共バ
ス購入、保健所建設、ノグリキからは飲料水の衛生問題、オハは青年
社会復帰センター修理問題、クリルとその周辺部落間の橋梁復帰問題
などが取り上げられ、関連事業計画と担当者など詳しいことを州知事
の権限で決めた。

今年無料医療プログラム決定

 10日、2004年度サハリン州における連邦無料医療サービスプ
ログラムにより、すべてサハリン州住民が無料の応急治療、総合診療
所での治療・入院のサービスを受けられる。無料治療サービス目録は
クベルンスキエ・ヴォドモスチ誌に掲載される。

工科大学設立予定

 近々国立サハリン州総合大学に工科学部が設けられる。ユジノサハ
リンスク市ポグラニツナヤ通りにある未完成の第2職業技術学校に設
置される。敷地を整備し設備を整えるのには2億ルーブル必要である
。新しい建物には学生たちが研修できる最新の設備ができる予定。

コムソモレッツの芋
 
 同国営農業企業は、最近農産物の価格を引き下げた。芋の価格は1
キロ当たり5ルーブル。3月末にはかぶとウクロプ(香辛料の一種)
等も提供する予定。

トレチヤク慈善行為

 ロシアの有名な元ホッケー選手で国会議員のウラジスラブ・トレチ
ヤクさんは自分がカナダで愛用していたスティックを競売にかけ、3
万2千ドルを稼いだ。この資金をサラトフ市の病院に設備購入の資金
として寄付した。

トルクメニスタン宣伝のため

 トルクメニスタン大統領は同国の経済発展を広報するために、新し
くテレビチャンネルを設けることを決定した。テレビ放送はロシア語
以外に外国語でも放映される予定。このためにまず1400万ドルが
割り当てられる予定である。

犬と猫
 
 犬と猫は「犬猿の仲」といわれている。しかし最近トヴェリ警備担
当機関の犬飼育上で5匹の猫を飼っている。ここでは犬と猫のけんか
はない。なぜならあまりにも多いねずみが犬たちを苦しめているから
である。

飲酒運転

 先日、ホルムスク中央病院で59歳の年金生活者が、交通事故にあ
って亡くなった。警察の調べによると、2月21日、酔って外国製の
車を運転していたある男が、歩道を歩いていた被害者をひき逃げした
。ひき逃げした運転手は拘束された。

インタビュー:離散家族会新会長 李・スジンさんと

―おめでとうございます。会長になった感想は。
―非常に責任感を感じている。選挙会場で州韓人会と関係のある問題
について沢山の質問を受けた。参加者の皆さんの高い問題意識を感じ
取ることができた。

―自己紹介をお願いします。
―1942年クラスノゴルスクのロパチノ炭鉱部落で生まれた。父は
強制連行されサハリンに渡った人で、生まれて6カ月の時、父と一緒
にチェリノフスク炭鉱に移された。その村で朝鮮学校に通い、ロシア
中学過程を終えた後、モスクワ動力大学に入学、65年度に卒業した
。卒業後レニングラード動力トレストの派遣され5年間働き、その後
サハリンに戻り36年間動力企業で勤務した後定年を迎えた。二人の
子供はモスクワで大学を卒業し、そこで生活しており、家内はセコリ
ョ新聞社で記者として働いている。

―急がれる課題は何だと思いますか。
―最近、一時母国訪問事業が少し停滞している傾向がある。だからこ
の部門に力を入れながら今までの永住帰国関連事業などを引き続けて
行う予定である。

―最近のウラジオストク出張の目的は。
―3月20日に18人の1世が永住帰国をするのでビザを作るために
行った。また、総領事に就任挨拶も兼ねて。

―1929年以前生まれの人は今後毎年母国訪問できるとの話がある
が・・・。
―それはまだわからない。決算選挙で提案されただけでこれからの事
業目標と言えるものである。

―母国訪問の際、同伴者として子供を1人連れて行くことができるが
、一度行ってきた人でもまた行けるようにしてほしいとの要望がある
が・・・。
―それは今の段階では無理である。親が早く亡くした人々はまだ一度
恩恵を受けていない。その人たちにも機会を与えるべきである。また
、現在、同伴者は直系家族に限っているため、嫁や婿は同伴できない
。韓国赤十字社に直系制限規定を変えるよう働きかけているがまだ成
果はない。

―親を早く亡くし一時母国訪問事業の対象になれない人は何人?
―約300人。

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◆ 現代語感:「弾劾」                      MK 
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 辞書によると「だんがい」は 【弾劾】 と書き、

(1)不正や罪過をあばき,責任を追及すること。
(2)身分保障された官職にある者を,義務違反や非行などの事由で,
国会の訴追によって罷免(ひめん)し,処罰する手続き。現行法では裁
判官と人事官の弾劾制度がある。

⇒この場合の現行法とはわが国の法である。先日韓国で大統領の弾劾
訴追決議が国会で可決された。朝鮮日報は「憲政史上初の実に不幸な
事態であると共に、未熟な韓国政治が生み出した悲劇だ。韓国の国民
がついにこのような不幸にまで見舞われるとは、深いため息を禁じ得
ない」と社説で。また同社説は「今日のこの状況はさまざまな苦難を
通過してきた韓国国民でさえ、一度も経験したことのない事態だ。反
対する人、賛成する人、怒る人、満足する人と、皆の考えが違うはず
だ。しかし、その全ての感情に先立ち国を守ろうというのが、われわ
れ全ての目標だということを忘れてはならない」と、国民に冷静な行
動と国益を守れと呼びかけた。

 このニュースは、世界中から驚きの眼で見られた。「弾劾」とは、
それほど重いものであり、国の威信を問うものでもあろう。何しろ国
家元首が、一時的にせよいなくなる事態なのだ。経済への影響も相当
なものかもしれない。

 韓国は自ら「政治的不安定さ」を世界に露呈してしまった。
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◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
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 CNN 、大統領の弾劾案可決を報道 (東亜日報)

 殴り合う国会議員、床に座り込んで号泣する議員、弾劾訴追案の可
決を宣言する国会議長にバッジと靴を投げる議員。2004年3月1
2日、CNNを通じて1時間余りに渡って全世界に流れた韓国政治の
自画像だ。 
 CNNは同日、国会がノ・ムヒョン大統領に対する弾劾訴追案の表
決に入る前から、YTNの画面を受けて生放送で中継した。CNNは
、憲法裁判所の決定までには最大6カ月が残っているものの、韓国社
会はすでに深い分裂(deep division)状態に陥ってい
ると評価した。CNNはまた、国会議事堂の外では「ノサモ」のメン
バーがデモを行ない、国会議事堂の中では議員がもみ合う「珍しい光
景」が展開されていると伝えた。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2004031338198
________________
  
 記事はこの他の外国通信などが、今回の政変劇をどのように伝えた
かを克明に報道した。その内容は「外電のほとんどは韓国の政治家が
未だに旧態依然たる慣行から抜け出していないと、懸念する様子だっ
た」と締めくくっている。このように韓国のマスコミはこの弾劾劇を
「冷静な眼で報道」し、国民の自重を促し、大統領代行の首相に対し
て、その責任の重さを指摘し、憲法裁判所の判断を「早急に」下すよ
う求め、そして「国会議員の成長のなさ」を槍玉に挙げている。
 
─────────────────────────────────
◆[編集長から]             Michio Katayama
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 スペインで200人にも上る犠牲者が出たテロがありました。その
驚愕の覚めやらぬうちに、今度は韓国で「大統領の罷免」騒ぎです。
 友人の韓国人たちは一様に「国民不在の政治」を嘆いています。

◆鳥インフルエンザも危ない。米国のBSE騒ぎも。そしてテロ。
「世も末だ」とは友人の嘆き。しかし危うい宗教などには要注意。

◆三寒四温とは、今ごろの季節。体調に気をつけるよう呼びかける天
気予報が多くなってきた。同時に花粉情報や黄砂の情報も。

 春がきた。

◆芭蕉の句をひとつ。

 梅が香に追ひもどさるる寒さかな

 春は名のみの風の寒さよ・・というところか。
─────────────────────────────────
発行     2003年3月16日   No.158
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
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