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タイトル:609studio No.150◆現代時評:[平和と海外派兵と、北朝鮮と小泉首相]  2004/01/06


2004/1/6  No.150 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

   【609 Studio 】609studioメールマガジンは「現代社会
  を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時評」
   をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリ
   ンの「セ・コリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記事など話題
   満載! URL ⇒   http://www.609studio.com

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              謹賀新年!

        本年もよろしくお願い申し上げます。
        
        ◇◇ユジノサハリンスクの天気◇◇

 サハリン韓国語放送のLee Bock Soun が土日を除く毎日ユジノサ
ハリンスクの天気を報告してくれます。HPに掲載。
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          ◇609studio INDEX◇ 

◆現代時評:[平和と海外派兵と、北朝鮮と小泉首相]  ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2004年1月2日号

◆現代語感:「自己欺瞞と自虐主義」           MK

◆韓国新聞拾い読み:               編集部

◆編集長から:[この1週間]
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◆現代時評 :[平和と海外派兵と、北朝鮮と小泉首相]  ken
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 info@609studio.com   へ!
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◆◆アサヒコム・2003.12.27 小泉首相は26日、首相官邸で記者団
の質問に答え、来年の抱負としてイラクの安定と北朝鮮問題を挙げた
。北朝鮮問題では「6者協議を来年早々にも開く準備をしている。北
朝鮮も早くリビアのように核開発を放棄し、拉致家族を日本に帰すと
いう国際社会の責任ある一員になるような対応をして欲しい」と述べ
た。

◆◆JANJAN2003.12.28中国共産党機関誌の一つ、中宣部『時事報告』
は「ここ数年、日本経済は不振が続いているが、軍事大国への歩みに
は影響していない。(中略)かえって日本の軍備費は500億ドルを
超え、アメリカに次いで世界第2位である。太平洋地区において最も
強大な海軍力を持ち、陸上自衛隊の総人数はイギリスの陸軍と海兵隊
の総計を上回るなど、日本の“自衛隊”は実に立派な軍隊である。現
在、日本の軍事力が、とうに自衛の必要性の範囲内をはるかに超え、
アジアの強豪、世界の強者と呼んでもよいだろう」 と評論し・・。

■■謹賀新年、まずもって目出度い初春のお祝いを申上げたい。
  なにが目出度いかと言うと、個人的なことを差し置けば、取りあえ
ずはこの国の平和なことが目出度い。いわゆる「天下泰平」で、いま
のところ地震も無いし、とりわけ戦争がなく、戦死者も出てないのが
目出度い。

■■ふるい昔のことはさておいて、明治維新以後、日清、日露戦争が
あり、第一次大戦に参加し、それが終わるか終わらぬかで満州事変を
やり、引き続いて支那事変こと日中戦争をおっぱじめ、それがそのま
ま第二次大戦になり、われわれ日本は百年間戦争のし続けだった。尊
い兵士の血を流し、ついには国土を廃墟と化したのであった。

■■それが戦争に負けて、われわれは目覚めた。「もう二度と戦争は
しまい」と、永世局外中立のスイスやスエーデンを真似て「戦争放棄
」を誓い、それが奏効して半世紀以上の長きに渉って一人の戦死者も
出さず、今日に至った。

■■今ごろになって、アメリカが作った憲法だとか、自分たちの意思
ではなく他から押しつけられた法律だとか理屈を言う人もいるが、と
にかく戦争に懲りた我々が、一も二も無く本能的に択んだのがいまの
「平和憲法」であった。
  よしんばアメリカがシナリオを造ったにしても、最終的に択んだの
は我々、そしてそのお蔭で50数年間戦争をしなくて済み、一人の戦
死者も出さずに今日までやって来れたのである。「アメリカに押しつ
けられた憲法」などと言うのは、先さまに対して失礼であろう。

■■考えてみれば、騒然たる二十世紀後半分を、毎年「新年おめでと
う」と、寿ぎ合えた日本のような幸せな国が地球上幾つあったろうか
。そしてそれが、少なくとも今日までは続いている。
  しかし、明日は分からない。なぜなら、言訳はともあれ、わが「自
衛隊」と称する軍隊は、いままさに武器を携え、対戦車砲まで持参し
て地球の裏へ戦争に行く、きょうはその前日なのである。
  こちらは「イラクの復興を援助しに」と言っているが、仮想敵であ
るイラクのテロリストたちにとっては、「敵国米国の同盟軍が武器を
もってやって来る」のである。いわば一発触発の戦争前夜なのだ。

■■東洋のをスイスを夢み、高らかに戦争放棄を宣言し、「もはや二
度と過去のような戦禍を望まない」と決意した50年前の、あのときの
我々の決意は、いったいどこへ消えてしまったのだろう。
  それでいて片や、平和な新年をきょうもまた謳歌しようとする我々
は、どこかに大きな誤謬があるのではなかろうか。

■■海外派兵を肯定する人々にとっては、大きな二つの理由があるよ
うだ。
  先ず一つは、「わが国もまた世界平和に貢献する義務があり、それ
なくして世界の一流国家たり得ない」という、純情、かつ積極的な世
界平和への貢献説があり、そのためには軍隊を派遣しろというのだ。

  もう一つは、「無法者近隣国家、北朝鮮に対する防御を米国に頼ま
ねばならぬので、その反対給付として、米国が望むから派兵しなけれ
ばならぬのだ」という、対米報恩説である。
  そしてその二つ、どちらにもいくらかの理由はある。

■■しかし考えてみるに、60年近くも戦死者一人出さなかった「東
洋のスイス」的日本が、いかに理想主義とはいえ、戦死者が出るかも
知れぬ軍隊を地球の裏のイラクまで派遣しなくてもいいではないか。
世界平和への貢献の道は他にもいろいろあるハズだ。イラクの復興な
らば、いちばん要るのはおカネだ。おカネが無くて出せぬ国は、代わ
りに軍隊を出すのも一方法だが、わが国は違う。おカネを出して済ま
せるのは日本得意の巻ではないか。地球上160カ国のうち、イラク
へ派兵しているのは今のところ20カ国程度で、なにもその20カ国
に入らなくても、日本が世界平和に貢献してないと非難される謂れは
ない。

■■せっかく、「戦争放棄・表向き無軍隊」を憲法で標榜し、半世紀
頑張ってきたのだから、そう簡単にその金看板を外してはならない。
 あの戦争の悲惨さを目の当たり見てき、ああいう状態に二度となる
まいと決意したボクらの世代が、まだ生きている間に、そう易々と元
の木阿弥の、わが軍隊を世界平和のためと称して他国へ派遣するとは
何事だ、と言いたい。いま程度の理由で軍隊を対外派遣していては、
スイスもスエーデンも、永世局外中立など保てるはずがない。やはり
日本は戦争好き、つまり好戦軍国主義国家だったのか、とボクなどは
思う。

■■いや、そんなことは百も承知している。それより恩義のある米国
に頼まれたのだから、やむを得ず軍隊を出すのだ。そのようなことが
解らぬお前も、判らぬ男だ、と小泉さんや与党議員諸君に言われそう
な気がする。
 いや、与党のみならず野党民主党もテロの危険にさらされているか
ら、派兵は中止しろと言っている。ならば危なくなければ、戦争放棄
を宣言した日本が自衛隊を地球の裏まで派遣してもいい、と言うのか。

■■ボクなら、それもいやだ。テロで危なかろうが、危なく無かろう
が、対戦車砲を持った自衛隊を他国へ派兵するなど、真っ平ご免だ。
我々は、戦争放棄を憲法で謳い、それで戦後六十年近く、戦死者一人
出さなかった、し合せ、かつ誇るべき国だったのだ。そうむざむざと
戦争国に変わりたくない。

■■くどいけど、もう一度考えても見ろ。なぜ50年間戦争で人一人
亡くさなかった日本という国が存在できたのかを。とりあえず表向き
「不戦・無軍備」を堅持してきたからではないのか。

 いや、今度は米国が執拗に派兵を要求し、もしそれを拒んだら、あ
の怖い北朝鮮が攻めてきたとき、米国が守って呉れぬから、やむを得
ず派兵するのだ。と、いうのが政府与党や、大部分の議員諸君が派兵
に同調する腹の内だ。

■■どっこいチョッと待て、北朝鮮が本当にそんなに怖いのか。
 ならば、「専守防衛」とやらで、毎年、世界第二位といわれる大き
な金額を投入している日本の軍備はいったい何のためだあったのだ。
500億ドルを注ぎ込んで、近隣諸国の大脅威と中国にまで騒がれて
いる軍備は、たかが張子の虎の糊付け材料費だったのか。
 まさに息も絶え絶えの貧乏国北朝鮮がたとい攻めてきたとしても鎧
袖一触、世界第3位か4位のわが軍備ではなかったのか。にもかかわ
らず、米国に守って頂かぬと北朝鮮に対抗できぬのならば、会計検査
院に頼んで防衛庁の監査をしてもらうのが先だ。

■■ミサイルや核兵器を開発している国が危険なのは分かるが、その
予防のために、「専守防衛」中止して中東派兵したり、向こう3年間
で50億ドルもの大金をイラク復興のために支出するのは、あまりに
も迂遠かつ効率のわるい戦略である。「2階から目薬」どころか、六
本木ヒルズの屋上から目薬を注すに等しい、といわねばなるまい。

■■そんなことに費やす暇とカネがあるなら、その前にもっと北朝鮮
政府と話し合うのが正道だと、ボクなどは思う。
 「話し合っても分からぬ無法者国家だ」と決めつけるのも結構だが
、我々は、はたしてそんなに本気になって北朝鮮と話合った事がある
のか。

■■じつは一度だけ本気で話合ったこともないわけではない。 例の
小泉訪朝の一日だ。 一日話し合って、予想外の効果で、とにかく抑
留されていた5人を取り返した。そこまでは上出来だった。が、その
あとが続かない。「すぐいったんは帰します」と約束していた5人を
、留めて帰さない。それについてはまあ無理も無い。だが、もしその
後、小泉首相が数回も足を運び、金将軍とやらに話を続けていたら、
恐らく、自ずからその後の話合いはもう少し進展していたであろうと
、ボクは思う。
 それがボクの言う「本気になって北朝鮮と話し合うべき」というこ
との意味だ。

■■それもしないで、「帰せ、帰さぬ」だけを海を隔てて怒鳴り合う
だけでは、北朝鮮と本気で話し合ったとは言い難い。
その程度で話がつくような相手なら、「拉致事件」など起したりしな
い。それを、いやどうにもならぬ無法者国家だと決めつけて、恐れお
ののいてアメリカ様に守って頂くために、イラク派兵し、イラク復興
のために50億ドル差し出そうと言う。話が逆ではないか。 先ず、
自分たち東アジア同士で徹底的に話合うのが先決で、どうしても折れ
合いがつかず、先方から攻めて来そうになって、もし世界第2位の軍
事費国家の軍備でも太刀打ちできず、窮余、米国に頼むというのが筋
道だ。 そしてそのとき、「助けてやるが、お礼として50億ドル前
払いせよ」とか、「イラクへ軍隊を派遣せよ」とか言われて、背に腹
は代えられず、しぶしぶそうするというのなら、ボクらも了解できる。

■■ボクは別に北朝鮮の味方ではないし、どちらかといえば怪しから
ぬことを仕出かす国だとかねがね思っている。しかし、こちらも、い
ままで本気でそのことについて話し合ってきたとは思えない。戦後処
理など、本気で話合うつもりもないようで、彼らが腹を立てるのも、
いくらかは判る。
 東アジアのことは、先ず東アジア同士で片付けるのがとうぜんで、
太平洋を隔てたアメリカのお口聞きを頼むなど、余程のことでも無い
限りすべきではない。

■■じじついま予定されている六カ国会議でも、「北朝鮮の核開発問
題」はとうぜんの主題だが、日本の主張する「拉致問題」については
いつ議題から外されるか判らぬ状況にあり、いまのところ日本のイラ
ク派兵への呼び水としての役割しか米国は考えていないようだ。
 我々日本は、いままでのような北朝鮮問題に付いて米国に頼り過ぎ
る態度はやめるのが得策だ。

■■だいたいに日本は米国との親密を望みすぎる傾向があり、そのた
め独り善がりの「ロン、ヤス」的付合いを宣伝するが、彼ら米国から
すれば、それは「散歩に連れていってくれる飼い主と、尻尾を振りな
がら従うポチ」の関係に過ぎないのだ。他家の犬に吠えられたポチに
いくらか味方して、相手の犬を叱ることはあっても、身を挺してまで
わがボチを守るほどのつもりは、米国にありそうにない。
 例えばシラクさんがチョッと意にそぐわぬ恰好をしても、再び自分
の方を振り向いてくれるのを待つ辛抱強い米国、というのと比べてみ
る必要があろう。

■■それをわが小泉首相は新年への抱負として、北朝鮮問題では「6
者協議を来年早々にも開く準備をしている。北朝鮮も早くリビアのよ
うに核開発を放棄し、拉致家族を日本に帰すという国際社会の責任あ
る一員になるような対応をして欲しい」と述べた。
この調子ではまたもやブッシュ氏に頼りきって、6者協議に期待をこ
め、それで拉致問題までけりがつくかに考えているようだ。
 冗談じゃ無い、よしんば核開発問題に一応の合意が成り立ったとし
ても、それで「拉致問題」が片付くとは思えない。
「しっかりしろ小泉さん」と言いたい。

■■彼の半島の人たちの誇りの高さ、そして怨念の激しさは、いまさ
ら李御寧氏の旧著「恨(はん)の文化論」を持ち出すまでもない。そし
て彼らはいま「謝れ」と言っている。
 韓国併合以来、終戦までに我々が彼らにしでかした軽蔑と圧政はい
まさら弁解の余地は無い。積極的に誠心誠意謝罪すべきだ。「自分た
ちの知らない昔のこと」とか、「すでに韓国と話は済ませている」と
いうような言訳が通らぬことは、ドイツ人のアウシュビッツ事件処理
で既に証明されている。

■■先ず誠意を以って謝罪し、そして後半はおカネで賠償するのがい
い。 謝って済む話でないと言われるのを覚悟で、前半は精一杯謝り
、そして後半に至って急転直下、おカネでけりをつけるのが半島の伝
統的しきたりと心得るべきである。
 いたずらに人道主義を掲げ、高圧的説教口調で和解したがる米国に
追随していては、成る話も成らなくなる。

■■「謝罪」を避け、賠償を逃げ回っていて、それでいてアメリカに
頼り、その言いなりになって遠い異国の復興に、隣国への賠償以上の
カネを持ち出すのは得策ではない。
 まして「世界平和への寄与」という美名のもと、「戦争放棄」した
ハズの国の、自衛隊を銃器大砲付きで関係ない遠国へ、テロに逢うの
も覚悟で派遣するなどは、愚かにも程があると言うべきだ。

■■それをしなければ、米国という魔物に国を取り潰されてしまう、
と、学者・評論家の中に言う人が居る。
 バカな事をいうものでない。いくら米国が勝手な国とはいえ、直接
喧嘩を売りに来た国でもないただの友邦国が、「兵隊をお貸ししませ
ん」と言っただけで、いきなり爆弾を落したり、大砲を打ってきたり
する時代ではないのだ。
 せいぜいが「自動車も、電気製品も買いません」と商売でいやがら
せするくらいが、彼らに出来る限度だ。買ってくれなければ、買って
もらわずに辛抱し、それでわが国の経済が沈滞するなら、それも致し
方ないと諦めるのが至当である。
 自国の商品を買ってもらいたいばかりに、わが軍隊を援軍として遠
い異国へ派遣するなどというのは邪道も甚だしい。

■■新年早々、言いたくも無い愚痴だが、つまらぬ米国の海外出兵に
今年一年付合いさされ、さらに「拉致家族を返せ、隣国憎しや」の大
合唱を続けねばならぬ今の情勢は、ついつい気になる。

◆◆ブッシュさんと友人付合いする時間と暇があるなら、先ずは金将
軍に会いに行き、何度か会う瀬を重ねて、いくらか心を通わせる友人
になって欲しい、と、わが小泉さんに、新年に当ってお願いしたい。
 少し親密に成れば、そこは千年来の兄弟国だ。ついつい心も打ち解
けて、「じつはおカネが少し欲しい、拉致家族は返すから」といって
くれそうな気がする。
 だいいち、間違っても「大砲を持った軍隊を派遣してくれ」などと
は言って来ぬ相手だ。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2004年1月2日号    
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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年末に際して「貴重なサハリン・クリル住民皆様!」
             サハリン州知事 イ・マラホフ

 2003年は我々に特別な思いを残した年でありました。悲劇で
かつ喪失の年として我々の記憶に残るでしょう。我が州の発展に大
きく貢献したパルフトジノフ元州知事と永別したのであります。
その後、我々は予想外の政治的激動を体験するようになりました。
選挙の際、重く責任感を感じながら、サハリンとクリル住民皆様方
に州の現発展方針を継承する忠実性をお見せしました。今、我々は
社会の安定と統合の基となる法的政権の下で2004年の幕を開け
ようとしています。暮れていく年に起きた政治的大事件がサハリン
とクリルの経済発展に否定的に働くことは絶対にあり得ません。今
年の我が州の発展ぶりは誇らしいものであります。
今日、サハリン州全体の工業部門の生産性が増進していることが指
摘できます。原油ガス部門は確実に発展し続けています。又、住民
の最も多くが携わっている水産業は州の根幹産業として成長し続け
ています。再びサハリン州がロシア缶詰生産部門をリードしていま
す。農産物の成長も著しく芋と野菜の収穫は特に良かったです。こ
の背後には州と連邦からの積極的な予算支援がありました。農業部
門への支援は1億ルーブルに達しました。
今年州経済に参加した住民数は確実の増加傾向を見せました。昨年
に比べ住民たちの収入は増え、給料と年金は値上げました。年末に
我々は地方手当支給をロシア政府と年金ファンドに訴え、了解を得
ました。我々の次の仕事は年金額を最低生活費水準まで上げること
です。
 サハリンとクリルに対する国家政策も変わりました。もう我が島
はロシアの奥地ではなくロシアの前哨と見られるようになりました
。人々の見方も大きく変わりました。多くの人々がサハリンを故郷
と思い、自分らの子供達の故郷とも思うようになりました。出生率
は昨年より増加し、一戸建て住宅の建設が目立つようになりました
。人々は島の将来を明るく捉え、辺境の発展のために頑張ろうとし
ています。我々には如何なる困難も乗り越えられる力と確信があり
ます。
 尊敬する同郷人の皆様方!新年にはすべての願いが叶い、希望と
健康と幸福が訪れますように、心からお祈りいたします。
            よいお年を迎えてください。

ロシア・韓国の後援者の皆様、世界の読者の皆様へ

 新年おめでとうございます!去年もセコリョ新聞とインターネッ
ト版セコリョ新聞を愛読して下さって本当に有難うございました。
又、本社にご声援とご支援を下さった皆様方にも心から感謝致しま
す。今年もどうぞよろしくお願い致します。我々もロシア唯一の韓
国語新聞を維持発展させるよう、最善を尽くしていきます。皆様方
のご健康とご幸福をお祈りいたします。
                 セコリョ新聞社・社員一同

新年挨拶

 サハリン韓人同胞の皆様、永住帰国者の皆様!新年おめでとうご
ざいます。皆様方のご健康と幸運と無病長寿を心からお祈り致して
おります。  
            サハリン州韓人会・老人会・離散家族会

州知事就任式、来週へ

 12月30日行われた州知事就任式の関連記事は来週掲載致しま
す。  

あれこれ

「米国産牛肉輸入禁止」

 最近、ロシアではすべての米国産牛製品輸入を禁止したと連邦
副総理のアレクセイ・ゴルゼエフが伝えた。理由は米国北部地域
で狂牛病が発生したためである。

「暗闇の中での交通事故」

 12月末、ネベリスク−ホルムスク−ウゴレゴルスク間道路沿
いのシマコヴォ部落で車のひき逃げ事件があった。車に引かれた
老人は救急車が来る前に息を引き取ってしまった。目撃者はいる
が、暗くて車の番号や車種などは確認できなかったという。

「愛の告白」

 最近、ユジノサハリンスク市のオクチャブリ映画館の前を通る
人々は皆が微笑む。理由は映画館の壁に掛かっている垂れ幕のた
め。「タチアナ!愛しているよ!」と書いたこの垂れ幕は、サハ
リン住むタチアナさんにモスクワの青年が贈る愛の告白。

「眠れないサハリンの熊」

 ユジノサハリンスク市動物園管理者の話によると、冬眠期に入
っているはずの熊が時々眼を覚まして彷徨している。12月初旬
頃から翌年の3月まで冬眠に入るはずなのに、最近サハリンの気
温が暖かく、雪も少ないためぐっすり眠れない様子である。

「老人と障害者のための定期診断」

 03年12月末、サハリン州治療・体育指導所の職員たちが老
人と障害者たちのために健康診断を行った。数日にわたって行わ
れた診断には200人以上の人々が訪れた。内科、神経科、整形
科の医師たちや看護婦たちが健康相談も受け、薬も出した。今後
、このような診断を定期的に行う予定であると責任者は言う。

二重徴用炭鉱夫遺族会の報告

 同遺族会は数日前、韓国外交通商部から次のような回答を得た。

1.貴下が大統領秘書室を通じて03年5月12日、我が部に送
った手紙に対する答申です。
2.我々は貴下たちが提起したサハリン二重徴用者問題を深刻に
受け止め、日本との各種実務協議の際、本問題を取り上げて参り
ました。これと関連して、我々は二重徴用の事実の確認が何より
も重要であると判断し、徴用された人々の名簿確認を要請してお
ります。
3.二重徴用問題を含め、在サハリン韓人問題の解決のために、
我が部の東北亜課長は03年11月6日〜8日までユジノサハリ
ンスク市を訪問し、韓人団体長と在サハリン日本領事館総領事と
会合を開きました。今後も積極的に問題解決に取り組むことを約
束致します。

―同胞の皆様、どうか落胆せず勇気と希望をもって事態を見守っ
てください。叩けば開くという諺もありますように、皆が力を合
わせ、知恵を絞って努力すれば必ずよい日が来ます。日本の戦後
処理を一層強く日本政府に訴えると共に、国際社会にも広くサハ
リン問題を知らせ速やかな解決に挑みましょう。一人一人が被害
者の立場になって、対日損害補償を要求すべきですと思います。
     03.12.23.サハリン州老人会顧問鄭・テシク 

新刊紹介「我々のクリルと日本の主張」

 ユジノサハリンスク市鉄道文化会館で、12月24日、サハリ
ン州下院エス・ア・パノマリョフ委員長の著書「我々のクリルと
日本の主張」の紹介式が開かれた。紹介式には下院議員らとサハ
リン州マスコミ関係者、社会団体指導者などが出席した。紹介式
参加者たちは「我々のクリルに対する(日本の)主張は我々に対
する侮辱である」と合意に達したが、同書はクリルに関する外交
文書関連記事や州議会に送られた公文をまとめたもので、発行部
数は1千部。紹介式に出席していた人々の話によると、同書は若
者たちに愛国心を培い、立法教育の教科書として活用される予定
である。
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◆ 現代語感:「自己欺瞞と自虐主義」           MK
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 「自己欺瞞と自虐主義」の違いを考えてみたい。 この言葉は「
新しい教科書を作る会」などが「真摯に現実を見つめよう」とす
る考え方などを「自虐主義」と非難するときに使われる。かつて
小泉首相は瀋陽総領事館内連行事件の民主党調査団について「日
本側の非をあげつらって駄目だ、駄目だと言うのは、あまりにも
自虐主義じゃないか」と非難した。

 このような何でも史(事)実を見つめようとしない「自己欺瞞
」の国に、わが国はなってしまった。「自己欺瞞」なんていやら
しい言葉だろう。それが一国の指導者の態度ならなおさら。



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◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
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  【噴水台】靖国神社(中央日報)

 靖国は「国家を平安にする」という意味だ。しかし靖国神社は
この単語の意味とはかけ離れている。むしろここは戦後、韓・中
・日間の自尊心と葛藤の激しい象徴的戦地である。 
  日本は、ここに護国英雄らが埋められているため総理の参拝は
当然だと主張する。しかし韓国と中国などは、第2次世界大戦の
戦犯らの墓に日本の総理が参拝するというのは、人類平和の精神
に対する挑戦だと主張する。・・・しかし日本は1947年の政
教分離に言及した新憲法で、靖国が宗教施設かつ戦没者追悼施設
であることを明示し、1960年代末からは保守派らが乗り出し
て国家管理寺院化作業に突入した。1978年には東条英機をは
じめA級戦犯14人の位牌が合祀され、1985年には中曽根康
弘が戦後初めて総理として参拝した。また2001年には小泉純
一郎が参拝した。2001年現在、靖国には総246万余人の墓
だけでなく、神風隊員らの銅像、「大和」号の大型砲弾など第2
次大戦当時の戦争遺物や戦犯の銅像が無数に展示されている。 
・・・・
  http://japanese.joins.com/
  html/2004/0104/20040104200221100.html
________________
 
 小泉首相が元旦に靖国神社へ参拝した。中国や韓国は当然のご
とく参拝する首相に不快感を示し、マスコミはヒステリックに反
応している。筆者はこの問題も、わが国の政治が「戦後処理」を
明確に打ち出さない、いや打ち出せないでいる一つの現象と見る。
 戦没者の遺族に対する積年の配慮が「靖国神社」という怪物を
育て上げたのだ。戦争を指導した東条英機はじめいわゆるA級戦
犯の合祀が問題となっているのは、周知のとおりだ。一度A級戦
犯との合祀の可否を遺族会のすべてに意見を聞いてみればよい。
 それで大多数が戦争指導者との合祀を望むなら、それは単に宗
教設備として存続させるしかないだろう。あまり靖国神社の存在
を、事大主義的に取り上げないことだ。一般に日本人は宗教への
感覚が、そんなに強くないのだから。最もその意識が、A級戦犯
をも神として、神社に祭ってしまうのだが。
 
─────────────────────────────────
◆[編集長から]             Michio Katayama
─────────────────────────────────
 明けましておめでとうございます。2004年最初のメール・
マガジンをお届けいたします。本年もよろしくお願い致します。
 
◆イラクへの派兵が近づいてきた。サマワでもだんだん不穏な
空気が。

◆ソウルでも暖かいお正月。温暖化の現象顕著!鬱陵(ウルル
ン)島でキジの越冬、生息が可能と報道。

◆靖国神社参拝の首相。こんなかすかな望みを持っていた?
しかし、世間の風はまだまだ強い。何しろ「原則を重んじる国
」や「激しいマスコミの反日キャンペーン」の国なのだから。

 ◇ 一首

      何となく、
   今年はよい事あるごとし。
   元日の朝、晴れて風無し。     石川啄木

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
発行     2003年1月6日   No.150
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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