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タイトル:609studio No.148◆現代時評:[英雄か姦雄か]   2003/12/23


2003/12/23 No.148_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

   【609 Studio 】609studioメールマガジンは「現代社会
  を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時評」
   をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリ
   ンの「セ・コリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記事など話題
   満載! URL ⇒   http://www.609studio.com

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        ◇◇ユジノサハリンスクの天気◇◇

 サハリン韓国語放送のLee Bock Soun が土日を除く毎日ユジノサ
ハリンスクの天気を報告してくれます。HPに掲載。
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          ◇609studio INDEX◇ 

◆現代時評:[英雄か姦雄か]          ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2003年12月19日号

◆現代語感:「重圧」                 MK

◆韓国新聞拾い読み: 編集部

◆編集長から:[この1週間]
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◆現代時評 :[英雄か姦雄か]             ken

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 info@609studio.com   へ!
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◆◆産経WEB国際 2003.12.15 れんがや泥などで入り口が覆い隠さ
れた真っ暗な穴の中にひげ面の男が潜んでいた。「おまえは誰だ」。
捜索する米陸軍第四歩兵師団の兵士らの問いに、拳銃を持った疲れた
表情の男が「撃つな。私はイラク共和国大統領だ」と答える。

◆◆アサヒコム 2003.12.15 サンチェス司令官は拘束された元大統
領は「協力的だ」と語った。元大統領と行動を共にしていたとみられ
るイラク人2人も拘束、所持していた75万ドルと自動小銃2丁、短
銃1丁を押収した。(中略)イラン・イラク戦争の際には、一時、イ
ランによる「イスラム革命の輸出」を恐れる米国の支援を受けた。し
かし90年8月のクウェート侵攻で決定的に対立……。

◆◆アサヒコム 2003.12.16 フセイン元大統領の訴追方法について
、米政府は「イラク人が関与し、国際的な基準に耐えられる公正な裁
判」(ブッシュ大統領)を公開の形で開くよう求めている。同高官の
発言は、「特別法廷」をこれに見合うものにするためにイラク側との
協議を進める一方、基準が満たされない場合には、米独自または、新
たな国際法廷などの枠組みでフセイン氏を訴追する可能性に含みを残
したものだ。一方、国務省のバウチャー報道官は15日の記者会見で
「特別法廷」について、外国人顧問のほか、判事、検察官などに「国
際的な役割」を反映させることを明らかにした。 

◆◆読売オンライン 2003.12.16 ヨルダン弁護士協会のフセイン・
マジャリ会長は15日、イラクのフセイン元大統領の裁判で元大統領
を弁護するため、アラブ各国の弁護士からなる「アラブ弁護団」結成
を呼びかける声明を出した。 
 声明でマジャリ会長は、米国ら連合国のイラク駐留は「違法」であ
り、フセイン元大統領が今も「正当なイラク大統領」であると強調。
同会長自身が、フセイン弁護団を率いる用意があると述べた。 

◆◆アサヒコム 2003.12.16  ブッシュ米大統領は16日、イラク
のフセイン元大統領は「極刑」を受けるべきだとの考えを明確にした
。量刑を決めるのはイラク国民だとしているが、裁判の方法も決まっ
ていない段階で、元大統領を拘束している米軍の最高司令官が早々に
事実上の「死刑宣告」をしたことで、死刑制度を廃止している欧州諸
国などの反発を招く可能性がある。 
 
■■サダム氏が捕まったというニュースを、テレビやラジオがセンセ
ーショナルに朝から晩まで俄鳴りたてる。ニュース種としては大きか
ろうが、扱い方が間違っているとしかボクには思えない。まるで鼠小
僧が捕まったか、あるいは石原プロが西部警察で犯人を追詰めたよう
な卑俗なアクション・ドラマ扱いである。

■■報道各社はいくらかの自制心があってか、「逮捕」ではなく、「
拘束」という言葉を用いているが、実際に報道するアナウンサーの高
揚した語感や、報道番組としての組立ては、刑事に追詰められる極悪
犯人を、テレビ視聴者たちが手に汗を握って見ているのだ。人の不幸
を前にして、少々はっしゃぎ過ぎているとしか言い様がない。 

■■理不尽にも米国が遮二無二イラクへ攻め込んだ、という最初の感
覚。それはまあ我が国民の大方が抱いていた米国へのささやかな違和
感であろうが、それと並行して、サダム氏はイラク国民に対する不当
なる弾圧者であるという、ひどく悪意に満ちた評価もまた、いつのま
にかわれわれの間に定着しているようだ。
 そしてそれが、凶悪犯人を追詰める西部警察のシーンとオーバーラ
ップして、社会正義が悪漢サダム氏を追詰める緊迫画面の楽しみにな
っているのだ。

■■ところが待て暫し、はたしてサダム氏はそんなに悪人か。
 追詰めた刑事役である在イラクの米軍指揮官や、あるいはご本尊の
ブッシュ氏は、それこそ満面笑みを浮かべて「サダム拘束」をテレビ
の前で語る。そこには一点の疑念も無く、「サダムという凶悪犯」を
捕らえた刑事の楽しさが、画面の外にまで溢れてい、それはそれで「
米国の楽しさ」を表わすイノセンスさと謂える。彼ら米国は、その楽
しさを、無関係なボクらにまで押しつけて疑わない。
 しかし、いわば部外者であるボクらが、その楽しみに同調するだけ
の単細胞アタマでいいのか。

■■先ず考えてみる。アメリカは確か最初はサダム氏が9・11事件
のアルカイダと関係があると文句をいっていた。その嫌疑が薄らぐと
次は大量破壊兵器を造っているとして、イラクに先制攻撃をかけた。
 しかし大量破壊兵器が見つからぬと、「イラクの民主化」を占領の
目的にした。アメリカの大義はめまぐるしく変わる。

■■「イラクの民主化」を名分にすると、それまでのイラクは国民の
自由がサダム氏によって抑圧されていて、それはもうどうにもならぬ
ところまで来てい、だからこそ米国はイラク国民開放に乗り出したの
だ、という論理を構築することになる。サダム氏の市民弾圧は、傍で
見ていてもう辛抱が出来ない、という話だ。
 つまり我々が知っている北朝鮮の人々より、もっと気の毒なのがイ
ラク市民であるということだろう。なぜなら、北朝鮮とは平和交渉を
続けるが、イラクへは侵攻する以外に方法が無いというのが米国だか
ら。

■■そうなるとボクらは、サダムという人はそんなに酷い専制者、つ
まり金将軍よりもっと酷い人だ、と思わねばならぬ。ところがボクら
は事実をマスコミの報道に頼るだけで、行って目で見るわけではない
。最初のころのマスコミ報道では、イラクの状況はそれほど悪くもな
かった。町に果物や野菜が溢れてい、サダム万歳の風景もTV報道に
出てきていた。

■■だが米軍のイラク占領と同時に海外亡命していたイラクの指導者
たちが帰国し、あるいは反サダム派がマスメディアに乗るや、一変し
てサダム氏による大衆弾圧が報じられる。ああやっぱり弾圧されてい
たんだな、という認識がボクらにも出始める。数十万人が彼によって
殺されたとか、いったふうな…。しかし真偽は分からない。

■■もちろん独裁者サダム大統領に政治的反対派への弾圧が無かった
などとは言わない。大いにあっただろう。いろいろな人種、宗教、信
条などを包含した中近東という土地柄では、反対派への弾圧が、つま
りはその土地をいくらか安定した状態で維持する道であった。
 オスマントルコ崩壊後のバルカン半島、マウントバッテン総督帰国
後のカシミールの混乱などがそれを証している。米国のいわゆる普遍
的人権だけでは平和を求めがたい。サダム大統領は、彼なりにイラク
の平和を求めてきたのだ、とわれわれは思ってきた。

■■そしてその後、「やっぱりサダム氏は追放されるべきだったのだ
」といったような概念がボクらの脳裏に、徐々に焼き付けられるに至
る。いわば米国の我々に対する洗脳作戦が奏効して来たのだろう。
 それが終には、サダム氏が、人一人が横にならねば入れないような
モグラ穴の中で追詰められ捕まる、その現場の図面や写真までがTV
画面に現われる。我々はそれを、さも石原プロの西部警察ドラマで犯
人が捕まったと同じとして捉え、格別不思議とも、気の毒とも思わな
い。つまり警察による「犯人サダム逮捕」の感覚で、そこには事実と
低俗ドラマの垣根がない。

■■しかし翻って考えて見よう。
 財務省によると、パリ・クラブ向けに提出した日本の対イラク債権
額は、41億900万ドル(4904億円)。最大の債権国と言われ
ていたロシアは軍事債権が多く、パリ・クラブ参加時の合意にもとづ
き65%減額したため34億5000万ドルで、わが日本がダントツ
に多い。以下、フランス(29.9億ドル)、ドイツ(24億ドル)
が続く。パリ・クラブに寄せられた全債権額合計は210億1790
万ドル(約2兆4800億円)に達する。

■■これだけの巨額が、米国侵攻前のイラク・フセイン政権に対して
全世界から貸し付けられていたのだ。これはただ事でない。
 米国が言うほどにサダム氏が悪人ならば、物であろうと現金であろ
うと誰がこんな大金を、貸すものか。 イラクには石油が出るからと
いうことだけでなく、サダム氏が信用されていたこその、イラクの巨
額対外債務ではないのか。

■■それを、「サダムはイラク国民の敵、自由世界の敵」と米国は言
う。なぜサダム氏がそんなに悪人かは議論の分かれるところだが、米
国はそうしたサダム凶悪説の保証人として、サダム氏が失脚したあと
の、米国占領下のイラク人を当てている。

■■シーア派かスンニ派か、クルド人か知らぬが、イラクにはもとも
と血を血で洗う政争が多い。イラクのみならず中東にはそれが多い。
主権を握っていたサダム派が去ったあとは反対派の舞台だ。その人達
にすればサダム氏一派は不倶戴天の仇である。
その仇役に、米国は自分たちのイラク侵攻が正しかったことを保証さ
せているのだから世話は無い。
イラク国民だけでは証明能力に薄い。日本の軍隊にも来てもらい、「
日本も、サダムが怪しからんことを証明してくれている」と、世界に
向かって言うためのプロセスが、わが自衛隊の派兵である。それ以外
に、僅か数百人の自衛隊がなすべき仕事は、いまのイラクには無い。
現状のイラクでは、復興は自衛隊よりもNPOの方がより効率的である。

■■米国の、イラク侵攻の思惑についてボクは、論じるつもりはない。
あまりにも矛盾が多過ぎ、いまさら正邪を論じても始まらない。おそ
らく米国は、何か特別の内部事情があり、やむにやまれずイラク侵攻
を遂げ、占領を続けているのだろう。デリバティブ破綻のドミノ倒し
が迫っているからとか、ブッシュ氏再選の布石だとか、識者は説明す
る。いずれにしろ、超巨大軍事国家米国に、われわれが何を言っても
、所詮は巨象に歯向かう蟷螂の斧である。

■■むしろ問題はわれわれ日本にある。
 われわれはつい1年前まではイラクの友好国であった。現に世界各
国のうち、ずば抜けて大きい貸し残をイラクに与えている。信用して
いたこそだ。それが寝耳に水の突然で、我々が国土防衛を任せている
米国が「サダムは悪人だ」と言ってきた。迂闊なことに、こっちにそ
の認識は皆無だった。 わが国とイラクとの間には、なんらのトラブ
ルもないし、もちろん喧嘩したわけでもなかった。
 しかし防衛を任せている米国が「今後イラクについてはそう思って
くれ」といってきたので、不承不承ながらいちおう、そう思わざるを
得ない。 白黒どちらであろうと、旦那がクロというのだから黒だ。

■■サダム氏が捕捉出来ぬからといって、米国は躍起になって捜し求
め、そのプロセスの間でサダム氏は極悪犯人と化した。2500万ド
ル賞金付きのお尋ね者だ。捕まえたときの米国の喜びようは、それは
もう無邪気以外の何物でもない。ブッシュ氏も前線指揮官も、破顔一
笑、いかにも楽しそうにTV出演した。さもあろう、「おめでとう」の
一言でも言ってやりたいくらい、お目出度い米国人にとってはお目出
度い場面である。

■■しかしボクら日本にとって、サダム氏が極悪犯人にされたり捕ま
ったりするのは無関係の話だ。率直に言って、サダム氏がお気の毒と
しか言いようがない。
 それが捕捉されたからといって、いちぶ始終をテレビでみて、悪人
逮捕の片棒を担いだような感覚になっている日本人は、まことに不見
識極まると、ボクは言いたい。

■■ついこの間までの友好国イラクの元首。かりにも一国の元首であ
ったサダム氏が、まるで石川五右衛門か鼠小僧のように追いまくられ
、捕捉されてしまったというのに、気の毒とも思わず、その不幸に同
情もしない、というのはいったいどういうことか。
 それとも我々もまた米国の言うとおり、サダム氏がイラク国民を弾
圧した極悪人で、自由社会における人民の敵とでも思っているのだろ
うか。
 もしそうなら、その証拠を、いつ何処から見つけて来たのだ。もし
それが、サダム氏去った後の反対派イラク人たちが言っていることを
鵜呑みにしているのなら、軽率も甚だしい。

■■自民の悪口を民主が言い、民主の悪口を自民が言う。北京の不法
をチベットが世界に訴え、新彊の独立運動をテロリストと北京は決め
つける。 アンカラ政府の弾圧か、クルドの暴徒か。カシミールはイ
ンド領か、それともパキスタンのものか。破れたフジモリ氏はペルー
政府に追われ、わが政府は非公式に保護を加える。
 ボクらは、国内外の政治情勢を分析する能力も情報も、ほとんど持
ち合わせていない。

■■繰り返して言う。米国には米国の事情や損得ずくがあり、サダム
氏を不倶戴天の仇のように言うのは致し方ない。
 サダム氏の身柄を拘束したブッシュ大統領は、彼を「特別法廷」で
裁判に掛け、極刑に処したいと言っている。彼に「特別法廷」を設け
る権限があるとも思えず、ボクには極東軍事裁判を思い出させるだけ
である。そして、アラブ系弁護士たちの間に、サダム氏無罪のための
弁護士団を組織する動きがあると、ニュースは報じている。

■■その間にあって、ボクらが採るべきサダム氏への態度は何か。
ただ一つ、かっての元首サダム氏に対して敬語をつけて呼ぼう、「サ
ダム元大統領」とか、「サダム・フセイン氏」とかのように。ささや
かだが、それがボクの常識人としてのアイデアであり、彼を普通に評
価する道程であると、思っている。

■■TV演説で見るかぎり、ブッシュ氏は、サダム氏を「サダム・フ
セイン」と呼び捨てにしている。ブッシュ氏の軽率によるものか、は
たまた極刑に処すべき極悪人としてのとうぜんの呼称であるか、それ
をボクは知らない。

■■むかし我々は隣国中国の元首を「蒋介石」と呼び、だれも敬称を
付けなかった。戦後その蒋介石氏が、我々に対して「暴に報いるに徳
を以ってする」といった。にもかかわらず、我々日本人の大半はいま
なお「蒋介石」と呼び捨てにしている。それを聞いたボクの中国の友
人は「せめて蒋介石氏とか、蒋総統とか呼んでくれないものか」と愚
痴っている。彼ら中国人の間では、かっての彼らの元首を呼び捨てす
る習慣は無い。それが元首なのだ。

■■米国人たちは、戦争中のわが国の元首を「ヒロヒト」と呼び捨て
にする。我々には、かっての我々の元首を呼び捨てにする習慣は無い。
わが天皇を呼び捨てにされたとき、ボクらの心にはつねに違和感が残
る。おそらくそれはたとい共産党の諸君であっても同じだろう。

■■イラクには恐らく、いまなおサダム氏を元首と仰ぐ国民が少なく
とも半数以上は存在し、人気は衰えていない。サダム氏が、ナポレオ
ンの如き国民的英雄か、魏の曹操のような乱世の姦雄か、いまのとこ
ろ史家の判断は及ばない。
 曹操は自刎して死んだが、ナポレオンはセントヘレナへ流された。
後年、功成りとげたサー・ラッフルズがシンガポールの帰路セントヘ
レナに寄港したとき、ナポレオンは数百人の兵に守られ、鉱山開発な
どを手がけ、なおヨーロッパの王としての傲然たる態度に終始したと
いう。乱世の姦雄も国民的英雄も、おそらくその差は紙一重であろう。

◆◆にもかかわらずわれわれは、よしなき時代の波に翻弄されて、サ
ダム氏を民衆の敵と、早飲込みし過ぎている。そしてそれが、つい先
日までの一国の元首に対する非礼さに直結している。仮にも一国の元
首長だ、少なくとも歴史的評価が確定するまでは、遠慮し、敬意を表
しておくのがエチケットというものだ。

 いささか軽率の謗りを免れ難い米国大統領ならイザ知らず、我々は
礼儀正しく異国の元大統領を遇すべきではなかろうか。

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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2003年12月19日号    
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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大統領選挙キャンペーン開始

 「ロシイスカヤ・ガジエタ」新聞は、ロシア連邦会議でロシア大統
領選挙を04年3月14日にすることを決めたと伝えた。その後の1
1日、ロシア連邦中央選挙管理委員会のアレクサンドル・ヴェスニャ
コフ指導者が、今日から大統領選挙キャンペーンが始ると記者発表し
た。選挙キャンペーン開始から25日のうちに、各党は大統領候補を
推薦することになっており、無所属候補は支持者グループを組織し出
馬することができる。
  選挙法によると、国会議席を5%以上占めている党は200万人の
支持者署名を必要としない。現在、これに該当する党はイエジナヤ・
ロシヤ、ロシア連邦共産党、自由民州党、ロジナ(祖国)である。中
央選挙管理委員会の資金43億ルーブルは近々国家予算から拠出され
る見込み。12月11日、現自由民州党首ヴェ・ジュリノブスキが出
馬の意思を明らかにしており、プーチン大統領の場合、まだ正式な発
表はしていない。

第1回大学生オリンピック

 今月2日から2日間、サハリン国立大学がサハリン第1回大学生オ
リンピックを開催した。これは数学、地理、法学、経営、文献、英語
、韓国語を専攻する学生らの実力コンテストであり、今年の参加者は
約700人。韓国語の分野では14人が参加したが、最優秀賞は朴・
アンナ、優秀賞はコンドラチュク・リュリヤと朴・オリガ、奨励賞は
千・ナタリヤが取った。この大会は今後も続く。

安山市長に感謝

 尊敬するサハリン同胞の皆さま、韓国安山市のソン・ジンソブ市長
が安山コヒャンマウル(故郷の村)全世帯にセコリョ新聞を購読でき
るように資金支援をするとのことをコヒャンマウル老人会が知らせて
くださいました。ソン市長に紙面を通じて深くお礼を申し上げます。
               (セコリョ新聞社長安・チュンデ)

外貨関連法修正

 プーチン大統領は15日閣僚定期会議で、外貨関連法修正案を承認
したことを伝えながら、その修正内容について語った。大統領の話に
よると、宝石と貴金属が外貨の範疇から除外され、外貨と認めるのは
現金と有価証券のみとなった。法案の修正目的は市場とビジネスの安
定を図るためである。

あれこれ

「サハリンゴミ焼却場の近代化」

 サハリン州政府は「サハリン1とサハリン2」プロジェクトの参加
企業らとゴミ焼却場の近代化について話し合っているとサハリン州原
油ガス綜合体管理局のガリナ・パブロワ局長が伝えた。ユジノサハリ
ンスクとコルサコフのゴミ焼却場の近代化に必要な資金350万ルー
ブルについては、サハリン・エネルジュ社から融資の約束を得ており
、ノグリキと中部地域を巡ってはエクソン・ネプチェス・リミテド社
と協議中である。

「新しい鉄橋完成」

 ダルモストストロイ社がサハリン東北の鉄橋建設を終えた。デイタ
ル通信社によると、この鉄橋建設は02年8月、サハリン1プロジェ
クトの事業計画に含まれていたものであった。鉄橋は全長830mで
、チャイヴォ試取場と沿岸を繋いで炭化水素の運搬を容易にする。現
在の輸送能力は600トンまで。

「サハリン鉄道安全対策強化」

 今月5日、キスロヴォドスクとミネラルヌイエヴォドイ間列車でテ
ロ事件が起き、44ンが死亡、157人が怪我を負った。この事件を
契機に、サハリン鉄道全区間を対象に特別安全対策がとられ、特別警
備隊の増員と捜索犬を動員した特別策戦班が組織された。特別策戦班
は列車内部の危険物チェックは勿論、道路と橋、駅周辺など全ての地
域を統制する他、乗客の身分証明書をも調べている。又、人々の集ま
る場所の検閲も厳しく行っている。鉄道指導部は乗客と貨物発送人に
対し、協力を訴えている。

「善意を裏切った2人」

 今月11日、ユジノクリルスクのシコタンの波止場で両手を後ろの
縛られた男性の死体が発見された。警察の調べによると、事件が起き
たのは11月中旬頃、被害者が知り合いになったばかりの30代の男
性2人にお酒を奢ると提案し、3人はお酒を飲んでいた。ところが、
被害者のポケットに5千ドルの米貨と4千ルーブルが入っているのを
目撃した犯人たちはその場で彼を殴り殺し海に投げたのである。

第2次サハリン同胞団体代表者会議

 今月11日から3日間、モスクワで韓国赤十字社サハリン問題担当
者3人の立会いの中で、第2次サハリン同胞団体代表者会議が行われ
た。サハリンからは、朴・ヘリョン韓人会長、全・サンジュ老人会長
、金・ミョンヨル離散家族会が参加し、他に極東地域からは、極東離
散家族会長の孫・チャンヒョン、李・チュンウン副会長、モスクワか
らサハリン韓人会の朴・ノヨン会長、サンクトペチェルブルグサハリ
ン韓人会の金・ヨンホン代表、ロストフサハリン同胞会のファン・ヒ
ョンウン会長、CIS地域からはカザフスタンサハリン郷友会の李・
チョンヒ会長が出席した。会議の目的は来年の母国訪問事業の地域別
対象者選定及び永住帰国問題の協議と、地域別組織構築と団体間協力
方案などについての議論であった。会議の結果、サハリン韓人同胞団
体調整協議会が新たに組織され、会長には朴・ヘリョンサハリン韓人
会長が選ばれた。朴会長は今後代表者会議を主催するほか、サハリン
韓人問題解決のための諸々の対外活動を指揮、調整することになった
。参加者たちはこのような会議結果に合議書と決議文を作成し、証明
する他、UN宛てに送る呼訴文も採択した。会議で採択された決議文
の内容は次のようである。

<サハリン韓人同胞団体代表者協議会の決議文> 
                     −03.12.12

我々、サハリン韓人同胞団体代表者はモスクワで会議を開き、次のよ
うに決議する。
1)3年2月13日、今日の同会議で採択された対日本政府決議文の
正当性を再び確認する。そして、日本政府と日本赤十字社がウラジオ
ストック懇談会決議文について沈黙していることに遺憾の意を示す。
2)日本政府は精神的道徳的及び物資的補償問題を速やかに解決しろ
。又、強制連行された1世は勿論のこと、その子孫達に対しても補償
すべきである。
3)強制連行の被害者である1世が永住帰国を希望する場合、家族を
同伴して帰国できるよう、韓国での住宅建設問題を速やかに解決しろ。
4)サハリン及びCIS地域に残留を希望する1世とその子孫に対し
ても住宅と社会保障を行うことを要求する。
5)サハリン韓人たちの郵便貯金と簡易保険、郵便年金問題を解決す
ると同時にサハリン韓人支援特別基金を調整しろ。
6)韓・日赤十字社が合意した「在サハリン韓国人支援共同事業体協
定書」に定めているサハリン韓人同胞支援対象者として、現サハリン
居住者は勿論のこと、大陸とCIS地域の居住者も対象者となること
を明確にする。
7)本決議が速やかに履行されるよう、ロシアと韓国政府にも協力を
要請する。

 我々の主張について、日本政府と日本赤十字社は速やかに応え、解
決してくれることを要求すると同時に誠意ある措置を取ることを要求
する。

新しいパスポートを早めに

 旧ソ連時代のパスポートをロシア連邦パスポートへの切り替え期限
が迫っている。今年中に新しいパスポートを受けとらないと、来年か
ら外国にも、年金の受け取りも出来なくなる。まだ、切り替えていな
い人が多いが、連邦政府から発行期限延長の話はない。関係者は、年
が暮れる前に新しいパスポートに切り替えることを訴えている。
─────────────────────────────────
◆ 現代語感:「重圧」                MK
─────────────────────────────────
  強い力で押さえつけること。また、その力。「職責の―に耐えか
ねる」と辞書にある。

 ⇒小泉首相が先日のラジオ番組で、アナウンサーから「今年1年を
漢字で表すと?」と尋ねられ、一瞬の間の後「重圧」と答えた。辞書
にある「職責の重圧」ではなさそうだ。イラクへの派兵に関しての重
圧と取りたい。まさかの外交官の犠牲?それとも今後出るかもわから
ない犠牲(戦死)への重圧?衆議院選で公明党におんぶし過ぎた重圧?
 いやまさか、毒マンジュウ重圧。色あせた改革?

 そういえば今年も元気よく国民に生活の重圧を強いてくれたワイ。
─────────────────────────────────
◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
─────────────────────────────────
「ソウル〜開城〜平壌を通信網で連結」(中央日報12月21日)
 南北(韓国・北朝鮮)は20日、経済協力と直接貿易を円滑に推進
するため、ソウル−開城(ケソン)−平壌(ピョンヤン)をつなぐ通
信網を建設することにした。南北は17日から4日間、平壌羊角島(
ヤンガクド)ホテルで南北経済協力制度実務協議会第4回会議と清算
決済実務協議、原産地確認実務協議会を相次いで開き、このように合
意した。これを受け清算決済、原産地確認、開城工業団地内の各種連
絡事務所の連絡体系が、有線直通体制を備えることになった。 
________________

 韓国は北朝鮮との間に着々と経済交流とインフラの整備を進めてい
る。わが国はアメリカの後ろ盾で「敵視政策」を推し進め、拉致問題
からミサイル防衛にまで話と計画はエスカレートしている。隣人であ
る韓国との「対北朝鮮問題のすり合わせ」の必要性を痛感する。

─────────────────────────────────
◆[編集長から]             Michio Katayama
─────────────────────────────────
 この3・4日、日本列島も朝鮮半島も凍りつく寒さでした。皆様に
はお変わりありませんか。冬至も昨日過ぎてこれから少しづつ日が長
くなってゆきます。日が短いと当たり前ですが、夜が長くなって、飲
む時間も・・。

◆公明党の神埼代表が「サマワは比較的安全」と。3時間半の視察で
喝破する戦場判定の達人?

◆アメリカはクリスマス戦警戒。テロの危険度増すとか。水際作戦開
始。「テロのない安全な国はどこ」

◆国民はイラクへの自衛隊派兵決定に苛立ちと不安のクリスマス。

 ◇ 一首

     どうなりと勝手になれといふごとき
     わがこのごろを
     ひとり恐るる。                        石川啄木

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発行     2003年12月23日   No.148
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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