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タイトル:609studio No.142◆現代時評:[中国の有人宇宙飛行とODA]  2003/11/11


2003/11/11 No.142_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

   【609 Studio 】609studioメールマガジンは「現代社会
  を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時評」
   をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリ
   ンの「セ・コリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記事など話題
   満載! URL ⇒   http://www.609studio.com

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         ◆◆609studioウエブ・ログ開設のお知らせ◆◆

  まだ決して充分ではないのですが、ウェブ・ログを開設しました。
朝鮮半島関連のニュースを拾ってみたり、日記風の書き込みが多いと
思いますが、過去のサハリン取材などからいろいろサハリンの朝鮮人
に関しても書いてみたいと思います。
ご一読ください。

    アドレスは    http://609studio.blogspot.com


        ◇◇セ・コリョ新聞に関して◇◇

  セ・コリョ新聞社から609studioに送られてくるデータがPDF形
式のファイルとなりました。韓国語(一部ロシア語)ですが紙面をそ
のまま掲載いたします。紙面は次のアドレスにありますので、ぜひご
覧ください。

       http://www.609studio.com/kil_sang.html

 なお日本語版に関しては、翻訳して従来どおりの形式で掲載いたし
ます。


         ♪♪♪♪サハリン・アリランキャンペーン♪♪♪♪

  今サハリンで実施中のサハリン・アリランキャンペーンの締め切り
は、今年の12月末までとなりました。発表は2月の旧正月です。
ふるってご応募ください。

     詳しい応募要綱は http://www.609studio.com  まで
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          ◇609studio INDEX◇ 

◆現代時評:[中国の有人宇宙飛行とODA]       ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2003年11月7日号

◆現代語感:「神話」                 MK

◆韓国新聞拾い読み: 編集部

◆編集長から:[この1週間]
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◆現代時評 :[中国の有人宇宙飛行とODA]      ken
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◆◆ 毎日新聞 2003-10-17 東京都の石原知事は、中国の有人宇宙飛
行に関して「あの国にODA(政府開発援助)を差し上げる必要は毛
頭ない。軍事的脅威を増しつつある国、水爆も作っている国になんで
日本が経済援助する必要あるのか」と、経済協力を中止すべきだとの
考えを示した。(中略) 外務省などによると、中国に対する円借款
、無償資金協力、技術協力などODAの総額は昨年度は約1350億
円。79年以降の総額は3兆円を超えている・・。

◆◆毎日新聞 2003-10-16  中国自身は今も発展途上国で、貧困人口
は中国政府発表でも約4700万人、国外の専門家の推定では1億人
を超える。格差も大きく、失業者の問題も解消されていない。そうし
た中で、宇宙産業や軍事に対しては膨大な予算を割いてきた。
 外務省報道官は14日の会見で「打ち上げ成功によっても、中国が
発展途上国であることは変わりようがない」と強調した。有人宇宙船
の打ち上げにより、日本などで政府開発援助(ODA)の見直しを求
める声が強まることを警戒している

◆◆アサヒコム 2003.10.01 10月25日から通信途絶していた世
界最高性能の環境観測技術衛星「みどり2号」の回復不能が決定的と
なった。地球環境の国際研究を担うはずだった先代の「みどり」と合
わせ、日本政府が中心になって両衛星に投じた総開発費は約1400
億円(日本負担は約1200億円)。保険金は原因調査を賄う程度。
米仏研究機関の機器も搭載しており、日本の衛星技術への信頼失墜は
避けられない。

■■30年前に「大言壮語は青年の特権である」と言っていた石原都
知事は、古稀の年齢になってもなお元気なようだ。今度もどこか地方
の講演で「有人宇宙飛行など時代遅れで、日本がその気になれば一年
で出来る」と言ったらしい。が、果たしてそうであろうか。つい先日
も国産の環境観測衛星「みどり2号」が連絡不能で、宇宙へ捨てたと
いう日本である。

■■だいたい信頼性工学に弱いのがわが国の特徴だ。 昭和四十年ご
ろ、国産ロケットが揚がらず、東大宇宙科学研究所の高木昇先生が、
議会に呼び出され、「わが国のロケットはなぜ揚がらぬか」とさんざ
ん叱られたことがある。そのときの話では、「個々の技術としては米
ソと同水準だが、いつもどこかで僅かな不備があり、それで打上に失
敗している」という結論になった。ときの政府は慌てて「信頼性工学
研究所」というのを、たしか3000万円の臨時予算で設立したはず
だ。

■■いくらその気になっても、勇み肌の石原知事が言うほど簡単に、
わが国が有人宇宙飛行に成功するとは思い難い。「みどり2号」のよ
うに宇宙に捨て去られでもすれば、乗組員はたまったものではない。
1400億円というカネががフィになるのと、乗組員が宇宙に残され
るのと、その辺りのカネといのちを秤量した上で宇宙有人飛行の是非
を論ずべきだ。 ちょっと考えたところでは、中国のような国ではカ
ネは大事だろうが、人命の方は二の次で、だからこそ成功した有人宇
宙飛行、と言えるかも知れない。

■■とにかく、お隣りの中国は有人宇宙飛行に成功した。国家意識高
揚と兼ね合わせて大いに喜んでいる。その中国に対して、「もはや先
進国だからODA援助を止めておけ」などと、いまの時期に言うのは
、いわゆる「やっかみ」以外のなにものでもなく、いささか見苦しい
。ボクは、中国に対するわが国のODA供与が多過ぎるのは問題だと
かねがね思っている。だからといって、隣国がせっかく祝賀ムードの
ときに言うべきではなかろう。国際外交にもエチケットが要るはずだ。

■■例えて言う。生活保護を受けている隣りの貧困家庭が、生活費を
極度に切り詰めてようやく待望のカラーテレビを買った。それを見て
、「贅沢だ、もう生活保護を打ちきれ」というのと同じだ。 あるい
は生活保護家庭が懸命に息子の尻を叩いて、一流大学に合格させた。
 すると「生活保護を受けながら子供を大学に通わせるとはけしから
ん。大学へやるからには、生活保護は打ち切れ」と言ったらどうなる
だろう。
「いまどきカラーテレビは生活必需品だ」、あるいは「貧乏だからこ
そ、せめて将来に希望を繋ぎ、無理して大学へ入れたのだ」と、反論
されたらどう返事するか、だ。 

■■中国は数千万人の貧民を抱えながら、無理を重ねて宇宙有人飛行
を成功させた。家貧にして孝子現わる、だ。
 ところが富裕な隣家の息子はおっとりしている。1400億円かけ
た「みどり2号」を宇宙の塵に捨ててしまった。腑甲斐ない息子を叱
る前に、貧乏な隣家が妬ましくなる。
 「あの隣家へ今までだいぶ援助もしてやった。それなのに我が家の
上をゆくとはナンだ。ひょっとするとその技術で近い将来、我が家を
取り潰すかも知れない。もう援助など止めろ」と、いうのが、勇まし
く単細胞の石原知事の言い分で、どうやら国民の多くも内心それに同
調している様子に見える。少々狭量で、尻の穴が小さくないか。

■■何がナンでも自分たちが技術優位であろうとするのは、必ずしも
咎めるべき性向ではない。だからといってお隣りの国が、つねに自分
たちより下位に居るよう願うのは、誉めるべきことではない。近隣同
士、お互い同じく学問をし、同じように技術進歩しあい、喜びを分か
つべきではないか。そうでないと、第2次大戦時の大東亜共栄圏構想
のように、東洋の盟主を日本と決めてかかり、周辺の反発を買うこと
になる。
 そのためには、いかに成長目覚しいとはいえ、お隣りがまだ少々貧
乏の間は、たといいくらかでも、わが富みを分かつ行為を継続しても
いいではないか。それが旦那の度量というものだ。

■■「このたびは有人宇宙飛行に成功されて、おめでとうございます
」といって、お祝いの花束でも届けて、ついでに、「うちは残念なが
ら、息子がまだしっかりしていず、ロケットを打ちげても2度に1度
はうまく揚がりません。つい先日も、せっかく揚がった衛星を宇宙へ
捨てしまいました。有人宇宙飛行の研究は、人命コストの高価な我々
には不向きで、(どちらかといえば人命の安上がりな)貴国にお任せ
し、いくらか資金をお出ししても宜しいから、将来、技術が応用され
るようになればお裾分け願います」と頼んでおけばいい。

■■世の軍事専門家や、国際評論家の中には、有人宇宙飛行などに成
功すれば、すぐさまそれがミサイルや原爆に繋がり、いまにもわが国
に攻めてくるようなことを言う人が居る。もしミサイルや人工衛星を
開発し、大量保有したとしても、それでその開発途上国が絶対的優位
に立てた時代は去った。有人宇宙飛行も成功し、原爆も造り、原子力
潜水艦を大量に持ち得たソ連でも、時世時節が来たら崩壊したではな
いか。人工衛星やミサイルは、戦争抑止力にはなり得ても、先制攻撃
武器としては使えない時代が来ているのである。
 中国の有人宇宙旅行成功を軍事開発と捉え、すぐさまわが国の危険
に短絡化するのは、ためにする特定の人々の詭弁であると考えていい
。心配する必要などさらさら無い。現に、ミサイルなど、この地球上
に数万発もあるのだ。

◆◆それよりわが国の、信頼性工学の脆弱性を自己批判するほうが先
決だ。1400億円を宇宙へ捨てた責任を有耶無耶にせず、宇宙航空
研究開発機構の責任を先ず追及し、然る後に中国へODAの是非を論
じても遅過ぎることはない。1400億円を宇宙へ捨てるのと、中国
へODA供与するのと、資金効率はどちらがいいかを考えようではな
いか。

◆◆石原慎太郎氏の壮言癖は30年経っても収まらない。文学者とし
ては三流で終わったが扇動政治家としての語彙には事欠かないらしい
。ショパンは「音の魔術師」だが、彼、石原氏は「言葉の魔術師」と
もいうべきか。いくらその気になってもたった1年でわが国が有人宇
宙飛行に成功するとも考えられず、ODAを即座に中止すべきほど中
国が富裕になったとも言い難い。有人宇宙飛行の成功などは、いわば
中国という貧乏人の見栄っ張りで、軍事目的との関連など、憶測する
必要もなかろう。

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 

                 info@609studio.com   へ!
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2003年11月11日号    
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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記者会見「2004年州予算について」

 先日行われた記者会見でサハリン州総財政管理局のエン・ノヴィコ
ワ副知事は、来年度州予算は、前年度比29%増加した137億ルー
ブルに策定されたと伝えた。又、地方自治体に対する州支援金は65
%増加したと強調した。来年からは事業別資金割り当て方式が導入さ
れる他、公務員給料支払と医療機関の給食と薬剤購入に優先的に資金
が当てられることがわかった。エン・ノヴィコワさんは、守れない公
約を提示したり、予算発表を選挙に利用しないようにと懸念を示した。

社会保護「ユジノサハリンスク市低所得住民支援」

 先週、ユジノサハリンスク市低所得住民社会保護ファンド管理委員
会定期会議が行われ、そこで配られた無料食事券を利用しない人たち
がいることが明らかになった。そのため、特別委員会が組織して食事
券を利用しない理由及び住民の満足度などを調べることにした。そし
て、ファンドは来週から2158人に水産物食品を支援する予定であ
る。

マスコミ代表セミナー

 11月4日から二日間サハリン記者同盟会議室でサハリン州マスコ
ミ代表者らが集まって、「記者活動の法的根拠」というセミナーを行
った。選挙キャンペーンが最終局面を迎えたこの頃、選挙と関連して
マスコミの役割と姿勢を確認し合おうとする試みである。

『短信』

州知事代理選挙キャンペーンに出る

 サハリン州知事選挙に立候補した現サハリン州知事代理イ・マラホ
フさんが3日から休暇を取って本格的に選挙キャンペーンに出るため
、州知事の職をセルゲイ・ベロジェルスキフさんに委任し、サハリン
州議会の承認をも得た。

州経済全体的に好調

 先週行われたサハリン州行政部会議によると、今年、州経済は設備
投資が昨年より2倍増加するなどの成長ぶりを見せている。製造業と
漁業部門の生産高も高く、特にサハリンビールと鉱水、ジュースなど
飲料水は外国産に劣らない品質のレベルまで達しており、国内需要も
多いことがわかった。州政府は生産指標の低い部門への支援対策が議
論している。

新年休日

 ロシア連邦労働社会発展省は、2004年お正月休みを4日間、即
ち1日〜4日までにすると発表した。

ロシア人口調査結果

 リア「データ・ル」によると、ロシア連邦には160余の民族が住
んでおり、全国の人口は世界7位の1億4520万、1億640万(
73%)が都市に、3880万が農村に住んでいる。男性が6760
万、女性が7760万で、33歳以上は女性が多い。1989年人口
調査結果と比べると人口が180万減ったのである。また、100万
人の外国国籍の住民がおり、40万の無国籍者、4万人の二重国籍者
がいる。130万人は国籍不明(アンケートに記入していない)。

あれこれ

「橋建設について」

 「ロシイスキエ・ジェロズヌイエ・ドロギ」社のゲ・パジェエフ社
長は10月27日の記者会見で、サハリンと大陸を結ぶ橋の建設は高
度のアイデアであり、精密な設計案を必要とされる。又、現在のサハ
リンの狭軌鉄道は効率性が悪いため、改良されなければいけない。建
設まではまだまだ時間を必要とされると慎重な姿勢を見せた。同橋梁
建設のために来年度は20億ルーブルの予算が費やされる見込みであ
る(今年は8億ルーブル)。

609studio注 :現在のサハリンの狭軌鉄道は戦前の日本統治時代のも
ので日本のJRと同じ狭軌をそのまま利用している。。

「水産コルホーズ不渡り危機」

 エス・モドルリャン副知事が先週コルサコフ区域のオジョルスキ部
落を訪問した祭、キロフ水産コルホーズが不渡り危機に直面している
ことがわかった。 目標漁獲量も達成し、加工設備なども充実してい
るにも関わらず、漁労クォーターの競売制のため利益を生み出せない
状態にあり、サハリン州全体の水産コルホーズが同じ問題で悩んでい
ることがわかった。副知事は住宅問題は国全体の問題であるが、漁業
クォーター問題は関係者たちが政府に訴えるなどして解決策を探るし
かないと提言した。

「新学期準備予算」

 先週のサハリン州教育管理局の発表によると、今年一般学校の新学
期準備のために合計1億1872万ルーブルが費やされた。その内、
28837万ルーブルは地方予算から、442万3千ルーブルは自治
体予算外ファンドから拠出されており、残りは州予算外ファンドと支
援者が負担した。この他に、州政府は教育機関修理のために6万34
00米ドルを使った。しかし、火災や衛生設備はまだ不十分でそのた
めに数百万ルーブルの追加予算が必要とされている。

「ブイコフ部落非常事態」

 ブイコフとウズモリエ、ソコル部落のボイラの修理が完了せず、集
合住宅は勿論学校も暖房が入らない状態にある。ブイコフ部落政府は
全ての責任を市政府と住宅公社に任せると宣言してから勝手に手を引
いてしまったという。市住宅公社は11月中に熱供給網とボイラの修
理を終えると約束しているが、修理が完成してもそこで働く人が居な
い。労働者は皆職場を捨て、出てしまったから。事態を重く見て組織
された特別委員会が状況を詳しく調べている。

「無許可営業」

 ユジノサハリンスク市内を走っている小型営業バスの半分が安全や
設備などに問題があり、無許可営業も多いことがわかった。しかし、
小額の罰金徴収以外に処罰手段がないのが現状である。

新聞社ニュース「韓国の新聞社と姉妹提携」

 10月22日、韓国慶尚南北道地方の日刊紙「広域日報」社とセコ
リョ新聞社が姉妹提携を結び、その協定書交換式がサハリンでサハリ
ン国際芸術協会の金・ヨンジュ会長の司会で行われた。広域日報社の
社長徐・ソンフン社長はサハリンニュースを掲載するようになって大
変嬉しいと感想を述べた。

サハリン同胞永住帰国及び補償請願問題

 サハリン残留韓人永住帰国促進会、ユジノサハリンスク市老人会、
サハリン二重徴用炭坑夫遺族会などの関係者が韓国国会統一外交通商
委員会趙・ウンギュ国会議員に、永住帰国と補償問題解決を要請する
請願書を送ったことがあり、それに基づき趙議員は10月10日国政
監査当てに質疑書を提出した。同質疑書を下に掲載する。

「2003国政監査質疑書:サハリン在外同胞保護に積極的な政府対
応必要―国会議員趙・ウンギュ、2003.10.10」

 昨年11月19日日本弁護士会は、太平洋戦争期間中韓半島から日
本国内の鉱山と建設現場に強制徴用された在日朝鮮人とその家族に謝
罪と賠償をするよう、小泉総理と関連企業に勧告しました。弁護士会
は強制徴用被害者である鄭・ウンモ(81才)と金・イルスさん(9
6年死亡)の申し出を受け入れ、過去5年間現場調査を行うなど被害
実態を把握した結果、強制徴用が強制労働に関する条約など国際法違
反であると結論つけた、と朝日新聞が報道しました。これを契機にサ
ハリン強制徴用者に対する保護が再び提案されています。サハリン同
胞は祖国の悲劇的運命のため、遥か遠い異国に強制的に連れて行かれ
て、苦難の人生を送った悲運の人々です。日本政府は終戦後、サハリ
ンに居住していた28万人の自国民を帰国させながらも公式的には日
本人であった韓国人をソ連に放置する無責任なことをし、サハリン同
胞の悲劇を生み出しました。
 2003年現在サハリンには我が同胞が約4万人住んでおり、徴用
1世と1945年8月15日以前サハリン出生者の中の1300人が
国内へ永住帰国しました。しかし、サハリンには未だに永住帰国の日
を待っている人々が3500人も残っており、残留を希望している2
500人も子女同伴永住帰国が可能なら皆帰国する人たちであります。 
このように半世紀も経った今も望郷の念を捨てることなく祖国を愛し
ている同胞たちを、政府はいつまで放置するつもりかを聞かざるを得
ない。政府はサハリン韓人の帰還と補償問題は韓日請求権協定の対象
外問題で別扱いすべきであるとの立場を取るにもかかわらず、非常に
消極的姿勢をみせてきました。かえって、日本の市民団体や良心的知
識人の方が積極的にサハリン同胞問題に取組んできたのです。外交通
商部が本人当てに提出した資料には、サハリン韓人問題と関連して、
その間政府の努力として報告されたのは次の僅かつ3件に過ぎなかっ
た。
1.1980年代末、韓日外務長官会談で一時帰国希望者に対する日
本側の財政支援拡大を促す。
2.1990年5月、韓日首脳会談の時、サハリン韓人定着の歴史的
背景を考慮し、日本政府が人道的観点から努力を継続してくれるよう
要請。
3.1994年3月と7月の2回の韓日首脳会談でサハリン韓人問題
の早期解決と、療養院とアパート建設推進に合意、日本側は総32.
3億円の支援を約束した。しかし、これもサハリン同胞たちが先立っ
て集団行動と法的闘争を起こし日本政府を動かした中でのことであっ
た。サハリン同胞たちは苦しい生活の中でも積極的に補償と帰国運動
を行ってきた。ところが、1994年3月以後政府は彼らのために何
もしていない。本人の申し出で請願書が常任委員会に係留中でありま
すが、サハリン同胞たちの願いは大きく二つと言えます。その一つは
永住帰国を希望する同胞たちの生計を補償し、家族同伴の永住帰国、
永住帰国により新たに生まれた離散家族の再会です。二つ目は強制労
働の代価を強制的に貯金(郵便貯金)させたが、その貯金を払うこと
。既に政府も認めたようにサハリン同胞は1965年韓日基本協約の
請求権協商の対象になっておりません。従って、現在はロシア国籍で
あるが、強制徴用される前、韓国人であったことから外交的保護権を
行使し、積極的に(彼らを)保護すべきであり、それは国の義務であ
ると思うが、長官はどういう見解ですか。
          (サハリン残留韓人永住帰国促進会提供)
─────────────────────────────────
◆ 現代語感:「神話」                MK
─────────────────────────────────
辞書には
(1)古くから人々の間に語り継がれている、神を中心とした物語。
(2)宇宙・人間・文化の起源などを超自然的存在の関与の結果とし
て基礎づけ、説明した話。神聖な真実として信じられ、日常生活の規
範として機能することもある。
(3)人間の思惟(しい)や行動を非合理的に拘束し、左右する理念や
固定観念。「皇軍不敗の―に踊らされる」
__________________

 選挙が終わった。「神話」に陰りを見せた。「小泉神話」のことで
ある。選挙に強い、国民の支持が高いという神話である。自民党内の
力学は微妙に変化し、小泉純一郎首相の改革推進力は低下するとの見
方がある。「抵抗勢力復権宣言」とも言える発言が、党内でささやか
れている模様だ。本来神話は「架空の話」として楽しむべきもの。そ
れが何を間違ったか、現代の政治の世界に神話が広がった。戦前、天
孫降臨など今から考えれば噴飯モノの神話が、まことしやかに語られ
た。そして「天皇は神」になり、敗戦で神話は崩れた。
 今、小泉神話を利用して選挙を戦った自民党の党内の力関係が、微
妙に(敗戦当時のとまでは言わないが)変化しつつある。所詮神話は
神話でしかありえない。

─────────────────────────────────
◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
─────────────────────────────────
未婚の男女社員のための「合コン」(中央日報11月6日付)

 会社が率先し「社内のお見合い」を主管しているところがあり、話
題になっている。オンラインゲーム会社「ネクソン」は今月11日、
社内の未婚男女を招待し「シングルスパーティー」を開く。 ・・・
同社関係者は「職員らが楽しい気分でいてくれてこそ、仕事も上手く
いくという『ファン(Fun)経営』の一環」とした後「当初、他の
インターネット企業と共同で行事を行うのも検討していたが、他の企
業が、カップルを通じた情報流出の可能性などを懸念、忌避したため
、社内行事になった」と話した。
       http://japanese.joins.com
_________
 
 なかなかさばけた会社だと思っていたら、平均年齢が26歳の若者
の集団だった。IT関連の会社だったら、それはそうだろう。筆者の
知っている複数の韓国人も、たまにいって会うとなると、夜の9時、
10時を指定される場合がよくある。みんな忙しいようだ。なかなか
恋愛のチャンスも無いようで、社会問題化しそうだというのだから深
刻だ。

─────────────────────────────────
◆[編集長から]             Michio Katayama
─────────────────────────────────
 総選挙が終わりました。民主党の躍進が、社民・共産の衰退に。
しかし低い投票率。日本の国民は政治に関心がないのかしら。ダイナ
ミックに動く政治の世界が我々の生活に直結しているはずなのに。

◆サウジアラビア・リヤドで8日深夜起きた自爆テロとみられる爆発
事件など、テロは周辺国、それも同じアラブの民族を狙う?
 ターゲットは何なのか不明。

◆イラクは戦闘状態に。選挙に圧勝できなかった自民党をはじめとす
る連立与党はそれでも自衛隊を派兵する?
 (派兵を)やめる勇気派持ち合わせていない?

 ◆短歌を一首

    しっとりと 
    なみだを吸へる砂の玉 
    なみだは重きものにしあるかな  石川啄木 

⇒サウジアラビアやイラクで砂漠の砂に涙を流した人たちがいただろ
う。 涙を、血を吸った砂の重さ・・・・。

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発行     2003年11月11日   No.142
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム         ID:0000052236
              MailuX配信システム         ID:MM3E1B97842E020
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