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タイトル:609studio No.134◆現代時評:[湊川の戦いに赴く野中広務]  2003/09/16


2003/9/16 No.134  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

   【609 Studio 】609studioメールマガジンは「現代社会
  を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時評」
   をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリ
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       ◎◎サハリン韓国語放送放送再開◎◎

 長い間お休みを戴きましたが、放送を開始いたします。以前にも増し
てお聞きいただけますようお願いいたします。

 ◎◎セ・コリョ新聞社及びサハリン韓国語放送からのお知らせ◎◎

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 セ・コリョ新聞社とサハリン韓国語放送ではサハリン・アリランの
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 参加ご希望の方はテープに歌を吹き込んでサハリン韓国語放送(下
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テープあて先  Sakhalin TV-RADIO Korean Broadcasting
    209,Komsomolskaya Street, Yuhzino-Sakhalinsk, Sakhalin, 
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          ◇609studio INDEX◇ 

◆現代時評:[湊川の戦いに赴く野中広務]               ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2003年9月12日号

◆寄稿「インドからの報告」  サンガラトナ・法天・マナケ師

◆現代語感:「妄言・暴言」             MK

◆韓国新聞拾い読み: 編集部

◆編集長から:[この1週間]
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◆現代時評 :[湊川の戦いに赴く野中広務]        ken
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◆◆アサヒコム 2003.9.10野中広務元幹事長が今期限りでの政界引
退を表明、青木幹雄参院幹事長らが首相支持に回ったことを「悲しく
思う」と非難した。「反小泉連合」はさらに窮地に立たされかねない
が、業界団体への影響力や公明党とのパイプを武器に政局を切り回し
た野中氏の退場は、(中略) 「総裁選では本当にみんなに裏切られま
した」 党本部で緊急の記者会見を開く直前の午後4時すぎ。野中氏
は有力支援者に電話で告げた…・。

◆◆毎日インタラクティブ 2003.9.10小泉純一郎首相は9日夜、自民党の野
中広務元幹事長の政界引退表明について「小泉を倒すという執念に燃
えておられるなら、引退しないでもっと頑張ってやる方法もあると思
うんですけどね」と語った。

◆◆毎日インタラクティブ 2003.9.10民主党の菅直人代表は(中略)「自民党
の中で比較的モノを見ることができた野中さんが、最期の勝負を挑む
のだろう」と語った。共産党の市田忠義書記局長は「政治的立場は異
なるが、保守政治家として気骨ある発言をされたこともある」、社民
党の土井たか子党首は「戦争をしてはならないという強い信念の持ち
主。引退は誠に残念だ」と野党首脳としては異例の好意的感想を述べ
た。

■■ボクは日本のいわゆる「政治・政局」というものに興味が無い。
策略家が智恵を絞り、吾こそは日本の政界を・・、という、そんな社
会は、政治好き争い好きや、物見高いデバ亀に任せておけばいい。こ
の日本という国をどう良くしようかということとは、およそ縁遠い。
ところが、そのボクですら興味のある事件が政界で起こることが、と
きたまある。今度の野中引退声明などがそれだ。そうした場合、ボク
は取りあえず振出しに戻って、何から始まってその事件に至ったかを
考えることにしている。

■■たしか発端はバブルの崩壊であった。「日本経済が巨大な負債を
背負っている」と、米国筋が騒ぎ出し、調べてみると確かにそうで、
これは何とかしなければならない。そのためには「構造改革」が必要
、ということになった。「構造改革」とは、「銀行の不良債権を消し
」、「不効率な国営事業を民営化し」、「ゼネコンや巨大流通業を減
らし」、あわせて「政府官僚機構をスリムにする」ことと結論ずけら
れた。

■■それをだれがやるかで、先ず小泉さんが名乗りをあげ、国民の過
半数が「じゃ、頼みます」と言った。すると小泉さんは、実行係とし
て竹中平蔵先生を、使い走りとして遠山文部科学大臣や、川口外務大
臣を民間から登用した。
 そしてとにかく郵政を少々民営に近付けたのはいいとして、銀行や
ゼネコンの不良債権を激しく暴き出し過ぎたのが災いして、株価と地
価が予想以上に下落してしまった。加えて、需要不振によるデフレが
本格化し、企業は軒並み赤字になり、小泉政府の不手際をなじる声が
、産業界のみならず、与野党両方から挙がることとなる。

■■野党が政府を非難するのは、いつも当然のことだが、今回は野党
以上に与党側からも非難の声が挙がっている。原因は、小泉首相およ
び山崎幹事長が、いわゆる与党実力者たちの意見をないがしろにし、
竹中大臣をはじめ政治家議員以外の意見を取上げ、与党幹部意見を聞
かぬということにあるようだ。50%を越す国民の支持率があり、与
党幹部の言うことは聞かなくていという態度が小泉氏にはありありと
見え、自ら新党を創っても、国民は自分に付いてくるといったそぶり
さえしてみせる。民間から連れてきて大臣の椅子を与えた分だけ、自
分たち議員の大臣への席が減るのがガマンならない上に、小泉内閣の
やる政策がすべてうまくいかず、構造改革は宙に浮いたままで、デフ
レだけが深刻化する。

■■ならば、小泉さんはもう退陣してくれ、与党から別の首相を出す
から、というのが、自民党総裁戦、つまり次期首相選びである。とこ
ろが小泉失政にも関らず、なぜか国民の小泉氏への支持率が下がらな
い。目先に控えた総選挙に「小泉」という看板がなければ与党は惨敗
するやも知ず、それを考えると、腹が立っても小泉氏を総裁にしたま
ま総選挙を迎える必要がある。だからといってこのままではデフレは
なお進行し、構造改革も中途半端だ。ならば、構造改革や均衡財政は
いっとき棚上げにして、いまは景気振興を先にしよう。そのためには
小泉氏を説得して、赤字財政に目を瞑り、もっともっと財政支出を増
やそう、と自民党旧主流は主張する。

■■ところが小泉政府は、もうコレ以上の財政支出はできない。構造
改革もようやく緒についたばかりで、不景気もいっときの辛抱だ、い
まのままの政策を続行しよう。それがいやなら、総選挙で勝って、わ
たくし小泉を追い落とせばいいではないか、と、いわゆる国民の支持
率を後ろ盾に自民与党の幹部に楯突く。 「国民の支持」といわれたら
、自民党反対派も弱い、このままでいくしかない。
 しかし長年自民党を牛耳ってきた領袖連中にしてみれば、言うこと
をきかぬ小泉総裁が憎い、なんとかして退陣させたい。おりしも総裁
選挙だ。この機に自民党議員みんなで図って小泉氏を総裁から下ろそ
う、と考えた。ところがどっこい、そうはいかない。「国民過半数の
支持」がある小泉氏を敵に回せば、下手をすると自分の自民党内の地
位を失い、大臣の椅子も、与党内の役職も回ってこなくなる。「反小
泉」から「親小泉派」に鞍替えする自民党議員が続出する。

■■自民党全議員でという意思統一が不可能ならば、せめて自派の議
員だけでも結束し、対立候補を総裁選に出そう、と最大派閥の橋本派
が結束したかに見えた。が、それも破綻した。最有力の領袖クラスが
またしても二つに割れ、やっと担ぎ出した自派の総裁候補が負ける状
況になった。
 と、ここまでがきのうまでの与党自民党の状況で、こうして整理し
てみると、すべてが周知の事実で、いまさらボクが言うまでもないこ
とだ。

■■言いふらされた諺に、「猿は木から落ちても猿だが、議員は落ち
たら議員ではない」というのがある。言い得て妙で、議員の泣き所は
選挙にある。変節といわれようが、義理を欠こうが、選挙には絶対勝
たねばならぬ。そのためにもっとも有効な方法は、なるべく政治の中
枢に近い政党派閥に加わり、まちがっても反対派に属すべきではない
。でないと党内で冷や飯を食うか、悪くすれば選挙で落される。かっ
ての河野新自由クラブ、新党さきがけ、小澤自由党の轍を踏んではな
らない。「立ち寄れば大樹の陰」だ。政策を論じて反小泉に組するよ
りは、とにかく「小泉」政権に駆け込んで、議員としての自分の身分
を確保しておくに如かずだ。変節の謗りは、日が経てば霧消する。

■■と思って、青木参議院幹事長も、村岡会長代理も、きのうまでの
橋本派閥内での申しあわせを破ったのだろう。
 そうした時流の中の自民党で、いわば大物でただ一人、小泉追落し
に老いの一徹を貫こうとしたのが野中元幹事長だ。彼には言い分があ
る、「自己の保身よりも、この不況の日本を救うことこそ議員政治家
たるものの使命だ」。
 まことにすっきりしていて、政治家たるもの、すべからくそうあり
たいものだ。

■■しかし変節者側にも言い分はある。先ず「小泉総理も今後は我々
の主張に耳を傾けてくれるだろう」だ。 仮に小泉さんがいままでと
同じ政策を固守したとしても、「財政出動で景気回復を」の反小泉派
政策が、必ずしも小泉路線より効果的という保証はどこにもない。ど
ちらにしても暗中模索の八卦的政策でしかないのだ。ただ解っている
ことは国民過半の支持が小泉側にあり、議員がそれに組してさえおけ
ば、取りあえずは与党主流派における自分たちの地位は保証され、猿
が木から落ちなくてもいいのだ。

■■昔の政治家は、井戸塀になっても、国家国民のために尽くす名誉
職であった。いまは違う。議員という、ただの世過ぎの職業であり、
それは、学校の先生が聖職か、世俗的な一つの職業に過ぎないかを論
じられているに似ている。世過ぎの、ただのカネ儲け職業であるから
には、その職業上の保身術を非難してもはじまらない。あちらの派閥
に付き、こちらの政党に属し、日を重ね年月を閲して職業的地位が上
がっていく、その過程は世のサラリーマン諸君とかわらない。ボクら
がいまの政治家諸公に不満を感じる原因はそこにあるが、時代の流れ
で致し方ない。

■■しかしボクら前世代の人間は、いまだに古き昔の清廉孤高の政治
家の残像に、そこはかとないノスタルジーを感じ「そうした政治家が
いまの世の中に居ないものか」と心の中で探し求める。そして、それ
があまり存在しないのを残念に思っている日常である。
 そのところへ降って沸いたのが、先日の野中元幹事長のTVでの会
見だ。彼は、泣くがごとく、恨むがごとく、縷々切々として、きのう
の友の青木氏、村岡氏の変節を「ポストやいろんな誘惑に踊らされる
政治家」として非難し、「私が持つ情熱と志を、小泉政権を否定する
ための最大の戦いに燃焼し尽くしたい」と、退陣にも似た発表をした
。センチメントを峻拒する政治家ともあろう者が、この期に及んで、
いわずもがなの悲しい言葉を吐くのであるから、おそらくそれは事実
であろう。人の死なんとするや、まさにその言葉をよしとする、と言
うではないか。

■■ボクはもともと野中という政治家が好きではなかった。その理由
は、あの人相と、いかにも時代を逆行させそうな「抵抗勢力」的雰囲
気によるものであった。郵政や道路公団民営への抵抗といった彼の主
張については、半知のボクら門外漢がとやかく言うべきでないし、そ
うした政策で彼を誉めたり貶したりするつもりは毛頭ない。ただ、同
じ世代を生きたボクとして、自衛隊の海外派遣に慎重論を唱え、対北
朝鮮外交でハト派的な勢力の代表者だった彼の態度には、いくらかの
共感を覚えていた。

■■ことここに至って、「私の情熱と志を小泉政治を否定する闘いに
燃焼し尽くしたい」と述べ、自らの退路を断つ決断を述べたのには、
さすがと、彼に感心するほかはない。彼は日本の将来と、彼の有権者
たちが不景気で喘いでいるのを座視するに忍びず、何とかして小泉首
相を引き摺り下ろし、日本を再生させたい一念で、そのために自分の
政治生命を絶つ用意をした、というのだ。古い言葉でいう「身を殺し
て仁をなす」というのが、つまりはそれなのかも知れない。TVの国
会場面で、ときおり幽霊のように顔を見せる、税金泥棒の如き元首相
の面々とくらべて、いかにいざぎよく清廉であることか、と感心させ
られる。

■■それに対して当の相手たちは、小泉首相は「小泉を倒すという執
念に燃えておるなら、引退しないでもっと頑張ってやる方法もあると
思うけど・・」と勝ち誇り、青木氏は「驚いた」と絶句したのみ。読
売は、「非主流派に首相支持の動きが広がる中、党内では野中氏の引
退表明には冷めた反応が多く、首相の再選阻止を掲げる野中氏の戦略
が功を奏するメドは立っていない」と切って捨て、朝日新聞は「政局
の流れをつくった野中氏の引退は一つの時代の終わりだ」と冷ややか
に締めくくった。ボクの見るところ、雪崩れを打って勝ち馬に乗る自
民党議員たちに囲まれた小泉を前にして、同志に裏切られた野中が勝
てるチャンスは、まぁ、無い。

■■最後まで策謀を弄するのが一般的な政治家のパターンであろうが
、敢えてその道を択ばず、政治生命の上での死を選んだ野中氏の行為
は、戦前派が持つ一つの美意識ではなかろうか。権謀術数を欲しい侭
にしたかに見える野中広務も、内面は純真、かつ、まじめな、憂国の
政治家であったようだ。おそらく彼にとって、友人たちに裏切られた
ことにも増してなお口惜しいことは、マスコミ、つまり世間が、彼を
汚濁の派閥争いに破れた一人のマキャベリアンとしてしか見ていない
ということであろう。

◆◆後醍醐天皇を担いで、ひとたびは建武の中興を成し遂げた楠正成
が、旧友足利尊氏の反乱に組せず、叶わぬ戦と知りながら、なおかつ
湊川へ討死に行く。その心境がいまの野中広務・元幹事長ではなかろ
うか、とボクは思う。それにしてはかっての盟友たちの、かれを送る
態度はいとも冷たい。わずかに、かって政敵であった民主、社民、共
産の党首連中だけが、去ろうとする野中氏に一掬の涙をそそぎ、好も
しき論評を加えたに過ぎない。9月もすでに半ば、秋風は敗将の頬に
やや寒い。

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 

                 info@609studio.com   へ!
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2003年9月12日号    
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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大統領全国採油工らを誉める

 プーチン大統領は職業節を迎えて全国の原油ガス関係労働者らに祝
賀のメッセージ−を送った。「ロシア燃料動力綜合体は工業成長及び
輸出を可能にしてくれると共に、原油とガスは今も主原料であり、そ
の採掘はわが国経済の重要な部門をなしている。しかし、その産地の
大部分が悪天候の地域に位置しており、労働者たちの苦労は大変であ
る。従って我が国のガス原油関係労働者の仕事は尊敬されて当然のこ
とである」と激励のメッセージ−を述べたと大統領代理人が伝えた。

州選挙委員会順調

 今年12月7日に実施される、州知事と州議員の同時選挙の準備が
順調に行われていると選挙委員会のア・ブルイスキン委員長が伝えた
。時間的に余裕がないため大変であるが、18の地域選挙委員会とネ
ベリスクとホルムスク船舶に2カ所の選挙委員会が組織され準備を着
実にすすめているとのことである。

収穫期の渡来

 9日州政府プレスセンターで州農業管理局イエブゲニラピン局長と
農業専門家たちの記者会見が開かれた。発表によると、今週から本格
的な芋収穫が始まり、現在約3千人が収穫に動員されている。主に失
業者、職業学校や大学の学生たちが収穫作業に動員されているが、彼
らの運送や食事、報酬などで動員も容易なことではないようである。
 今年の夏は雨が少なく大変心配していたが、幸い8,9月の天候が
植物の生長を助け、昨年よりいい収穫になりそうだと関係者は予測し
ている。現在216ヘクタールの畑から約4千万トンの芋を収穫した
。収穫の進行状態からみて、州民の芋や野菜需要には充分応えられる
とイエ・ラピン局長は確信した。

原油会社創立75周年

 先週の5日、オハで採油工の日とサハリンモルネプチェガス社創立
75周年を記念する行事があった。同社とその子会社によりオハ市中
央に採油工広場が建設されオープン式が行われる他、「原油と人々」
、「オハは採油工たちの町」という本の出版紹介式もあった。広場に
はサハリン原油ガス工業の歴史を伝える記念館も建てられた。行事に
は極東やサハリン州内から多くの貴賓と労働老兵が参加するなど大変
賑やかであった。同じ行事が翌日ノグリキでも開かれた。

収穫の労働奉仕

 ユジノサハリンスク市長は、9月15日〜10月14日まで収穫期
間中、職員を3日間労働奉仕に行かせるように官民すべての企業機関
に指示した。市長は年2回、春と秋にこのような指示を出しているが、
これは市民らが必要とする食糧の確保のための措置である。

州政府定期会議

 さる8日、州政府定期会議で州体育及びスポーツ発展展望について
の報告が行われた。担当局は昨年と今年7カ月間の事業帆区を行う他
、現在一般学校の実態について発表した。

第1副知事にベ・グルクノフ

 サハリン州イ・マラホフ知事代理が第1副知事にゴルクノフ・ボリ
スワシリエヴィツ氏を任命した。彼は農業漁業部門を担当したことも
あり、ウゴレゴルスク製紙工場創立者であり、スタルストロイ社サハ
リン支部指導者でもあった。

ゴレグリャド氏、知事選出馬否定

 ロシア連邦会議サハリン州政府代表の連邦第1副議長のヴェ・ゴレ
グリャド氏がインターファクスとのインタビューで知事選挙への出馬
意思がないことを明らかにした。原油や水産業関係者、社会団体から
知事選挙への出馬を薦められたが皆に断ったと彼は伝えた。

新しい協議会設立

 ユジノサハリンスク市長会議室でさる3日、韓人たちの会合が行わ
れ、そこで市韓人社会団体協議会が発足した。本協議会の会長にはカ
レイスキクラブのリーダーリエゼ・サンボクさんが選ばれた。サンボ
クさんには1カ月間のうちに協議会活動規定を決めるよう会議で委任
された。

世界韓人指導者大会

 さる8月19日〜21日までソウルで2003年世界韓人指導者大
会が開催された。世界各国から340人の韓人代表が参加したが、サ
ハリン代表として朴・ヘリョン韓人会長が出席した。李・ボクスン記
者が帰国した朴会長に大会の成果などについてインタビューを行った。

−在外同胞財団主催で毎年同大会が開催されているのですが今年で何
回目ですか。
−4回目です。毎年世界韓人会大会と海外韓民族協議会が開催されて
きたが今年は二つの大会を共同で行い全世界600万人の代表が同席
することになった。

−ロシアからはサハリンの他、どの地域の代表が参加しましたか。
−モスクワから2人、ロストフナドヌから1人、ハバロフスクから2
人、ナホトカから1人、ウラジオストクから2人が参加した。ノボシ
ビルスクとサンクトペテルブルグ、ニズニノフゴロドからも参加予定
だったが来れなかった。

−大会の主な内容は?
−我々が東北アジア経済中心国になるためには600万在外同胞の人
的物的資源を充分活用すべきであり、又祖国統一のためにも民族の一
致団結、力量の総動員が必要とされる。そのためにどうするかについ
ての論議模索が目的である。サハリンを除いて全世界海外同胞が提議
した問題は言語と文化、経済交流であった。今回、私はサハリン同胞
の永住帰国と補償問題などについて話したが、期待したほどの反応が
なくとても残念であった。

−海外同胞から何らかの支援の話は無かったか?
−何もなかった。大会で教授たちは海外同胞に対し祖国は何もやって
こなかったと指摘した。同胞たちが会って交流できる親善館でも作っ
てほしいとの話があった。毎年、二重国籍問題が議論されるが、今年
は仁川大学のノ・ヨンドン教授が「在外同胞法改正はどうなっている
か」について発表した。彼は韓国籍を持っている内国人と同じではな
いが、一般外国人よりは優先的な地位が与えられたと見て在外同胞法
が改正されれば二重国籍も認められるであろうと楽観的に捉えていた
。又、ソウルに在外同胞文化センターを建設する問題が提案されたが
、資金作りがうまく行かず難航していることがわかった。

−今回、記憶に残ることは?
−ノ大統領に会えたこと。大統領は「海外同胞は大きな資産である」
と国の発展への寄与を期待していると励ましてくれた。

−今回、誰と会ったか。
−在外同胞財団理事長とその職員、そして韓国赤十字社統裁とサハリ
ン関係職員に直接会って懸案について話した。そこでサハリン韓人同
胞団体代表懇談会を来年モスクワで行う話が出てきたが私は賛成した。

あれこれ

「強制退去判決」
 
 さる2日、ポロナイスク裁判所は、住宅公社に家賃を長期間払わな
い入居者を強制退去できるとの判決を下した。公社は年初から合計7
00件、600万ルーブルの家賃支払請求裁判を起こしている。最近
一部の入居者は裁判所に呼ばれる前に未払家賃を払ったが、その額は
52万ルーブルであったと関係者は伝えた。

「漁船に元知事の名をつける」

 サハリン漁業協会は購入予定の漁船にカムチャッカでヘリ墜落事故
で亡くなった前サハリン知事の名前を付けることにしたとヴェ・グル
シェツニコフ協会長が伝えた。サハリンのある会社が倒産して修理費
用を払えなかったため、今韓国の釜山で競売に出されているが、ホル
ムスクのサハリンリジングプロト社がこの3隻の大型冷凍漁船を購入
して、その1隻にイ・パルフトジノフ前知事の名前をつけるとのこと
である。

「10万トンを釣った」
 
 サハリン州漁業管理局によれば、9月2日現在10万トン以上のマ
スを釣った。この漁獲量はクォタ−より1万トン多い。今年は、予測
とは違って、2万トン以上の漁獲を予想していたクリルスクでは僅か
1.2トンしかマスが上がらず、その反面コルサコフやアニワ、ポロ
ナイスクなど他の地域に多く上がってきた。貧民たちに魚を無料で配
る州援助プログラムは順調に行われ、予定の308トン中212トン
が既に住民たちに配られた。マス釣りは9月末まで続き、その後は鮭
の釣りが待っている。

「ヘリ航空社に営業停止命令」

 ロシア航空輸送カムチャカ管理局は、サハリン州元知事らの死亡事
故原因が明らかになるまで、ヘリ所有社と運送を担当していた航空社
など2社に営業停止を命じた。

「バス料金の値上げ否定」

 先週オストロワ通信がユジノサハリンスク市内のバス料金が引上げ
られると伝えたが、これに対してエフ・シドレンコ市長が根拠のない
ことであると反撃しながら、今年の年末までバス料金の値上げはない
と明らかにした。

「釣り人が熊に襲われる」

 カムチャカ州ウスチーボルセレツク区域プロトニコワ川でメスの熊
が釣り人を襲撃する事件があった。周りにいた人たちの助けで命は助
かったが、手足に外傷を負った。最近ここでは以前もこのような事件
があった。8月中旬、47才の男性が釣り中、熊に襲撃され亡くなっ
た。住民が例年より積極的に釣りをしているため、熊たちの釣り場が
なくなったのが原因であると専門家は言っている。

「モスクワでサハリン料理」

 今月6日ー7日、サハリンとクリル列島の観光広報と販売ルート開
拓事業の一環として、サハリン漁業協会創立10周年とサハリン水産
物採集開始125年を記念してのサハリン紹介展覧会がモスクワで開
かれた。そこでは魚製品と魚料理が紹介され大変な人気を集めた。

二重徴用炭坑夫慰霊碑建立予定

 9月5日ユジノサハリンスク市長会議室でサハリン州二重徴用遺族
会の集いがあり、20人の会員のほか、サハリン韓国教育員金・ユン
ス院長、市長補佐官金・ボククォンさんも参加した。会議は徐・チョ
ンギル会長の呼びかけで開催されたが、議題は1事業報告、2来年の
二重徴用60周年を迎え、犠牲者や遺族を追悼するための慰霊碑建立
問題、3遺族の日本徴用地訪問問題などであった。
 徐会長は「日本人の協力により徴用された人数と関与した炭坑会社
の名前などが明らかになった。資料で分かってきた徴用者数は319
0人、その中の1125人が塔路地域(3つの炭坑があった)から連
れて行かれた。その大部分が家族の下に戻ることができず、生死確認
もできていない。これと関連した問題をより積極的に日本政府に伝え
、解決に取組むべきである。その間、集めた資料を通じて真実を明ら
かにすると共に、日本社会の協力を得るため各大学図書館に資料を送
るほか、韓国の協力も必要とされるので、韓国の赤十字社、大統領秘
書室、領事館などにも資料と請願書を送った。又、サハリン州古文書
館や郷土博物館にも資料を寄贈している。
 2004年強制徴用から60年目。犠牲者や亡くなった遺族の霊を
慰める慰霊碑を建立したい。そのための実務委員会を組織する必要が
あり、場所や費用調達方法などについては総会で具体的に話したい」
と提案した。又、徐会長は父や兄たちが徴用されて働いていた現場を
訪ねるツアーを組む計画を発表した。費用の問題を取り上げながらか
なり具体的な案を提案している。徐会長は、希望者は父や夫、兄の日
本語と韓国語の名前、働いていた炭坑の名前などを書いた申請書を遺
族会に提出するようにと伝えながら今後一層、積極的に日本社会に向
けて訴えていくと強い意思を表した。その後、鄭・テシク会員は過去
のサハリン関連裁判の経過と結果などについて簡単に参加者に説明し
た。
          サハリン韓人二重徴用坑夫遺族会員鄭・テシク

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◆ 寄稿 「インドからの報告」  サンガラトナ・法天・マナケ師
─────────────────────────────────
 9月11日に2年前ツインタワー狙撃事件でまたアフガニスタンや
イラク戦争で尊い命を亡くした方のご冥福を祈る目的で1時から3時
までの2時間500人以上の賛同者と共に平和行進しました。この行
進の趣旨は軍人であれ一般人であれ尊い命を亡くされた方に追悼のい
を述べると共に2年前の9月11日の事件を現在社会の癌の象徴と考
え、宗教、民族名称はさまざまであっても地球上で起こっているすべ
てのテロ行為はテロリストが自画自賛しているような事実はかけらも
無く、たんに人と人の仲を裂き地球の平和を妨げる以外のなにもので
もなく一日も早く世界中の人々が宗教・民族・地域の如何に変わらず
深い友好関係で結ばれ本当の平和が1日も早く地球に訪れる事を願っ
ての活動でした。我々は仲間内でと言う気持ちだったのですがナグプ
ール近郊で他に同じ様な活動を行った団体がなくナグプール発行の大
半の新聞が一面にカラー写真入りで大々的に掲載したりテレビ局はか
なり詳しく放送しました。           合掌
─────────────────────────────────
◆ 現代語感:「妄言・暴言」             MK
─────────────────────────────────
 「妄言とは「事実・論理に合わない、でたらめな言葉。妄語。ぼう
げん」「―を吐く」 「暴言」は「他人を傷つけるような乱暴な言葉
」「―を吐く」と辞書にある。

 10日名古屋で自民党総裁選の応援演説の中で石原慎太郎都知事が
「・・・いるかいないか分からないミスターXと私は交渉しているな
んて言って、向こうの言いなりになっている・・・」云々と。

 韓国のハンギョレ新聞は

[日本] 極右東京知事また『妄言』

日本の右翼の石原慎太郎東京都知事が、今回は日本居住韓国人と台湾
人を蔑視する言葉の『三国人』を口にして物議をかもしている。その
上、彼はこの言葉を朝鮮人たちが数えきれない程殺された1923年
の関東大地震の時のような治安問題と関連させて語ることによって、
彼らを凶悪犯罪予備集団や不穏勢力と見なしていることをあらわした。

 いずれにして「妄言」は為政者や政治家などの「特権」といえよう。
そこには事実誤認や歴史的事実のあいまいさが原因となっているケー
スが多い。たとえば戦時中の「南京虐殺事件」の真相など。

妄言や暴言はわが国の政治家の特質と思いきや、ブッシュ大統領も
かなりのものらしい。詳しくは
  http://www.fugafuga.com/kenkyu/bushism/index.html
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◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
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◇「30年の親不孝」73年北朝鮮に拉致された漁夫、父の墓地で涙
             (中央日報9月9日)

  「お父さん、30年ぶりのご挨拶、申し訳ございません」9日午前
、慶尚南道統営(キョンサンナムド・トンヨンシ)のある野山。19
73年に北朝鮮に拉致されたが、今年7月、北朝鮮から脱出したキム
・ビョンド(53)氏が、父親の墓地前でひざまずいたまま、泣きな
がら、しばらく立ち上がれなかった。(中略)キム氏は、北朝鮮拉致
被害者家族の会のあっ旋で、今年4月27日、中国北京で80歳の老
母と弟ビョンノ氏に会ったときは、金だけ少しもらって北朝鮮へ戻る
つもりだった。しかし、老いだ母親に会い、北朝鮮に拉致された当時
、生後3カ月くらいだった娘(30)が送った手紙を読んだ後、韓国
行きを決心したという。 
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 韓国版拉致事件被害者の物語である。いわゆる脱北者が拉致事件の
被害者であったケースとして特異だといえる。わが国の場合の拉致事
件とはいささかその趣は異なるが、この漁夫の場合の北朝鮮での生活
がこの記事では窺い知れないのが残念。韓国には600人に及ぶ拉致
被害者がいるという。

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◆[編集長から]             Michio Katayama
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 どうしてこんなにわが国とその周辺を含んだ世界中できな臭くなっ
て来たのでしょう?石原知事の「テロ容認?発言」も、小泉首相の「
自衛隊のイラク派遣」も、またパレスチナとイスラエルのロードマッ
プも暗礁に乗り上げています。アフガンもイラクも・・・。
 2年前の同時多発テロが一つの原因だと思いますが、ただそれだけ
とも思えません。北朝鮮の拉致問題や長引く不況も、国民の閉塞感に
拍車をかけているのでしょう。

 しかし考えてみてください。アフガンやイラクへの攻撃でアメリカ
は問題を解決できたのでしょうか?まだ結論を出すには早いとも思い
ますが、決して楽観できないことは最近のブッシュ政権の苛立ちを見
てもわかることです。やはり問題の解決に戦力を使うべきではないの
です。わが国の憲法9条を思い起こしてください。

 第9条【戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認】

(1)日本国民は,正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し
,国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛
争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する。 (以下略)

 どうして素直にこの条項を「言葉通り」に読めないのか不思議です。

◆以前国会で小泉首相が「現実と憲法との間にすきまがあるのは当然
」と答弁したこと。この首相、憲法が先というか、根本にあってその
上でそれぞれの法律があるという根本的なことを忘れている。憲法に
従って自分も首相に選ばれたくせに・・・。

 あろうことかアーミテージ米国務副長官が「日本は憲法解釈変更を
」と。九日、ワシントンの国務省で、衆院憲法調査会の中山太郎会長
ら現地調査団と会談した席上で話したという。従来から日本政府の集
団的自衛権の行使を禁じている憲法解釈について「内閣法制局が柔軟
な解釈をすべきだと思ってきた」と、集団的自衛権を行使できるよう
政府の憲法解釈を変更することが望ましいと述べた。  

◆来月にはブッシュ大統領自らが、じか談判に東京を訪問するという
。「金と人を出せ」ということか。

◆11日の報道によると「テロ防止で乗客の個人情報提供 米要求に
欧州反発」とある。米側の求める提供範囲は氏名、電話番号はもちろ
ん、クレジットカードの番号から好みの料理にまで及ぶとか。欧州か
ら米国行きの乗客に関してである。アメリカという巨人は「横柄」な
のかそれとも「小心」なのか。
 
 また他の報道は10日米政府高官の話として、北朝鮮が長距離弾道
ミサイル「テポドン2」の生産開始と伝えた。テポドン2は多段式で
最大射程1万5千キロと推定される。

◆これを受けて?かどうか知らないが、政府は米国が独自に実戦配備
する計画を進めている迎撃ミサイルシステムを導入する検討に入った
。2004年度からイージス艦を改修して海上配備型のミサイルの搭
載を可能にする一方、地対空誘導弾道弾パトリオット(PAC3)を
購入する。

 「軍縮」という言葉はもう死語か。

◆15日の朝刊各紙に「11月総選挙首相決断」とある。選挙のキー
ワードは「景気対策」「構造改革」「北朝鮮対策」「イラク派兵問題
」それに・・・。争点に事欠かない。じっくり各党の主張を聞くべき。

◆パレスチナ議長「追放」を決定 
 イスラエル政府はアラファト・パレスチナ自治政府議長を追放する
ことを決定した。9日に起きた連続自爆テロを受けて決定した模様。
パレスチナ解放運動の象徴である議長の追放決定にパレスチナ側は猛
反発しており、イスラエル軍が実力行使に出れば、自治政府側との本
格戦闘に発展する恐れもある。(12日夕刊各紙)

 武力で解決するとは思えない。ロード・マップのが暗礁に乗り上げ
たどころの騒ぎではない。
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発行     2003年9月16日   No.134
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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