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タイトル:609studio No.132◆現代時評:[小泉首相の音楽の旅行 ]  2003/09/02


2003/9/2 No.132  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

  【609 Studio 】609studioメールマガジンは「現代社会
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          ◇609studio INDEX◇ 

◆現代時評:[小泉首相の音楽の旅行 ]                   ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2003年8月29日号

◆現代語感:「院内感染」                MK

◆韓国新聞拾い読み:  編集部

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 :[小泉首相の音楽の旅行 ]                ken
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◆◆毎日新聞2003.8.19 ドイツの楽しみはオペラ シュレーダー首
相とワーグナー家の仲直り貢献−小泉純一郎首相は18日午後、シュ
レーダー独首相とヘリでドイツ南部のバイロイトに移動し、ワーグナ
ー音楽の祭典「バイロイト音楽祭」でオペラ「タンホイザー」を鑑賞
した。

◆◆産経新聞 2003.8.20欧州三カ国歴訪でワルシャワ入りした小泉
純一郎首相は十九日、ポーランド出身の作曲家、ショパンの心臓が安
置されている聖十字架教会を訪れた。(中略) 「当時は心臓を埋める
習慣があったのか」などと関係者に熱心に質問。教会内を流れるオル
ガン演奏を聴きながら、愛国心が強かったショパンに思いをはせてい
た。

◆◆産経新聞2003.8.22 プラハの夏満喫 小泉首相、永田町の雑音
よりクラシック― 首相は二十日午後にプラハ入りした際も、宿泊先
のホテルにも寄らず、チェコの代表的な作曲家であるドボルザークや
スメタナの墓がある古城跡「ヴィシェフラット」を訪問。胸像の前で
手を合わせ、「ドボルザークもスメタナも好きだからいい機会だった
。ほかの墓も芸術作品のようで一見の価値がある」と満足げに語った。

■■構造改革がさっぱり進まずとも、国の財政が未曾有の大赤字であ
ろうと、夏が来ればバカンスには行きたい。小泉さんもそうだろう。
正直なところ、わが国の首相というのはそういったサラリーマンと大
してかわりのない、まことに結構なご身分なのだ。なにせ、支払手形
が回ってくるわけではなし、国家という企業が倒産するわけでもない
。国民はよく働き、文句も言わない。旅費はとうぜん税金から支出す
るだろう。佐藤元分析官のような小物なら、使途違いのカネを支出し
たとして起訴されようが、首相ともなればそんな些事にケチをつけら
れることもなかろうから、音楽家の墓や内臓を「視察」に行っても、
まあ外交のうちだ。

■■娯楽のうちでも「音楽」はなぜか孔子の昔から特別に優遇されて
いる。たいていいい加減なものでも、「音楽」と名付けば芸術の範疇
だし、子供がやれば「お勉強」のうちにも入れてもらえる。とくにク
ラシック音楽などは、高尚かつ上品な趣味として、この上なく持て囃
され、ショパンともなればばジョルジュサンドとの、ありふれた色恋
沙汰までが打てば響くように優雅な会話になる。ランブイエ宮殿にお
けるポンパドール夫人のサロン以来、当たり障りがない会話のいとぐ
ちとしてもっとも珍重されたのが、バッハ、ヘンデルにはじまったク
ラシック音楽である。必ずしも音楽そのものが理解出来ずとも、関連
するゴシップや、飲んだ睡眠薬ですら、一挙に上品な話題たり得るの
だから、これほど便利な社交上の小道具も珍しい。
普通ならヴァンパイア吸血鬼の仲間入りしそうな生身の心臓でも、そ
れが音楽家ショパンのものだとなると話は別で、首相が寺院を「視察
」して、「当時は心臓を埋める習慣があったのか」と、聞いたことま
でが新聞に載るという仕掛けだ。

■■首相の質問に触発され、念のため調べてみると、ショパンは20
歳で国を離れ、1849年、39歳でロンドンで客死(一説にはパリへ帰っ
てから亡くなったとも)、遺体はパリに埋められた。ショパンの遺言
は、自分の葬式にはモーツァルトのレクイエムを流すことと心臓をポ
ーランドへ運ぶことだったので、心臓だけは、彼の姉の手で祖国ワル
シャワの寺院の地下に納められた。心臓だけを他に埋める習慣があっ
たわけではない。第2次大戦末期に、ドイツ軍の中にショパンを敬愛
する兵士がいて、ワルシャワ爆撃の計画を知り、ひそかに潜入してシ
ョパンの心臓を持ち出した。持ち出した心臓は、安全な地区の教会の
神父に預けた。それは隠された話であったが、戦後に明らかにされ、
いまの聖十字架教会に戻された、というストーリーが戦後に追加され
ている。

■■長い年月、ドイツとソ連の間で翻弄され続けたポーランドという
国は、いわば日本と中国の間の国のように、独立国としての安定が難
しく、いきおいい国民に国家意識がきわめて高い。その象徴としてこ
の国には、ショパンとコペルニクスと、キュリー夫人の3人がいる。
ポーランドにとってショパンは音楽家以上のもので、いわば小泉さん
にとっての靖国神社みたいな存在だ。

■■小泉首相の音楽旅行は、ポーランドの次ぎにチェコのプラハに向
かい、そこでもスメタナとドボルザークの墓を「視察」したそうだ。
その昔、オーストリアの圧政に抗してプラハで急進派が蜂起したとき
、スメタナは革命に参加し、「自由の歌」などを作曲した。鎮圧され
た後も民族運動に身を投じたまま、いわゆる国民楽派の中核として、
有名な「我が祖国」を作曲した。その組曲の一つ、「モルダウ」はい
まなおチェコの国民音楽と称せられている。スメタナといえば「モル
ダウ」、モルダウといえばチェコ。つまりここでも小泉さんは靖国神
社に詣でたのである。

■■そのスメタナの指揮棒のもとでヴィオラを弾いていたのがドボル
ザーク。スメタナの国民楽派の直系の作曲家だが、ニューヨークに招
かれ、そこでアメリカインディアンのメロディーを用いて完成させた
「交響曲第9(新世界から)」によって一躍有名になった。「新世界
―From the new wrld はクラシック音楽にしてはいっぷう変っていて
、いまだに褒貶相半ばするが、とにかく、これ1曲で世界のドボルザ
ークになった。(ボクの記憶では、ドボルザークはたしかアメリカ国
籍のはず。)もともとチェコ独立運動に関係していたから、チェコに
とってドボルザークもまた、自由のため米国に亡命したチェコ式靖国
神社の祭神の一人である。

■■ワルシャワとプラハの前に小泉首相が「視察」したのが「バイロ
イト祝祭劇場の音楽祭」だ。いや、この方はドイツのシュレーダー首
相からご招待にあづかったとのことだから「視察」でなくて「見学」
かも知れない。また別の報道によると祝祭劇場の総監督ヴォルフガン
グ・ワグナー氏の招待であるともいう。祝祭劇場のオーナー的存在で
あるワグナー一家はヒットラー氏とごジッコンで、ナチスドイツの世
界制覇に協力した仲といわれ、つい近年までは悪評頻りだったが、ぼ
つぼつほとぼりも醒め、いまや旧にも増して名家ぶりを発揮している
らしい。

■■拝絹で飾ったタキシード(?)を着て、シュレーダー氏と共に歩
いている小泉首相の写真を見たが、こちらが恥ずかしくなるくらい上
機嫌だ。レコードのジャケットで仕入れたモダンオペラのタンフォイ
ザ−や、スメタナ、ドボルザークの豆知識を振り回す半可通音楽ファ
ンが、一生に一度はバイロイトで、ああした風体(ふうてい)で歩い
てみたいと願う。それがわが成金国日本の近年の風俗であり、小泉首
相はそれを地でいったわけである。いやおめでとう。ただ、惜しむら
くは、あの男やもめの道行き姿だ。ああした晴れの場所では、だいた
いが見栄えのする女性、それが奥方であれパートナーと称する伴侶で
あれ、そうした女性を伴い、しゃなりしゃなりと歩くのがいいのだけ
れど、その都合がつかないからには、小泉さんも致し方なかったのだ
ろう。もしあれが抵抗勢力の野中・古賀さんの姿だったら、それはも
う「猿がかんむり冠った」としか言いよううがないが、小泉さんなら
、「日本も少しはハイカラになったか」と思ってもらえるだろう。ボ
クらもそれを喜ばねばならぬ。

■■官費の音楽旅行に、お付の人々は少々気が引けたのか、「相手の
ドイツ、チェコ、ポーランドの3国は、そろって北朝鮮と国交のある
国、日本の立場を解ってもらえた」と、説明しているが、いわば語る
に落ちた言い訳に過ぎない。遠慮せずに、音楽も分かる「ハイカラ日
本」を、公費でPRしてくればいいのである。
 実のところあの辺りの国々では、いまだに日本について本当のこと
が理解出来ていない。わが皇室が温和なご性格であるのは解っている
ものの、大嘗祭で見たあの特異な衣装風俗、それに言葉少なく、アル
カイックスマイルだけのコンミュにケーション。そこからは中世をそ
のまま継続した宗教祭祀国家のイメージしか浮かばない。 そうした
皇室と、それに従う従順無類の国民たちは、いつまた中世の妖怪のよ
うに荒れ狂うかも分からない、という惧れがある。

◆◆いや、そうではない、我々は立派なモダン国家である、と、表現
するためには、首相のタキシード姿による音楽会こそ、まことに適切
な文化外交の場である。音楽がわかる解らないなどは二の次でいい。
解ったような顔をして、タキシード姿でショパンの心臓を拝み、「モ
ルダウ」のメローディに胸の高鳴りを共有してみせる心掛けが、日本
の政治家には必要なのだ。

   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 info@609studio.com   へ!

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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2003年8月29日号    
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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州知事ら全員死亡

 20日カムチャッカ山岳で行方不明となったサハリン州知事と政府
指導者ら20人の乗っていたミー8へリが、3日後の23日発見され
たが乗客全員が死亡していた。州知事と指導者らは冬季準備状況を調
べるために、12時35分、ペトロパブロフスク・カムチャトスキ空
港を出発し北クリルへ向かって離陸したが、離陸後空港関税所に一度
の連絡をした後消息が途切れたのであった。事故の原因はまだ明らか
ではないが、空路から40Kmほど離れたのが不幸を呼んだのではな
いかと推測されている。7人の死体は墜落現場付近で、13人は機内
で発見された。操縦していたア・グザノフさんは操縦経歴20年のベ
テランであったとノヴォスチ通信が伝えた。

三日間の追悼期間

 25日、非常事態省の特別機でカムチャッカからへリ墜落事件犠牲
者の遺体が運ばれ翌日の深夜、ユジノサハリンスク市のヴォスクレセ
ンスク大聖堂で共同葬式が開かれた。葬式にはモスクワからプーチン
大統領も駆けつけた。27日13時、サフインセンター広場で用意さ
れた一般市民との告別式で、涙と悲しみに満ちた大勢の市民とお別れ
を告げた後、大聖堂の中に遺体が安置された。

市民の声(哀悼)

●金・スンボク(ユジノサハリンスク・47才・主婦):ショックで
言葉もでない。サハリンの社会経済発展と住民の生活改善に大きく寄
与した素晴らしい州知事をはじめ、政府第一の指導者らを亡くしたこ
とはあまりにも惜しい。遺族や犠牲者皆に哀悼の念を伝えたい。

●金・アレクセイ(ユジノサハリンスク・25才・事務員):州内が
悲しみに満ちている。大陸棚開発計画を一例にしてもイ・パルフトジ
ノフ州知事の業績は大きい。開発計画が本格化しようとする今、それ
を主導してきた人物達を亡くしてしまい、悲しいと共に今後のことに
不安をも感じる。

●辛・チュンジャ(ユジノサハリンスク・63才・年金生活者):事
故のニュースを聞いて眠れなかった。州知事の死が特に心痛い。彼は
社会経済発展の他にも民族間の葛藤を無くすために頑張った。又我々
韓人問題にも高い関心を持って協力してくれた。永住帰国者アパート
入居式にも参加し暖かい言葉で励ましてくれた。

第16中学校新しい体育室

 ダルエルクレクトロモンタズ社のゲ・ユゼポヴィツ社長によると、
最近同社はユジノサハリンスク第16中学校の現代式体育室建設作業
をほぼ終え、始業式(=知識の日)の9月1日にはオープンできる。
同体育室は同校卒業生のア・イシュク(ヴォルガブルマス社長)が提
案、州政府をも協力して建設されている。ア・イシュクさんには25
日、建設大賞が授与される。

健康センター建設中

 サハリン州立病院附属の健康センター第2段階設計案が決まった。
この設計案によると、同センターにはプール、シャワールーム、大浴
場、マッサージルームなどが設けられる。2004年度には患者たち
を受け入れる予定である。

廃棄物倉庫建設反対

 ノグリキ地方政府と住民たちは州内の工場などからできた廃棄物の
倉庫を地元に建設することに反対しているとノグリキ第1副市長が伝
えた。副市長は次のように言い加えた。「廃棄物を作り出していると
ころで作るべきだ。我々の所が廃棄物の少ない地域であり、どうして
南から遠いここまで運ぶ必要があるのか?」と住民たちは強く抗議し
ているとのことである。副市長は、「現在地元の政府は廃棄物埋設及
び衛生規則について議論している。サハリンエネルドズイ社とエクソ
ンネプチェガスリミテド社も我々のところに廃棄物を捨てている。我
々はゴミの加工問題をも提起している」

軍に電気供給中止

 サハリンエネルゴ社はコルサコフとチェーホフ市にある軍施設に電
気供給を中止すると警告した。同軍施設は電気会社に1万ルーブルの
滞納料金がある。

消火設備検査

 ユジノサハリンスク国家火災防止管理局は新学期を向かえる前に一
般学校の消火設備状態を点検している。春の点検で殆どの学校に防火
設備が整っていないことが明らかになった。そのため、州政府は各学
校に火災警報装置購入資金を支援しており、9月1日まで一般70校
全校に設置を完了することはできないが徐々に増えていく予定である。

1時間の停電

 先週、ポロナイスク市とその周辺地域は1時間停電が起き、飲料水
供給も受けられなかった。予備送電線を利用して電気を供給する緊急
措置を取りながら都市と国営地方発電所間の送電線を調べている。

ハバロフスク辺境で光復を記念

 地域高麗文化センターと極東離散家族会の後援でハバロフスク美術
博物館が8月16日、光復節を記念する展覧会を開催した。李・ウラ
ジミル・ニコレエヴィツ画家の風景画と北朝鮮の工芸品などを展示し
た同展覧会に、駐ナホトカ北朝鮮総領事館の吉・インゴル領事と駐ハ
バロフスク日本総領事のクツモト領事、そして民族文化センターの指
導者たちが出席した。ハバロフスク文化部は李・ウラジミル・ニコラ
エヴィツさんに表彰状を授与した。会場では同胞歌手や音楽家の演奏
公演も開かれ訪問客から盛大な拍手を受けた。

州議会長トイモブスコエ訪問

 サハリン州議会プレスセンターによれば、州議会長ヴェ・エプレモ
フさんがトイモブスコエを訪ね区域指導者たちと冬季暖房準備状況に
ついて検討した。同地域では新しいボイラーを購入し暖房季節を迎え
る準備を順調に進めている。 しかし、ボイラー室の環境や暖炉を使
っている一戸建てなど未解決問題も多い。議長は中央病院職員と年金
管理者たちとの面談で同区域に対する州予算支援が不足していること
がわかった。地元産業の農業や林業は州からの支援無くしては、生産
量増加は期待できない。又、地元の企業家が納税規則を守っていない
上、石炭価格を引上げたことで地域財政が一層苦しくなっていること
を議長は批判した。

暖房準備難航

 19日ポロナイスク市議会で暖房季節準備状況に対する審議が行わ
れた。社会問題委員会のナゼズダ・プリコワ委員長の伝えによると、
住宅公社指導者たちは「家の中の熱供給網に問題があって、ボイラー
室の整備などが機能しない状態である。今も至急整備を要するアパー
トが23棟もある」との報告があった。資金や職員不足で当分解決の
見通しは立たない状態である。住宅公社は職員たちに3カ月も給料を
支払っていない。又、住民は管理費など6600万ルーブルを払わず
にいる。こんな状態では大々的な修理は無理であることが明確になっ
た。

相次ぐ教育機関閉鎖

 州教育管理局の発表によると、8月22日現在、州内各地で廃校が
増えている。地方政府の予算不足で新学期を迎えての設備整備や教材
購入ができず閉鎖を余儀なくされている。

難航する石炭備蓄

 22日、サハリンエネルゴ社のドミトリ・ヤコブレフ技師長が記者
会見を開き、サハリン国営地方発電所の石炭備蓄状態を伝えた。報告
によると、動力会社は石炭会社に3億ルーブルの未払金を抱えており
、石炭の採掘は続いているが動力会社への供給は中止されている。こ
のような問題は結局電力消費者たちが料金を払わないのに起因する。
そのため、熱供給網修理などすべての計画が難航している。

不法海産物加工者摘発

 南部サハリンで、不法に海産物を加工していた密入国中国人12人
を摘発し、60Kgの乾燥ナマコを押収したとサハリン警察が伝えた。
今、サハリンの闇市場では乾燥させたナマコが1Kg当たり80ドル、
生ものは5ドルで取引されている。

読者の声:「サハリン韓人の補償を強く要求せよ!」

 尊敬する皆様、私の故郷は慶尚北道キョンサン郡チンヤン面シンム
ン洞です。1939年父がサハリンに来ました。渡航経緯はよく分か
りません。日本時代、父と兄二人がハクチョウサワ(白鳥沢)炭坑で
働きました。ところが44年8月に3人は福岡県平山炭坑へ再び連れ
ていかれました。当時、父は48才、二人の兄は20才と17才でし
た。母と幼い5人の子供を置いて。家の大黒柱3人を失った私たちの
暮らしは言葉では言えないほど苦しく、笑いを忘れてしまいました。
いつまで待っても父と兄達は帰ってきませんでした。そして母は夫の
息子達の生死も確認できず1984年に目を閉じました。このような
悲劇を日本国民は知らなければいけません。どうして、誰のせいで、
我々は家族を失い幸せを奪われ、人権までも無視される生涯を歩まな
ければいけなかったでしょうか。今の永住国事業もその延長線上にあ
ります。子供を同伴しての永住帰国が受け入れられないため、新たな
離散家族を生んでいるのではないですか。私は離散家族という言葉を
聞く度に怒りで身が震えてきます。1989年KBSラジオを通じて
47年ぶりに父と兄たちの消息が分かりました。別れるとき10才だ
った子供の私が白髪になってのことです。このような我々の運命につ
いて日本政府は責任を負うべきであり、精神的物理的損害賠償を行う
べきです。サハリンに残っている1世たちに対して補償することを強
く要求します。二重徴用遺族会の皆様、一日も早く問題解決できるよ
う、お願いします。
        シャフチョルスクから年金生活者の金・チョンテク

読者からの手紙「変わりつつあるマカロフ市」

 今年の8月初旬、マカロフ市を訪問し生産部門の視察を行ったイ・
パルフトジノフ知事は大変満足して帰ったようです。漁業や道路建設
部門の発展が特に感じられます。今年はオホーツク海からマスが沢山
上がってきましてマカロフ市民の食卓を豊かにしました。地元の魚缶
詰工場も生産も増加販売も増加、納税も真面目にやっているため、市
民生活は徐々に改善されています。又、州から下りた予算でマカロフ
市内の道路整備が活発に行われています。原油ガス部門の発展により
マカロフ市はよみがえっています。
                   マカロフ市・ユ・ヨンジャ 

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◆ 現代語感:「院内感染」              MK
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 最近、良く耳にする言葉のひとつになりつつある。病院で治療を受
けに行く人、入院患者、また治療する人が、いろいろな経路を通じて
病気になってしまうことを指す。最近ではSARSに感染した医師や
看護士が多く見られた。

 さてわが国にはもうひとつ「院内感染」がある。病院での「院内感
染」も深刻だが、医療関係者のたゆまない努力で、なんとか対策を立
てられているようだ。医学の進歩を信じることにしたいが、今ひとつ
の「院内感染」はあまりにも深刻。衆参両院に広がる感染症だ。顕著
な感染症に「拝金症」や「権力志向症」があり、時には「密室指向型
暗躍症」なる得体の知れないものもある。これらの「院内感染」が悪
いことには、そのワクチンがないということとともに、感染している
患者(政治家)が感染自覚症状に疎いことである。

 国民の目に触れないところで蔓延している可能性は否定できない。
そういえば先日い「院内感染」の患者が一人保釈された。「恫喝型予
算強奪症」の鈴木宗雄議員である。

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◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
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◇日本自民党、結党50周年向けて憲法改正案を策定 
                  (東亜日報8月28日)

 日本の小泉純一郎首相が自民党結党50周年にあたる05年11月
に向けて、憲法改正案をまとめる方針を明らかにし、日本再武装化を
骨子とする改憲を具体化させた。小泉首相は25日、自民党の山崎拓
幹事長と会談し、「自民党が憲法改正をどう考えているのかを明らか
にし、国民的議論を喚起する必要がある」として、改憲の準備を促し
たと日本のマスコミが26日付で報じた。(中略)急浮上する日本の
再武装化〓小泉首相は26日、波紋が広がるや、「現内閣はこれまで
の課題だけでも大変で、新しい政治課題に取り掛かる余裕がない」と
述べ、総裁選挙で再選されても任期中に憲法改正を推進しないと語っ
た。しかし、これは微妙な事案への内心をほのめかし、波紋が大きく
なるやそっと手を引く過程をくり返しながら発言内容を事実化する典
型的な「小泉式語法」というのが衆論だ

⇒ http://japanese.donga.com/
─────────────
 9・11同時多発テロからアフガン攻撃、イラク戦争など一連の「
対テロ戦争、そして今度は北朝鮮の核開発問題が、日本の右傾化に拍
車をかけているという分析。記事のなかで「これは微妙な事案への内
心をほのめかし、波紋が大きくなるやそっと手を引く過程をくり返し
ながら発言内容を事実化」する小泉手法への分析はさすが。

 アドバルーンを上げて国内はもとより各国の反応を見るという手法
は「ふるいが賢い」やり方だ。国民が己の生活に窮して政治にまで目
が届き難い今、再軍備を憲法で規定したい輩には絶好のチャンス。
 気がつけば「軍国日本が復活している」なんてことだけは・・・。

─────────────────────────────────
◆[編集長から]             Michio Katayama
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 9月に入りました。自民党の総裁選が始まります。「早川?地獄を
見てるからな」とは優勝へのマジックを12にした8月30日の阪神
タイガース・星の監督の言です。わが国も「地獄を見ている」のです
が昨今の右傾化はどうしたものでしょうか?そういえばイラクに派兵
された米群兵士の中で、上下院議員の子供が参戦しているのはたった
ひとりです。わが国もきっとそうなるのでしょうか、「その時」は。

◆朝鮮中央通信によると、北朝鮮は米国の姿勢について、「われわれ
が核放棄に応じたときのみ協議は継続されるとしている。われわれが
武装解除した後に動く、ということだ」と指摘。その上で「銃を突き
付け合った状態で、相手にこのような要求をするのは常識外れだ」と
して、米国の主張を受け入れることはできないとの立場を強調した。

⇒北京でこのほど開催された6カ国協議への北朝鮮のはじめての見解。
協議の継続が可能なのか現段階では不透明な印象を受ける。他の5カ
国は「継続への希望的観測」を流しているが。

◆どんどんわが国は右傾化している。防衛庁は来年度予算の概算要求
に、軽空母クラスの新型護衛艦(16DDH、基準排水量1万350
0トン)の建造費として契約額1164億円を計上した。

 ナチスの官僚ヘルマン・ゲーリングはこう言った。「民衆などとい
うものは、いつでも支配者の思い通りになる。・・・攻撃されるぞ!
と恐怖をあおり、平和主義者に対しては、愛国心がなく国を危険にさ
らしていると非難しておけば良い」と。

 どこか似ていないか?北朝鮮の核やテロの危機をネタにどんどん右
傾化するわが国や、イラクの大量破壊兵器の危機をネタにイラク攻撃
をしたアメリカは。
 そういえば平和主義者や日本の歴史を直視しようという人々や教科
書を「自虐主義」と決めつけ、「売国奴」とののしる昨今の風潮も同
じ。

◎先週号のメール・マガジンのこの欄で「竹田市」と書くべきところ
「武田市」と書いてしまいました。単純な変換ミスです。お詫びして
訂正します。なお今後も変換ミスなどお気づきの点があればご指摘く
ださるようお願いいたします。

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発行     2003年9月2日   No.132
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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配信          まぐまぐ配信システム         ID:0000052236
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