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タイトル:609studio No.108 現代時評:[牧歌的な社会にダイナミックな犯罪が]  2003/02/23


2003/2/25 No.108 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

  【609 Studio 】609studioメールマガジンは「現代社会
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◆現代時評:[牧歌的な社会にダイナミックな犯罪が]     ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2003年2月21日号

◆韓国新聞拾い読み:                              編集部

◆編集長から:[この1週間]

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◆現代時評 [牧歌的な社会にダイナミックな犯罪が]   ken
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◆ 毎日新聞2003.2.18  平野区のパチンコ店で店長(58)が殺害
され、売上金など約2300万円が奪われた強盗殺人事件で、店の1
階事務所に残された複数種類の足跡などから複数犯の可能性が高いこ
とが、大阪府警平野署捜査本部の調べで分かった。犯人グループは駐
車場に乗り入れた車で逃走したとみられる。重くて1人で運ぶのは難
しい硬貨入りの袋も金庫からほぼすべて持ち出されていたという。

◆神戸新聞2003.2.18 十八日午後一時十五分ごろ、明石市朝霧町一
の市道で、無職女性(74)が自宅に入ろうとしたところ、後方から近づ
いてきた男に、現金約三百五十万円などが入った手提げかばんを奪わ
れた。調べでは、男は四十歳ぐらい、約一七〇センチで中肉。紺色の
帽子をかぶり、ジーンズ姿だったという。女性は明石駅前の銀行で預
金を引き出し、電車で帰宅したところだった。同署は男が銀行から女
性をつけていた可能性もあるとみて調べている。

◆オートアスキー2002年12月13日 12日未明、神奈川県川崎市内のス
ーパー駐車場内に設置されたATM(現金自動預払機)を何者かが建
設重機で破壊していると、スーパーに隣接するマンション住民から1
10番通報があった。警察官は数分後に現場へ到着したが、犯人はA
TM筐体を持ち去ってすでに逃走していた。

◆毎日新聞2003.1. ATM破壊盗>01年の6倍に急増 ショベルカ
ーなど重機を使って無人店舗を破壊し、現金自動受払機(ATM)や
現金自動支払機(CD)を持ち去る窃盗事件が昨年、全国14都道府
県で57件発生し、前年の9件の6倍増になったことが9日、警察庁
のまとめで分かった。被害総額は約3億3500万円に上る。摘発は
4件9人だが、模倣犯も相次いでおり、金融機関なども防犯対策を急
いでいる。

■立石電機の現金自動預金支払機(ATM)開発が1978年というから
、ATMの歴史はたかだか20年に過ぎないが、その普及はめざまし
い。街のサラ金が無人貸出しと称してATMを取り入れたかと思えば、
都市銀行もコンビニ店頭にまで進出し、世はまさにATM時代だ。し
かしそれと同時に、ATM機を壊したり持ちかえったりする犯罪も急
増した。堅固に造ってあるはずのATMが、いとも簡単に破られたり
、移動させられたりするのは意外だ。ショベルカーなどの重機で壊し
、持ちかえるらしいが、まさか犯人が自分で普段使用している重機を
そのまま犯罪に使用するわけでもなかろうから、先ず重機の窃盗、も
しくは無断借用があって、次にATMの略取という段取りになるのだ
ろう。

■それにしてもあの巨大な重機を使い、ATMという堅固な、いわば
現代版の金庫を壊し、数分で移動させ、そして中の大金を奪う犯人た
ちというのはどういう人たちで、どこでそのようなダイナミックな窃
盗技術を習得したのであろうか。

 むかし映画で、ジャンギャバン扮するところの粋な男が銀行強盗を
し、奇想天外な方法で大犯罪を犯して、映画観客をして感嘆せしめ、
その男性的行動に女性をもうっとりさせたものである。いささか不謹
慎な話だが、いま流行の、重機を使用してATMを壊し現金を奪う犯
人たちと、ジャンギャバンのスクリーン姿がオーバラップして、「こ
れぞまさしく男の中の男」と、妙なところで共感を覚えたりするのも
ボク一人ではなかろう。

 もともとわが国古来の泥棒は、それがたとい義賊と称えられたにし
ろ、所詮は「ねずみ小僧」の名で呼ばれるように、身軽でこましゃく
れたコソ泥に過ぎなかった。 テレビドラマで毎日出てくる推理映画
のストーリーにしても、こせこせと悪智恵を働かす卑俗な悪党に過ぎ
ない。それと較べると、いま頃のATM略取犯人たちの行動は、段違
いにダイナミックで、ハードボイルドな感じがする事実を覆えない。
うまくいけば人を傷つけず、堂々と大型機械を操り、それでいて相手
被害者はカネに困らぬ大企業の類、零細な個人が被害に泣くことはな
いという事実を考えれば、それが刑法上の犯罪であることすら、つい
見逃しそうになる。ただしそれが人身危害を及ぼすに至らぬことが条
件であって、その範囲を越えればとうぜん凶悪犯である。

  重機ショベルを盗み、ATMをまるごと、あるいはその設置場所と
もども壊して巨額の現金を強奪する。しかもそれに要する時間がたか
だか5、6分のことであるからには、よほど計画的にして大胆、かつ
緻密な行動がとれる犯人と考えられ、智恵もあり、衆に抜きん出て大
胆、行動力のある犯人のイメージが思い浮かぶ。そんな男なら、なぜ
正常に世の中の役に立ち、社会を動かす立派な男にならなかったかと
、ボクなど惜しい思いがする。
 いま世にときめいている一流大学卒の官僚やキャリア社員に欠けて
いる行動力や「自由な発想」こそ、彼ら犯人たちがたまたま持ち合せ
た特性ともいうべく、社会のために惜しむべきである。

■重機械を利用しATMを丸ごと壊し持ちかえる行為などは、証拠が
残り、隠れてコソコソやれる犯罪ではない。とうぜん検挙率も高いと
ボクなどは思うが、事実はどっこいその反対らしい。
 統計によれば過去1年でATM略取の犯罪は6倍にもふえ、その検
挙率に至っては1割にも満たないという。なぜか。

 真偽のほどは知らぬが、関係筋から聞いたところでは、その検挙率
の低さは、事件発生後の初動が遅いのが最大の原因らしい。犯人は5
、6分以内でATMを壊し、他所へ運んでしまうのが常套だが、ベル
が鳴り、通報があってから現場へ駈け付けるには少なくとも十数分以
上を要するらしい。初動出発を速める可能性もないではないが、速く
行き過ぎて犯人と鉢合わせしようものなら、相手はとうぜん荒っぽい
連中、立ち回りで人身危害に及ぶことが多く、「たかだか金銭窃盗事
件に身体を張るほどのことはない」という潜在意識が災いし、無意識
的に初動を遅れ気味にするのだそうだ。

 凶悪犯罪だけでなく、近年あらゆる犯罪検挙率がひじょうに減って
きた原因は、ここ30年来の平和のため、警察官に昔のような張り詰
めた気風が消え、いきおいプロ意識をもった刑事なども少なくなった
そうだ。そういう時代にあって、かたやATM機(重量は平均200
キロ)をショベルカーで壊して現金を入手することに快感を覚える荒
々しい犯罪者を相手にして、平和に狎れたサラリーマン警官たちに職
務にもっと厳しくなれといっても、そうはうまくいかぬのが実情だ。

 たとい警官やガードマンといっても、家に帰ればよきパパ、よき夫
であるに変わりはない。凶悪犯の現行逮捕時はイザ知らず、壊して持
ちかえるのがATM機と現金だけであれば、たとい少々大きい金額で
あろうと、緊急出動で鉢合わせして身に危害を加えられるよりは、後
で調べて逮捕する方がより合理的であるとも言えなくはない。

■ATMや外貨自動交換機などは、日本のみならず西欧諸国ではどこ
でも街頭で見うけられる。しかし彼らが設置している場所は市中の盛
り場で、とてもショベルカーを使って壊して持ちかえれるような場所
ではない。それがわが国のばあい、日が暮れると淋しくなる場末のス
ーパーの庭先に置いてあったりすることが多い。数百万、数千万円の
大金を保管しておくATMが、人通りも減った夕暮れの軒先にポツん
と設置されている風景などというのは、日本独特の、いわば牧歌的な
風景と言ってもいいのではなかろうか。

■考えてみると、平和天国の、世界一犯罪が少ないといわれるわが日
本に特有の、無防備に近い設備や、庶民の日常習慣は呆れるほど多い
。マンションのカギが壊されたという話はしょっちゅうニュース種に
なっているが、その一方で、泥棒に入られ盗られた現金が数百万円と
いう話も枚挙にいとまがない。
 なぜそんな大金を自宅に置いておくのか。ひょっとして人に言えな
い胡散臭い現金ではなかったのか、あるいは、その間の事情を熟知し
た内輪に近い強盗の犯罪ではなかったか、などとボクらは邪推する。
なにしろ被害者が、医者やパチンコ屋や、飲食業や土建業の類である
ことが多く、そうした庶民の邪推は当たらずといえども遠からずなの
だ。まあ歯にキヌ着せずに言えば、自宅に置いて盗られた多額の現金
などの大半は、いわゆる「売上除外」と称される脱税したオカネと考
えていいだろう。

■それにしても無防備な現金の取扱いは多い。70歳過ぎた老女が数百
万円の現金を銀行からおろして、自宅へ持ちかえる途中で強盗に盗ら
れたなどというのはその典型である。その情景を想像しても、買物袋
に大金を入れた女性が、自宅の近所の垣根をとぼとぼと歩いて持ち帰
る姿などは、よき時代の日本がまだそこに残っていて、まさに牧歌的
、まさに幸せな日本、と言いたいところだが、瞬時に変化して路上の
強奪事件となる。それも時代か。

あるいは2千万円もの現金を、60歳に手が届きそうな初老の支配人
が、店が閉ったあとただ一人で、小さな事務所で保管していて盗られ
、殺されたなどというのも、いわば超安全大国日本の縮図ではなかろ
うか。被害者には気の毒なことながら、セキュリティということに関
心が薄い、牧歌的日本の姿がそこにも存在する。

◆牧歌的な日本、それはすばらしいことであった。しかしそんないい
話はいつまでも続かない。ジャンギャバン扮するところの銀行強盗や
、西部劇もどきのダイナミックな犯罪がわが国でも始まった。ショベ
ルカーでATMを、設置した軒先まで併せ壊して持ち帰る、そのよう
な犯罪が連発しだしたのである。 西部劇の凶悪犯に対抗するには、
その町随一の、腕っ節の強い男を保安官に任命することだった。いま
やそうした腕っ節の強い男ばかりを警官に採用できる時代ではない。
 サラリーマン警官と、ややひ弱なガードマンたちにとって、ダイナ
ミックな行動力を持つ新時代の犯罪者たちは、遺憾ながらまことに苦
手な相手だ。時代は変った。我々もまた、自ら守ることを心掛けねば
ならぬ世が到来したのである。

◆日々のテレビもまた、死者の大写しアップから始まる推理ドラマだ
けを日本の視聴者が好むと思っていてはいけない。アガサクリスティ
や明智先生の、じめじめした犯罪劇はもう飽き飽きした。日本でもま
た、ATMをショベルカーで持ち帰り、それでいて血一つ流さないよう
な、スリルに富んでダイナミックなアクションドラマを見せて欲しい
。派手な立ち回りを時代劇の剣戟だけに任せず、次の時代が来たこと
を想起させる新しいアクション物も必要なのだ。地下トンネルを掘り
進んで銀行の金庫を狙う、あのフランス映画の醍醐味をわがテレビ社
会でも見せてくれないものか。じめじめとして陰惨で理屈っぽいテレ
ビドラマを毎日数本も見せられる視聴者はたまったものではない、ス
カッとしてダイナミックな芝居が見たいのだ。世はそこまですでに変
わってきている。

    Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 

                 info@609studio.com   へ!

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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]  2002年2月21日号    
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com

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州中央都市、02年度事業評価

 ユジノサハリンスク市政府がさる13日、ドム・オピチェロフにて
02年度事業総評価会を開いた。部門別管理局指導者、専門家、企業
家、市民たちで会議室は満員となった。エフ・シドレンコ市長の主題
発表に続き、テ・ウムノワ財政管理局長の追加報告が行われた。二人
の報告を分析してみると、予算の不足にもかかわらず市政府は収入源
を見つけ出し一定の成果を上げている。その成果は会議場の1階に展
示された市の生産品が物語っていた。昨年ユジノサハリンスク市民一
人当たり生産高は、2年前と比べ1.3倍増加した3万400ルーブ
ルであった。会議では昨年の成果を元にして、収入源の増大に努力す
ると共に、経済発展に国内外からの投資を積極的に誘致するとの方針
を決めた。

あれこれ

熊が冬眠から目覚めた
 
本来、春まで冬眠状態であるはずのユジノサハリンスク動物園の熊母子
マスィカとワンニカが早く目覚めて話題を呼んでいる。最近、動物園の
修理のため、毎日貨物車が出入りをしているため、その騒音でゆっくり
眠れないのが原因らしい。

アルコール中毒で死亡

 ロシア連邦国家統計委員会の資料に基づいた民族アルコール協会の発
表によると、昨年11カ月間アルコール中毒による死亡者がその前年度
より5.9%も増加した3万6千299人に上ることがわかった。特に
ヤクチヤ、プリモリエ、ハバロフスク、アムール、カムチャッカ、サハ
リン州、ユダヤ人自治州、チュコトカザチ共和国などでは17.8%も
増えた。しかし西北地域は1.7%減少した。

警察からの忠告

 夜一人歩きの時は路地に入らず人の多い大通りを歩くのがいい。また
、近い距離でもお金を惜しまずバスに乗ったほうがよく、バスの中では
座っていくのが安全。また、家族が迎えに来る時は道路で待ち合わせた
方がいい。大きな金額のお金をバックに入れて歩くのは危険である。又
、財布にお金が多く入っていることを店で気付かれないようすべし。人
から覗かれるようなお金の数え方は絶対にしないこと。又、バスの中で
見知らぬ人から声をかけられたり、喧嘩を売られた時、絶対バスから降
りてはいけない。降りると仲間が跡を追ってくる恐れがある。又、泥棒
にあった時は直ぐ警察に知らせる。そうしないと犯人は捕まらない。

木材加工生産再開

 スミルヌイフのノスイノ村では木材加工工場が製品生産を再開し、初
の商品が輸出された。地元の住民50人がこの工場で働いていおり、給
料はまだ2900ルーブルしかもらえないが、将来的には生産量の増加
が対内外市場の拡大を齎し、住民の収入も増えると期待されている。最
近、この工場は新しい設備とディーゼル発電機も設置した。近々労働時
間も2交代にする予定である。

職盟の奨学金

 サハリン州職盟団体連合執行委員会が奨学金を出すことにした。対象
は高・中等教育機関の昼間学校に在学している成績優秀で職盟の加入者
であり、職盟の事業や社会奉仕活動に積極的に参加することが要求され
る。

韓国の青少年赤十字(RCY)運動

 韓国青少年赤十字誕生は6.25戦争(朝鮮戦争)と深い関係がある
。米国の青少年赤十字社団員が戦争被害者の児童たちのために数十万の
支援物資を集めたが、それを配る青少年団体がなかった故に組織された
。戦争中の1952年12月、中高生100人が釜山の幸福山にある孤
児院で初の研修を受け、その翌年3月、学校に青少年赤十字団が正式に
発足した。同年4月5日、赤十字の旗の下で団員200人が、釜山市ア
ムナム洞の野山に1万株の木を植えたのが最初の活動であった。そして
、この日が韓国青少年赤十字社の創設日となった。

各地のサハリン韓人団体代表の懇談会

 「サハリン居住韓国人支援共同事業体協定書」に基づきサハリン居住
の同胞のみが支援事業の受恵者になっていることに対してロシア大陸及
びCIS地域に住んでいるサハリン韓人たちは以前から改善の必要性を
訴えていた。それ故に13日ウラジオストク市で各地のサハリン韓人団
体の代表が集まって懇談会を開いた。モスクワやロストフ、カザフスタ
ン、ウラジオストクとサハリン、又韓国赤十字社の在外同胞担当職員、
ウラジオストク韓国領事も参加して「サハリン同胞支援事業の推進実績
と現況:地域別サハリン同胞現況とその活動」というテーマで話し合っ
た。大陸やCIS地域へ移住している元サハリン1世たちも母国訪問や
永住帰国を希望しており、極東だけでも320人が永住帰国を望んでい
ることがわかった。カザフスタンサハリン卿友会の李・チョンヒ会長に
よると、同地域には1世老人の数は少なく45年以後生まれの人が多数
を占めている。その中で永住帰国を希望しているのは15〜20人ほど
いる。韓国赤十字社の調べによると、各地の永住帰国申請者数はサハリ
ンで2249人、ハバロフスクで223人、ウラジオストクで59人、
モスクワとその周辺地域で125人、カザフスタンで50人の合計25
97人である。朴・へリョン サハリン韓人会長は「安山市のアパート
にはサハリン居住の同胞のみが入る資格がある。そこはサハリンから離
れず一生永住帰国の日だけを夢見てきた1世たちのお陰でできたもので
ある」と現状維持を強く主張した。懇談会の結果、団体代表たちは次の
ような決議文を採択した。

 『4万余のサハリン同胞を流民にしてしまった日本政府は、その政治
的法律的道徳的責任を負うべきであり、サハリン同胞には日本政府に対
する当然の請求権があることが日本政府は既に認めた。懇談会参加者た
ちは以下のような要求を日本政府に提起する。

1サハリン残留1世に個人補償せよ(一括に)
2永住帰国希望者のために韓国内に住宅建設せよ
3現地に残る人たちのためにも住宅建設をせよ
4サハリン残留韓人のために基金を作るべし(未払貯金1億8千7百万
円と簡易保険と郵便年金7千万円)
5一時母国訪問事業を続けるべく
(2003年2月13日)

連載「サハリン韓人2世:我々は誰なのか」(前号に続く)
     サハリン国立総合大学経済東洋学部韓英科教授朴・スンウィ

「又、日本の子供たちは我々を『朝鮮菜っ葉』と呼びながら蔑視しいじ
めた」(安・ミョンボク70才)私は3才だったから学校には行かず、
村の真ん中にある日本小学校のそばにあるお寺で日本人子供たちと一緒
に遊んだ。うちの家族は祖父母と両親、姉と弟の6人だった。父、朴・
トクス(1915年生まれ)は16才となった1931年姉について樺
太に来た。母はその1年後朝鮮に残っていた家族皆を連れて父を追って
サハリンに来たのである。父と母は当時朝鮮小学校を終えた知識人であ
った。少しお金が溜まったら帰国するつもりの両親は私たちが朝鮮語を
忘れないようにと家では朝鮮語で会話していた。

帰国の風
 1945年8月初、内の村人は緊張と不安の日を送っていた。国境地
帯から遠く離れていた我が村では戦争は住民生活に対して影響は及んで
いなかった。しかし、どこからか日本の敗戦の噂が流れてきてソ連軍の
進撃を恐れていた。近所には徴用で連れてこられた人やタコベヤから逃
げてきて村から数キロも離れた山の寮で隠れて暮らしている人も多かっ
た。その人たちは日本の敗戦を待っていた。しかし、鼻の大きい人々が
どんな人たちがわからず日本人よりも恐れていた。そのために村の住民
は皆避難した。日本官庁が用意してくれた貨物車に乗って私たちも小沼
(現ノヴォアレクサンドロフカ)に逃げた。しかし、もう帰国船2隻は
出発したあとだった。大泊(現コルサコフ)で3週間も船を待っていた
が結局船は二度と帰ってこなかった。後でわかったが、その船はソ連海
軍の爆撃を受けて沈没したのであった。混乱が続く中でとうとうソ連軍
が北緯50度を越えて進撃してきた。

朝鮮人虐殺事件
 ソ連軍が攻めてくるとわかった日本軍は朝鮮人を恐れていた。日本人
に蔑視を受けていた朝鮮人たちがソ連軍を喜んで迎えるだろうと思って
いた。そして、ソ連軍には朝鮮人部隊もあるとの噂が広がっていた。そ
のため、「朝鮮人はソ連軍のスパイだ。皆殺せ!」との結論となった。
当時、エロニドヴォでは金キョンベク・チョウデ父子の他16人がスパ
イ容疑で殺された(金・キョンスン証言)。又、ミズホ村(現ポザルス
コエ)では1945年8月20日〜23日まで27人の朝鮮人住民が殺
される事件もあった。刀と狩銃で武装した日本人たちは朝鮮人の家に走
り、無差別に人を殺した。ポロナイスクでは20日から5日間、工場2
2、ホテル22、病院10、事務所12、商店11、劇場4、食堂14
、洗濯所7、写真館2、お寺3、住宅825軒が全焼した。1世たちは
サハリン全域でこのような事件が起きたと推測している。コルサコフと
マカロ港でも朝鮮人を倉庫に誘引して集団虐殺を行った。1992年、
ユジノサハリンスク市ロジナ文化会館の隣に当時犠牲となった同胞たち
の慰霊碑が立てられている他、レオにドヴォとポザルスコエにも最近追
悼塔ができた。

読者からの手紙

 去る8日、マカロフ市でも旧正月を祝う集いが開かれた。貸し切った
地元のカフェに約100人のお年寄りが集まり会場は満員となった。学
生たちが金・キジャ韓国語先生の指導の元で韓国の詩や歌、劇などを披
露し大変喜ばれた他、ゲームも沢山用意されていて、午後3時に始まっ
たお祝いが夜中の11時まで続いたのである。行事のためにご協力を下
さった皆様に本当に感謝している。(マカロフの高・ソンナム)

テグの地下鉄で放火事件

 持病で悲観していた50代の男性が、テグ市の都心を通過する地下鉄
の中で、ガソリンをまいて火をつけ、死亡と行方不明者200人余、負
傷者140人を生む大惨事を起こした。放火犯・金は現在病院で手当て
を受けながら審問を受けており、テグ市の地下鉄本部と消防本部は死体
の身元確認を急いでいるが、死体が酷く焼かれているため確認にはかな
り時間がかかりそうだという。

ルゴヴォエ学校の旧正月

 2月1日、ルゴヴォエ第30中学校で旧正月を祝う行事が行われた。
民族衣装を着た学生たちが同胞たちを笑顔で迎える他、韓国語を習って
いる学生たちが多く参加し会場は満員となった。注目すべきことは行事
がすべて韓国語で進められたことである。新年を祝う詩の朗読や歌、短
幕劇などプログラム全体が面白く容易され絶賛を受けた。参加者の皆が
いい思い出を作って帰ることができた。(B班マシャ・ヴォルチェク)

ノ・ムヒョンはどんな人?

 2月25日の就任式を控えているノ・ムヒョン新大統領予定者がリー
ダーシップについての私見を整理し本を出版した。公務員或いは政治家
に求められている指導力とは何かについて海洋水産部長官時代からの体
験を中心に述べている。セコリョ新聞はその本の一部を抜粋して数回に
分けてサハリン同胞に紹介している。

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◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
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寄稿 ピョンヤンの生活      (中央日報 2月10日)

 北朝鮮社会はまた、孤立した社会だ。2001年7月、私たちが平
壌での滞在生活を始めた時、私たちは孤立の恐怖を最初に体験した。 
  平壌で、私たちと外部の世界をつないでくれるのは、私たちが持っ
てきた小型ラジオだけだった。最初の2カ月間、私たちは平壌のある
ホテルに宿泊し、ラジオでBBCニュースを聴いた。しかし、毎朝街
頭でけたたましく鳴り響く『金日成(キム・イルソン)将軍歌』によ
り、聴くこともままならなかった。 
  外の情報との断絶や国際社会に対する無知は甚だしく、それらに対
する考え方も否定的だ。住民はおろか、高位エリート階層らも、国際
社会の動きと規範には暗い。 

─────────────────────

◇この記事は北朝鮮駐在の初代英国大使を務めたジム・ホア大使の夫
人、スーザン・パレス(65)氏が、自らの平壌(ピョンヤン)滞在
記を、中央日報に送ってきた記事の一部である。

 ソウルの人がよく笑い、よい体格をしているのに比べて、ピョンヤ
ンの人々はやせているだけではなく、ガタガタの道路、暖房の聞かな
い寒い職場、停電の頻発などにより、ストレスがたまっているのであ
ろうと分析して見せた。「窮乏そのもの」という表現がある。

 また情報に関しても「2001年7月、私たちが平壌での滞在生活
を始めた時、私たちは孤立の恐怖を最初に体験した」と。情報との断
絶や国際社会に対する無知は甚だしく、それらに対する考え方も否定
的だ。住民はおろか、高位エリート階層らも、国際社会の動きと規範
には暗い。という。

 これでは正確な判断を望めまい。

→  http://japanese.joins.com/

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◆[編集長から]             Michio Katayama
─────────────────────────────────
 ものすごい人災です。テグの地下鉄事故。いや事件。一瞬何事かと
思いました。犠牲になった方々はお気の毒としかいいようがありませ
ん。

 
■■「国際協調が大事であり、日米同盟を中心に働きかけていく」と
述べ、新決議採択に向けて安保理メンバーへの働きかけを強める考え
を明らかにした。(毎日新聞)

 どなたの言だと思われる? 川口順子外相。「国際協調」の意味が
、違うのではないか。国際協調はこの場合「新国連決議採択」であり
、「米国のお先棒」を担ぐことではないと思うが・・?

◆米英系高校だけに大学入試資格を与えるという。北朝鮮の拉致問題
が原因で、当初はすべての外国系高校の学歴を認めようとした。しか
し・・・。これって「差別」以外の何者でもない。まさか「区別」と
言いくるめる?
 これじゃ、朝鮮人学校の生徒にナイフで切りつけたりする輩と同列
では?

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発行     2003年2月25日   No.108
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム         ID:0000052236
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