609studio　No.107 現代時評：[バレンタインデーのチョコレート] 2003/02/18

メルマガ：片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル：609studio　No.107 現代時評：[バレンタインデーのチョコレート] 2003/02/18

2003/2/18　No.107 ＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/ 【609 Studio 】６０９ｓｔｕｄｉｏメールマガジンは「現代社会を斬る！」をコンセプトに論説委員Ｋｅｎ氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セ・コリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記事など話題満載！＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/ 　　　　　　　　　　　609studio　ホームページの案内　　　　　　　　 ◆◇◆サハリン・ウリマル放送　配信！！◆◇◆　　サハリンの韓国語放送のソースを毎日入手！！毎日更新！！　　　　　　　　メールで「インターネット受信報告」をしていただければ　　　　製作者の励みになると思います。よろしくお願いします。　　　http://www.609studio.com/html/broadcasting/urimal.html 　　　　　　　　　　　　◆◇◆609studio 韓国語版　Kil　Sang　ホームページ◆◇◆　　　　　　　　　　http://www.609studio.com/kil_sang.html　　　　＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇609studio　ＩＮＤＥＸ◇ ◆現代時評：[バレンタインデーのチョコレート]　　　　　　ken ◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版：２００３年２月１４日号 ◆コリア・コンフィデンシャル「南北統一の費用としてなら」　　　　　　Kil Sang 　　　　 ◆韓国新聞拾い読み：　　　編集部 ◆編集長から：[この１週間] ───────────────────────────────── ◆現代時評　[バレンタインデーのチョコレート]　　　　　　ken ───────────────────────────────── ◆アサヒコム　2003.2．13　１４日のバレンタインデーを前に中央区・日本橋にある三越のチョコレート売り場に、チョコレートで描かれたモナリザの絵が登場した。　チョコレート製造・販売のメリーチョコレートが話題作りにと制作。縦７７センチ、横５３センチのモナリザの絵の実物大で、額縁に飾られている。板チョコ２００枚に相当する約２０キロのチョコが使われた。 ◆読売オンライン　2003.2.13 バレンタインデーを前に１１日、東京晴海のショッピングモール「晴海トリトン」内に、チョコレートやクッキーなどで飾り付けられた乗用車が登場した。　この車は、フォルクスーワーゲンの「ニュービートル」。菓子職人や約６０人の子どもたちが車体を約２００キロのチョコレートで塗り固め、フランスパンやカラフルな粒状のチョコレートなどで飾り付けた。 ◆共同通信　2003.2．13　ハーシーは１８９４年創業で米国ではチョコレートの代名詞的な代表ブランド。ハーシーの「身売り」は、米紙によると売却すれば金額は１００億ドルを超える。食品業界では米フィリップ・モリスのナビスコ買収以来の大型再編になる見込み。 ■去る２月１４日はバレンタインデー、つまりチョコレートの稼ぎ日だった。チョコレート協会の統計によれば、バレンタインデーのためのチョコレート売上はここ数年５２０億円前後で安定しているそうだ。日本一を誇る大阪梅田の某百貨店では、バレンタインデ－中のチョコレート売上は３億数千万円に上るという。たかがチョコレート、されど５００億円を越す大商品となったチョコレートは、デフレ不況に喘ぐ日本経済にとって、もしやりかたさえ上手であれば巨大新市場も夢ではないという見本になった。小泉さんや竹中さんも、銀行の不良債権ばかり執拗に追いまわさず、バレンタインデーのチョコレートを真似て、景気回復のための具体的方策を練って欲しい。それが近来唱えられている「市場主義」というものである。 ■バレンタインデーとは何か、その日に女性が男性にチョコレートを贈るというのは誰がし掛けた習慣か、などには諸説あるらしいが、いちいちとがめだてにも似た詮索をするのは野暮というものである。チョコレートを日本人で初めて食べたのは、伊達政宗に派遣されてスペインへ行った支倉常長だったという。もっともそのときの彼は飲み物として飲んだというから、チョコレートというよりはココアを飲んだのだろう。　つぎに日本人がチョコレートを見るのは明治３年に岩倉大使一行がフランスのリヨンでチョコレート工場を見学したときまで後になる。しかしその５年後、はやくも東京風月堂がチョコレート菓子を売り出したというから、日本の生活が洋化する速度は速かった。本格的なチョコレートの普及は大正ロマンとともにやってきた。大正７年に森永がアメリカからチョコレート製造設備を輸入し、同１５年には明治製菓がドイツから似たような設備を導入し、同じ年には神戸の白系露人モロゾフ氏がチョコレート菓子の製造販売をはじめている。 ■そのモロゾフのＰＲによれば、バレンタインデーにチョコレートを「愛の贈物」として贈ろうと、昭和１１年（１９３６年）２月１２日付け英字新聞「ジャパンアドバタイザー」に広告したという。おそらくこれが、わが国におけるバレンタインデーとチョコレートの結びつきの濫觴であろう。が、ボクらの知る限り、いまのような、いわば乱痴気騒ぎのバレンタインデーとチョコレートの癒着は昭和５０年頃までは見られなかった。　統計によればチョコレートのバレンタインデー期間中の売上は、昭和４５年に５５億円、昭和５４年に２３０億円、昭和６０年に３６０億円、そしてその７年後の平成４年に５１０億円という一応のピークを記録している。　つまりバブル経済と共に「バレンタイン・チョコ連合」もバブルを迎え、バブルが消滅したのちも、バレンタインデーにチョコレートを贈るという習慣だけは残った、ということだ。 ■しからばなぜ、そうしたバレンタインデーとチョコレートの癒着が起こり、そして続いているかというと、それにはいちおう二つの理由が考えられる。　女性から男性に向けて積極的にモノを贈るという習慣、それは我々日本人にとってはやや異様で、いままで考えられなかった。しとやかで、遠慮深く、特に異性に対してそうしたいわば「大和撫子」という言葉で表現される控えめな態度が、昭和４０年代５０年代になって急激に薄れてきたのだ。　女性の方からも積極的に男性に対してアプローチしたいという、女性にとっての潜在欲望が、バレンタインデーの贈り物という大義名分の場を得て、急速に普及し、習慣化したと考えていい。ボクのごとき老人男性たちが、髪の毛も薄くなった熟年女性から、ある日とつぜんにチョコレートの贈り物を受け取って、やや当惑を覚えたりするのを見てもそれは明かである。　恋だとか、愛だとかにもう縁が無くなった世代に、なお、そこはかとなく思い出させる昔の甘酸っぱい記憶。それを反芻して、ささやかなプレゼントするのに障害が無くなったかに見える今の時代だ。バレンタインデーという流行りに仮託して、ちょっとした贈り物をする女たちのささやかなスリルは、考えるだけでも楽しい。それこそ、いまの日本に生きている女性たちの、そして年齢を忘れて華やぎを覚えさせる、幸せなチャンスである。贈る品物は必ずしもチョコレートでなくてもいい。じじつ、バレンタインの贈り物のうち、チョコレートが占める割合は５％前後に過ぎないという統計もある。 ■だがされど、何ゆえのチョコレートブームなのか、なぜチョコレートがバレンタインデーという特定の日の贈り物として人気があるのか。それはチョコレートが、エキゾチックで、チョッピリバタ臭くて、どことなく西洋のハイカラさを秘めたケーキであればこそ、ちょうどころあいのムードと考えられるのである。少なくとも、羊羹や饅頭や、月餅などに較べて数段勝るチョコレートのハイカラな雰囲気こそ、バレンタインデーという西洋のお祭り日のギフトとしてピッタリと言えるのである。 ■チョコレートが知的で洗練された人々の間で、キラリと光る小さな贈り物として珍重されるのは、必ずしも日本だけのことではない。たとえば英国最高の温泉場として名高いイングランド中部のハロゲイト。そこには女王ご一家がお成りになる１７世紀以来の温泉もある。街中の高級アンティーク店などと並んで、いちばん目抜きの場所にファラーズというチョコレート屋がある。店先にはいつもチョコレートを求める客が並んでいて、小さな金色の小箱に入ったその店のチョコレートは、ささやかでチョット気取った贈り物としてロンドンのみならず、パリ、ニューヨークにおいても名高い。僅かに気取った紳士淑女たちが、ファラーズのチョコレートを買い求める姿はハロゲートの町の風物詩でもある。 ■デフレでどうにもならない日本、というニュースが街に溢れている。そうしたご時世につぎつぎと開店するルイビトンの豪華店舗は買物客で溢れている。日本におけるルイビトン価格をパリのそれの１、４倍の水準に置くためと称して、先だってより同社は既に数度の値上げを実施してきた。にもかかわらずルイビトン製品に対する購買意欲はぜんぜん落ちない。竹中さん小泉さんの景気回復策に大いに貢献していると言えよう。　バレンタインのチョコレートもそれと似たような立場にある。女性がチョコレートを買い、バレンタインデーに男たちへ贈っているかぎり、とにかく世は平穏だ。そしてそうした行為でバタ臭くみやびになろうとするわが女性たちのアプワード志向はしごく健全である、と言ってもいい。　聖バレンタインがどこの国の神様かなどの詮索は必要でない。誰が仕掛けたバレンタイン戦略のチョコレートブームかなども、話題にするだけ野暮だ。可憐な女性たちはただただ楽しく、ハイカラに、そして上品にチョコレートを買い、そしてチョッピリ意中の男性たちに贈るのがいい。それがすなわち平和というものであり、華やかな西欧文化を追い求める日本の、一つの理想的な在り姿ではなかろうか。　その昔、牽牛織女の七夕祭に、あるいは重陽の節句に、みやびな平安の女性たちが貴族の男たちと交わした仮託の恋の歌。それと似たあでやかな現代の相聞歌が、つまりはバレンタインデーのチョコレートと考えていい。いささか性的退廃の感も無くはないが、よき時代の、幸せな日本女性の優雅な遊びとして、まことに結構な年中行事である。　そしてチョコレートを貰ったわれわれ男性は、ホワイトデーとやらに、そのささやかなお返しとしてマシュマロでも贈ろうではないか。そうした我々の消費行動によって、日本経済が少しは回復するかも知れない。いまの時代、いたずらに激しい禁欲主義や清貧の思想は、日本経済の将来に決して良い結果を及ぼさない。 ■いままで見逃されてきた大事なことが一つある。　地球上における後発国が、先進国に認められ、対等な付き合いをしてもらうためには、その国の庶民階層に至るまでがほぼ美しく優雅に近い暮らしをしていて、これなら友人として付合いしてもいいと、相手が思ってくれることである。いくら軍事大国、経済大国になってもマナーが今一つで、付合ってもどうも感じが良くないと思われたら、いつまで経っても二流国の扱いしかしてもらえない。それは国と国との間だけでなく、個人的な友人間の付合いでも同じことがいえる。感じのいい人、感じがいい国として相手に認めてもらうためには、少々無理をしても上品で優雅なそぶりをする必要がある。そのためには、どこの国の神様であろうとセント・バレンタインというような一見ハイカラそうな神様に近づき、ちょっと気取って気のきいたチョコレートのようなお菓子を小道具に使い、年に一度は美しい女性が好ましき男性にプレゼントするという、さも現代風で優雅な慣わしを持つのはまことに結構なことである。それは月餅や老酒を手土産に媽祖や関帝廟の祭に出かけて行くよりは数等ハイカラであると先進国の人々の目には映るハズで、どちらに価値があるかなどの議論を越す、いわばセンスの問題である。せっかく経済大国になった日本であればこそ、こうした方面により気を配り、社会的にも一等国の仲間入りをさせてもらえるよう努力すべきである。そういう意味において、バレンタインデーのチョコレート配りなどはもっと評価されてもいい、とボクなどは思う。　　　Ｋｅｎ氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは　　　　　　info@609studio.com 　へ！ ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]　　２００２年２月１４日号　　　　発行　ユジノサハリンスク市　翻訳　Kil　Sang ◇詳細/写真、記事、は関連Webへ →　http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 鉄道再建スタート　　ロシア交通省ゲ・パゼエフ相がサハリン州鉄道再建設計案を承認した。昨年８月ゲ・パゼエフ相がサハリン州を訪問した際、鉄道再建を決定した。交通省が承認した設計案を基に専門家が技術経済計画案を今年の１２月末まで作成しなければいけなく、総事業費は１億５千万ルーブルである。準備作業は今年の５月３０日まで終えなければいけない。サハリン鉄道従業員たちは既にホルムスク―ネベリスク区間の線路の再建をはじめた。トマリ―ペンゼンスコエ区間の古い橋も今年中に修理される。鉄道や道路工事に必要な石や鉄など供給するため工場再建も着々と進められており、このような準備作業に３億ルーブルが必要。（サハリン州鉄道管理局プレス）カザクのデモ　「北方領土の日」取消を要求　日本では２月７日が「北方領土の日」であることを私達は知っている。７日サハリンのカザクたちはユジノサハリンスク駐在日本総領事館前で「北方領土の日」の取消を要求、クリル島がロシア領土であると強調するなどのデモを行い、決議文を日本総領事に渡すことを決議した。デモには青年社会団体のエイジンストヴォ、ロシア連邦共産党の他社会団体代表、市民が参加した。韓国語授業開講　１０日、サハリン韓国教育院にて０３年度前半期開授業の開講式が開かれた。韓国語の他、インターネットや太拳道の講習もあり、受講者は合計２７０人。開講式には朴・ヘリョンサハリン州韓人会長が出席して学生たちを励ました。ウラジオストクへ出張　２月１２日から２日間、ウラジオストクで「サハリン同胞支援事業の現況と母国訪問及び永住帰国問題について」の協議会が開かれる。会議には全ロシアに散らばっているサハリン出身韓人協会の指導者たちとサハリン州の韓人会、老人会、離散家族会の代表とセコリョ新聞社の安・チュンデ社長が参加する。マイクロバス料金値上げ　ユジノサハリンスク市政府は、今月の１７日から小型バス（マイクロバス）料金を７ルーブルから１０ルーブルへ値上げすると決定した。エトノス芸術公演　９日、芸術学校エトノスの定期公演がユジノサハリンスク市のカプリチオにて行われた。今年は韓民族班所属学生達の公演の他、北朝鮮から派遣された講師芸術家たちの公演もあって絶賛された。ナワガ漁が真最中　サハリン沿岸にナワガ群れが寄って来る。本来、ナワガ漁は１月末で終わるが、今年は強風と吹雪で作業の進行が遅く２月になっても続いている。今年は平年より２５％も漁獲量が増加した１万４千トンを目標としている。（金・ウォンベ）サハリン韓国教育院の新任金・ユンス院長との一問一答　サハリンに赴任して２カ月の金・ユンス院長（４９才）は韓国京畿道出身。中・高校教師、教育庁勤務、高校教頭を経て、奥さんと二人の息子を同伴してサハリンへ赴任。 ●お父さんも教育者だったのか。 ●父は農業を営んだ。 ●サハリン韓国教育院に派遣される前に受けた試験は。 ●教育人的資源部の選抜試験（書類、筆記、面接）を受けなければ　いけない。 ●サハリンについて、又サハリン韓人社会について知っていたか。 ●学校で習った。又、インターネットで情報を集めて勉強した。１　世たちの歴史についてよく知っている。苦難を強く乗越えた尊敬　すべき方々だと思う。 ●サハリンで受けた印象は。 ●白い雪に覆われた山、海、新鮮な空気など自然がとてもいい。 ●赴任してからの仕事は。 ●韓国語を終える仕事からスタートした。 ●トマリへ出張に行ってこられたと聞いたが。 ●トマリ第一中学校とクラスノゴルスク中学校が韓国語を教えてい　るので現況把握のために訪問した。トマリでは許・ナムフン先生　が、クラスノゴルスクではファン・ウンスン先生が精力的に母国　語教育に携わっていて感激した。道路沿いの風景が絵のように美　しかったのもとても印象に残っている。 ●仕事の目的は。 ●サハリン同胞が母国語を忘れないように、教育や支援活動を行う　ことである。 ●韓国語教師達に注文は。 ●感謝するばかりだ。先生方のおられる故にサハリン同胞が母国語　を忘れずにいられる。 ●先生の嗜好は。 ●田舎が好きだ。ここのダーチャに一度行ってみたい。きっと気に　入ると思う。あれこれ「臨時休校」　先週末ホルムスクの幼稚園と学校が臨時休校に入った。理由は一つ、暖房設備の故障が原因で、室内温度が氷点下１２度を下回るために衛生防疫センターが休校措置を決定した。隣のチェーホフ―市は１週間が経ってもボイラーの修理を終えない状態である。「空港近くに自動車給油所オープン」　ユジノサハリンスク空港近くに自動車給油所がオープンした。ここでは軽い食事や電話、フライトスケジュールなどの情報も得られるので話題を呼んでいる。この給油所は飛行機の燃料供給所「トク社」が作ったもので、サンクトペチェルブルグの専門家がデザインを担当した。「健康回復」　オハ市の低所得家庭の病弱な子供１０人（７才～１５才）が、州社会保護管理局とオハ支部の支援で、シネゴルスク休養所で２１日間勉強も受けながら治療を受けるようになった。「農業セミナー」　サハリン州農業管理局は「畜産業の総括と冬季準備」というセミナーを開催した。農業管理局優良種担当部専門家の報告の後、牛・豚・鶏の餌や生産量増加問題などを分析討議した。この３年間、サハリン州は牛乳と卵生産部門で極東をリードしている。生産量増加の潜在力はまだまだ高いと専門家は見込んでいる。「誰の責任なのか」　今年の冬、サハリン州内で熱供給問題の深刻さが鋭く指摘されている。誰の責任か、原因は何か、サハリン州住宅公共経理管理局は検事局と法律管理局との協力の下で責任を問い、取らせる法律の立案を準備中である。先月州内７地域の熱供給状況を調べた結果、コルサコフ、ウゴレゴルスク、アニワ、ドリンスク、ポロナイスク、ホルムスク、ネベリスク区域の住宅公共経理責任者たちへの起訴が決まっている。「仲間を殺人」　ウリヤノブスク市で、グルプで車の部品を盗む犯罪を繰り返していた青少年たちがいた。ある日盗んだ部品の一つが見えなくなるや仲間に疑惑を抱き、殺し、死体を燃やしてから胴体を数個に切り取って捨てる事件があった。少年たちは経済的には皆が恵まれている家庭の出身であったため、ショックを与えている。連載「サハリン韓人２世：我々は誰なのか」（前号に続く）　　　（サハリン国立大学経済東洋学部韓英科教授朴・スンウィ）　この時からすべての朝鮮人はこの命令に服従しなければいけなかった。もし逆らった場合は裁判にかけられた。（朴スホ、サハリンの朝鮮人、１９９３；クジン、極東の朝鮮人、１９９３年）朝鮮人徴用者数は３９年３３０１人、４０年２６０５人、４１年１４５１人、４２年５９４５人、４３年２８１１人合計１６１１３人である。又、４４年～４５年の間に連れて来られた人数は確かではない。３８年～４５年間合計２万人が動員されたと李・ピョンジュは主張する（南サハリンとクリル列島の日本地代、モスクワ、１９７６年）。４４年約６万人が強制重労働で苦しみ、４５年終戦直前約２万人が北海道に移住させられた。４５年ソ連軍が南サハリンを解放した後、調査した資料によると当時朝鮮人徴用者は４万５千人であった。　サハリンのニトイ村は割合住みやすい所だった。ニトイ川の下流に位置しているこの村には漁場があり、南北を走る鉄道の止まる交通便もよい所で、耕地も豊富で農業をするにもいい村だった。当時サハリンの島には鬱蒼な山林地域が多く、日本は戦争のために製紙工場をいろんな地域に建てた。ニトイ村から遠くないシスカ（現ポロナイスク市）とシリトリ（現マカロフ）にも製紙工場があった。そのため多くの朝鮮人世帯がニトイに住んでいた。朝鮮人たちは徐々にそこに根をおろし、故郷から家族をよんで一緒に暮らし始めた。子供も多くなった。しかし、子供の私達は家では朝鮮語で親と話すが、外では日本語を使わなければいけなかった。＜朝鮮学校で朝鮮語を・・・＞　日本地代の樺太には朝鮮学校は全くなかった。当時樺太には３０万余の日本人と２万７千人ほどの朝鮮人が住んでいたが、その中の１３万７００人は１５才未満の子供達が占めていた（朴・スホ）。１９０６年８月、ウラジミロブカ（現ユジノサハリンスク市区域）村に初の日本人小学校ができた。その学校には２０人の子供が通った。同年、大泊（現コルサコフ）と真岡（現ホルムスク）にも小学校ができた。１９０８年、樺太に日本天皇令が発布以後１９４０年まで１４０の小学校、１２６の中等学校が設立され、１６０４人の教師、６万１２１人の学生がいた。その他４つのギムナジヤ（帝政ロシア中等教育機関）、７つの女子ギムナジヤ、１１の中等専門学校があった。１９３９年豊原（現ユジノサハリンスク市）に師範学校ができ、７つのクラスに２３人の教師がいた。樺太に居住している少数民族のためにシスカ等に学園を設立し日本語を教えていた。１万６千５４人の朝鮮人のための学校はなかった。その上朝鮮語使用は禁止されていた（朴・スホ）。　日本は植民地政策の一環として、朝鮮人の民族精神を抹殺し、皇国臣民としての養成を教育目標としていた。１９１１年朝鮮教育令を制定して植民地下の朝鮮の教育方針と内容、行政などに基本を決めた。朝鮮教育令は天皇と日本帝国への絶対的忠誠、服従、日本国民としての義務を教えると共に、低級労働者の量産と日本文化への同化を基本精神とするものであった。特に１９３０年～４０年代には愚民化政策を強行、朝鮮語の禁止の上、創始改名といって名前を日本式に直させた。「当時私は日本学校に入学しましたが、名前も日本式のヤスダに変え、朝鮮語も全く使えず日本語で教育を受けたのでついて行くのが大変でした。」（続く）読者からの手紙　「盛大な旧暦祝い」　２月１日、クラスノゴルスクでは市韓人会主催の旧暦祝いが行われました。ファン・ウンスン韓国語教師の指導の下で、子供達が民族衣装を着て民謡や踊りを披露して大人たちを喜ばせました。参加できなかった１世老人たちには自宅を訪ねプレゼントを渡しました。とても楽しく意義ある旧正月のために協力してくださった地域の韓人会委員の皆さまと州韓人会、老人会、離散家族会の会長さんにもお礼を申し上げます。そして、クラスノゴルスクの趙・チョンヨン牧師にも心から感謝致します。　　　　　　　　（クラスノゴルスク市韓人会長朴・チョンジャ） ───────────────────────────────── ◆コリア・コンフィデンシャル「南北統一の費用としてなら」　Kil Sang ───────────────────────────────── 　外信記者や外国から里帰りした韓国人には、最近の北朝鮮の核問題を巡っての韓国内の反応はとても理解しにくいものらしい。核問題の当事者でもあり、戦争が起きたとき真っ先に攻撃を受けるであろうに、韓国政府又は国民があまりにも危機意識を持っていないように思われるそうだ。野党ハンナラ党や保守的言論社はこのような海外の見方に肩をもち、激しく与党側を批判しているが、批判の背後には金大中大統領の太陽政策に対する不満があるわけである。その時、現代（ヒョンデ）の北朝鮮への送金問題が公けになった。援軍を得たように野党は一層北朝鮮と現政権を追いつめようとしている。ハンナラ党は批判の声に拍車をかけ、マスコミが又それに一役をかっており、その影響で「北朝鮮への送金問題を徹底的に調べ真実を明らかにすべき」との世論が浮上する中で、２月１０日「文化日報」に掲載された辛口で有名な漢学者である金・ヨンウクさんの発言が大変な反響を呼んでいる。氏は「言論は民族自決に目覚めろ」という題目で、CIA、FBIによる暗殺、隠蔽、歪曲などが国家秘密となっているこの世の中で、国内世論はどうして北朝鮮への送金問題の公開を要求しているのか、強国の利害関係が複雑に絡んでいる北朝鮮との協力、統一問題において、政府が北朝鮮と裏取引をしたとして、反民族的とどうして言えるのか。ノテフ大統領がロシアに３０億ドルを渡し一銭も返してもらえなかったことには黙っていたくせに、その１０分の１を、数千倍の所得を見込んで渡したことに対しては、どうしてこんなに騒ぐのか」と一撃を放った。そして、太陽政策が朝鮮半島の緊張緩和に役に立ち、満足できるほどではないが北朝鮮も変わりつつあると評価した。　北朝鮮の最近の事情に詳しい知合いも金さんと同じことを言っていた。核問題にしても北朝鮮だけを責められない所があると。即ちブッシュ大統領が突然「悪の軸」と決め付け、約束した重油支援をうち切ったため、北朝鮮の被った被害は大きいとのことである。元々原子炉は核武器製造のためでなく、電力のためのものだったらしい。慢性的電力不足に悩まされてきた北朝鮮は将来的に石油やガスなどに比べ、コストの安くつく原子力発電所がどうしても欲しかった。又、これは自立経済を目指している北朝鮮では当然の選択だった。　政治的には北朝鮮と接触できるルーツの持たなかった韓国政府が、現代という民間企業を通じて北朝鮮との交渉を進め、韓国では唯一の北朝鮮への窓口がある現代をバックアップすることで統一への基盤作りをしていたと言える。米国の合意がなければ北朝鮮と政治的に話し合うこともできない。だから経済や民間という名目で北朝鮮との接触を密かに図っていたのである。数千万㎡の３０年間の土地利用と７つの事業の独占権を得るための費用として数億ウオンは、渡した側にも貰った側にもこれほど責められる理由がないのでは。現代の社長も金大統領も国益のためにやったと国民の理解を求めており、すべてのことを公開するのは国のために正しい選択ではないと言っている。　核問題にしても、送金問題にしても、我が国民はもう少し冷静に考える必要がある。今までのわが国が辿ってきた歴史をもう一度振り返り、この地球上で如何に難しい地域に住んでいるかを知り、国際政治や世界経済がどういった原理で動いているのかを直視しなければいけない。我が周辺国は南北統一を願っていない。このような環境のなかで統一への道は如何なるものであるかを、深く考えるべきである。 ───────────────────────────────── ◆［韓国新聞拾い読み］　　　　　　　　　　　　　　　編集部 ───────────────────────────────── ◇米国防長官「在韓米軍の縮小・再配備を協議」　　　　　　　　　　　中央日報（２月１４日）ラムズフェルド米国防長官は１３日、韓国の新政権発足後、在韓米軍の再配備と縮小問題を正式に話し合う計画だと発表した。ラムズフェルド長官は米上院軍事委員会の聴聞会で「ソウルと非武装地帯にいる在韓米軍兵力の移動案などについて、韓国の新政権と話し合いを始める」とし「再配備の過程で、在韓米軍兵力の一部が帰国する可能性がある」と話した。 →　　http://japanese.joins.com/ ──────────────── ⇒反米デモがアメリカを動かしたのか、少しだろうが韓国から米軍の撤退の可能性を示唆したわけだ。日本がその少しの撤退兵力を引き受ける可能性も否定できない。ラムズフェルド長官は「米軍の兵力輸送能力が改善されたため、在韓米軍を縮小することも可能だ」とした。「兵力輸送能力」はどこからの輸送か気にかかる。　わが国の外務省は「在韓米軍の縮小は、日本も懸念するところ」としている。対北朝鮮への懸念。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から]　　　　　　　　　　　　　Michio　Katayama ───────────────────────────────── 　この季節になりますと、日本列島は南北に長いなと感じます。ちなみに今日１６日正午の各地の気温ですが、稚内で-１．７℃ 。札幌では０．１℃。青森では４．９℃。東京５．８℃。八丈島１４℃。京都では７．３℃。ずっと飛んで鹿児島では１４．５℃ となって、沖縄の那覇では２１．６℃。与那国ではなんと２４．８℃です。 ■■断片的に次のような情報が今週は次々と・・・。 ☆「テポドン２号アメリカ本土到達可能」とＣＩＡ長官発言。米公聴会で（１２日） ⇒アメリカだけが脅威にさらされているわけではないだろうに。やはり相当「狙われる危険」があるのだろう。 ☆米英で「テロの脅威」で厳戒態勢（１３日） ⇒極まった「脅威論」ゆっくりハンバーガーやフィッシュ・チップス喰ってる場合と違うぞ？！これは。 ☆北朝鮮核問題、安保理付託を決議」ＩＡＥＡ理事会で（１２日） ⇒アメリカのためのＩＡＥＡ，そして国連も・・・。 ◆米国のイラク攻撃に反対する集会やデモが１５日、世界各地であった。時差に従って、日本やアジア諸国から始まった反戦の輪は、ロンドン、パリ、ローマなど欧州各都市での大規模な行動へと広がり、ニューヨークの国連本部前などで集会が開かれる米国にまでつながる。英メディアによると、計６０カ国、６００都市で約１０００万人が参加し、６０年代のベトナム戦争時を上回る規模になる見込みという。（朝日新聞）　http://uu01.asahi.com/international/update/0215/020.html ⇒インターネットでも反戦の署名運動などが盛んに。筆者の下にも以下のようなメールが。しかし国連が署名活動を行っているとは、疑問と言うか・・・。 The US is about to dictate that a war take place. We are currently undergoing a worldwide imbalance that could [at worst] lead to a third world war. If you are also against this threat, the UN is now collecting signatures to try to prevent this tragedy. Please copy this e-mail into a new one, add your name to the end, and send it to everyone you know. If you receive the list with more than 600 names please send a copy to: United Nations mailto: inquiries@un.org ◆□◆またアメリカからの報道によると、米国のイラク攻撃に反対するデモは１５日、ニューヨークでも行われ、主催者の推定で２０万人、警察の推定で１０万人が参加した。警察が厳戒態勢を敷く中、デモ参加者は国連本部近くの通りを埋め尽くし、武力行使への反対を訴えたという。１６日には大阪でも環状線で無言のデモが。 ⇒さて小泉さん、そして読者の皆さん、あなたはどうされますか？＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/ 発行　　　　　２００３年２月１８日　　　No.１０７編集・発行　　609studio 　　Michio Katayama 発行　　　　　毎週火曜日　　購読料無料配信まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail info@609studio.com website 　　　http://www.609studio.com 投稿　　　　 http://www.609studio.com　掲示板へ購読購読解除は websiteへ　　　　　　　　　　　◇禁・無断転載◇ ＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿//＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/＿/

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。