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タイトル:609studio No.106 現代時評:[コロンビア号の死者7人]  2003/02/11


2003/2/11 No.106 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

【609 Studio 】609studioメールマガジンは「現代社会
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          ◇609studio INDEX◇ 

◆現代時評:[コロンビア号の死者7人]        ken

◆セ・コリョ新聞ダイジェスト版:2003年2月7日号
                                         
◆韓国新聞拾い読み:                                編集部

◆編集長から:[この1週間]
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◆現代時評 [コロンビア号の死者7人]         ken
─────────────────────────────────
◆毎日新聞 2003-02-05  米テキサス州ヒューストンのジョンソン
宇宙センターで4日、スペースシャトル「コロンビア」の空中分解
事故で死亡した乗員7人の合同追悼式が行われ、ブッシュ大統領は
「米国の宇宙計画はこれからも続く」と明言、今後もシャトル打ち
上げを継続することを確認した。 大統領は「われわれは今回の悲
劇だけでなく、7人の乗員の偉大な功績をいつまでも忘れない」と
哀悼の意を表明した。 
 
◆産経新聞 2003-2-3  小泉純一郎首相は二日、ブッシュ米大統
領に「人類の進歩のために勇敢に任務に当たられた宇宙飛行士の方
々のご冥福を祈り、ご家族の皆様、米国の皆様に心よりお悔やみ申
し上げる」とのメッセージを送った。
 
◆読売オンライン2003.2.3  NASAジョンソン宇宙センター
正門前には数百人の市民が訪れ、献花などをして、亡くなった飛行
士7人を追悼した。正門の石碑前には、この日朝から市民たちが静
かな列を作り、バラの花束や飛行士の写真、「勇気をたたえます」
などと書いたメッセージを次々と置いていった。

■ボクの理解を超えることがある。米国のいわゆる「宇宙計画」と
、それに追随する日本などの「国際宇宙ステーション」の建設目的
だ。いま試みに「宇宙開発事業団」のネットで、現に行っている研
究を調べてみると、筑波大学の「蒸気拡散法におけるタンパク質結
晶化条件と結晶品質との関連性に関する研究」から、メダカの発生
に至るまでの数種類が挙げられている。メダカは子供たちへのサー
ビスとしても、タンパク質結晶化云々以下の研究テーマなるものに
、取り立てて言うほどの重要性、緊急性があるとは思えない。
 「どうせタダなら、研究機会として相乗りしてみよう」といった
ふうな意図が研究者の間で見え見えだ。(国であれ民間であれ、年
間数百億円を投じるような大設備プロジェクトに、子供向けのメダ
カ発生の研究という悠長なものを付け加えているのには、そうした
背景があってのことと断定していいのではないか。)

■いま米国だけでも年間2兆円近い資金を「宇宙計画」に投じてい
るが、米国であれ日本であれ、関係者が公式に表明している「宇宙
開発」の目的では、「科学技術をより一層進歩させ、地上の生活や
産業に役立てる」といったふうな、抽象かつ曖昧な美文に終始して
いて、投入している膨大な資金に見合っているとは考え難い。
 日本は国際宇宙ステーションの実験室「きぼう」を建設中で、そ
の総開発予算に3250億円を計上しているが、はたしてそれだけ
の金額を注ぎ込むほどの確固たる目的およびコスト意識を関係者
が持っているかとなると大いに疑問である。

 思い返すとその昔、米国とソ連が地球上における覇権争いのため
月の世界への一番乗りを争ったころ,次々と宇宙への夢のような計
画をぶち上げ、それが見境い無く、止めども無く、今日の国際宇宙
ステーション建設にまで膨れたのではなかろうか。歌舞伎舞台で、
髭の意休と花川戸の助六が男伊達を競うが如く、当時は米ソ両国が
宇宙への桧舞台で男伊達を競ったものである。
 本当はソ連が崩壊し、米国が世界のヘゲモニーを握った時点で、
いわゆる宇宙計画なるものを中止すべきでなかったろうか。いまや
米国のみならず、日本もロシアもドイツも、宇宙ステーション計画
に参加している国々は軒並みに財政赤字で苦しんでいて昔日の覇気
はない。そうでなくても地球の汚染問題など、緊急処置を要するも
のが目の前に山積しており、その解決のメドすら立たぬこの頃であ
る。大気圏外の宇宙開発などに関るより先に、みずからの足元、つ
まり地球の現在をナンとかしなければならない時代であることは見
え透いている。最近はさすがに声を潜めたが、つい先ごろまでは「
地球廃棄物の棄て場所としての宇宙」とか、「地球が飽和状態にな
ったときの宇宙移住計画」とかが、宇宙開発の目的として声高に論
ぜられたものだ。

■米国は年間155億ドルを宇宙計画に支出しているというが、も
しそのカネをそっくりCO2削減計画に投じてくれたら、彼らは京
都議定書にも従えるのではないか。ロシアも、身のほど無くもソユ
ーズなどで宇宙ステーション計画に参加せず、せめてその力で、シ
ベリア沖に投げ捨てている核廃棄物の正しい処置をしてくれたらど
うか、というのはボクらが考える常識である。それを、昔の覇権争
いを延長したまま、宇宙開発に血道を上げているいまの状態は頷け
ない。

■そしてその当然すぎる結果として、いつかは起こるべき人命損傷
が今回起こったのだ。鉄道やバスが出来てもう久しい。その鉄道に
しろバスにしろ、人命事故はいまなお日常茶飯事に起こっている。
 温泉行きバスが谷間に落ち、列車が脱線し衝突するのはいまなお
続いている。航空機の墜落事故に至ってはいまやニュース性すら希
薄である。それを承知で人々はバスに乗り、汽車に乗り、飛行機で
旅する。所詮は命を落とす確率が少ないからという人間の油断によ
る需要だ。
 それがまして、宇宙という空気の無いところへ旅するコロンビア
号やソユーズに事故が無いなどと考える方がおかしい。 一歩大気
圏外へ出ると、剥離した数枚のセラミック耐熱板すら修復できない
スペースシャトルに乗って、地球の外へ出、それでいままであまり
事故が無かったというのは、考えてみると僥倖に過ぎなかった。南
極探検の橇や、サハラ砂漠を一人旅する、いわゆる冒険家と称する
人たちと較べて、それを上回る楽天家というべき人たちが宇宙飛行
士ではないのか。
 彼らは決して、科学の進歩に貢献しようという崇高な心で宇宙飛
行士になったと考え難い。戦争中の特攻隊員が国のため身を捨てた
ような忠誠心を持ち合わせているとも思えない。無用心な楽天的政
府と、ほんのチョットした好奇心的冒険でコロンビア号に乗った若
者たちの間の出来事が、今回のコロンビア号の悲劇を起こしたのだ
。 軽率な政治家たちと、「宇宙飛行士」という派手な職業を選ん
だ若者たちの両者が、危険性を過小評価したのに起因する事故では
ないのか。

■ところがブッシュさんも小泉さんも、彼ら青年たちがまるで科学
進歩のために身を捧げた崇高な殉職者であるように今になって称え
ている。むかし、戦死した特攻隊員を、ときの東条首相がが誉め称
えたのと同じパターンである。
 死者への冒涜は慎むべきだが、ボクの友人のおおぜいは戦死し、
靖国神社に祭られている。が、いまから考えると彼らの死は無用の
死であった。
 このたび、7人の宇宙飛行士が亡くなったのも同じことだ。彼ら
若者たちを犬死に近い死に至らしめた根本原因は、一見壮大に見え
て、それでいていま取りたてて重要な人類のための事業でもなく、
単に冷戦時代にやりかけた仕事をやや盲目的に継続したブッシュ、
小泉、プーチンら政治家たちの軽率な行為の帰結である。
 そしておそらく、彼ら政治家たちは事故発生をチャンスとして、
自分たちの責任に思い至ったからこそ、美麗字句を並べて追悼式典
をやろうとしているらしい。今回の事故をきっかけにして宇宙開発
なるものを中止しようとするかとボクは思ったが、どうやらそうで
はなく、さらにカネを入れ揚げようとしているらしい。理由はどう
にでもなる、彼ら政治家は過去のいきさつと体面に拘って、中止す
るつもりが無いと見た。

■年間で米国だけで2兆円も支出する宇宙での大プロジェクトのこ
とだ。たった7人の死者というのは驚くべく少ない犠牲者であって
、宇宙開発事業が地球上におけるいかなる土木事業、いかなる建設
事業にも増して、未来永遠に続く人命事故の連続でがあることは容
易に想像がつき、それはいままでの鉄道や航空機事故の比ではない
。まっとうな人間が考えたら、もうこの辺りで宇宙開発ということ
など止めるべき、というのがなぜブッシュさんや小泉さんに分から
ないのか。ボクなど歯がゆい限りである。お為ごかしのための死者
7人の追悼式などして欲しくない。
たった7人のために盛大な追悼式をやるくらいなら、その前に何万
人、何十万人と、理由も無く殺されていったアフガンの無辜の民た
ちのことを考えて欲しい。
 彼ら宇宙飛行士7人は、死ぬかも知れない職場にみずから志願し
ていった職業上の死であり、いわば「葉隠れ」で言う「武士道とは
死ぬことなりと見つけたり」に近い職業に自ら身を投じたのだった
。とうぜん、それに見合うべき給料も取っていたであろうし、死ね
ば高額の弔慰金も貰える。 
 しかし、何の罪もなく、ある日とつぜんの空爆で亡くなった無辜
の住民たち。たとえばそれが軍事ポイントへの空爆とは言えず、日
常生活者としての市民たち30万人が空襲を受け、死んでいった第
二次大戦末期の日本人に思いを馳せるにしろ、あるいはアフガン数
十万の、米軍誤爆による死者たちにしろ、彼らは予期せず、意図せ
ず、そして交通事故のごとく理由もなく死んでいって、弔慰金はお
ろか治療さえ受けられなかったつい先日の哀れな事実を思い起こす
べきだ。さらには、いまブッシュ氏が主張しているイラク空爆が行
われれば、サダムフセイン政府を倒す代償として何万人かの無辜の
イラク国民が死ぬことになるのである。おそらく米国にはイラク侵
攻のための正義があろうし、ボクはそれを否定すべき理由を持ち合
わせていない。ただ言えることは、もし48時間に3000発のミサ
イルを打ち込めば、戦争に関係無くぐうぜんそこに居合わせた無辜
の民何万人かが流れ弾に当たって死んでいくという事実である。
 大統領の出席まで仰ぎ、異国の首相から弔電を貰う7人の追悼式
に較べて、ある日とつぜんに無関係な戦争に巻き込まれて死ぬ何万
人の、その不公平さをこそ思え。同じ人間として生まれて、死ぬこ
とについてそれほどの差をつけられる根拠がいったいどこにあると
いうのだ。
 ブッシュ氏あてに7人のための弔電を打った小泉首相は、いった
いその辺りのことをどう考えているのであろうか。

■断っておくがボクは「宇宙開発」なるものを未来永劫に止めてし
まえと言っているわけではない。
 すべてがうまくいって、わが能力に胸が高鳴る思いがする、それ
が「帝王道徳」である、とニーチェは言った。何か壮大な理想に向
かって足を進める。それは人間のロマンティシズムの発露であって
、結構なこと美しい行為であると言ってもよい。しかしそのために
は、まず目先の懸案をすべて片付けて、すっきりした我々の社会が
形成される必要がある。 CO2の問題を片付け、いま困っている
産業および民需廃棄物を完璧に近いところまで処理する技術が出来
、さらには核廃棄物を完全に解体処置しうるようになった暁には、
宇宙開発という人間の未知へのチャレンジが行われてもいい。ボク
はそれを支持するに吝かではない。 しかしいまの人類は争いに明
け暮れ、ひょっとすると地球そのものをわれ等自身で壊滅させるか
もしれない瀬戸際に立っている。 たとい宇宙開発で、地球から逃
れ出られると仮定しても、母なる地球を無くしてしまっては元も子
もないのだ。いまは専心地球内部を固めるときであって、その間、
宇宙開発などお預けにしておけ、と言っているだけである。

 本末前後を忘れてはいけない。数万人の無辜の民が死ぬ危機を目
前にして、それを後回しにし、たった7人の、死ぬのが職業とも言
えなくはない冒険家たちの追悼を派手にやることに、ボクはどうし
ても同調できない。
まして、急ぐべき地球上の緊急問題を疎かにしたまま、遠い将来の
夢としての宇宙開発などは、とにかく、いまは中止すべきときであ
る。 
   Ken氏もしくは現代時評へのご意見、ご要望などは 
                 info@609studio.com   へ!
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]   2002年2月7日号    
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com
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小ビジネスの発展のために

 3日、ハバロフスクで開かれたカ・プリコブスキーロシア極東地
域大統領全権代表主催の会議で極東地域知事は小ビジネス発展問題
について検討した。極東がロシア中央から遠く離れており、交通網
が悪く電気代の値上げが続く中で小規模のビジネスが困難に直面し
ている。このようは客観的な要因の他に地方政府、統制機関による
官僚主義などが小ビジネス発展に大きな障害となっている。カ・プ
リコブスキーさんも地方政府の一部公務員が小ビジネス発展にブレ
ーキをかけていると述べながら、2002年連邦会議宛てプーチン
大統領の教書の中に「国家は経済的自由の発展のために環境調整の
責任がある」と明確にしていると指摘した。イ・パルフトジノフ 
サハリン州知事は、極東の小ビジネスは発展しており今後も間違い
なく発展を続ける。しかし中央に比べ発展のテンポが遅い。また交
通システムの未発達や運送費の値上げなどが障害要因となっている
のは確かだと確言した。州知事は漁業を主な地場産業としているプ
リモリエ、カムチャッカ、サハリンの水産業発展を、中央の一部の
省が妨害しているとも指摘した。会議ではもう一度会議を開くこと
にして決定書採択を見送って閉会した。
(サハリン州政府プレスセンター)

思い出は永遠

 先週土曜日、ユジノサハリンスク市にあるオクチャブリ映画館に
て、スタリングラド戦闘記念日を迎えてのサハリン州知事と戦争及
び労働老兵との恒例面会が行われた。戦場から遠く離れたサハリン
からも49人が参戦した。老兵会議で選ばれて2人はヴォゴグラド
の慶祝会議に招待され出発した。戦闘記念日のメダルが制定され、
その10個が既にサハリン州に送られていた。州知事は面会場で参
加者たちに記念メダルを渡した。サハリン州名誉公民という称号が
州職盟評議会のニコライソトフ委員長と偉大なる祖国戦争老兵会の
ヴェ・ピラトフ会長に送られた。

初の調整相談会

 州議会の法律立法及び対外連絡担当常設委員会で、国際問題では
初の調整相談会会議を開いた。エス・ポノマリョフ委員長が司会し
た本会で組織問題が解決され、社会連合代表たち、サハリン州国際
及び地域間連絡委員会の公務員からなる調整相談会のメンバーが検
討された。本相談会の公務員としてはユジノサハリンスク駐在ロシ
ア外務省代表エス・カストルノフさんは連邦守備勤務者、税関、旅
券ビザ発行関係公務員、サハリンルイブヴォド水産業代表らも加入
させたいと提案した。

緊密な協調下で

 昨年の夏、イ・パルフトジノフサハリン州知事は情報グループの
成立を命令した。グループの指導者らは主に州管理局の局長或いは
第1次長を任命した。これはサハリン及びクリルの社会経済発展過
程についての情報を完璧に住民たちに広報するためであった。昨年
、情報グループは州内全ての地方で150回に及ぶ面会を行い、合
計3500人に会っている。

乗客の便利をはかるために

 ユジノサハリンスク空港のア・ロブキン支配人によると、今年中
に空港に2階建ての附属建物が増築される。一階にはカフェ、ゲー
ムセンター、貨物運搬用の装置ルームが入り、二階には空港事務所
が置かれる計画である。

貧しい人たちのために

 最近、サハリン州議員たちが貧しい人々のために古着と寄付金を
集める運動を行っている。集めた衣類と資金はサハリン赤十字社に
送る予定であるとのこと。

州知事からのプレゼント

 先週末、サハリン州知事はゴルノザヴォドスク市を訪れた。ここ
は熱供給問題が数年間未解決のままである。知事は現場を視察した
後、添付的支援金は割当てるが暖房季節に充分備えられなかった張
本人に責任を負うべきだと述べた。訪問の際、知事は地域学校にビ
デオカメラとサッカーとバスケットボールをプレゼントした。現在
サハリンの学校にスポーツ用具を提供するため、10万ドルの予算
が策定されていると専門家たちは伝えた。

外国人もロシア年金を

 ロシアで働く外国人もロシア年金を貰える。今年1月1日から徴
税法修正が行われ、ロシアに短長期間居住する外国人がロシア連邦
ファンドに年金保険に加入すると国内人と同様の地位を与えられる。

あれこれ

「詩人との対話」
 
先週、トマリ市で詩人許・ナムニョンさんとその息子セルゲイさん
が地域住民との対話の時間を設けた。許さんはサハリンのみならず
極東、韓国、米国にも名前の知られた有名な詩人である。許さんは
ギターを弾きながら詩と歌を歌った。そして創作活動について話し
た。許さんは多数の詩集を出版しており現在も新しい本を準備中で
ある。

「教師コンクール」
 
ユジノサハリンスク第2ギムナジヤ講堂で「2003年市教師称号
コンクール」が始まった。2週間のコンクールに13人の教師が参
加しており発表は今月の20日予定されている。

「米国移民100年史出版」
 
昨年12月5日米国LAで韓米同胞財団と移民100周年記念事業会
主催の「米国韓人移民100年史」の出版会が開かれた。48人が
3年かけて作ったこの本は、初期韓人移民史、主題別・地域別韓人
移民史、韓人社会100年日誌など、移民歴史関係出版物の中で内
容が最も広範囲で詳しいと評価されている。

「サハリン州の最低生活費」

サハリン州における最低生活費についての州法第4条により、州政
府は今年の1月22日次のような決定を採択した。即ち一般住民の
最低生活費は3.351ルーブル、労働能力のある住民は3,57
2ルーブル、年金生活者2,500ルーブル、子供3,208ルー
ブルに決めた。上のような決定を州政府及び議会機関紙のグベルン
スキエ・ヴォドモスチに掲載した。

「凍傷で手足切断」
 
先月ポロナイスク地域の病院に凍傷で8人が入院した。彼らは酒に
酔って外で寝ていたため凍傷になったが、全員が手足を切断した。

「恋人が泥棒」

 先月の31日、ユジノサハリンスク市内に位置するアパートに住
む女性から家に泥棒が入り貴金属やお金など貴重品を盗まれたとの
通報があった。警察の調べによると同居していた20才の青年が犯
人だった。犯人は彼女の財産を持ちホルムスクで大陸の実家に戻ろ
うとしたところで逮捕された。犯人は軍服務のために2年間サハリ
ンに滞在していたがこれから暫くはサハリンの監獄に滞在するはめ
になった。

連載「サハリン韓人2世:我々は誰なのか」(前号に続く)

   サハリン総合大学経済東洋学部韓英科教授 朴・スンウィ

●木材や石炭、石油など資源の豊富なサハリンで朝鮮人たちは鉄道
敷設、伐木場、炭鉱或いは軍基地建設などに動員された。父親は1
8才の時、日本人がお金を稼げるとの誘いに騙されサハリンに来た
と聞いた。(李・チュンヒョン、済州島出身)
●「私が19才の時、樺太に来ました。当時祖国は日本の植民地と
なり祖国はあってもないもの同じで簡単な農機具一つも作れない経
済状況でした」と、ヤン・テヨンさん(80才、ノヴォアレクサン
ドロフスク老人会副会長)は、2000年9月30日韓国在外同胞
財団主催の発表会で証言した。
●1938年、父は日本政府の徴用命令で故郷に家族を残し一人で
樺太北ナヨシのトヨハダ炭鉱に連れて来られた。酷寒の異国で炭鉱
労働者として重労働を強いられた。祖国では5人の子を母一人が食
べさせていた。父のいない暮らしは貧しさそのものであった。19
39年、母は一人では生計を立てることができず父のいる樺太に5
人の子供を連れて追ってきた。我が家族の悲しい樺太定着の始まり
だった。(安・ミョンボク、70才)
●1945年2月18日、徴用で連れて来られた。18才だった。
ムンギョンからテグ、釜山、下関、小樽を経由して樺太ナイホロ炭
山に到着したが、若すぎると炭鉱で受け入れてもらえなかった。(
趙・チョング、74才、州韓人会特別委員)

 これは募集や徴用で連れて来られた1世たちの悲惨な歴史の本の
一例にすぎない。我が民族は何処に住んでいても逆境を乗越え強く
生きる。1996年8月16日、ユジノサハリンスク市のロジナ文
化会館で光復51周年慶祝第一回露韓国際学術会議で、当時セ・コ
リョ新聞社副社長李・ハンピョさんは1世たちの強制連行の歴史に
ついて話した。李さんは悲惨な1世たちの生活、戦後の日本人によ
る朝鮮人集団虐殺事件も紹介した。又、1世たちの希望は余生を祖
国で送ることであり、そのためにロシア・日本・韓国の3カ国が一
日も早く積極的に問題解決に挑むべきであると強調した。
 1910年日本の朝鮮合併を機に朝鮮総督府が設置され植民地統
治が本格化した。日本は外交内政軍事の支配、土地掠奪、習慣や歴
史、言語、名前までも奪うなど民族文化を剥奪した。1930年以
後、対外侵略のための動員強行、総督府は人権や自由などを無視し
て大々的な強制連行を行った。38年国家総動員令が、翌年には国
民職業労力申告令と国民徴用令が公布された。40年朝鮮総督府は
朝鮮職業紹介所令、44年には9月徴用令を出し多くの朝鮮人を樺
太に送った。朴・スホ、クージン、サハリン州古文書館の資料を整
理してみると、樺太への朝鮮人連行は3段階に分けることができる
。第一段階(募集)は1939年9月〜42年2月まで。日本企業
家が地方官吏たちの支援の下で若い朝鮮人労働者を募集した時期で
ある。志願という形を取っていたが実情は違う。日本の統治政策は
朝鮮農民たちの困窮に導き、契約募集という甘語に騙した。募集を
拒否した場合、要注意人物リストに載る。募集条件も嘘ついた。第
二段階(国家の組織的募集)42年2月〜44年9月まで。当時設
立された朝鮮労働協会が樺太への強制募集を実施した時期である。
第3段階(徴用)は44年9月〜45年8月まで。1939年制定
された日本国内の国民徴用令が44年9月から朝鮮にも適用された
 。                                             (続く)

旧正月にサハリン・アリラン最優秀作発表

 2日、ユジノサハリンスク第9東洋語文学校にて旧正月を祝う催
しが盛大に行われた。学校の食堂は直ぐに満席となり、数時間も立
っていた人も少なくなかった。韓人社会の団体代表らは勿論、ユジ
ノサハリンスク市長と副市長も出席し、サハリンマスコミ各社も取
材に訪れた。エトノス芸術学校の生徒さんたちは民族衣装を着て新
年挨拶をして1世老人たちを喜ばせた。ユジノサハリンスク市老人
会のシム・チョンシク会長とノヴォアレクサンドロブスクに住むチ
ェ・オクナムお婆さんが子供達にお年玉を配った。
又、ここで本紙募集のサハリン・アリラン歌詞コンクールの結果発
表をも行った。安社長は新年挨拶の後、以下のように審査経緯を簡
単に説明した。

「約3カ月間の応募期間中、20作品の申し込みがあり、応募者全
員が1世だった。日本の大阪から在日3世の李・サンミさんからの
応募もあった。28日の審査の結果を州韓人会と離散家族会、韓国
語教員会の会長さんたちの承認を得て発表するに至った。
最優秀作(賞金3千ルブール セ・コリョ提供)に輝いたのは、ユ
ジノサハリンスク市民鄭・テシクさんの作品、優秀賞(1千ルーブ
ル、朴ヘリョン会長提供)はユジノサハリンスク市民金・ジュボン
、奨励賞(5百ルーブル金ミョンヨル離散会長提供)にはホムトヴ
ォ部落に住むシン・ヨンファンさん。70才を越えたお婆さんから
の応募もあった。しかし、残念ながら内容は良かったが、リズムが
合わなくて採択されなかったが残念賞として韓国のカレンダーが送
られた。採択された最優秀作の歌詞に早速、司会を努めていたサハ
リン芸能団長のユ・トンシクさんが曲を当て歌った。サハリン・ア
リランをはじめて耳にした皆さんは拍手で歓迎した。サハリン・ア
リランの歌詞は次の通りである。

                 ◎サハリン・アリラン◎
                         朝鮮民謡
                     作詞 鄭・テシク
1.アリランアリランアラリヨ、アリランコゲル ノモガンダ
(アリラン峠を越えていく)。
プンパ サナウン パダヲ コンノ ハンマヌン ナンファテ チ
ンヨン ワッネ。  
(風波荒い海を渡って、恨の多い南樺太に徴用で来たね)
2.アリランアリランアラリヨ、アリランコゲル ノモガンダ。
チョルマク チャンビョクン ノパマンガゴ チョンギョウン コ
ヒャンギル マッヨンハダ。
(鉄の壁は高くなるばかり、恋しい故郷への道は遠ざかる)
3.アリランアリランアラリヨ、アリランコゲル ノモガンダ。
チョンチ ケバンフ ヘッピツン パッゴ ウリエ サリメン キ
ョンサガ マンダ。(政治開放後、太陽は姿を見せ、私達の暮らし
には良いことが多い)
4.アリランアリランアラリヨ、アリラン峠を越えていく。
ナルー ポリゴ カシヌン ニムン シムリド モッガソ パルピ
ョンナンダ(私を捨てて行く貴方は十里も行けず足が痛む)

─────────────────────────────────
◆[韓国新聞拾い読み]               編集部
─────────────────────────────────
◇「日本が朝鮮人を強制移民」資料を確認(2月2日朝鮮日報) 

日本の植民地時代に朝鮮総督府が朝鮮人1266人を「農業移民」
という名目で強制徴用して南洋群島に送り込んでいたことが明らか
になった。 この事実は行政自治部の政府記録保存所(李在忠(イ
・ジェチュン)所長)が、当時の記録を収集して2日に発行した『
南洋農業移民関係綴』、『南洋行労動者名簿』で明らかにされてい
る。
 南洋群島とは現在のミクロネシアの一部を総称するもので、第1
次世界大戦当時の1914年に日本が占領して軍政を実施し、19
22年に南洋庁を設置した。これらの資料によれば、朝鮮総督府と
南洋庁は南洋群島でキャッサバとサトウキビを栽培していた豊南産
業株式会社、南洋興発株式会社に朝鮮人を斡旋、1939〜40年
の2年間で合計13回にわたって1266人を移民者として送った
。 記録にある「移民選定方針」によれば、「心身共に健康で永住
の意志があり、農業に従事している満18歳以上40歳以下の男子
とその家族」とあり、集団農場の日当は一日12時間労働で男性は
1ウォン30チョン、女性は85チョンの賃金だった記録されてい
る。ソウル大学のシン・ヨンハ教授(社会学)は「中日戦争以後か
ら太平洋戦争の間は、官が“斡旋”して企業に動員され、太平洋戦
争以後には行政機関が直接令状を出す形の、労動力の強制動員が支
配的だった」とし、「今回の文書発見は1000人以上の大規模な
資料が発見されたという点で貴重」と述べた。 一方、こうした内
容が記録された資料の内容は、政府記録保存所のホームページ
(www.archives.go.kr/サービス/記録保存所刊行物/解除集)で
閲覧できる。

→  http://japanese.chosun.com/
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⇒続々と出てくる?旧悪の証拠資料。その資料の存在を否定して、
隠蔽を図ろうとするわが国の政治の醜さは、「アジアのリーダー」
たらんとするわが国の足を引っ張っていることに気がつかなければ
ならない。給与・賃金は支払われたのか。サハリンでは炭鉱労働者
の賃金や預貯金が支払われていないケースも多々あった。
 こんなニュースに接するたびに思うのだが、ユダヤ人に対する迫
害、ナチの暴挙に関する映画など多く、いまだに製作されているが
わが国ではあまり見かけない。この資料も韓国が発掘した!!
 
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◆[編集長から]             Michio Katayama
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 三寒四温の季節です。暖かい日が続いていますが、急に寒くなる
とか。インフルエンザもまだまだ流行っているようです。それにま
た花粉症の季節・・・!なんだかあわただしい春ですね。御身大切
に!
 国会では論戦が繰り広げられています。小泉首相は原稿棒読みの
答弁で逃げの姿勢です。

 サハリン・アリランができました。近いうちにサハリン・ウリマ
ル放送ででも流されると思います。お楽しみに・・。


■■「自民党をぶっ壊す」と宣言した首相が、壊すどころか抵抗勢
力と妥協していることが改革が進まない原因だと国民に見透かされ
ている。「くじけるな」と国民に説教する資格が首相にあるとは思
えない。(北海道新聞)

⇒ノーベル生を受賞したお二人や「千と千尋の・・・」という映画
などを例にあげてもらっても、ピンとこないわな。我々庶民には。
 「うちの隣のおっちゃんが・・」というような身近な例は、リス
トラだの、会社倒産だの暗いニュースばっかり・・・。住んでる世
界が違うのかしら?同じ日本でも・・・。

◆1962年10月のキューバ危機を思い出す。5日のアメリカの
パウエル氏の演説。しかしキューバ危機ではケネディ大統領(当時)
は、その後の演説で「アメリカとその同盟国、およびソ連とその同
盟国は共に、真の公正な平和の確立と軍拡の停止に、相互に大きな
利害を持つているのである。この目的に対する協定は、アメリカば
かりでなくソ連の利益にもなるであろう。そしてどんな敵対的な国
家でも、こうした条約義務だけは受諾し遵守することを期待してよ
いだろう。だから、われわれは両国の相違点に盲目であるべきでは
ないが、同時に両国共通の利益とこれらの相違点を解消することの
できる方策に注意をむけようではないか。またこれらの相違点を今
すぐなくすことはできないにしても、少なくともこの世界に多様性
が安全に存在することができるであろう」

 彼が言いたかった事は「憎悪と無理解を超えて共に生き続けよう
」と言うことであろう。当時のソ連と今のイラクを同一視はできま
いが、ブッシュ大統領の「アメリカン・スタンダードの押し付け」
はかなりの無理がある。あの頃はアメリカも品があった!??

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発行     2003年2月11日   No.106
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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