メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2008/04/26


 
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  2008/4/26
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第205号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の
社員が本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●初春、屋久島一周自転車の旅       記述:エル・バガブンド

旅を始める切っ掛けは、安房港から買物帰りの道を歩いているのを見た馴染
の居酒屋の主人Mさんが自転車を貸してくれたことである。機械いじりが好き
で色々な取扱い免許を持つ人だけあって、サバイバルレースにも使うような
凝った自転車であり、直ぐに島一周巡りをする誘惑に取り付かれてしまった。

車の試し乗りをして平内から戻る途中に、ブログを通して知り合った趣味
仲間(自転車族等)のKさんに偶然出会い、意向を伝えると自転車の旅に弾み
が付いたことは言うまでもない。
自宅は7時に旅立ち、尾之間で彼女と合流して、小島、平内の沿道沿いを
菜の花や大根の花など黄色や白色の花々に声援され、春の海景色を眺めて
いる内に湯泊を抜けて瞼を開けて閉じる(瞬きする)ような短いと思える間に
早々と栗生港に着いてしまった。

この港は手入れが行き届いているようで清潔感があり、色鮮やかな停泊して
いる漁船団と、沖に開ける青く澄みきった海は思わずガラパゴス島巡りの
基点港であるサンタ・クルス島のアカデミー湾に広がるヨットハーバー
「アラヨ港」を思い起こすほどの美しさである。
栗生漁協に勤めている知り合いのHさんを表敬訪問。
彼女は親切に多忙な時間を割いて、この港の特徴(水揚げされる魚類、
港の整備体制)などの説明をしてくれた。

そして、いよいよ最大の目的地である西部林道へと意気揚々に旅を進める。
林道の入口に延々と続く登り坂は自転車を手押ししながら登ると、色々な
ビュースポットが開けて、そこから見える照葉樹林帯の広がりと樹林の合間
から見下ろす海の景観が見事に均合ってウットリと見惚れさせる自然の美を
造り出している。
岩壁に綺麗に咲く桜つつじや林檎椿も旅の心を和ませてくれるが、林道沿い
に出迎えてくれる屋久猿には眼を合わさぬように無視をきめこむ。

このような光景は車で見るのとは全く異なり、色々なビュースポットの点が
線に繋がることで林道のベールが剥がれて美しい春の素顔を見せてくれると、
何ともいえない感動を覚えるし、その感動をつれと分ち合うことでその感動
も尚更に深まって迫るように伝わってくる。

屋久島灯台を過ぎると林道は下り、一気に坂を下って永田集落に入り
「じゃらい亭」で昼食を取る。
出発して4時間過ぎてしまっても旅の疲れはなく、冷えたお茶を勢いよく
飲み、空腹で食べる食事はことの外に美味しくて、ついご飯のお代わりも
してしまった。
店の若女将(東京から最近Uターン)の元気な声で話すこの地の生活振りの
説明にはメリハリ(現実感が伝わり)があり、又海亀の季節に訪れたい気分に
させてくれる。

一息付けたら今度は北部岩道(山には岩肌が広がる)。風景は一変して、
東支那海の荒波に開ける磯辺に移り変わる海岸線と海の色をした景観と
山岳島に形を変えては絶壁の厳しさを持つ岩肌の景観を伝えてくれる。
これらの素晴らしさと厳しさを併せ持つ地味な地域も、自転車での島巡り
挑戦にとっては、西部林道に次いで挑戦の相手に取って不足のない手応え
である。

それよりも驚かされたこと、それは小柄なKさんの信じられないパワー。
私は借りた自転車の威力で下り坂を一気に引き離していても、平坦部に
なると小さな折り畳みの自転車にいつの間にか追い越されてしまう。
この辺りではともすれば休みたくなる気持も時々起きていたけれど、
そこは痩せ我慢を重ねて何気ない風を装い彼女の後に続いていたけれども、
パワーでは完全に圧倒されている。

屋久島の玄関口(宮之浦)を過ぎる頃は出発時より既に7時間を経過しており、
この頃にになると南国屋久島がその表情を変えて、顔に当たると痛いほどの
雨が降り出してきた。
雨カッパに衣替えをして前進を続けたが、更に強い向かい風が前進を阻んで
いるうえに、往来の車が我々の旅にやきもちを焼くかのように近づいて水を
掛けたりして邪魔をする。

この区間、無情とも思える坂を幾つも登ることになったが、ここが踏ん張り
時だと何かが我々を励ましているようで、厳しい悪条件の中を頑張り通して
小瀬田に着き、「樹林」のコーヒーの香りと店の女将の優しい笑顔に触れると、
目的は達成したという安堵感が体に漲(みなぎ)ってきた。
女将に新しいタオルを貰い濡れた体を拭いて衣類を直すと、いよいよ最後の
コースである安房へ。

出発して9時間半になると体力は消耗しているはずなのに足取りはとても
軽く、途中、閉店直後の茶屋を見付けて抹茶ソフトを食べ抹茶を飲むゆとり
さえ出てきたではないか。
船行を通り越して下り坂を気分よく下り、安房大橋の出迎えを受けると
何時の間にか春牧を過ぎて馴染みの店の明かりが見えたとき、名残惜しい
けども島一周(行程135km、11時間)自転車の旅は終わった。
店に飛び込んでびしょ濡れの衣服を拭き、ジョッキで乾杯、満足感が漂う
何とも言えない良い気分である。

旅の評価は自己採点だけれど“よくやった”である。それよりももっと
もっと評価するのが、小さな自転車で悪条件の中、非力と思われるような
体格の人が、何のことはない無難に挑戦を達成している。
好天は勿論、天気がくずれても、墨絵のような海や口永良部の島影が美しく
雨もまたよし。また新緑や青空の下、西部林道を走りたい気持ちにさせて
くれた島一周であった。


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