メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2007/03/03


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  2007/3/3
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第175号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の
社員が本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●タンカン農園

移住者のTさん(50代)は、地元のAさんにタンカン農園を借りている。
Aさんの手の回らない農園の半分を、年間を通して手入れするという約束で、
無料で借りている。休みの日を利用して、タンカン園の手入れをする。
もちろん、収穫したタンカンはTさんのものだ。Tさんは、そのタンカンを
親戚や友人から注文を取り付けて販売している。収穫し、家に持ち帰り箱詰
めし、屋久島の季節の味を出荷する。

タンカンは誰にでも好かれるミカン類。東京方面でもその名が浸透して来た。
収穫始めは2月上旬頃から。
タンカンの品種は二種類あり、屋久島では、地元の人から「在来」と呼ばれ
る昔からある原種に近い小玉のタンカンが好まれる。理由は、皮は剥きづら
いが甘さが凝縮されているから。しかし、「垂水」という剥きやすい大玉の
タンカンの方が市場では好まれるようだ。果汁たっぷりの、甘酸っぱい濃厚
な味わいのタンカン。糖度は一般的に11度位。

Tさんは語る。「商売というほどではないが、20本の木から約240キロ採れる
から、結構収穫の喜びはあります。夏の草刈など手入れは大変でしたが。
今年のタンカンは裏年ですが、とても甘くて大満足しています。糖度計で、
なんと16度もあったんですよ。すごいでしょう。
規格外で傷がついているものや、極端に小さいものは自分で食べます。
ジュースを作ったり、皮はマーマレードなどにします。農薬を一切使って
いないので、皮まで利用できるのです。
いまタンカンを使って、手作りワインに挑戦中です。ワインイーストは手に
入らないので、パンに使うドライイーストを使います。タンカンをつぶして、
砂糖とドライイーストを入れました。順調に行くと二ヵ月後に出来上がり
ます」
オレンジ色の鮮やかな瓶詰めの中で、何か、プクプク言っている。
出来上がりが楽しみだ。私も味見させていただくことになっている。

Aさんには、タンカンの木を手入れしてくれる人がいて、木を枯らすことな
く維持できるメリットがある。一方、Tさんは、自分のタンカン園を持たな
くても無料で借りられて、タンカンを収穫する喜びを味わえる。
お互い様の関係だ。TさんとAさんは長年の付き合いがあり、信頼関係が
あり、このような形をとっている。


移住して来て、タンカン園をやりたいと思っている人は少なくない。しかし、
それで生計を立てるのは容易なことではない。
その理由を屋久町営農支援センターの方に聞いたところ、移住者の方々は
無農薬、化学肥料を使わない栽培にこだわっている人が多いので、病害虫に
やられてしまうのがひとつの原因とのこと。テッポウ虫、ナガ玉虫、カイガ
ラ虫は、柑橘類につく虫だ。化学肥料をやらないと、栄養不足になったとこ
ろへそれらの虫が追い討ちをかけるようにして、タンカンの木にダメージを
与える。

また、生計を立てるなら1ヘクタール以上ないと、収量が確保できないので
満足な収入にはならない。移住者の場合、先祖代々の土地があるわけではな
いので、一からタンカン園をやるのはとても厳しい。実際に、タンカンだけ
で生計を立てている移住者はいないそうだ。趣味程度や、自家用で栽培して
いる人は多いが。しかし、お茶や花の栽培では、移住者でも生計を立てて
いる人がいるとのこと。

タンカンは、50年ほど前にポンカンの苗木に混じって台湾からやって来たの
が始まりだという。ちなみに、ポンカンは85年ほど前に屋久島へ渡って来た。
食べてみて美味しいので、タンカンの苗木も取り寄せるようになり今日に
至ったわけだ。

屋久町のタンカン農園の総面積は146ヘクタール。上屋久町の50ヘクタール
と比べると、屋久町の方が盛んだ。特に、原集落、麦生集落でタンカン園を
している人が多い。
5年物の木から約10キロのタンカンの実が収穫できる。15年物だとなんと
200キロも。タンカンの木の寿命はおよそ30年と言われている。

せっかくタンカン農園を購入しても、手が回らずに年々一本ずつ、木を枯ら
してしまう人もいるという。移住者の場合、土地を広めに買って庭に数本
タンカンの苗木を植える場合が少なくないようだ。もちろん、タンカンだけ
ではなく他の果物の木と一緒に。
3年物の苗木を買うと、それから数えて3年ほどするとタンカンが収穫でき
るようになる。タンカンの苗木は、多くの場合、農協から仕入れる。5月頃
に注文し、11月頃に植える。1〜2年物の苗が主流で、一本が1,000円位。


移住者で、タンカン収穫のアルバイトをしている人が大勢いる。農協の管理
センターに登録しておくと、手伝いが必要な日にあちらこちらの農家のタン
カン園へ派遣される。移住者に人気のアルバイトだ。
地元のタンカン農家の方々は、今とても忙しい。「屋久島といえばタンカン」
と言われるだけあり、他の産物よりも力が入る。

農協を通して出荷する場合は、キャリーのまま農協へ出すと、選果場で仕分
けされ箱詰めされる。その後に出荷となる段取りだ。
一方、直接市場へ出す場合もある。その時は、自宅にある糖度計で糖度を
測る。一本の木から数個を計ると、その木のだいたいの甘さがわかる。木の
体質によって甘さが違うのだ。また、下敷きに丸く穴を開けたようなものが
ある。それは、その穴へタンカンを通して大きさを選別するもの。
直接市場に出す場合は、仕分けから箱詰めまで自分たちで行う。農協を通す
場合よりは手間がかかる。

当社の管理するタンカン園もいま収穫が最盛期。Tさんが言うように、今年
は裏年で収量は少ないがとても甘い。表年を100とすると裏年は20の割合だ
と言われている。
当社ホームページでタンカン販売を宣伝しているのは皆様ご存知の通り。
無農薬栽培をしており、贔屓にしていただいているお客様には常連の方が
少なくない。

タンカンの収穫が終わる3月中旬を過ぎると、すぐジャガイモの収穫が
始まる季節になる。


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発行責任者  角谷和雄   info@yakushimapain.co.jp
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