メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2006/05/27


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  2006/05/27
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第155号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員
が本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●ヤギとビワ

今年は小粒だがビワの実が豊作。やまぶき色に熟す頃、山からサルがやってくる。
私は毎年、M・Kさんちのビワの実と葉っぱをいただいている。葉っぱは乾燥させ
てお茶にする。
好きなだけ持っていっていいよと言われた。採っても採っても今年は、たわわに実
っている。一本の高齢のビワの木は、枝を四方八方に広げて年々上へ上へと伸びて
いく。

数週間前に、5匹の白いヤギがM・Kさんちにやってきた。本土の友達がワゴン車
の後ろにヤギを詰め込んで長旅で連れてきてくれたそうだ。メス大人3匹、子供メ
ス一匹のオス一匹。子供のオスのヤギは睡眠不足のせいか目が充血していた。ヤギ
はメスオス関係なく角はある。子供のヤギもかわいい角がちょこんと生えている。
一匹だけ角のないヤギは、意地悪なヤギ。角は切られてしまった。意地悪なヤギは
角があると危ないから切られてしまう。角のないヤギは他のヤギを蹴散らかして葉
っぱを食べる。

角のないのは意地悪なヤギ、角のあるのは優しいヤギ、除草作業の仕事が待ってる
これからが本番。うちにも貸し出し予約済みの角のないヤギ。


会社員のM・Kさんは、10年前移住して農業をやりたいと思っていたそうだ。
最近少しずつ夢に近づいているという。

「移住者は農業に興味を持っている人がたくさん居ますが、来てすぐに農業で生計
を立てられるなんてことはありえませんよ。やはりまず屋久島に何年か家を建てる
なり借りるなりして住むのが第一歩ですよ。そして地元に溶け込み農業を本気でし
たいという姿勢を見せてはじめて農地を貸してくれる人や売ってくれる人が出てく
るというものです。段階を踏んで少しずつやるしかないですよ。

移住してきてにわかに農業一本で生計を立てるのは不可能でしょう。私の知ってい
る移住者で農業だけで食べている人は居ないですからね。屋久島はポンカン、タン
カンの果樹栽培が盛んですが、地元の専業の農家の方で家族ぐるみでがんばっても、
台風などが来てがっかりさせられることもあるそうですよ。

私も会社員しながら家庭菜園をし、農村イメージのヤギを飼うことにしました。
最近ポンカン、タンカンの木がついている農地を、縁があって買うことになり本腰
を入れようと思っています。農薬は使いたくないですが、使わないと商品価値のあ
るものはできずらいのが悩みの種です。

他にパッションフルーツなど希少価値の高いものを考えて会社員しながら平衡して
進めて行きたいです。もちろん農業一本ではなく、他も掛け持ちしながらですけど。」
と、現実主義のM・Kさん。


自分が食べるためだけの農業と販売を目的とした農業とではぜんぜん違うというこ
となのだろう。
私の周りでも、農業好きな人は多いけれども、家庭菜園の延長線上でやる分には楽
しみのほうが先に立つが、生活の糧としての農業として考えるときさまざまな問題
に直面する。離島という土地柄、流通、販路、貯蔵なども工夫が必要。

先祖代々の農地があり地元に長年住まれている方々でさえ、自然災害に見舞われた
り病害虫が発生したり農薬散布や、真夏の炎天下での作業など表向きにはわからな
い大変さがあるのが実情。農業は収穫の時期だけが農業だなんてくれぐれも思わな
いように。家庭菜園は簡単だけど農業は難しいのかも。

実はヤギはビワが大好きだった。葉っぱも実も種も、目の色を変えて食べる。木の
下のほうはヤギが、上のほうはサルと鳥が。私は真ん中あたりを取ることにしよう。
角のない意地悪なヤギが私の様子を窺っている。


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屋久島パイン株式会社   http://www.yakushimapain.co.jp/
発行責任者  角谷和雄   kakutani@yakushimapain.co.jp
本      社       東京都千代田区麹町1丁目8番14号
屋久島支店       鹿児島県熊毛郡屋久町原914番地
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