メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2004/09/11


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  2004/09/11
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第111号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が
本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●台風の被害状況

8月29日、ゴーゴーと風が吹き荒れ、台風16号は、午後からいよいよ風がひどく
なり、停電。
犬小屋の中の犬も、不安そうにキョロキョロ。
周りの人に、「今回は大きいぞ、来るぞ。」と言われていたが、「多分大丈夫だろう。」
と、私は勝手に思い込んでいた。
それは9年ほど前に、ひどい台風を経験しているためと、最近台風らしい台風が来
ていなかったせいだ。

29日の夕方、風が強くなり、最大瞬間風速50メートルほど。
10年ほど前の時は、それが70メートル位だったから、私が知っている限りでは、
二番目に大きい台風だ。
停電で電話が使えなくなるとは予測していたが、携帯電話があるから大丈夫だなん
て思っていたが、携帯電話の鉄塔が被害にあったようで、携帯電話すら使えない日
もあった。

おまけに断水。
私の住んでいる地域の水源地は、ゴミが詰まりやすいのかもしれない。
30日の夕方、やっと停電が直り水も出た。
台風が去った後の、吹き返しの風というのもまた強烈。
そのため、交通機関はすぐに回復というわけには行かないのだ。

地元に長年住んでいる方の話によると、台風の性質がおかしい、今までとは何かが
ちがうという。
「長時間台風が居座る、発生してから完全に抜けるまでが長い、港があれほどまで
にやられたのは今までにない。降る雨もそれほど多くなかった。」という。

宮之浦の港と麦生が、大変な被害であった。
宮之浦の方は、フェリー乗り場の待合室の一階が高波を受けた。
塩水に浸かってガラスが割れ、中の備品類が流されてしまったようだ。
麦生は非難のために、陸揚げされていた船が、高波でさらわれた。
台風後、バラバラになってしまった船を呆然と見ている人たち。

年間で最も潮位が高い時期で、大潮と重なった悪条件。
海は波の花が舞い、日本海の冬を思わせた。
波の花はビールの泡みたいに、ふわふわ風に漂う。
フェリー、高速船が欠航。

続いて飛行機も。
船に乗れなかった人たちが、飛行場に殺到した。
キャンセル待ちに300人以上が並び、台風が去った最初の便は、乗れなかった人た
ちが飛行場にあふれた。
屋久島が離島であることを、思う存分味わう出来事だっただろう。

つづいて、9月6日に台風18号。
これは、16号ほどではなかった。
しかし、18号は北海道まで台風が行った。
慣れていない北海道の人は、大変だったという。

私も北海道で長年暮らしていたが、台風を経験したことがなかったので、人事では
なかった。
屋久島は慣れているせいか、人への被害というのはほとんど聞かなかった。
港も今では整備がされ、また穏やかな海になった。

今回の台風で私が気付いたことは、うちは火災保険は入っていたけれど、台風災害
対応のものに入っていなかったことが判明した。
てっきり火災も台風も保険が出ると思っていたが、よく保証書を見てみると、火災
対応のみになっていた。

私の家は、被害はなし。
ドームハウスなので、風にはすごく強い。
しかし、台風などの風水害の保険も、加えることにした。
火事よりも台風のほうが、確率的に多そうだし。

台風がまだ過ぎないというのに、うちの主人がヘルメットをかぶり外へ。
こういうときに、用事もないのに出て行って、怪我をしても、出て行ったほうが悪
いというものだ。
被害状況を、確認したかったのか。
まあ、無事に戻ってきたが。

台風の時は、なるべく外に出ないようにしたいものだが、出て行ってみてみたいと
いう気持ちも、わからないではない。
そんな時は、ヘルメットをかぶっていくと、少しは安心かもしれない。

屋久町の町外れ、Tさんの家は16号で、瓦が数枚飛び、ひさしが一部なくなり、
ベランダがほとんど崩壊した。
Tさんは、台風が去った後の我が家を見て、落ち込んでしまったという。
おまけに、家の災害保険には入っていたのだが、掛け金の関係で、やめてしまった
ばかりだったのだ。

毎年、台風の後は、我が家の写真を、記録に収めているそうだ。
ところが今回の台風は、写真をとる気にもなれないくらいの被害だった。
ところが、台風が去った後の8月31日の朝、眩しい日差しが差し込んできた。
ベランダの崩壊した丸太の木と木の間に、せっせとクモの巣を張るクモを見ていた
ら、元気が沸いてきたとのこと。
蝶々もヒラヒラとんできて、風でなぎ倒された植物に、たっぷりの日が降り注ぐ。

洗濯をし、外に干した。
すがすがしい気持ちになる。
Tさんはおもむろに、壊れた我が家を写真に収めた。
Tさんにとっては、今までで一番ひどい台風となった。
それでも、近所の人が心配して、様子を見に来てくれたり、壊れたところも、日曜
大工の得意な人が、一緒に直してくれたりしたそうだ。

いっぽう、屋久町の住宅が立ち並ぶところに住んでいるSさん。
台風16号で、パソコンと電話をつないでいるルーターが、雷でやられてしまった。
家の保険には入っていたが、家財保険に入っていなかったため、余計な出費がかか
ってしまったと、肩を落としていた。
さっそく家財保険に入る手続きをし、次の台風に備えたそうだ。
家そのものは、全く被害無し。

上屋久町の飛行場の近くに住んでいるNさんは、16号も18号も家の周りに、自動
車を置いた。
家を囲むように。
知り合いに車を数台借りてきて、自分の家の周りを、自動車で塀を作った。
「横殴りの雨風で、家の中に雨が入ってくるし、物が家に当たらないように。おか
げで被害は何にもなかったですよ。停電はしましたけどね。」と、島の位置によって
も風のあたりが違ったため、被害もまちまちだった。



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屋久島パイン株式会社   http://www.yakushimapain.co.jp/
発行責任者  角谷和雄   kakutani@yakushimapain.co.jp
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屋久島支店       鹿児島県熊毛郡屋久町原914番地
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