メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2004/07/17


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  2004/07/17
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第107号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が
本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●風と眺め

平内集落にある、海中温泉近くの海手側、そこは広々しており、前面には海の眺め
がすばらしく、さえぎるものがないところだ。
釣り場としても、地元の人たちの間では、知られるところ。

昔々、そこに住んでいたことがある、地元人の話では、「その場所は、眺めは良いけ
ど、風が強かったな。質素な家だったから、台風のときのことを考えて、集落の中
に移動したんだよ。もう40年以上前のことだが。」

地元に住んでいると、眺めがいいことよりも、風当たりが少ないほうを、重要視す
るらしい。
農業で生計を立てている人などは、風をはじめとする自然現象に、敏感になるから
だろうか。

島の中でも、風当たりが少なくて、気候が暖かいところは、良いところという風潮
がある。
同じ島の中でも、北側に住んでいる人から、「島の南側は、暖かくていいね。」とも
言われるのだから。
島の中だけで比べると、そういわれるのも無理はないのだが。

屋久島よりも、もっともっと北側の方から来た人にとっては、地元の人が言うほど
のことは、感じないかもしれない。
風が強い、弱いという感じ方は、個人差があるし、風が強いことに対してのデメリ
ットって、いったいなんだろうと考える。

確かに、台風のとき風は強いが、その場から逃げることが出来ない農作物が、被害
にあうということはあるようだが、それ以外には余り思い浮かばない。
せいぜい、瓦が飛ぶ程度か。
風が強いと、冬などに寒いと感じるのが嫌だ、というのもあるかもしれない。

私は北海道で、真冬の吹雪や嵐を経験して生活してきたため、屋久島の冬は、北海
道と比べると、暖かく感じるし、風も心地よいと感じ、風が強いなどと感じたこと
は、台風以外では、ほとんどないというのが私の意見だ。

確かに移住者は、眺め、特に海の眺めを重要視して、土地を選ぶ傾向が強い。
私もそうだ。
台風のとき、風が強いのは、いたしかたがないとしても、普段生活が出来ないくら
い風が強くて、住むことが困難というところは、島にはそう多くはないと思う。

実際、わたしが生活していて、風が強くて自分自身が困ったと言うことはない。
ただ、小さい木の苗を植えたばかりの時、大風が来て、倒されたことはあるが。
風と眺めの問題は、人によって、考え方がぜんぜん違う。

地元の人は、眺めは二の次で、風の当たらないところが好きなよう。
移住者は、多少風当たりはきつくても、眺めのいいところが好きなよう。
たまに、「風当たりが少なくて、眺めが最高にいいところが希望。」と、矛盾した事
を言う人がいるのだけれど、現実的に考えて、それは難しいと思う。

さて、その平内の土地に、私立の通信制課程高校ができるという話が、持ち上がっ
ている。
県の学事文書課での話によると、9月に審議会で、再度協議するという。
学校が新設されるかどうかは、まだ先の話で、時間がかかりそうだ。
屋久島らしい野外体験を生かして、環境教育を盛り込むというものだ。
全国から募集して、2000人が入れるくらいの規模という。

少子化が進んでおり、他の学校の生徒が流出することを懸念して、学校設立に反対
の意見もあるだろう。
児童手当が、平成16年4月から小学校3年生まで拡大されるなど、少子化対策の
歯止めになるかどうかは疑問。

子供のいない私が、少子化のことを、あれこれいうのも、肩身が狭い話ではある。
しかし、児童虐待で子供が殺されたニュースを聞くと、少子化以前の問題だと思う。
学校などでは、生徒数減少で頭を悩ませている学校もある一方、工夫を凝らした授
業内容の学校に、人気が集中していると言う一面も。

屋久島という、土地柄を生かした教育の仕方に、興味が沸く。
屋久島の大自然の中で、のびのび、それだけでも、教育環境には良いと思う。
眺めが良くて、海中温泉に近い。
まるで、リゾート地に滞在する気分で、スクーリングが出来るなんて、生徒にとっ
ては、素敵な話ではないだろうか。

何かと疲れている今の子供たちに、屋久島が、癒しになればとも思う。
しかし、学校を設立するまでには、解決されなければならない問題も、残されてい
るようだ。


盛夏。
風よ、もっと吹いておくれと、望まずにはいられないほど、今年は猛暑なのである。


「ナナフシ」http://www.yakushimapain.co.jp/a2004nanahusi.htm


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発行責任者  角谷和雄   kakutani@yakushimapain.co.jp
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