メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2004/07/03


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  2004/07/03
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第106号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が
本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●Aさんの借家論

梅雨明けを思わせる、青い空。
これから夏本番を迎えるが、夏ばて予防にお勧めなもの。
それは[塩らっきょう]、一度食べたら、癖になるおいしさ。
甘酢らっきょうではなくて、塩らっきょう。

塩味の中にも、わずかな甘みが格別。
塩と水を煮立てて、酢をすこしいれる。
その食塩水に、2週間くらい漬け込むだけ。
保存も利く。
少々きつめの塩加減でよい。

食べるときに塩出しして、別に作っておいた甘酢の液に漬け込んで、食べても良い。
塩らっきょうは、夏をのりきる食べ物。
酒の肴にも、相性抜群。
今時期から、食べ始めているようだ。
移住者のAさんは、塩らっきょうを食生活に取り入れているだろうかと、気になっ
ている。


今回は、Aさんが書いてくださった、借家論をご紹介。

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私は今、屋久島で借家に住んでいます。
以前、屋久島で借家に住んでいたことがある人から、「屋久島は、借家に住めても、
一年くらいですぐに出て行かされた。借家を転々として、結局行くところがなくな
り、やむなく実家に帰った。」と、愚痴を聞かされたことがありました。
私も、屋久島に来る前はどうしてだろうと思っていました。
借家が少ないということはわかっていましたが、なぜ借家に長い間住むことが出来
ないのか、不思議に思っていました。

都会では、長く借家に住んでくれる人に貸したがるけれど、屋久島の場合は、逆だ
と言うことがわかりました。
長く住めば、煙たがられるのはなぜか。
それは、人に貸すための家ではなく、一時的に短い期間であれば、今は空いている
ので、それでもよければ貸します、ということからだと思います。

住むところがなくて困っている人がいれば、「今あいているから、少しの間なら貸し
ましょう。」と、親切に言ってくれる地元の方もいるでしょう。
「お金をかけて手直ししてまでは、貸すことは出来ないけれど、現況でよければ貸
しましょう。」と、言う方もいるかもしれません。

お言葉に甘えて借りて住んでいると、「そろそろ出て行ってくれないかな。」と、言
われ、自分は何も悪いことをしていないのに、どうして追い出されるのだろうと言
う気持ちになります。
追い出されるという表現は、言葉が悪いが、告げられた側からすれば、そう感じる
かもしれません。

しかし、借家生活にどっぷり浸って、「どんなところでもいいから、貸してくださ
い。」と、その時は言っても、「こっちが汚いから直してくれ、家賃を安くしてくれ、
一年で出るつもりだったがお金がないし、行く所もないから、ずっと貸してくれ。」
と、職にも就かずにそう言ったら、大家さんも追い出したくもなると思います。

相手の立場になって考えてみると、見えてくるものは多くなり、私が思うに、都会
の人は権利だけを主張するから、地元の人とかみ合わなくなったりするのだと思う。
都会で生活していて、染み付いてきた考え方を持ち込むと、そんなつもりはなくと
も、ギクシャクしていってしまう。

借家事情を、都会と比較するだけではわからない、実際の体験からわかってくるも
のもあります。
借家の話はいろいろ聞いていますが、一箇所の借家で何十年も住んでいる人という
のは聞いたことがありません。
おそらく、最初は借家でも、その後、家を建てる人もいれば、引越しばかりで嫌に
なって、実家に帰ってしまう人もいます。
永くこの地で生きていこうと思うなら、自分の持ち家を持てるように努力したほう
がいいように思います。

お金に余裕があっても、借家のほうが気楽だからと考えている人がいれば、大家さ
んの立場なら、住みたくとも住めないと、本当に困っている人に貸したいと思うよ
うになるし、また持ち家率の高い屋久島の住宅事情をわかっていないと思います。
移住を考えている人の中には、常に借家の情報収集で右往左往している人が後を絶
たないと聞きました。

特に、とりあえず、住んでみようという考えの方が多いようです。
またそれくらいの執念がないと、屋久島に住むことは、難しいとも言えます。
ある程度の家賃の値段なら、待てばチャンスは巡ってくるのでしょうが、安くて綺
麗で、一生そこで過ごせるというのは、ありえないと思います。
住宅事情の現実を知った上で、贅沢を言わずに、地域の人と融合を計りながら、日々
常に感謝と努力を忘れずに暮らしていきたいです。
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以上でAさんの借家論はおわり。

Aさんも早く家を建てることができたらいいなと思う。
10年前の私自身の気持ちと重なった。



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発行責任者  角谷和雄   kakutani@yakushimapain.co.jp
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屋久島支店       鹿児島県熊毛郡屋久町原914番地
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